サッコリャルとは、主にアクース連合の惑星サッコレや、ヒューヴル王国の惑星アヴァイトラールなどを原産とする鉱物ドラッグである。大宇宙各国に広く出回っている、最も有名なドラッグの一種とされる。


概要

 サッコリャルはアクース連合で話されている言語の一種(マユィ語ではない)で「サッコレに関する」という意味を持つ重金属鉱物ドラッグである。サッコリャルは未精製だと白っぽい鉱物であり、そのままの粉末では効果が存在しないが、熱で分離して乾燥させる精製過程を経ることで向精神性を持つ。サッコレの住民(シャーマン)は一般的にこれを服用していた。サッコリャルのみを服用することは致死性があることはシャーマンの中で自然に理解されており、危険であるために茶などに混ぜることによってその致死性を低めていた。この致死性を取り除くことも可能であるが高度な技術が必要であり、裏ルートを通した外貨産業であるサッコレでは適用されないことが多い。基本的に流通しているものは古く、整備が行き届いていない機械によって作られた荒い抽出物であり、溶媒に汚染されたペーストはしばしば毒性を生じさせる。
 サッコリャルの効能は多幸感や幻覚がある。サッコリャルを使い続けると骨髄内での造血機能、消化管や肝臓機能が低下する。最終的には心臓の負担が増幅されることで、心房細動を伴う心筋梗塞によって死に至る。また、精製時に使用される過マンガン酸カリウムや廃油が混入されることがあり、この場合重症だと感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄、聴力障害、平衡感覚障害などの障害を負うことがある。

歴史

 1684年にサッコレ入植・開拓が開始され、セガケチッサ・ラ=クーら第一次開拓団によってサッコリャルはまもなく発見された。開拓団はサッコリャルを使用するシャーマンらサッコリャルに関する知識をもつ現地人を拉致しアクース本国にその存在が知られないようにしつつ、独自にサッコリャルについて分析、精製方法や効能などを現地人を使用して実験し、惑星間でサッコリャルの売買を始めた。第二次開拓団派遣の後にアクース本国政府がサッコリャルについて嗅ぎつけると、追及を逃れるためにラ=クー星系間交通を設立、ヴィルメ星系を初めとするアクース内での貿易会社という存在を名目にしつつサッコリャルを国内外に輸出。

大宇宙各国との関係

アクース連合

 惑星サッコレに拠点を構えてラ=クー星系間交通の庇護の下アクース政府からの制圧を逃れ、主にサッコリャル採掘で生計を立てるマフィアをサッコレマフィアと呼ぶ。
 ラ=クー星系間交通とは、セガケチッサ・ラ=クーが創始した交通会社である。彼はアクース連邦政府によるサッコレの第一次開拓団の団長だったが、サッコリャル窟を発見し、効能を発見すると本国政府に黙って採掘を始め、本国政府が認知すると同社を設立し、利権を堅持した。その後にアクース内戦が発生すると急速に勢いを増しサッコレを事実上占領。第二次アクース革命後は名目上はアクース連合に帰属するも、実質上は今でもサッコレの広範囲の権限を掌握している。

ヒューヴル王国

 1705年に惑星アヴァイトラール全域で大量にサッコリャル窟が発見され、同年、エルトリア王国公衆衛生局によって封鎖された。

ファルトクノア共和国

 ラフォーレイ計画第一次中期計画経済においてサッコリャル製造&密売が火急の資金収集手段として挙がった。サッコリャルの製造系統は急ごしらえで非常に粗雑に量産されたため、麻薬のマスプロの過程で出た重金属には向精神作用のある物質がある程度残っていた。また、ファルトクノア宙軍は艦隊の冷却装置に液体サッコリャル残留物冷却装置を使用している。

ツーンカ民主主義共和国

 サッコレマフィアが採掘したサッコリャルは、主に同地の古い抽出機で精製され、ラ=クー星系間交通を通してツーンカ民主主義共和国の諸マフィアに買い取られ、大宇宙諸国に流通される。

レセスティア連邦

 大宇宙連合加盟直後のレセスティアにはサッコリャルを規制する法律がなく、当局による監視も緩かったためザーバラリカ星系を中心に大規模なサッコリャル製造・取引網が形成された。ラヒュスに対してサッコリャルの効能は曝露しないので、当初政府は有効な対策を打ち出さなかったが、資金源としてザーバラリカ・ギャングの肥大化の原因となっていたため現在は厳しく取り締まられている。

全シルア労働者連盟

 1700年代のシルア工業化にともなって、人工筋肉などの生体部品の開発に成功したが、その一部の運用には、燃料の添加剤としてサッコリャルを使用していた。しかしシルアではサッコリャルは産出されないので、アクースから輸入していた。マーカス内戦時には、人工筋肉の需要激増からサッコリャルが軍内に溢れ、サッコリャル中毒が社会問題となった。このことはアクース政府の反発を招き、サッコリャルの禁輸処置が取られた。代替素材開発の難航・素材自体の高騰による人工筋肉パーツの維持から、戦後シルア政府が軍備縮小に舵をとる一つの大きな要因となった。

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最終更新:2022年12月31日 17:46