大学入試センター試験

登録日:2020/07/11 Sat 13:40:18
更新日:2024/10/07 Mon 11:17:35
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大学入試センター試験(だいがくにゅうしセンターしけん)とは、国公立大学を志願するほとんどの受験生にとって、人生で最大のイベントとなる日本最大級の試験である。

概要

1989年(平成元年)まで実施されていた大学共通第1次学力試験(共通一次)の後継の試験として、2020年(令和2年)まで実施されていた。
文部科学省所管の独立行政法人大学入試センターが実施する試験であることから、センター試験と呼ばれているのである。

例年、1月13日以降の最初の連休(土曜日日曜日)の2日間を使って行われる。試験会場は多くの場合、受験生が住んでいる地域またはその近くにある大学となる。一部の高校や予備校が会場となることもある。
センター試験の時期は例年、雪がたくさん降ることが多いため、警察官がパトカーで受験生を会場まで連れてってくれたり、交通機関(鉄道、バスなど)の遅延のおかげで開始時刻と終了時刻が通常より遅くなることもしばしばある。

すべての教科、科目でマークシート方式となっており、国公立大学の二次試験や私立大学の個別試験のような記述式の問題はない。
また、数学以外は多肢選択式となっているため、選択科目の欄の塗り忘れや、全くの白紙提出でもない限り、0点はほぼありえない。適当に答えても(100点満点で)20点くらいは取れているものである。

国語以外の教科はすべて事前に科目選択が必要となる。選択科目の欄を塗り忘れた場合、問答無用で無効となってしまうため要注意(だって特定作業面倒くさいんだもん…)。
例外として外国語のみ救済措置があり、選択科目を塗り忘れていたら英語として採点してくれるかも?

数学の職業系専門科目(簿記会計、情報関係基礎)と、外国語の英語以外の科目は、通常の問題冊子とは別に問題冊子がある。別冊の問題冊子は、受験生が事前に申請しなければもらえない。

例年、各科目とも平均点が6割前後(100点満点なら60点前後)になるように問題が作られているが、年度や科目によっては想定より大きくズレてしまうこともある。

国公立大学の志願者はほぼ全員がセンター試験を受験することになるほか、今は一部の私立大学でもセンター試験の一部科目の成績を利用することがある。

2020年(令和2年)を最後にセンター試験は終了することになり、2021年(令和3年)からは大学入学共通テストが実施される。形式そのものはセンター試験とあまり変わらないが、出題傾向が変わって難易度が上がる(平均5割が目安)予定である。

受験パターン

国公立大学の場合、ほとんどの志願者が国語数学2科目外国語(英語など)が必須で、これらに加え、理系は理科2科目地歴公民1科目が、文系は理科1科目地歴公民2科目が必須となることが多い。素点方式だと5教科(地歴と公民を別教科としてカウントするなら6教科)7科目950点満点になる(ただし多くの場合、英語は素点で250点満点なのが200点満点に圧縮されるため、900点満点となることが多い)。
ただし東京外大のように数学が1科目だけでOKな大学や、一部の体育系や芸術系の学科のようにそもそも数学や理科が不要な大学(私立文系型と呼ばれる)や、文系でも地歴公民が1科目のみでOKな大学もある。ただし、このように科目数が少ない場合は、ボーダーラインはかえって跳ね上がってしまうため、その分ほかの科目で高得点を取らなくてはいけなくなるため注意が必要。

国公立大学の合格を目指す人は、最低でも5教科7科目で6割以上、できれば7割以上の得点がほしいところである。もちろん、難関国公立大学を目指す人は8割以上とってほしい。東大や医学部医学科を目指す場合は9割を目標にしたいところ(東大や上位医学科の合格者の平均得点率は9割程度である)。
前述の通り受験者の平均得点率は6割とされるが、これだと「満点近く取るのもあまり難しくない」と思われるかもしれない。
しかし「大学入学を志す受験生」の平均点であるため、母集団のレベルはそれなりに高いので、油断せずにしっかりと対策をしておきたい(毎年、この試験の出来具合で多くの受験生が大学の出願先変更を迫られることになる。)
全教科高得点獲得は言わずもがな至難で、東大や難関医学科の受験生でも何問かは間違えるのが普通だが、2018年にはついに東大理科一類の受験生で900点満点獲得者が現れた。

私立大学のセンター試験利用入試では、理系は数学2科目、理科1科目、外国語の3教科が基本となる。しかし医学部医学科では理科2科目が必要となる。
また、あまり偏差値の高くない私立理系だと、数学が1科目だけでOKな大学や、外国語が不要な大学もたまにある。

