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短編136 - (2010/11/19 (金) 13:05:03) のソース
投稿日:2010/09/06(月) 04:12:53 寒いくらいに冷房が効いた部屋。 電気は付けずに、横になったまま手探りでリモコンを手に取ると、ON/OFFのボタンを押した。 ゴオオオと全力で稼働していたエアコンの音が消え、急にしんとした室内。 なんだか無音が大音量で聞こえてるような感覚が、妙に落ち着かなくて 隣で眠る澪の吐息がやけに大きく聞こえた。 結局またすぐにエアコンのスイッチを入れ、風量を調節するとリモコンをベッド脇の棚の上へ戻した。 薄明かりの中、澪の無防備に曝け出された肩口に目をやる。 なんとなく触れてみるとひんやり冷たかった。 私の肌も同様に冷えているんだろう。 一時間前までは冷房が効いた中でも汗だくになりながら肌をくっついていたというのに、今は肌寒さを感じるほどに冷えている。 ついさっきまでの熱に浮かされた行為を思い出して澪の身体に抱きついた。 私が抱きついたせいで澪がもぞもぞと動く。 「んー…りつ?」 「あっごめん、起こした?」 眠そうな澪に気を遣って小言で話し掛ける。 「や、あったかいからいーよ…」 やはり澪も寒かったようだ。 そう言って澪が身体を寄せてきたので、肌と肌が触れて、その部分があったかい。 あのときの澪の身体は熱くて、私の身体も熱くて、まるでお互いの熱を確かめ合うように密着していた。 今は二人とも肌が冷たくって、お互いの体温を分け合うように密着している。 どちらも私には心地よすぎて、[[もっと]]澪の体温を感じれるよう強く抱きしめた。 おわり #comment