建造期間 |
1990年~1998年 |
就役期間 |
1993年~現在 |
前級 |
はたかぜ型 |
次級 |
あたご型 |
全長 |
161 m |
全幅 |
21 m |
吃水 |
6.2 m |
深さ |
12 m |
機関 |
COGAG方式 |
LM2500ガスタービンエンジン (25,000馬力) |
4基 |
可変ピッチ・プロペラ |
2軸 |
電源 |
アリソン501-K34ガスタービン主発電機 (2,500 kW) |
3基 |
速力 |
最大30ノット |
燃料 |
1,785トン |
航続距離 |
6,000海里 (20kt巡航時) |
乗員 |
300人 |
兵装 |
54口径127mm単装速射砲 |
1基 |
高性能20mm機関砲(CIWS) |
2基 |
Mk.41 mod.6 VLS (29+61セル) • SM-2 SAM • SM-3 ABM • VLA SUM を発射可能 |
2基 |
ハープーンSSM 4連装発射筒 |
2基 |
68式3連装短魚雷発射管 |
2基 |
艦載機 |
ヘリコプター甲板のみ |
FCS |
Mk.99 SAM用 |
3基 |
FCS-2-21G 主砲用 |
1基 |
C4I |
AN/WSC-3衛星通信装置 (AN/USC-42に後日換装) |
NORA-1衛星通信装置 |
NORQ-1衛星通信装置 |
海軍戦術情報システム (リンク11/14、リンク16にも後日対応) |
イージス武器システム |
OYQ-102対潜情報処理装置 |
レーダー |
AN/SPY-1D 多機能型 (4面) |
1基 |
OPS-28D 対水上捜索用 |
1基 |
OPS-20 航海用 |
1基 |
ソナー |
OQS-102 艦首装備式 |
1基 |
OQR-2 曳航式 |
1基 |
電子戦 対抗手段 |
NOLQ-2電波探知妨害装置 |
Mk.137 6連装デコイ発射機 |
4基 |
AN/SLQ-25 対魚雷デコイ |
1組 |
概要
海上自衛隊の第4世代のミサイル搭載護衛艦(DDG)で、
海上自衛隊に配備された初のイージス艦(イージスシステム搭載護衛艦)であり、
アメリカ合衆国海軍以外においても世界で初めて配備されたイージス艦である。また日本の護衛艦では初のVLS搭載艦でもある。
4艦建造されいずれも現役。4個護衛隊群に1隻ずつ配備されている。
特徴
海自の艦隊防空の要であるとともに、弾道ミサイル防衛の要でもある。
石油や食料を輸入に頼る日本では海上交通路の安全確保が重要なのは本作の読者はよく理解していると思う。
海上自衛隊と防衛庁(当時)にとっての最大の敵は「相手が対処できないくらいたくさんミサイル撃ち込めばいいじゃない」という「飽和攻撃」を、盾となる空母艦載機を強行突破してアメリカ空母に通じるレベルまで磨き上げたソ連軍である。
その為、防空は最優先強化案件であった。
しかしながら、当時の防空システムでは射撃指揮装置レーダー1基が誘導できるミサイルは1発。
当時のDDGであるたちかぜ型・
はたかぜ型の同時交戦数は2。どう考えても足りない。
その為、イージス艦導入決定までは軽空母にハリアー2を載せる案が大真面目に検討されていたぐらいである。
しかし、イージスシステム搭載艦の方が防空能力強化に有利という判断のもとに建造されたのが、海上自衛隊初にしてアメリカ以外初のイージス艦である「こんごう型護衛艦」である。
高度な艦隊防空能力を有する本型の就役により、それまで太平洋戦争の教訓から対潜水艦戦闘に特化していた海上自衛隊は、艦隊防空能力の大幅な向上を果たした。
こんごう型護衛艦は、アメリカ海軍のイージス艦アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトⅠを基に設計されている。
日本独自の要求として、艦橋を2層高くして艦隊旗艦能力を追加しており、アーレイ・バーク級に比べて指揮・通信機能が大幅に強化されている。
また、ダメージコントロールや艦体強度向上等を考慮して、艦体に高張力鋼などの特殊鋼を採用、艦体も一回り大きくしてタイコンデロガ級巡洋艦に匹敵する排水量になっている。
建造当初、こんごう型のイージスシステムは1番艦「こんごう」、2番艦「きりしま」、3番艦「みょうこう」がベースライン4、4番艦の「ちょうかい」のみベースライン5の日本仕様である「J1」だったが、現在は全艦BMD対応改修を受けた結果、ベースライン5.2へとアップデートされている。
このイージスシステムは、アメリカからブラックボックスで輸入されているため、核心技術に関する情報を日本は一切関知しておらず、さらにイージスシステムと同等の機密を有する対潜システムと電子戦システムがオミットされた輸出仕様である。
ただし、これらの装備品は両方とも同等以上の性能をもつ国産装備を開発することで解決している。
近代化と後継艦の問題
2020年現在、1番艦「こんごう」の艦齢は26年に達しており、近代化に限界が生じている。
こんごう型のイージスシステムは1980年代の古い基盤計算機を中核にしているため、COTSを多用した新型艦と比べると近代化が難しい。
アメリカ海軍は「こんごう」より古いタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦を無理やりベースライン9に改修しているが、防衛省および海上自衛隊にそれほどの予算的余裕はない。