私立文系は国語、英語が必須で、残りは数学1科目または地歴公民1科目のどちらかを選択する3教科受験が基本。ただし早稲田など上位校では数学受験する場合は2科目が必要になることもある。

ちなみに私立のセンター利用では、一般入試(個別試験)に比べて合格ラインが大きく跳ね上がってしまう場合が多いため、注意が必要(応募者が多い上に枠が少なめなため)。第1志望であれば一般入試枠を推奨する。
参考までに。センター利用のボーダーラインは、日東駒専・産近甲龍は最低でも7割5分以上は必要(人気学部なら8割でも厳しい)、MARCH・関関同立なら最低でも8割以上(人気学部なら8割5分でも厳しい)、早稲田(文系)や私立医学部に至っては9割以上が必要なのである。
センター試験の平均点は例年6割前後だから、センター利用だと日東駒専・産近甲龍ですら難関大学と化し、MARCH・関関同立や早稲田に至っては超が付くほどの難関大学となるのである。
なお私立大学の場合、入学試験でセンター試験の利用を認めるかどうかは任意であり、大学ごとに決められている。慶應や上智大学などはセンター利用入試を実施していない。また早稲田は文系ではセンター利用を認めているが、理工学部では認めていない。

センター試験の利用パターン

入学試験でセンター試験の成績をどのように利用するかは、各大学によって異なる。
が、大まかに分けると以下のようなパターンが存在する。

センター試験単独入試

センター試験の成績のみで合否を判定する(勝負が決まってしまう)タイプ。私立大学のセンター利用入試はほとんどこれ。
国公立大学でも後期日程だとこのパターンがときどきある。

このパターンの場合、センターのボーダーラインが恐ろしく跳ね上がってしまう場合が多いため注意が必要。
(特に私立や一部の国公立では科目数が少なくなるため、なおさら注意が必要である。)

センター試験、二次試験併用型

センター試験の結果と、二次試験の成績を総合的に評価して、合否を決める。ほとんどの国公立大学はこのタイプである。また、ごく一部の私立大学でもこのタイプが採用されているところもある。
あまり偏差値の高くない国公立大学はセンター重視のところが多いため、センター試験で失敗すると逆転は難しくなってしまうことも…。
逆に旧帝国大学東大京大東北大など)や一橋、東京外大など難関国公立大学では二次試験の配点比率が高いため、センターで高得点を獲得できても油断は禁物。

大学によっては素点方式ではなく傾斜配点が設定されている場合もある。
例えば東京外大では外国語(英語など)の配点が、一橋大学社会学部では理科の配点が非常に大きくなっている。

また、大学によってはセンター試験で基準点以上に達していない場合、そもそも二次試験を受験することすらできず、出願した時点で不合格が確定してしまう場合もある(足切り)。
東大や国公立医学部には足切り制度がある。おそらく記念(冷やかし)受験者を排除するためか、二次試験の受験者数を試験場の定員に収めるためと思われる。

センター試験独立型

センター試験を足切りのみに利用し、基準点に満たなかった受験者を排除した後、二次試験の成績のみで合否を決めるタイプ。

このタイプの代表的な大学は東工大である。
東工大では国語と地歴公民はセンター試験でのみ課されるため、国語と地歴公民は足切りを突破できる程度に程々だけ勉強し、二次試験でも課される数学や理科(物理、化学)、英語を徹底的に勉強するというのが東工大入試の攻略法である。

出題科目

各科目に記されている配点(満点)は素点方式の場合である。大学によっては傾斜配点を設けて特定の科目の配点を大きく上げていたり(例えば東京外大では外国語の配点がかなり大きくなっている)、逆に特定の科目の配点を圧縮していることもあるので、詳細は自分が志願する大学の募集要項を調べてほしい。

国語

試験時間は80分。満点は200点。
現代文古文漢文が出題され、素点方式だと現代文100点満点(評論50点、小説50点)、古文50満点、漢文50点満点である。
採点対象は大学によって異なる。

現代文は読書習慣がある人は長文読解はそこまで苦痛ではないが、そうでない人はえらいことになる。少なくとも、[[アニヲタWiki]]を読み漁っているだけでは文章力は身に付かん。
古文・漢文は現代文よりは満点を取れる可能性が高いが、過信は禁物。

国公立大学と私立文系ではほぼ全ての大学で必須教科となっている。


1997年(平成9年)~2005年(平成17年)は国語Ⅰと国語Ⅰ・Ⅱに分かれており、大多数の受験者が国語Ⅰ・Ⅱを選択するため、間違えて国語Ⅰを解かないように注意しなければならなかった。


かなり余談ではあるが現代文において独特の題材が出典となる事が多く、毎年何かと話題になる。
「スピンスピンスピン」「おほほほほほほほほほほ」「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ」「たま虫ですよ!」等など……
全文を青空文庫で読める作品も多いため、興味を持ったら試験後に読んで見るのも一興かもしれない。

数学

数学は1科目目(進学校のカリキュラムの1年生相当)と2科目目(進学校のカリキュラムの2年生相当、または職業系高校の専門科目)に分かれている。

国公立大学の志願者は文系理系関係なく、ほとんどが2科目を選択することとなるため、国語や英語と同様に重要教科である。
学校によっては全く必要無いところもある。やったね!

