数学(大学受験)

登録日:2010/02/01(月) 15:18:38
更新日:2025/04/25 Fri 22:02:39
所要時間:約 8 分で読めます




本項目では大学受験での数学について解説する。


証)
国公立大学を志願する場合、センター試験は文理を問わず数学が必要な大学が非常に多い。
二次試験では理系はほぼ全てで、文系は一部難関大学で課せられる。
対し私立志願の場合には、理系はほぼ全て数学が課せられるが、文系は稀である。
だが文系難関大学では数学を選択できる場合もあり、数学が得意な生徒には非っ常に有利になる。特に選択科目は得点調整される事が多く、社会の平均点は高い一方数学の平均点は低い傾向にあるため、得点調整で大きく点が上がることがある。

よって、センター試験でほとんど全ての受験生は数学から逃れられず、
二次試験は、理系はある程度数学が出来なければ合格が遠退くことはもちろん、文系にとっても難関大学の壁に成り得る。

しかしながら数学はその難解な論理性や、実益にそぐわないように思える思弁的な面などから受験生に敬遠されがちな科目であり、多くの受験生を悩ませている。

文系の人で数学が嫌いだから文系になったという人は驚くほど多いし、理系の生徒の悩みの種も専ら数学であることが多い。
ゆえに、受験数学は受験業界でも常に主流で、受験数学の参考書は良書悪書含め、腐るほど世に出回っている。

しかし、もし数学さえ攻略できれば合格への道はグッと近づく。志望校のランク上げさえ夢ではない。

では如何にして攻略するべきか。

ズバリ、(i)パターン暗記と(ii)思考力訓練である。

(i)受験数学は一見バリエーション豊富に見えるが、実はある「基本パターン」の類題や組み合わせがほとんどである。
(∵薄っぺらい教科書を踏まえて作られる受験数学には限界がある)

従って基本パターンを完全暗記すれば、大抵の問題は片付く。
たまに「知らないと思いつけない」解法をとる問題もあり攻略するための足掛かりともなろう。


(ii)しかしながらある程度の思考力がなければ(i)を適用できないし、今までにない新しいタイプの問題もやはり毎年出てくる。

思考力を鍛えるには、普段から直接答えを見たりせず、
愚直に一問一問「どうして解けないのか」「他に解法はないのか」とかの『しっかり考える』本来の学問の在り方が要求される。

これをないがしろにしては根本的実力は養われず、いくらパターン暗記を続けても成績は頭打ちに収束するだろう。
極論、何も暗記しなくても強靭な思考力があれば数学攻略の十分条件となる。

しかし思考力は明確に図れるものでなく、直ぐに獲得されるものでもないために、模試の点ばかり気にする即物的受験生はないがしろにしやすい。
だが、数学は地力の試される分野のため、理解すれば多少期間を置いても点が下がりにくく、他人との差も付けやすい分野である。
故に、地道に勉強し、確かな実力を付けば受験において強力な武器になるのである。


学習方針は基礎を固めた上で応用パターンを見ていくという当たり前の方法が最適である。

基礎を延々と学習するのは面倒だろうが、数学は基礎があってはじめて問題に対応出来ると言って過言ではない。
数Ⅲも数ⅠAⅡBCをしっかりこなしていけば計算が面倒なだけにしか感じない問題も多い。
∴基礎を軽視すればするほど数学が苦手になっていくだろう。

どのような出題内容、心理状態、難易度にも左右されずに点をとるには、学問の本質を忘れない日々の地道な勉強が肝要である。

■出題パターン
数ⅠA
数ⅠA・ⅡBC
数ⅠA・ⅡBCと数Ⅲ

『いちエー』とか『にビー』とか繋がって言われたりするが本来は『数Ⅰ』『数A』と独立した科目である。
『ⅠA』と『ⅡBC』は大抵セットで出題され、『Ⅲ』のみ問題用紙が別と言う事もある(国公立文系が『ⅠA』『ⅡBC』を使うため)
『数C』は2012年に指導要領から外されたが2022年に復活。ベクトルが『C』に移動したことにより、共テに旧数Ⅲの「複素数平面」「二次曲線」が出題されるという異例の事態に(ゆとりの前の詰め込み教育時代は文系もこの2分野を学習したので、センター時代を含め約20年ぶりの復活となる)。



■大学入試における数学の特徴

  • 大学入学共通テスト(旧:センター試験)
文理共通で数ⅠA、数ⅡBCを70分で解く。
IAの大問は4つ。ⅡBCの大問は7つであり、大問4以降は「数列」「統計的な推測」「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」の4分野から3つ選んで解く選択式となっている。それぞれ計算力を要するが基本誘導付きなので、大体60分掛けたら全部解くことが可能。
ただし2012、2015年の『ⅡB』、2022の『IA』のように年によってはえげつないときがある。


  • 二次試験
制限時間は共テより相対的に長め。大体が記述式だが大学(私立とか)よってマークや穴埋めなどがある。
基本的に共テと違い満点を狙う必要もなく、大体6割あれば合格ラインに達する。大事なことは易問か難問かを見極め、取れるところから取ることである。


  • 出題範囲
『I』『Ⅱ』『Ⅲ』は指導要領においてコア科目と位置付けられているので、当然全ての分野が出題される。
『A』『B』『C』は大学によって異なるが、
『A』・・・「場合の数と確率・図形の性質(平面図形のみ)」or「場合の数と確率・図形の性質(平面図形のみ)・数学と人間の活動(整数のみ)」
『B』・・・「数列」or「数列・統計的な推測」
『C』・・・「ベクトル」or「ベクトル・平面上の曲線と複素数平面」
というパターンが殆どである。

『A』の「図形の性質」のうち作図・空間図形、「数学と人間の活動」のうち座標の扱い方・数学史・数学的なパズルやゲーム*1
『B』の「数学と社会生活」の全分野(数学を用いた考察の方法・社会で用いられている数学*2・回帰分析の基礎)、
『C』の「数学的な表現の工夫」の全分野(データの表現方法の工夫*3・行列の初歩の初歩の基礎的な演算*4・離散グラフ)はほぼ出題されないと見て良いだろう。
また、『B』の「統計的な推測」も国立大学は出題範囲外の大学が多い。*5但し、私立(特に理系)では範囲内としてる大学が多いため注意*6


ついでに大学入試で数学の難易度が高いと言われているのは


東工大
京都府立医大
東大
京大
阪大
名大
一橋
東北大

あたりである。




■注意事項
定義に沿った正しい使い方であれば外積や行列など大学の範囲の数学を使っても問題ない。但しロピタルの定理のように厳密な成立条件がある定理を使う際には要注意。

教授の中には予備校や塾で教わる特殊なテクニックを嫌う方がいるので注意してください。








以上により、追記、修正が必要であることが示された □

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年04月25日 22:02

*1 三目並べ・数当てゲーム・魔方陣など

*2 議席配分方式・偏差値・調整平均など

*3 パレート図・バブルチャート・モザイク図などの特殊なグラフの活用

*4 現在の指導要領では逆行列・転置行列すら発展扱いである

*5 有名な所だと東大、名古屋工業大学などが出題範囲としている

*6 実際2025年度の慶応医・薬学部で出題された