クルラント。
ドワルコフ組合国でも有数の治安の悪い地域。
ずっと、煙突から吐き出される煙を感じる。
そして、ただ者ではないと思わせる、何度も戦闘をこなしたのだろう顔に傷のある人々が歩いている。
肩にトゲをつけた用心棒と思われる男性が歩いている。
そんな中でワタシは精霊に声を掛ける。
「この地の精霊よ、全ての魔力の源よワタシに力を貸して」
これにより、気になり集まってきた精霊にお願いする。
「幻想の鍛治士ヘファイストスの工房に案内して」
これを受けた精霊たちは同じ方向に向かって飛び始め、ワタシはそれを追った。
ドワルコフ組合国でも有数の治安の悪い地域。
ずっと、煙突から吐き出される煙を感じる。
そして、ただ者ではないと思わせる、何度も戦闘をこなしたのだろう顔に傷のある人々が歩いている。
肩にトゲをつけた用心棒と思われる男性が歩いている。
そんな中でワタシは精霊に声を掛ける。
「この地の精霊よ、全ての魔力の源よワタシに力を貸して」
これにより、気になり集まってきた精霊にお願いする。
「幻想の鍛治士ヘファイストスの工房に案内して」
これを受けた精霊たちは同じ方向に向かって飛び始め、ワタシはそれを追った。
その道中。
「ヘファイストスの旦那がさぁディアマンティーアのドンの武器作やんしたそうだ」
「気に入るもんがあったんすかね」
そんな話がワタシの耳に入ってくる。
ディアマンティーアというと、共和国のマフィアと聞いたことがある。
ワタシが大まかに知っているのは、互助組織の頃だけども。
もしかしたら近いうちにヴェネト共和国では、大きな抗争が起きるのかもしれない。
それでも足を止めない。
花たちの革命の活躍者ハイネに、武器を渡したという話、他にも時代のいつもの転換期の活躍者にも渡したと言う話も信憑性を感じた。
善悪は問わないかもしれない、気に入られるだろうか。
それでも、杖を見た。もうボロボロ。
最近は魔力漏れも酷かった。
「ヘファイストスの旦那がさぁディアマンティーアのドンの武器作やんしたそうだ」
「気に入るもんがあったんすかね」
そんな話がワタシの耳に入ってくる。
ディアマンティーアというと、共和国のマフィアと聞いたことがある。
ワタシが大まかに知っているのは、互助組織の頃だけども。
もしかしたら近いうちにヴェネト共和国では、大きな抗争が起きるのかもしれない。
それでも足を止めない。
花たちの革命の活躍者ハイネに、武器を渡したという話、他にも時代のいつもの転換期の活躍者にも渡したと言う話も信憑性を感じた。
善悪は問わないかもしれない、気に入られるだろうか。
それでも、杖を見た。もうボロボロ。
最近は魔力漏れも酷かった。
人々は何処か全員、並外れた感じで、焦げ臭い匂いが辺りを充満して、鼻に刺さり、重々しい。
そんな通りを精霊の案内で、抜けて、ヘファイストスの攻防に着いた。
そんな通りを精霊の案内で、抜けて、ヘファイストスの攻防に着いた。
そして、その戸を開けようとコンコン、と扉に手を叩いた。
「……なんじゃ、火遊びにでも来たんか。帰れ帰れ、うちは見せ物小屋じゃねぇぞ。そもそもここは非公開だ、紹介状も持たねぇやつがどうやって来た。」
怒鳴り声の幻想の鍛治士ヘファイストスに対して
「精霊に教えってもらった。ただそれだけ」
そう答える。
「ふん、精霊がねぇ。んで何してきた」
「杖を作ってほしい」
「帰れ帰れ、ったくどいつもこいつも同じような頼みをしやがって、いや待て、いったん入りやがれ。まあおれを納得させない理由ならすぐに追い出すがな」
入れてくれた、第一関門は突破したのかもしれない。
一瞬、窓から強い力を持つ存在がこちらを除く気配を感じた。
ワタシをみているというよりは、杖を見ていた気がする。
「はよ入れ、入らんがなささっと帰れ見世物小屋じゃねぇんだ」
「うん」
重々しい雰囲気の鍛冶場の戸を開けた。
暑い、暑い、とても熱い火事場の熱を感じる。
生活空間でもあるというのに、生活味がないのは、目の前の彼が、精霊だからだろうか。
「そいつ、何年使った」
渋く、威圧感も感じさせる、重々しい声でそれを聞く。
だからワタシは答えた。
「200年は使ってる」と。
「200年だぁ嘘を付くな、と言いたいがおまえさん種族は?」
「エルフと獣人のハーフ」
「なら、ありえない話ではないな、実際に否定できねぇぐらいに使い込まれてる。ここの魔力回路なんてよーく使えたもんさね、あー宝石もヒビが入ってやがる。そんなに使われたってなら、付喪精が生まれ出ていてもおかしくねぇな」