他の教科のような多肢選択式の解答形式ではないため、適当に答えを選んでもまず当たらない。他の教科は選択科目の欄の塗り忘れや、全くの白紙提出でもない限り、0点はほぼありえないが、数学はガチで0点取る可能性が他の教科より高い。

問題は誘導形式になっているため、途中で解けない問題があると、その先が全く解けなくなる、なんてこともある。

また、数学は他の教科よりも事故が多いのも特徴。
よくあるのが、選択科目の欄では問題冊子の後半にある数学1Aや数学2Bをマークしていたが、問題冊子の前半(数学1単独、数学2単独)を解いてしまったため、点数が大幅に下がってしまった、という事例である。ベタなミスだけど、洒落にならないレベルでおっかない
あと多いのが、分子と分母を逆に答えてしまって不正解、というパターンである。


試験時間は60分。100点満点。

数学1単独、または、数学Aを合わせた数学1Aのどちらかを選択することになるが、ほとんどの受験生は数学1Aを選択する。

数学1単独での受験はあまり推奨されない。
なぜか?数学1単独だと出題範囲が狭い分、深く突っ込んだクセの強い問題が出ることが多いからである。
また、そもそも数学1Aしか認めないという大学がとても多いのが現状である。

数学1は全問必須解答だが、数学Aは3つの大問のうち2つを選択する形式となっている。

理系や国公立文系の場合、ぜひ高得点を狙いたい科目である。後述の数学2Bよりは明らかに簡単である。おそらくセンター試験全教科の中で最も満点を狙いやすい科目であろう。平均点は6~7割の年が多いが、時に牙を剥いて5割前後にまで落ちることも。

私立文系の場合でも数学1Aだけでもやっておけば、行ける大学が増えて有利になる。そのため、苦手だからといって数学を完全に捨ててしまうのはオススメしない。

ちなみに意外にも、平均点は数学1単独よりも数学1Aのほうが高い。これは単純に受験者全体のレベルが違うため。
数学1単独の受験者層は数学1Aのそれより低い。

  • 数学(2科目目)
試験時間は60分。100点満点。

数学2単独数学2B簿記会計情報関係基礎の4科目が用意されているが、簿記会計と情報関係基礎は事前に申請しないと問題冊子(別冊)すらもらえない。

通常の問題冊子では前半が数学2単独、後半が数学2Bの問題になっている。
数学2は全問必須解答で、数学Bは選択問題になっている。多くの受験生は数列ベクトルを選択して解答する。

当然ながら数学1Aに比べて難易度が大幅に高くなっている。平均点は2002年(平成14年)~2020年(令和2年)の間は一度も60点を超えることはなかった。

数学2単独や数学2Bの代わりに、職業系の学科の出身者向けの科目として、簿記会計情報関係基礎も用意されている。ただし、これらの科目は多くの場合、実際に高校で履修していた人じゃないと選択できない。そのため数学2を履修しないことが多い職業系高校のための救済措置とも言える。

昔は工業高校生向けに工業数理基礎という科目もあったが廃止された。

外国語

200点満点。ただし英語のみリスニングがある関係で素点が250点満点となっている。
しかし、ほとんどの大学では英語の配点を素点の250点(筆記200点、リスニング50点)満点とすることは少なく、他の科目と同じ200点満点*1に圧縮することが多い。

  • 外国語(筆記)
試験時間は80分。満点は200点。
英語フランス語ドイツ語中国語韓国語の5科目から1つ選択して解答する。
…ことになっているが、日本人の受験生のほぼ全員が英語を選択しているのが現状である。
というか他の4言語はそもそも事前に申請してないと問題冊子すらもらえなかったりする…。

例年、英語に比べて、他の4言語の平均点が異常に高くなっているが、これはフランス語や中国語などは在日外国人や帰国子女などネイティブスピーカーの受験生が多いからである。この件に関しては批判も多い。

問題のレベルは実用英語技能検定2級と同じくらいとされている。そのため、英検2級に合格できるくらいの英語力を身に付けていればそれほど苦労はしないと思われる。
ただ、英検準2級ギリギリ合格程度では正直センター英語でまともな点数を取るのは難しい。

