厄災を打ち払う悪魔の力。
ガンダム・フレームはリアクター2つ搭載した超パワーMS。
異常極まる運動性と装甲、半永久機関である
エイハブ・リアクターを有し、さらには子機による物量戦から物資を補給し無期限活動が可能という化け物、
モビルアーマーを駆逐するため、
「対MA」のスペシャリストとして開発されたのがガンダムである。
リアクターの2個載せは、本来動力源として1つあれば十分なものを倍積むことで使えるエネルギーを倍加させ、
接近戦にて少ないチャンスを有効に活かすためのものであるとされている。
要するにパワーレベルを上げて物理で殴る、のだ。
現在新規開発されたMSにツインリアクター持ちがいないあたり、エイハブ・リアクターのダブル搭載は技術的な難易度が高いということが伺える。
そして72体作られたことで開発がストップし、以後後継機に当たる機体が一切作られた形跡がないというのも、いかにガンダム・フレームが歪な存在であったかがわかるというもの。
モビルアーマーを駆逐することだけを求められた悪魔は、歴史にその名を刻みつつも、その後も残ることを良しとはされなかったのである。
なお形式番号は単純に開発順であることが判明しており、その番号の機体の性能を見れば、開発経緯や厄祭戦の規模などが若干透けて見えるようになっている。
予め断っておくが、以下の分析、記述はこのサイト管理者独自の考察ですのであしからず。
ギャラルホルンの創始者とされる男、「アグニカ・カイエル」。
彼の父親はガンダム・フレームを開発した技術者とされ、バエルは父親が作った機体を息子が操ったガンダムであった。
管理者はアムロ・レイとテム・レイみたいなものだと思ってる。多分モチーフはそれ。
アグニカは超人的な反射神経、運動性能を持ち、それを
阿頼耶識システムでダイレクトに受け取ったバエルは接近戦で無類の強さを発揮し、その強みを活かすためには「ただ折れないだけの剣」が必要だったというほど。
流石に「絶対に折れない」云々は誇張だろうが、少なくとも戦闘時破損する心配の無いくらい強靭な武器があればよかったのだろう。帰ってきてくれれば、また出撃できるのだから。
バエルのスラスターウイングは完全にアグニカの趣味だったとされ、後続機でも採用している機体は存在せず(用途は違うがマルコシアスが持つ)、
というか別に巨大なウイングつけなくても、
ガンダム・フレームはしないだけで全機空を飛べるということが関連書籍で明らかになっている。飛ばないのは飛ぶ必要がないから、らしい。
エイハブ・ウェーブの影響下では航空機が使えないため、戦闘機の類が鉄血世界には存在しないのも大きいのだろう。
よくある空母タイプのMSドックも存在しない。
まぁ悠長に飛んでいて地上からMAに撃墜された、とかあったら笑えないだろう。
このバエルはアグニカ専用機として、彼の力を存分に発揮し、神格化されるだけの力を持っていた。
8号機であるバルバトスとバエルには似たような記号が装甲に刻まれているが、これは同じ開発陣営であることを示すとされ、少なくともバエルを作った陣営がバルバトスを手掛けたことがわかる。
番号が跳んで35号機のマルコシアスにも同じマークが確認できるが…気にしない。でも気になる。
……実はモビルアーマーであるハシュマルにも同じマークがある。気になる…どういうことだってばよ。
本作の主役MSであるバルバトスはこれといった固定装備を持たない汎用型であり、主に背中に装備を装着し、それをマニピュレータで保持して戦うという接近戦特化の汎用タイプとして作られていたとみられる。