まじまじと、ワタシから杖を取ったと思えば杖を真剣な目つきで眺める。
「……なんじゃ、火遊びにでも来たんか。帰れ帰れ、うちは見せ物小屋じゃねぇぞ。そもそもここは非公開だ、紹介状も持たねぇやつがどうやって来た。」
怒鳴り声の幻想の鍛治士ヘファイストスに対して
「精霊に教えってもらった。ただそれだけ」
そう答える。
「ふん、精霊がねぇ。んで何してきた」
「杖を作ってほしい」
「帰れ帰れ、ったくどいつもこいつも同じような頼みをしやがって、いや待て、いったん入りやがれ。まあおれを納得させない理由ならすぐに追い出すがな」
入れてくれた、第一関門は突破したのかもしれない。
一瞬、窓から強い力を持つ存在がこちらを除く気配を感じた。
ワタシをみているというよりは、杖を見ていた気がする。
「はよ入れ、入らんがなささっと帰れ見世物小屋じゃねぇんだ」
「うん」
重々しい雰囲気の鍛冶場の戸を開けた。
暑い、暑い、とても熱い火事場の熱を感じる。
生活空間でもあるというのに、生活味がないのは、目の前の彼が、精霊だからだろうか。
「そいつ、何年使った」
渋く、威圧感も感じさせる、重々しい声でそれを聞く。
だからワタシは答えた。
「200年は使ってる」と。
「200年だぁ嘘を付くな、と言いたいがおまえさん種族は?」
「エルフと獣人のハーフ」
「なら、ありえない話ではないな、実際に否定できねぇぐらいに使い込まれてる。ここの魔力回路なんてよーく使えたもんさね、あー宝石もヒビが入ってやがる。そんなに使われたってなら、付喪精が生まれ出ていてもおかしくねぇな」
まじまじと、ワタシから杖を取ったと思えば杖を真剣な目つきで眺める。
「で、おまえさん何のために欲しい。この前来たやつは、自らが悪であることは認め、それでも元の3大マフィアにするため、魔王崇拝者とつるみ、マフィア界のみどころか国いや、世界を滅ぼしかねない組織を打倒し、世界の均等のための力を求め、さらにいくつもの契約を交わす覚悟を見せた。お前さんは何を見せる。なぜ欲しい」
「そこまでのことじゃないと思う」
嘘はついてはいけない、嘘を嫌うだろうから。
これが、値しないと思われたのならばそれまで。
そう考え、言葉を繋ぐ。
「この杖が、もう使えない、魔力は漏れて、持ち手はすり減って。役目を終えたから。これ以上の無理はさせれない。させたら、形すらも、失ってしまうかもしれない。だから、次を求める。長く、使えるものを、それこそ最期まで使えるかもしれない物を。そんな物を作れる可能性があるとしたらキミしかいないと思った。ヘファイストスクン」
その言葉を静かに受け取る幻想の鍛治士ヘファイストス。
そして、私の瞳を確かに覗く。
「ならば聞こう、なぜそんなに永く使いたい。武器など言ってはなんだが、使いかえればいいだろう」
その問いに対し絵はこう返す。
「常に、腕のいい鍛冶師に会えるわけじゃない。ずっと旅をしているから。それに………人の時ともエルフの時とも違うワタシには、専属の鍛冶師をというのはむずかしい、それにこれを同じ、いやそれ以上のものなんて、そうあるものじゃないと思う」
「ふん、これくらいよくあるものだろう。まあ長く使って腕になじんだ結果として、他のものがないとなると言うなら認めれやらんでもないが、世界に革命を変化をもたらすものではない、世界を救う勇者でもなく、国を守る誇り高き騎士や傭兵でもない。だが、悪くはない」
何処か、本当に使い込んでいるんだという、関心なのか、とにかく多くの人には分からないだろうけれど、ほんの少しだけ上ずった声で幻想の鍛治士ヘファイストスは言い、さらに続ける。
「そこまでのことじゃないと思う」
嘘はついてはいけない、嘘を嫌うだろうから。
これが、値しないと思われたのならばそれまで。
そう考え、言葉を繋ぐ。
「この杖が、もう使えない、魔力は漏れて、持ち手はすり減って。役目を終えたから。これ以上の無理はさせれない。させたら、形すらも、失ってしまうかもしれない。だから、次を求める。長く、使えるものを、それこそ最期まで使えるかもしれない物を。そんな物を作れる可能性があるとしたらキミしかいないと思った。ヘファイストスクン」
その言葉を静かに受け取る幻想の鍛治士ヘファイストス。
そして、私の瞳を確かに覗く。
