アリス(アリス・イン・ナイトメア)


"I'm not afraid of her, or her creatures.
 Never was, really! You should stand up to them."

(わたしは女王たちを怖いなんて思ったことないわ。闘うべきよ!)

+ 担当声優
  • 原語版
Susie Brann
『アリス イン ナイトメア』『アリス マッドネス リターンズ』『Alice: Otherlands』

  • 日本語吹替声優
小林優子
『アリス イン ナイトメア』

ルイス・キャロル氏が執筆した名作小説『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を原作としたゲーム、
『アリス イン ナイトメア』(原題『American McGee's Alice』)『アリス マッドネス リターンズ』(Alice: Madness Returns)の主人公。

+ 原典について
読書している姉と退屈していたアリスは、眼の前を横切った服を着たウサギを追いかけるとウサギの穴へ落ちてしまう。
落ちた先は大きな広間となっており、そこにあったケーキを食べて巨大化したり、
人語を話すチェシャ猫に帽子屋と三月ウサギの狂ったお茶会に導かれたりと、奇妙な冒険をする。
やがてハートの王と女王の国に辿り着き、そこでハートのジャックが女王のタルトを盗んだ事件の裁判に証人として参加する。
ジャックを何としても有罪にしようとする裁判に嫌気が差し
王と女王を「ただのトランプの癖に」と断じると、大量のトランプ兵に襲われる。
それを振り払うと姉の膝枕で寝ていた事に気付く。
夢の中での冒険を話すアリスに対し、姉は妹が子供の様な素直さを持ったまま育っていくだろうと思うのであった。

モデルはアリス・リデル女史とされる。元々はキャロル氏が当時10歳のリデル女史の為に即興で作った話で、
これを気に入ったリデル女史が本にして欲しいと頼んだ事がきっかけとなり、加筆修正を加えた上で出版された。
ディズニーによってアニメ映画化もされており、こちらも非常に有名。
現在はパブリックドメイン

後世の創作物に与えた影響も大きく、創作世界で「アリス」と言ったら「金髪でエプロンドレス」がお約束になっているほど
(ただしリデル女史自身は黒髪で、キャロル氏が描いた絵も黒髪。
 上記の姿はジョン・デニエル氏によるもの。ルイス氏との協議により、リデル女史とは似せない事になったのだとか)。
更に上記のディズニー映画以降はエプロンドレスの色は「青」が定番となった。

また、『ガンダムセンチネル』に登場するSガンダムには、
「ALICE(Advenced Logistic&Inconsequence Cognizing Equipment=発展型論理・非論理認識装置)システム」
という機能が備わっており、劇中でもアリスを意識した会話が交わされている他、
主人公リョウ・ルーツは問題児ながらも、それ故にチェシャ猫役に相応しいとしてSガンダムのパイロットに選ばれたという経緯を持つ。
バットマン』では『不思議の国のアリス』に登場する帽子屋に扮した「マッドハッター」というヴィランが登場する他、
『Arkham Asylum: A Serious House on Serious Earth』(邦題:『アーカム・アサイラム』)は『不思議の国のアリス』を題材とした作風となっている。
実写映画版『バイオハザード』シリーズではアリス・アバーナシーを始め、ヴィランのレッドクイーン等、本作の登場人物由来の名前が登場している。

不思議の国と鏡の国の冒険を終え家族との日常に戻ったアリスだが、
ある日原因不明の火災に襲われ、家族を亡くす。
そのショックで史上類を見ない重度の精神病になり、精神病院で10年以上寝たきり同然に過ごしていた。
ある日、持っていたウサギのぬいぐるみに「助けてほしい」と語りかけられ、
不思議の国(かつて訪れた不思議の国ではなく、アリスの心象風景)へ導かれる。
アリスの精神状態に連動して、不思議の国も荒みグロテスクに変貌してしまった。
アリスは不思議の国の平和を取り戻す為、血に染まったナイフを手に取り、戦う。

