シータス級潜水艦

しーたすきゅうせんすいかん

グラ・バルカス帝国の潜水艦。旧日本軍の伊四〇〇型潜水艦と同クラスの潜水空母に相当する。
シータス(Cetus)はくじら座。開発・製造はベルディエンチェ社

推定諸元
排水量 水上常備:5,223t
水中:6,560t
主機 水上:推定7,700㏋
水中:推定2,400㏋
速力 水上:推定18.7kt
水中:推定6.5kt
兵装 53.3センチ魚雷発射管(空気魚雷か)
艦首8門
備砲・対空機銃 不明
搭載 特殊攻撃機アクルックス3機
航続距離 水上:推定14ktで37,500海里(約69,4km)
水中:推定3ktで60海里(約111km)

五巻巻末用語集によると、転移前、潜水艦黎明期であった大戦末期で猛威を振い、その活躍は戦艦不要論さえ出てくる様相だったとのこと。
となると、彼の国は、近代潜水艦が戦場に出て間もなく大型長距離巡航潜水艦を多数建造し、更には特殊攻撃機アクルックスを3機搭載し、運用していたことになる。他国とは隔絶した技術力を誇っていたことが伺える。
しかし、潜水艦黎明期に開発されたこともあって隠密性は非常に低い。また戦術もそこまで練られていないようで、敵の対潜攻撃技術も、通常の水圧式爆雷ぐらいしか想定していない模様。下手したら騒音対策もおざなりになっている可能性もある。
あまりにも他国から進みすぎた結果、詰めが甘くなってしまい、自らの兵器や戦術がお粗末になってしまった典型の一つ。
使用する魚雷は雷跡がハッキリと出ているので酸素魚雷ではないと思われる。

元の世界では戦艦に成り代わる存在になりそうだったが、新世界では過剰な能力とされ、隠密性を生かした偵察や基地建設に駆り出されている。

ミラ

グラ・バルカス帝国第2潜水艦隊所属。web版での艦名は「ブラックムーン」。
ミラ(Mira)はくじら座のo星。

日本への通商破壊作戦の前段階として日本近海まで派遣され護衛艦「たかなみ」と交戦する。

戦闘の流れ
  • 沖縄から南東方向約400km(Web版では500km)で、大音量を発する国籍不明の潜水艦を探知
  • 第2護衛隊群が派遣され護衛艦「たかなみ」が接近し様子をうかがう
  • 発見から2日後に潜水艦「ミラ」は大音量を上げながら潜望鏡深度まで浮上
  • 「たかなみ」は隠れる意思が感じられないため不明の潜水艦は戦闘状態で無いと判断
  • 「ミラ」はその直後「たかなみ」を発見し戦闘状態になる
  • ゆっくり接近する「たかなみ」は潜水艦に無警戒と見えたため魚雷2本を発射
  • 魚雷を回避した「たかなみ」は短魚雷で反撃し「ミラ」を撃沈した

この戦闘の後、日本は「ミラ」のサルベージにかかったようだが、未だ詳細は語られていない。

無誘導魚雷2本による攻撃なので魚雷を節約する余裕があると判断した攻撃である可能性が高い

「たかなみ」は、「グラ・バルカス帝国の蒸気タービン船の運動性能」では、回避の難しいタイミングで攻撃されているため、旧型の爆雷による反撃は考えにくかった。しかし「対潜迫撃砲など、前方投射可能な対潜兵器による反撃を警戒すべき状況だった」と考えられる。そのためグラ・バルカス帝国は、そういった兵器は保有していない可能性が高い。ただし「潜水艦を知らない」と思い込んでいたため。油断していただけかもしれない。

乗組員の発言により、アクティブソナー(地球では1920年代に実用化されている)が実用化されていないことが明らかになり、グラ・バルカス帝国は潜水艦の静音性及び対潜技術が1930年代レベルの可能性が高くなっている。

上記の通り潜水艦自体が黎明期なので潜水艦その物が最近になって作られた兵器である可能性が高い。

その後日・グ大海戦にてアクティブソナーを実用化したのが確認された。だが探知艦の速度が5ktで3324mが限界と性能が1933年に作られた93式水中探信儀の性能と比べると微妙に低く上記の仮説を当たっていると思われる。

また「たかなみ」が発見してから2日間水中を移動し続けたのであるなら、水中航続距離は伊号潜水艦の水中巡航速度3ノット*48時間=約266km+「たかなみ」を攻撃可能なくらいあるのかもしれない。

