二郎神


道教における武神にして治水の神。悪龍退治の英雄神としても知られる。
『西遊記』関連の作品では「灌口二郎(かんこうじろう)」とも呼ばれている。

日本では「楊戩(ようせん)」の名で知られているが、この「楊戩」という名が定着した背景には、
明清期の通俗文学によるキャラ設定の“固定化”がある。
西遊記の作者・呉承恩は二郎神の名前を明示していないが、姓が「楊」であることは示している。
元ネタとなったのは嘉靖三十四年刊行の宗教典籍『二郎宝巻』に記された楊天佑と雲華女の物語と考えられている。
元々「二郎神」は複数の地域信仰や伝説が融合した存在であり、
李二郎(地方信仰の李冰の次子)、趙二郎(蛟龍退治の道士)、独健二郎(毘沙門天の次子)など、
出自も性格も異なる“二郎”達が時代と共に混成されていった。
宋代以降、水害を防いだ隋代の刺史・楊煜を祀る『河南府志』、羌族の武神・楊難当の伝承が二郎神信仰に接続され、
その一方、前蜀・後蜀の皇帝が二郎神の扮装をして民心を得ようとしたが、かえって水害を招いたという伝説もあり、
水害の確率が高い土地を民衆に与え、廃仏政策を進めたが破滅した宋代の宦官・楊戩を皮肉を込めて二郎神と呼ぶ動きもあった。
明代の『封神演義』によって「楊戩=二郎神」というイメージが決定的に定着。
日本ではこの文学的イメージが輸入され、二郎神は楊戩として知られるようになった。
なお、『封神演義』の楊戩は宋代の人物とは同名の別人。後者は『水滸伝』でも悪役として登場するが、全然目立たない。

本項ではMUGENに参戦している『西遊釋厄傳2』の二郎神について扱う。


原作(『西遊釋厄傳2』)での性能

三国戦紀』シリーズ同様、カプコンの『D&D』シリーズをリスペクトした台湾IGS製作のベルトスクロールアクション、
『西遊釋厄傳2』のプレイヤーキャラの一人。

A連打の連続技のリーチがかなり長く、必殺技も全体的に使いやすい初心者におススメなキャラ。
ただし超必殺技が若干使い辛く、序~中盤は楽な方だが繊細な動きが必要な終盤は結構辛くなるのが難点。
プレイ動画


MUGENにおける二郎神

蝶中蝶氏(wl137氏)によるMUGEN1.0以降専用キャラが存在。
キャラ名はピンイン表記の「Er-Lang-Shen」。

操作方法は6ボタン方式で、必殺技や超必殺技のコマンドが原作とは異なる等、総じて格ゲー仕様にアレンジされている。
また、アイテムを使うシステムもあるが、原作のような選択型ではなくコマンドで使用するタイプとなっている。

出場大会

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最終更新:2025年10月05日 16:08