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どうして?
何が?
えりかちゃんは何のことを言ってるの?

たくさんの疑問が頭をよぎる。

「愛理どうしたのー?えりかちゃんにちっさー取られちゃってやきもち?」
「栞菜。あのさ」
栞菜の手を恋人つなぎにしてみる。こうすると、栞菜は真面目に話を聞いてくれるようになる。
「栞菜さ、えりかちゃんに何か・・・されたことある?」
「え、何かって、何かって、何?」
「すごいスキンシップとか。」
栞菜の顔がちょっと強張った。あるんだ。
「まあ、えりかちゃんは皆にペッタペッタするから。」
そうかなあ。
「私にはしないよ。」
「愛理にはそういうのしにくいもん。」
・・・そうなんだ。あんまりされても困っちゃうけど、ちょっとそれ寂しいかも。
「それで、愛理はちっさーがえりかちゃんに何かされたって思ってるの?」
すごいな。栞菜はこういうことに関する勘が鋭い。
「わかんない。でも、今の千聖にあんまり変なことしてほしくないとは思う。」
まださっきのえりかちゃんの発言のことは言わないほうがいいかもしれない。
「そうだよねー。私たちのお嬢様だもんね。」
二人の方に目を向けると、えりかちゃんが指で千聖にグロスを塗っていた。
「千聖にはオレンジが似合うと思うよ。可愛い。」
顔に右手を添えて、親指で唇を撫でている。千聖の唇と、えりかちゃんの指が同じ色に染まる。
それを見ていたら、さっきのトイレでのことを思い出した。
あの唇から、エッチな声出してたんだ・・・。一体どこまでしていたんだろう。
私がまだ経験できてない、梨沙子が言ってたアレも、もう知っているのかな。えりかちゃんに教わって?
そんなことを考えていたら、またお腹の下の方が熱くなってきた。
「ちっさーと栞菜、ちょっと来てー?」
舞美ちゃんが二人を呼んだ。
「はーい。愛理また後でね。」
栞菜は手を解いて舞美ちゃんの所へ行く。
千聖も席を立ったから、あぶれたもの同士と言わんばかりにえりかちゃんが近づいてくる。
「愛理元気―?」
「まあまあかな。昨日寝つき悪くて。」
何かふわふわした会話だな。多分、核心に触れていないからだ。
「でも愛理、すごい目キラキラしてる。アドレナリン出まくってますって感じで。やっぱり興奮するよね。千聖の一人エッ」
「ちょっと!やだ!」
私の大声で、楽屋にいた皆が目を丸くして振り返った。
「ごめん。なんでもないよ。」

何を言ってるのえりかちゃん。やっぱり千聖に何かしたの?ううん、それよりも

何で私がそのことを知ってるってわかったの・・・・?

「梅さん大きいほうしたくてね、遠くのトイレ探してたの。・・・びっくりしたよ。ドア開けたら個室挟んで何かエロいこと言ってるんだもん。あの愛理が。」
いつもの天然なえりかちゃんじゃない。大人の女性の、何もかも見通したような怖い目をしていた。綺麗な顔に迫力が加わって、私は何もいえなくなる。
「今、千聖にいろんなこと教えてる最中なんだ。だから」
“ジャマしないでね”

頭が真っ白になった。
「ち・・・・千聖に、変なこと、しないでよ・・・・」
蚊のなくような情けない声で訴えてみたけれど、えりかちゃんは口元を少し歪めただけだった。



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最終更新:2011年02月08日 06:43