現代に復活した際にはまた異色の進化をとげることになるが、それはまた別のお話。
アプリ版に登場した
ASW-G-04 ガンダム・ガミジンも全体的に太ましい重装甲タイプであり、内蔵式の武装を持たずバックパックに武器を懸架しマニピュレーターで保持しつつ攻撃を行う仕様となっている。
4号機であるガミジンの時点ですでに
ダインスレイヴを
近接武器に転用した装備を有していたあたり、本編終盤でも猛威を振るうあの武器は厄祭戦初期から存在していたことが明らかにされた。
近距離に限るとは言えダインスレイヴを仕込んだ近接武器を扱うガンダム・フレームは今のところガミジンのみ。
ぶっ放すならフラウロス、キマリスヴィダールがいるが、他にも存在している可能性が出てきた。
11号機であるガンダム・グシオン。
オリジンと呼べる姿が一向に判明していないので厄祭戦当時の不明だが、フルシティは厄祭戦時のデータも組み合わせたとされており、
接近戦から遠距離戦に対応したマルチなMSであったと思われる。
未だ当時の姿の情報が乏しいグシオンはともかく、バエル、ガミジン、バルバトスはガンダム本体への武装内蔵はバエルの
レールガン程度で見られず、機体に強力な装備を外付けする、という方向でまとめられており、ここまでは機体そのものの完成度を高め、外部装備を付け替えての出撃が可能だったと推測できる。
優れた職人は環境を選ばない、みたいなものだろうか。
グシオン以外の10番台機については長く情報が明かされなかったが、アプリ版鉄血のオルフェンズGにてクジャン家の管理するゼパルが公開された。
16号機であるゼパルはバエルに酷似したコンセプトの元に開発されており、剣と盾を手にバックパックバインダーに搭載されたスラスターによる高機動を活かし変則的な軌道を描きながら戦場の最前線を飛び回ったとされる。
そのためかゼパル本体の形状は他のガンダムフレーム機と比べて非常にヒロイック且つシンプルであり、グシオンリベイクフルシティが厄祭戦当時のデータを用いて改修された点からやはり10番台機までは特化型の特殊機構を持たない設計だったのかもしれない。
16号機から少し番号が飛ぶが、29号機であるアスタロトは本来、両肩の可変翼とスラスターを用いた広範囲へ移動し、急降下からの接近戦を行う機体だったらしい。
ガンダム自体は上述の通り、どの機体も飛ぼうと思えば飛べるので、あくまで可変式ブレードシールドや、バックパックのスラスターは広範囲を飛行するためのサポートなのだろう。
機動性を重視しつつ、
ナノラミネートアーマーに致命的なダメージを与えるための実験的な兵装を持っており、
アスタロトは
ショットガン+
γナノラミネートソード→
スレッジハンマーという、幾つかの装備をひとまとめにし携帯するようになっている。以上の装備は厄災戦終結後月面の調査を任されたウォーレン家に巨大クレーターの底から発見された後、修復されたものである。そのため、厄災戦当時の装備は不明。
テレビ本編終了後計画されたスマートフォン用アプリ、ウルズハントにて35号機である
ASW-G-35 ガンダム・マルコシアスが登場。
バスタードメイス(
大太刀を格納)や、爪のついた格闘戦にも使えるナックルガードを持ち、プルーマを蹴散らすために全身のバインダーにサブアームを格納し、それに
短剣を装備して迎撃しつつ本体を質量武器で仕留めるというコンセプトで設計されている。
このマルコシアス、ロールアウトしたのは間違いないようなのだが当時のパイロットに関する情報や戦歴等が何らかの事情で不明扱いになっており、幻の機体と言われていた。