上述した境遇とは裏腹に、赤の女王の支配に苦しむ奴隷達を見て抵抗を促したり、
最初に手に入る武器であるナイフを逆手で持ったりと、幼少期に大冒険を経験した為か勇敢さやイケメンな面も多々見られる。

悪夢の如き不思議の国の冒険は、アリスが現実へ目覚めるための戦いでもあった。
しかしその後精神病院を退院して尚も幻覚に悩まされる日々を過ごしていたアリスは、
精神科医バンビーの下で看護助手として彼を手伝いつつ、バンビ―の治療を受けながら生活していた。
だが、再び不思議の国に迷い込んだ事を切っ掛けに、家族を失った火災がただの火事ではなかった事を知ったアリスは、
その恐るべき真相と対決するため、今度は狂気に満ちた不思議の国で冒険を繰り広げていく。
+ 恐るべき真実
実はアリスの家族を奪った火災には不審な点が多々あり、事故ではなく放火ではないかという疑惑があった。
精神病院でアリスの治療を担当した医師は、アリスの悪戯が原因か、そうでなくとも真相を知っているのではと考えており、
それ故にアリスも「もしかしたら自分が火をつけたのではないか」という疑惑に悩まされ、罪の意識に苛まれていた。

しかし真相は違った。真犯人は学生時代のバンビーだったのだ。
アリスの姉リジーの同級生だったバンビーは彼女に一方的な恋慕を抱き、拒絶されても執念深く迫り続け、
ついにあの夜、アリスの家に忍び込んでリジーの寝室で彼女に暴行を働き、全てを隠蔽するために火を放ったのだ。
気絶した状態で寝室に閉じ込められた姉はそのまま煙で死亡、両親は炎にまかれて焼死。辛うじてアリスだけが助かった。
そして幼かったアリスは家に忍び込み逃げ出すバンビーの姿、バンビーが姉を犯した一部始終を見聞きしており、
この恐ろしい体験と記憶が彼女の根深いトラウマ、悪夢と狂気の源となっていたのである。

真相を突き止めたアリスは、バンビ―が現在もその歪んだ性根を抱えたままである事、
精神科医として習得した催眠術で少年少女達を売春婦に仕立て上げて私腹を肥やしている事、
そして犯行の隠蔽のため、売春の手伝いをさせるため、、そして次の獲物として自分も催眠術をかけられつつある事に気付き、
現実と狂気、虚実入り乱れる中で、自己と正気を取り戻して家族の仇を討つべく、バンビーとの決戦に挑むのであった。

悪夢と狂気の戦いを乗り越えたアリスの物語は三部作となる『Alice: Asylum』での完結を予定していたが、
2023年、IPを所有するエレクトロニック・アーツが資金提供終了およびIP売却を拒否したため制作が中止となり、
これによって制作者のアメリカン・マギー氏が引退を表明したため、事実上シリーズ終了となった。
アリスの次なる物語については『Alice Asylum Design Bible』としてPDFが無料公開されているため、
興味のある方は読んでみると良いだろう。


MUGENにおけるアリス

Deatholder氏によるMUGEN1.0以降専用キャラが存在する。
手描きドットで製作されており、外見は『マッドネス リターンズ』準拠。
現在は下記の動画の他、「MUGENドット絵板」でも代理公開されている。
なお、ReadMeの類が付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。

通常投げはあれど通常技超必殺技が実装されておらず、
使用出来るのはコマンド入力を必要とする必殺技のみという思い切った仕様が特徴。
手にしているナイフやマシンガンになるペッパーミル(胡椒ひき)、チェスの駒を模した棍棒など、原作でも使用していた武器を駆使して戦う。
ただし設定ミスなのか、下記の動画では普通にヒットしているティーポット攻撃に攻撃判定が付いておらず、
現時点では派手な爆発を起こすだけの死に技と化してしまっているのが残念な所。
AIは搭載されていない。
紹介動画(DLリンク有り)。
お相手はBANANACHIPs氏のアリス

出場大会

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最終更新:2024年03月21日 09:25