ノストラダムス2016

 「ノストラダムス2016」は寿ひさし(平井久司)(漫画)、三陽五郎(會川昇)(原作)の漫画作品。2016年を舞台とするSF作品であり、『コミックGENKi』1992年5月号から1994年9月号まで連載された。

書誌

作者の名義

 第1回は「漫画寿ひさし、原作三陽五郎」となっていたが、その後、原作者名は「會川昇」で表記されることが多かった。「寿ひさし」は最終回のみ「寿ひさし改め平井久司」となっている。

掲載

 隔月刊だった『コミックGENKi』(角川書店)1992年5月号から1994年9月号まで連載された(1993年5月号のみ休載)。全13話+番外編1話(1994年5月号)。

 『コミックGENKi』は1994年9月号をもって休刊となったため、『歴史ロマンDX』へ移籍した「八犬伝」ほか、新たに創刊される季刊『コミックNEWTYPE』への移籍が発表されたいくつかの連載を除いて、実質的に打ち切られる形になった。

 本作品も、話の流れを途絶するような形で「おわり」となっており、ストーリー上は未完の作品である。

単行本化

 連載中に何度か、単行本化作業中であることが記載されていた。

 また、1994年5月号の「ノストラダムス2016番外編」にしても、最後のページで「コミックス作業中につき番外編でした」と書かれていた。

 最終回の1994年9月号でも、最後のページに単行本化作業が遅れているような記述があるが、結局、公刊されなかったようである。

ノストラダムス関連

 主人公はノストラダムスの記憶を引き継いでおり、アンゴルモア等も重要なキーワードとなっている。

 その作品中、ノストラダムスの予言詩などがいくらか引き合いに出されており、1999年の詩は2016年のことだったとされている。
 根拠となるのは1+9+9+9=28で、平成28年(2016年)を示しているという解釈が示されている。もうひとつ、「500年後」が出てくる第3巻94番を、ノストラダムスの時代(1503年 - 1566年)から500年後に特別な存在が現れると解釈する者たちがいたことも踏まえているようである。

 連載第2回にあたる1992年7月号では、最後のコマに
この作品は科学評論家志水一夫氏の協力のもと、ヴライク・イオネクス〔原文ママ。正しくはヴライク・イオネスク〕氏の「ノストラダムス・メッセージ」(竹本忠雄訳・角川書店刊)他、多数の「ノストラダムス」関係書を参考にさせていただいたフィクションです。
百詩集」の訳文については山根和郎氏と大乗和子氏のものを参照させていただきました。
と書かれている。

 「サンテュリ」(サンチュリではなく)という、一時期の志水くらいにしか見られなかった表記など、確かに志水の影響が感じられる反面、取り込まれている解釈内容にイオネスクの影響はあまり感じられない。
 にもかかわらず上記のようにイオネスクが特筆されているのは、同じ版元(角川書店)の漫画雑誌に掲載されていた作品という事情によるものだろうか。


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最終更新:2020年11月15日 10:42