国公立大学や、中堅(日大レベル)以上の私立大学はほとんどが外国語(英語など)を必須科目としているため、文系理系関係なく重要教科である。

ちなみに外国語に限り、選択科目の欄を塗り忘れてしまっても、別冊の問題冊子(英語以外の問題冊子)を申請していなければ、英語として採点してくれる。
勿論、別冊の問題冊子を申請した場合は選択科目を塗らなければ0点になってしまうので注意。

  • リスニング
筆記で英語を選択した場合のみ課される。試験時間は60分。*250点満点。

問題のレベルは英検2級と同じくらいと言われるが、センター試験のリスニングは音声を2回読んでくれるので、英検2級よりは気持ちは楽かもしれない。
ただし、Patに気を付けろ!

大学によっては英語は筆記のみ採点に利用し、リスニングを除外するところもあるが、そのような場合でも英語を選択する場合は筆記だけでなくリスニングも必ず受験する必要がある。
筆記のみ受験してリスニングをすっぽかした場合は、筆記を含めた英語自体の点数が無効となる。
ただし重度の難聴の人はリスニングの受験が免除される。

昔はセンター試験にはリスニングがなかったらしいのだが、「大学進学を目指す高校生には実用的な英語力を身につけてもらいたい」ということで2006年から追加されたのである。

理科

科目選択パターンとしては「基礎2科目」「発展1科目」「発展1科目と基礎2科目」「発展2科目」の4パターンがある。
国公立文系では「基礎2科目」または「発展1科目」が多く、国公立理系では「発展1科目と基礎2科目」または「発展2科目」が主流である。
一部難関国公立大学の理系では基礎科目を認めない場合が多いため注意が必要。
国公立文系は東大を含めほぼ全ての大学で「基礎2科目」が認められるので大丈夫。

同一名称を含む科目を2科目を選択すること(例えば、物理基礎と化学基礎を選択して、発展グループでも物理を選択する、など)はほとんどの大学では認められないので注意。


私立文系では理科はほぼ不要。


  • 理科(基礎グループ)
物理基礎化学基礎生物基礎地学基礎の中から必ず2科目選択して解答する。1科目のみ選択することはできない。

どの科目も後述の発展グループの同一名称を含む科目よりは明らかに簡単である。だって基礎だもの

試験時間は2科目合わせて60分。1科目あたり50点満点(2科目で100点満点)。

  • 理科(発展グループ)
物理化学生物地学(地球科学)の中から1科目または2科目選択して解答する。

どの科目も全問必須解答ではなく、数学Aや数学Bと同様に選択問題がある。

国公立文系なら1科目、国公立理系なら2科目が基本である。


一般的に物理は覚えることが少なく、計算問題が多いと言われる。物理は数学が苦手だと厳しい科目だが、逆に数学が得意なら相乗効果で高得点を狙いやすい科目でもある。
生物は計算問題は控えめだが、覚えることがとにかく多く、後述の地歴公民の世界史Bに匹敵すると言われることも多い。また、時事問題などもあるため、高得点を狙いにくいとも言われる。
化学は物理ほど計算要素は多くないが、その分、生物ほどではないが暗記要素が強い。

文系の受験生の多くは生物か地学を選択する。一般的に暗記が得意なら生物が、そうでないなら地学が推奨される。
一応、物理や化学も選択可能ではあるが、理系クラス出身者が文転した事例などを除き、きわめて稀である。しいて言うならば、文系でも数学が得意なら物理もアリだが、化学は暗記、計算問題ともに多いため(文転した理系クラス出身者を除いて)文系にはまず勧めない。
ただ、正直なところ、文系の場合、東大を含めほぼ全ての大学で先述の基礎2科目の受験が認められるので、よほど生物などに自信がある場合を除けば、正直、基礎2科目で勝負したほうが良いかも…。

国公立理系の場合、化学が必須で、もう一つは物理または生物にするのが王道パターン。
…ただ、工学部の機械系や電気電子系などを筆頭に、化学と物理しか認めない学部学科がとても多いのが現状である。そのため多くの進学校の理系クラスでは化学は必修で、選択科目は物理にする人が大半を占めており、生物選択者はきわめて少なくなっている。
生物は医療系の学部や農学部など生命科学系統では認められることが多い。しかし、医療系などでも物理は使えるので、正直、数学が得意ならば相乗効果で高得点を狙える物理にしたほうがベターである。特に難関大学や医学部医学科などでは二次試験の生物が恐ろしい難易度を誇る(教科書レベルを遥かに超越したマニアックな知識が要求されることも)ため、なおさら物理選択が有利となる。
理系で地学を使える大学はほとんどない。医学部ではほぼ使えない。そのため、進学校の理系クラスでは地学の授業が開講されてないことが多い。