バエル、バルバトス、ハシュマルに刻まれたマークと同じものをマルコシアスもまた装甲や武装に刻んでおり、それらと同じ陣営が開発に携わったと思われる。
そのためか武装構成がバルバトスと似たもの(
メイス、太刀)となっているが、厄祭戦時のバルバトスがどういった武器を使っていたのかは不明なため、デザイナーがマルコシアスを設定する際にバルバトス(もしかしたらグシオンリベイクフルシティも?)を考慮した可能性がある。
その後、32号機である
ASW-G-32 ガンダム・アスモデウスの情報もキットとインストとウルズハント本編にて詳細情報が判明したが、アスモデウスはデブリ宙域にてセブンスターズのファルク家が管理したとされるコクーン内部で発見された。
どうやら何らかの理由により戦闘に参加することなく終戦を迎え現代まで見つかることなくそのまま宇宙空間に放置されていた模様。
そのため現代になってようやく発見され、武装までもが未使用のまま確保されるという極めて珍しいMSとなった。
目立つ装備としてはグラン・トンファーを有し、炸薬式の射出機構を持つという。
HGの説明書を読む限り、火薬が爆発する勢いでトンファーを伸ばすのだろう。
至近距離で炸裂させることで相手の装甲を一撃で貫く威力を持つといい、ダインスレイヴとの関わりを匂わせる。
後に登場した
ASW-G-04 ガンダム・ガミジンもまた近接武装にダインスレイヴを組み込んだ武器を持ち、そちらは明確に「小型ダインスレイヴ」と書かれているが、アスモデウスの方はそうではないあたり、火薬式か電磁式で扱いが変わるのだろう。
まぁそうなると、今後はアスタロトリナシメントの
バスタード・チョッパー+
デモリッション・ナイフの「火薬式のダインスレイヴと呼べるもの」まで混ざってくるので余計にダインスレイヴとはなんぞや?と定義づけがややこしくなってくるのだが。
また開発系譜考察としてはやや外れた話しになるが、アスモデウスにはMAとの交戦経験がなかった為、機体がMAに反応しない、即ちバルバトスが作中で起こしたリアクターの出力上昇が発生しないという事象も確認された。
これらの特徴から20-30番台機にかけては10番台機までの汎用性を残しつつ、一芸特化の方向性を模索する時期だったのかもしれない。
開発順としては中盤から、後期への入りがけといったところ。
すでに前期でだいぶ濃い
ウヴァルのオリジンに関しての情報は皆無のためなんとも言えないが、48号機ハーゲンティは非常に軽装且つ二刀流による高速機動戦闘、54号機ムルムルはハシュマルやルプスの
テイルブレードにも似た有線型遠隔攻撃兵装、56号機グレモリーは
ナノラミネートコートという独自の装甲技術を有する防御力特化型であり、
後期型の特化型装備はこの頃からスタートしていると見ることも出来る。
しかしながら、同時に60番台以降の機体と比較してハーゲンティ、ムルムル、グレモリーは揃って専用装備が少ない、というより各々の得意な戦術を封じられると途端に何も出来なくなる、短所が明確なのが特徴。
ハーゲンティは前述の通り割断目的の刀を2本持ち、他の同
フレーム機と比較して異様なまでに軽装な外見をしている。
軽量さを活かして二振りの刀で敵を力強く薙ぎ払い戦場を席捲した、とされる為、どことなくゼパルに似た、むしろバエルに似たモノを感じる。
というか2機もセブンスターズの中にバエルに酷似したコンセプトがあるあたり、両家の初代当主達はアグニカの熱烈なファンだったのだろうか?