「ならば聞こう、なぜそんなに永く使いたい。武器など言ってはなんだが、使いかえればいいだろう」
その問いに対し絵はこう返す。
「常に、腕のいい鍛冶師に会えるわけじゃない。ずっと旅をしているから。それに………人の時ともエルフの時とも違うワタシには、専属の鍛冶師をというのはむずかしい、それにこれを同じ、いやそれ以上のものなんて、そうあるものじゃないと思う」
「ふん、これくらいよくあるものだろう。まあ長く使って腕になじんだ結果として、他のものがないとなると言うなら認めれやらんでもないが、世界に革命を変化をもたらすものではない、世界を救う勇者でもなく、国を守る誇り高き騎士や傭兵でもない。だが、悪くはない」
何処か、本当に使い込んでいるんだという、関心なのか、とにかく多くの人には分からないだろうけれど、ほんの少しだけ上ずった声で幻想の鍛治士ヘファイストスは言い、さらに続ける。
「使用してほしい素材を提示しろ、才は有るのに、武器は武にすら触れる機会のなかったもので俺が認めたものならばともかく、そうでない貴様が用意していないなどないだろう?していないのならば先ほどのことは全て取り消しだ。後この杖は借りるぞ」
第二関門も突破した。
あとは、素材で認めてもらうだけ。
一つは魔力媒体たる先端につける宝石。
紅い自らと精霊の魔力を定期的に通すことで魔力に慣らした物。
そしてもう一つは長い木の枝。買った時の商人いわく、個人時代には、火を扱った、精霊に愛され、精霊に根ざす場所まで案内してもらった、そんな母樹の一部らしい。
なんでか、次を考えないといけないタイミングだったからか、その木の枝が目にとまったのだった。
「素材はこの2つ」
「2つ?3つの間違えだろう」
「えっ?」ワタシは思わず声を上げた。
「提示しろと言う前に借りるって言って、受け取ってちまったがこいつもだろう」
彼の眼は私の杖を大きく写した。
「バカだな……素材ってのは、ただのモノじゃねぇ。想いが染みついたそれは──ただの材より、ずっと強ぇんだよ。ただの鍛冶屋なら、ボロクソのゴミと見るかもしれねぇ、だが俺はコイツに詰まった魔力、それからおまえさんの染み込んだ信念に、力。そいつは十分素材になり得る」
「えっ、まさか、また使えるということ。もう魔力漏れはすごくて、とてもとは言えない限界なのに」
「くははっ、俺を誰だと思ってる。幻想の鍛治士ヘファイストスだぜ?──できねぇわけがねぇ」
その声には、迷いのない自信が宿っていた
「だからこそお前さんの依頼、受けてやろう。持ってきた三つはどれも相性がいい。問題ねぇ。3日後だ。3日後にここに来いいいな?」
私はその言葉に静かに頷いて、3日後を待つ間この治安の悪く、煙臭いこの街クルラントの隣、魔道具の街として知られる、ルシアラントで過ごすのだった。
第二関門も突破した。
あとは、素材で認めてもらうだけ。
一つは魔力媒体たる先端につける宝石。
紅い自らと精霊の魔力を定期的に通すことで魔力に慣らした物。
そしてもう一つは長い木の枝。買った時の商人いわく、個人時代には、火を扱った、精霊に愛され、精霊に根ざす場所まで案内してもらった、そんな母樹の一部らしい。
なんでか、次を考えないといけないタイミングだったからか、その木の枝が目にとまったのだった。
「素材はこの2つ」
「2つ?3つの間違えだろう」
「えっ?」ワタシは思わず声を上げた。
「提示しろと言う前に借りるって言って、受け取ってちまったがこいつもだろう」
彼の眼は私の杖を大きく写した。
「バカだな……素材ってのは、ただのモノじゃねぇ。想いが染みついたそれは──ただの材より、ずっと強ぇんだよ。ただの鍛冶屋なら、ボロクソのゴミと見るかもしれねぇ、だが俺はコイツに詰まった魔力、それからおまえさんの染み込んだ信念に、力。そいつは十分素材になり得る」
「えっ、まさか、また使えるということ。もう魔力漏れはすごくて、とてもとは言えない限界なのに」
「くははっ、俺を誰だと思ってる。幻想の鍛治士ヘファイストスだぜ?──できねぇわけがねぇ」
その声には、迷いのない自信が宿っていた
「だからこそお前さんの依頼、受けてやろう。持ってきた三つはどれも相性がいい。問題ねぇ。3日後だ。3日後にここに来いいいな?」
私はその言葉に静かに頷いて、3日後を待つ間この治安の悪く、煙臭いこの街クルラントの隣、魔道具の街として知られる、ルシアラントで過ごすのだった。