effrayeur は辞書にない単語であり、古語辞典などにも見当たらない。
もっとも、フランス語の動詞には effrayer (怯えさせる、たじろがせる) があり、名詞には frayeur (恐怖、怖じ気) という語があるので、これらの類語であろうことは見当がつく。そして、フランス語の -eur は「~する」を意味する形容詞や「~するもの」を意味する名詞を作る接尾辞なので、effrayer の名詞化と理解すれば「怯えさせるもの」の意味になるだろう。
マリニー・ローズは中世のフランス語の esfrëor (恐怖) の変形と見たが、意味合いとしては同じことである。DALF では esfreor の綴りの揺れとして esfreoyeur を挙げている。
なお、有名な恐怖の大王の詩(第10巻72番)では行末に置かれており、韻を整えるための変形であるかのようにも解釈できるが、
高田勇が指摘していたように、詩百篇での8回の登場のうち、脚韻に用いられているのは第6巻81番と第10巻72番の2回だけで、初版本の用例などではいっさい脚韻に用いられていない。このため、脚韻のための変形と見るのは不適切だろう。
登場箇所
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最終更新:2014年08月24日 23:49