パッシブソナーのみでの対潜戦闘においては、方向は探知できても距離は不正確になるため、2隻以上で三角測量しないと潜水艦の位置を絞り込むのは難しい。したがって魚雷攻撃を難しくする之字運動をとらず、低速で魚雷を命中させやすい位置に移動したと考えられる「たかなみ」は、極めて無防備な目標に見えたはず。ゆえに「ミラ」の油断は理解できなくもない。

潜望鏡の視界は狭いため、潜望鏡で水上艦が見えるのであれば水上艦も潜望鏡を発見可能と考えられ、「ミラ」の位置が解っている「たかなみ」は目視でもレーダーでも潜望鏡を発見可能だったと考えられる。しかしパッシブソナーのみで短魚雷での反撃可能な情報を確保していたためか、潜望鏡を探知した描写は無い。

だが、一番の問題は『遠方で補足された挙句、潜望鏡深度にまで浮上するのに大音量を発しながらそのまま攻撃態勢に入った』ことである。
隣国の浸透事件に代表されるように、第二次世界大戦レベルの潜水艦でも、「全力で静音航行」に徹すれば、準臨戦態勢にある現代海軍の警戒網も突破でき、そして浮上するだけで大音量を響かせるというのは考えにくく、明らかに舐めプをしていたのか、対ソナー戦術が皆無なのか、どちらにせよ『グラ・バルカス帝国の潜水する艦という概念』に致命的問題がある可能性が高い。

ちなみにミラが第三文明圏で消息を絶ったことは、グラ・バルカス軍部では事故扱いとなっており、日本側に撃沈されたことは把握していない。ただし、入手した書籍で日本側の技術力の一端を知ったナグアノは、日本に撃沈された可能性に思い当り、戦慄している。

バテン・カイトス

グラ・バルカス帝国第2潜水艦隊所属。第24番艦。web版での艦名は「E-400」。
名称バテン・カイトス(Baten Kaitos)はくじら座ζ(ゼータ)星より取られていると思われる。アラビア語で「海の怪物の腹」という意味を持つ。

直接は登場していない。本艦所属のアストルが操縦する特殊攻撃機アクルックスが、日本籍の大型自動車運搬船「DRIVE NEW WORLD」を攻撃している。

アリアロス

グラ・バルカス帝国リーテ潜水艦隊の旗艦。
レイフォル防衛艦隊全滅後に援軍として派遣され、誘導魚雷対策としてデコイを搭載していたが、通用せずにこんごうの短魚雷によって急速潜航中に船体後部の3分の1を失い大破。浮上しようとしたが、被雷による故障で浮上できず圧壊した。

ウルス

グラ・バルカス帝国リーテ潜水艦隊所属。
短魚雷に対してデコイを使用するが通用せずに被雷し撃沈した。

バール

グラ・バルカス帝国リーテ潜水艦隊所属。
ウルスと同じく短魚雷に対してデコイを使用するが通用せずに被雷し撃沈した。

関連項目
兵器グラ・バルカス帝国特殊攻撃機アクルックス

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  • 表題を修正しました - 名無しさん (2019-02-27 00:37:06)
  • 第2潜水艦隊所属(5巻P33)と、東部方面潜水艦隊所属(同P72)の2つの軍籍が有るけど、東部方面潜水艦隊の中に第2潜水艦隊がある、と言う事かなあ……。 - 名無しさん (2019-02-27 08:52:36)
    • たぶん、第2のほうは艦隊じゃなくて群だろうなぁ。 - 名無しさん (2019-02-27 14:18:14)
  • 潜水艦の存在は知らなかった国が持てる技術を使って作ったらこんな感じになるのかね - 名無しさん (2019-07-14 09:26:52)
  • バテン・カイトスが24番艦になった理由が地味に気になる………星表・符号とかも関係ないし………普通に適当に付けたのかね - 名無しさん (2020-09-15 09:00:00)
  • 日本の大型自動車運搬船を拿捕すればよかったのものを…。勿体ない。と言うか、悲惨な最期が手ぐすね引いて待ってるな。 - 名無しさん (2020-11-21 10:31:35)
  • 日本側はミラに対して「取れる通信手段は片っ端から試しているのだが、何の反応もない」とのことだが、これはミラ側が本当に気づかなかったのだろうか?至近距離でピンガー打ったりすれば気付くと思うが。 - 名無しさん (2022-04-12 21:42:52)
    • そもそも通信手段としてピンガー・・・つまり探針音を当てるって対潜警戒中の船としてどうなんだろ?要は「お前らの正確な位置を捜索しているぞ」と伝えるようなものだろ。いろんな可能性を考慮していた自衛隊としてはやらなさそうだが・・・ - 名無しさん (2023-09-20 11:58:49)

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最終更新:2024年02月08日 22:22