更にこんごう型に搭載されているBMDシステムのバージョンは3.6だが、本家アメリカ海軍では4.0ないし5.0に逐次移行している。
システムだけでなく、弾道弾迎撃ミサイルの更新も進んでおり、従来のSM-3Block1Aの供給にも不安がある。
まだある。こんごう型の代艦建造計画である。
護衛艦の平均運用寿命は35年程度であり、改修しつつも2030年代には退役予定。代艦のための調査研究費も2025年度予算概算要求で計上された。
こんごう型は比較的ハイペースで配備されたため、同じくハイペースでの代艦建造の必要が予想される。
どのような形で4隻更新するのかが注目される。
ちなみに「金剛代艦」問題はWikipediaにも独立した項目として存在する。
というのも、金剛型戦艦の1番艦である先代「金剛」(1913年竣工)は代艦問題で大いに迷走したからである。
あちらは代艦建造計画そのものが条約の都合で頓挫、しかし結果として先の大戦を1945年まで戦い抜き、大いに戦勲を上げることとなった。
「こんごう代艦」は、およそ1世紀ぶりに巡ってきた問題と言える。
なお2024年以降、こんごう型4番艦「ちょうかい」から順次、現有8隻のイージスすべてにトマホーク巡航誘導弾の搭載が決定。
日本のイージス艦にも本格的な対地攻撃能力が備わることとなる。
日本国召喚における特殊事情
今作において、こんごう型は
BMD能力を持ったテスト済みの唯一の艦艇となっている。
在日米軍のイージス艦からイージスシステムを解析し、あたご型をアップデート、まや型搭載のシステムに採用していない限り、他に弾道ミサイルの迎撃能力を持った艦艇が存在しない。
よって、その重要度が凄まじい事になっている。
が、それはそれとして艦齢はどうにもならない。
本作においては多少どころでない無理をしてでも延命。
最悪、戦艦「三笠」のようなコンクリート埋め立て状態にして、イージス・アショアの代用として利用してでも残す必要があるといえるだろう。
日本に弾道ミサイルが降ってくるともなれば、本作の在日米軍も迎撃に参加してくれると信じたいところである。
流石にこの辺ぐらいは在日米軍と協議して確認しているはずなので、そこは作中でこんごう型がどうなるかで見れることだろう。
こんごう型が普通に退役するのであれば、在日米軍からあたご型以降のイージスシステムのコピーがされ、退役出来なければ参加してくれないということになる。
ただ、
みのろう氏の筆の速度次第では、そろそろ本作は現実より未来の時間を描くことになりそうなので、その辺りをどう調整するのかにも依る。
作中での活躍
DDG-173 こんごう
ニシノミヤコ沖の海戦にて初登場。
本艦の攻撃から本海戦は始まった。圧倒的な長距離からの砲撃により、多くの敵艦を撃沈。将軍
シウス率いる艦隊に何もさせることなく、一方的に勝利を収めた。
DDG-174 きりしま
エストシラント沖大海戦では第4護衛隊群の「
しまかぜ」と共に第2護衛隊群の先頭に配置された。
艦対艦ミサイルで
竜母群を撃沈した後、砲撃で敵艦アディスを撃沈。
竜母より発艦済みだった竜騎士団約250騎が本艦を狙うも、護衛艦隊群の
艦対空ミサイルにて全機撃墜。
この後、更に多数の敵艦を撃沈した。
DDG-175 みょうこう
一番登場回数の多い護衛艦。
ロデニウス沖大海戦では1発の火矢を受けるも、多数の
ワイバーンと敵艦を撃沈した。
この時に写真が撮影され、
ムーは日本の護衛艦がどのようなものなのかを初めて知った。
レーダーがまだ存在しておらず、第一次世界大戦時の軍艦が最新鋭であるムーにとっては、主砲を1門しか持たない本艦の設計思想は全く理解できなかった。
ムーが観戦武官を派遣する際、軍部を説得する資料としてこの写真が使用されている。
フェン王国軍祭に第3護衛隊群と共に登場。
フェン王国海軍の廃艦4隻を主砲で撃沈。襲来した皇国監査軍所属の
ワイバーンロード10騎が巡視船「
いなさ」を攻撃したため、「みょうこう」以下4隻が発砲。全機を撃墜して同祭参加国を驚愕させる。
この時の攻撃で「いなさ」はエンジン故障。撃沈処分も曳航も出来ず、進撃してくる皇国監査軍東洋艦隊と戦うことになる。
発光信号で停船を呼びかけるも通じず、主砲で半数のマストを折り、不殺の勝利をおさめた。
本世界にレーダー波を使用する存在があることに最初に気づいたのも本艦である。
DDG-176 ちょうかい
エストシラント沖大海戦においては第4護衛艦隊群の最後尾に配置された。
ただ、具体的な活躍は記載されていない。
竜母より発艦済みだった竜騎士団約250騎を撃墜しているものと思われる。
クルセイリース大聖王国戦では、SM-2で飛空艦隊を撃退、さらにセキトメイ基地にSSM-1B改による攻撃を仕掛け、同基地と停泊中の飛空艦隊に大打撃を与えた。
攻撃後にクルセイリースが打診した会談のため、
シルカーク王国の外交団警護でワカス―カルト7km沖に待機。そのままクルセイリースの騙し撃ちに巻き込まれたが、山の砲撃陣地を艦砲射撃で壊滅させ、続いて襲撃してきた聖帝ガウザ―をSM-2とSSM-1B改で撃墜した。復活した
ヤマタノオロチにもSSM-1B改で大ダメージを与えるが仕留めきれず逃がしてしまった。
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最終更新:2024年09月09日 01:04