今は廃止されたが、かつては一部の国公立医学部で、センターで選択した2科目とは別に、二次試験ではセンターで選択していない科目を選択させることで、理科3科目の受験を課したところもあった。
(例えば、センターで化学と生物を選択し、二次試験では物理を選択する。)

私立理系は国公立文系と同じ1科目の場合が多い。やはり化学または物理が主流で、生物はややマイナー、地学に至っては超マイナー科目である。
ただし医学部医学科では難関国公立理系と同じ2科目が必須となる。物理、化学、生物の中から2科目選択する。

満点は1科目あたり100点、2科目選択した場合は200点となる。試験時間は1科目60分で、2科目選択した場合は120分となる(これとは別に1科目目の答案回収と2科目目前の注意事項説明がある。)。

選択科目の欄を塗り忘れた場合は採点されない。また、2つ以上(物理と化学など)塗った場合もどの科目か判断できないため採点しない。


ちなみに平均点は物理と化学は高めで、生物と地学は低めになっている。これは物理と化学は理科に強い理系の受験者が多く、逆に生物と地学は文系の受験者が多いため。

2014年(平成26年)までは物理化学生物地学(地球科学)理科総合A理科総合Bの6科目が用意されていた。



地理歴史・公民(地歴公民)

高校のカリキュラムでは地歴と公民は別教科扱いになっているが、元々は同じ社会科であったことから、大学受験では事実上の同一教科として扱われる。

全部で10科目が用意される。地歴からは地理B世界史B日本史B地理A世界史A日本史Aの計6科目が、公民グループからは現代社会倫理政治経済倫理政治経済(倫政)の計4科目が出題される。

地歴のB科目と倫政は4単位の重量科目であり、地歴のA科目と倫政以外の公民科目は2単位の軽量科目である。

地歴のA科目は使えない場合が多い。また、使える大学でも「地歴A科目を実際に高校で履修していた場合に限る」など制約がある場合が多い。これは高校で重量科目の地歴B科目を履修していた生徒が、受験の際に軽量科目の地歴A科目に逃げられないようにするための措置とも言われている。
逆に言えば、地歴A科目が認められる大学では、高校で地歴A科目を履修していたような場合は有利であるとも言える。特に商業高校や工業高校などで大学進学を希望する場合は、普通科と違って地歴B科目を履修していない場合が多いため、数学の簿記などと同様に、職業系の高校の生徒のための救済措置であるともいえる。

倫政は公民で唯一の4単位科目であり、地歴のB科目に相当する重量科目である。倫政は倫理と政治経済の内容をそのまま合体させた科目である。なお現代社会は政治経済と倫理を足して2で割ったような科目であるため、倫政は現代社会の完全上位互換であるとも言える。
旧帝大一橋大学など難関国公立大学では、文系理系関係なく、公民科目は地歴B科目とほぼ同等の扱いである倫政しか認めない場合が多い。

1科目あたり100点満点、2科目選択した場合は200点満点となる。試験時間は1科目60分で、2科目選択した場合は120分となる(これとは別に1科目目の答案回収と2科目目前の注意事項説明がある。)。

選択科目の欄を塗り忘れた場合は採点されない。2つ以上(世界史Bと地理Bなど)塗った場合も採点拒否される。

ちなみに科目別の平均点だと意外にも軽量科目の地歴Aよりも、重量科目の地歴Bのほうが高かったりする。これは地歴Bの受験者層が、地歴Aの受験者層よりも学力が高い人が多いため。
また、倫政は平均点が他の公民科目(現代社会など)よりも高くなる傾向にあるが、これは旧帝大や一橋大学など国公立の上位校を志願する人が多く受験するため。逆に言えば、現代社会などを使える大学でわざわざ倫政で受けるのは、かなりコスパが悪いとも言える。

2011年(平成23年)までは地歴と公民が別の時間割に分かれていた。
地歴公民が2科目必要な場合、地歴グループ(地理B世界史B日本史B地理A世界史A日本史A)から1科目、公民グループ(現代社会倫理政治経済)から1科目それぞれ選択することになっていた。





追記、修正はセンター試験で9割以上を取ってからお願いします。



最終更新:2024年10月07日 11:17

*1 「筆記160点満点、リスニング40点満点」、「筆記180点満点、リスニング20点満点」など。

*2 ただしその内の30分は注意事項などの説明であり、実質的な解答時間は30分である。