(予兆詩旧2番 1555年に関する冒頭の献辞)
原文
La mer Tyrrhene, l'Ocean par la garde
Du grand Neptun & ses tridens soldars.
Provence seure par la main du grand Tende.
Plus Mars Narbon l'heroiq de Vilars.
日本語訳
ティレニア海と大洋はラ・ガルド、
つまりは偉大な
ネプトゥヌスと、彼の三叉戟の兵士たちによって、
プロヴァンスは大いなるタンドの手によって、(それぞれ)安泰。
さらに、
ナルボ・マルティウスはヴィラールの雄々しさ(によって安泰)。
解説
詩百篇第2巻59番との類似性はつとに指摘されている。
違いは固有名詞が多くなっていることと、その固有名詞、ラ・ガルド(
ラ・ガルド男爵)、タンド(プロヴァンス総督のタンド伯クロード・ド・サヴォワ)、ヴィラール(ヴィラール伯オノラ・ド・サヴォワ)の3人を称える意味合いが非常に強くなっていることである。
この詩は
ジャン=エメ・ド・シャヴィニーの『フランスのヤヌスの第一の顔』(1594年)の中では、「1555年に関する巻頭の献辞」(De L'Epistre liminaire sur L'An 1555)というタイトルで紹介されている。
しかし、それが収められているはずの『
1555年向けの新占筮』の冒頭には、ジョゼフ・デ・パニスにあてられた散文の献辞があるだけである。そして、最終ページまで見たところでこのような詩は見つからない。
それどころか、シャヴィニーがまとめていた非公刊の手稿『
散文予兆集成』(1589年)にすら収められておらず、唐突に1594年に登場したのである。こうしたことから、
ベルナール・シュヴィニャールは、シャヴィニーが百詩篇第2巻59番をもとに偽造したと推測している。
コメント
(この欄に記載していた仮説については、一定期間コメントアウトします)
外部リンク
※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
最終更新:2014年10月18日 00:44