逆にグレモリーは圧倒的防御力からの
バトルアンカーのみというシンプルすぎる武器編成であり、厄祭戦がどのようになっているのかは正直不明すぎる。
高い防御で相手の攻撃を捌き、バトルアンカーで仕留める…にしても攻撃力が貧弱すぎる気もするが、HGの説明書によればナノラミネートコートの高い耐久性にて部隊の先陣を任されたり偵察任務など様々な任務に投入されたようだ。
またバトルスタイルはナノラミネートコートの耐久性で敵の攻撃をしのぎ、カウンターで撃破する、といったものだった模様。
他方、ムルムルは他の同フレーム機にはない阿頼耶識による操縦を前提とした有線型遠隔攻撃兵装
サージカルフェザーを搭載している。
現状では後述のフラウロス以外では唯一と言える中遠距離戦を想定した機体であり、同時に厄祭戦当時の阿頼耶識技術が失われた現代では置物同然となっている。
そして各機体の長所の裏返しとして見受けられる短所は、
- ハーゲンティは軽装な装甲が仇となってMAのビーム兵器の絨毯爆撃でも受ければ回避が間に合わずにナノラミネートに覆われていないフレーム部分が損壊しかねない。
- ムルムルは間合いを詰められ敵の接近を許せばサージカルフェザーでは対応し切れない。
- グレモリーは防御力は堅牢だが攻撃力に乏しい為、単騎ではMAを討伐し切れない可能性が高い。
となる。
これらの事からオリジンの不明なウヴァルを含めて、20&30番台機よりは特化型コンセプトを突き詰めたが、未だ練り込みが甘く60番台以降と比較して状況対応力に難があるようだ。
61号機であるザガンは
シールドプライヤーユニットによる近距離格闘特化型、64号機であるフラウロスは
ダインスレイヴ発射による射撃特化型、66号機であるキマリスは圧倒的な直線的加速力からの突撃戦法特化型と、
この頃は完全に機体ごとのコンセプトを突き詰めた性能特化型且つMAを一撃確殺出来るようになっている。
ザガンは攻防どちらにも活かせるシールドプライヤーユニットをサブアームとして用いながら、重厚な装甲と大型腕による被弾上等な近距離格闘戦を行っていた模様。
というか、ザガンを管理するイシュー家は席次的にバエルに次ぐMA撃墜数2位であるため、ドリルパンチでMAを片っ端から殴り倒してたとかいう正気の沙汰とは思えないことしている。
イシュー家初代当主はサイヤ人かなにかなのだろうか?
フラウロスはムルムル以上に遠距離特化を推し進めており、短砲塔ですら戦艦のナノラミネート装甲をぶち抜き、恐らくMAの索敵範囲外から極悪兵器たるダインスレイヴをぶち込める為、不意打ちで一撃必殺が成功すれば弱点が弱点としてほぼ機能していない。
また中近用装備も用意されているので、少なくともムルムルよりはマシである。
それでも発見時はプルーマを抑え込んでいた為、コンセプトから外れた運用を強いられた、或いは何かしらの理由でハシュマルを一撃で討ち損じたのか。
キマリスは自身を弾丸のようにして一点突貫する事を基本コンセプトとしながら、活動領域に応じた装甲パーツ、補助武装が用意されているあたり、他の一芸特化型と比較しても最も状況対応力に向上が見られている。
おそらくモビルアーマーの出現は広範囲に渡っているが、数が減ってきており、「とにかく確実に発見したMAを殲滅する」ことが求められていたのではないかと思われる。
現在確認できる中で最も後期に開発されたガンダム、ダンタリオン。
この機体は関節部分のフレームがこれまでのガンダムの運用データを反映して独自のものとなっており、
素体に追加パーツを取り付け、それに応じたコンセプトを強化するという、初期の汎用型に近い形へ戻った機体となっている。
全てのパーツを装着することで最強形態になるというのはダンタリオンのみであり、厄祭戦も終盤だったのだろうか、
機体開発そのものにも若干の資金的余裕が見れる。
ただパーフェクトカウル状態のダンタリオンは追加パーツが全身を覆っていることも有り、外見からガンダム・フレームと判断するのは難しい。
むしろ、MAでは?と思われても仕方のない姿になっている。
開発時期が最終盤ということもあり、これまでのガンダムとMAのデータが機体設計に反映されている設定から、MAに外見的に近づいてしまったのは仕方のないことかもしれない。
ダンタリオンの前、70号機であるセーレも名前が登場しているが、どういった状態なのか、どういう機体なのかの情報は無い。
しかし外伝の主人公、アルジ・ミラージが家族を失った事件の犯人であるとされているため、稼働中の26機に含まれている可能性が高い。
最終更新:2024年11月06日 17:14