v0 Zap Kick
v0 Zap Kickは、Bitwig Studio 5.3で導入された「v0ファミリー」の一部であり、6つのデジタルドラム合成
デバイスの1つである
Kickデバイスです。
このファミリーは、ディチューンされたオシレーター群、FM合成、物理モデル、およびハーモニックフィルターなど、多様なデジタルドラム合成技術を採用しています。
機能
Tune (ピッチ)
- ピッチは30.9〜69.3 Hzの範囲で設定可能です
- この範囲は低周波数に特化しており、キックとしての用途に適しています
- デフォルトの "41.7Hz" は "E1" に近似しており、キックの低音域として一般的な周波数帯となります
- 特にEDMやテクノなどのジャンルで重要な低音域をカバーします
Tuned (0 Hzを使うかどうか)
- Tunedを有効にすると、ピッチが固定されて0 Hzとなり、「Tune」や「Pitch Mod」の設定が無効になります
- これにより、ピッチモジュレーションなしの安定したサウンドが得られるため、特定の用途で便利です
Zap (ピッチモジュレーションの深さ) & Zap Decay
- 「Zap」はピッチモジュレーションの深さを調整し、「Zap Decay」はその減衰時間を設定します
- これらを組み合わせることで、キック音に鋭いアタックや独特なスライド効果を追加できます
Pitch Mod (ピッチモジュレーション)
- Tunedが有効な場合でもセミトーン単位でピッチモジュレーションを設定可能です
- この機能により、音程変化を柔軟にコントロールできます
Freq. Mod (ヘルツモジュレーション)
- リニア周波数モジュレーションを適用することで、音色に微妙な変化や動きを加えることができます
- これは特に複雑なサウンドデザインに役立ちます
Phase Mod (フェイズモジュレーション)
- オシレーターのフェイズモジュレーションを設定し、音色の質感や動きをさらに細かく調整できます
- これにより、従来型のドラムにはないユニークなサウンドが作れます
FX (FX Chain)
- FXチェーン機能では、追加エフェクト(例: ディストーションやハードクリッパー)を適用してサウンドデザインの幅を広げることができます
- これにより、v0 Zap Kickは単なるキックドラム以上の用途にも対応可能です
Vel Sens. (Velocityセンシティブ)
- Velocityによる音量変化の度合いを指定することで、演奏ダイナミクスを調整できます
- これにより、人間味ある表現力豊かなサウンドが得られます
Output (出力レベル)
- 最終的な出力レベルを設定することで、ミックス内で適切なバランスを保ちながら使用できます
- また、大きなヘッドルーム確保やピークリミッターとの併用によって歪みなく最大限の音量を得ることも推奨されています
補足情報
- v0 Zap Kickは、その柔軟性と独創性により、従来型ドラム音だけでなく「電気的」「アコースティック」または「非ドラム的」なサウンド生成にも適しています
- このため、ジャンルや用途に応じて幅広いカスタマイズが可能です
- Bitwig Studio 5.3では、このデバイスと他のv0ファミリー機器との組み合わせによる高度なサウンドデザインが可能になっています
v0 Zap Kickの周波数と音程の対応表
v0 Zap Kickの
Tuneは 30.9Hz〜69.3Hzの間で設定可能ですが、この周波数に対応する音程の表は以下のとおりです。
もしベースとピッチを合わせたい場合には、ベースの音程に合わせた周波数を選びます。
Oct. |
C |
C# |
D |
D# |
E |
F |
F# |
G |
G# |
A |
A# |
B |
0 |
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30.9 |
1 |
32.7 |
34.6 |
36.7 |
38.9 |
41.2 |
43.7 |
46.2 |
49.0 |
51.9 |
55.0 |
58.3 |
61.7 |
2 |
65.4 |
69.3 |
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Tips
関連ページ
最終更新:2025年05月06日 10:51