Mの憂い@-1st.stage★Puzzled of fragments
Chapter 7:脅える魂
「まったく、なんで俺がこんな目に・・・。これが原因で亜梨葉様に捨てられたら警察はどうしてくれるんだ」
警察のしつこい聴取を終えた緑田たかしは、うっとうしい顔を更に曇らせタクシーの中でぼやいていた。
「よし、女王様への貢ぎ物を買って部屋に戻るか。それで今晩は・・・むふふ」
今まで曇っていた顔は日が差したように明るくなる。
{この人、なんだかいやらしい笑いしてるな。}
バッグミラー越しに緑田の様子を見ていた折縁太良登は、久しぶりに乗せた客の様子見に夢中になっていた。
実はこの折縁太良登。
この南の島では、ちょいと有名なタクシー運転手なのである。
運転中に歌を歌いだしてみたり、天然ともいえるボケで全然違うところに到着したり。
南の島の住人は、タクシーを頼むときに「折縁以外で」と頼む人がいるくらいで、
緑田は、折縁にとって数ヶ月振りのお客だった。
そんな折縁と緑田の目が鏡越しで合う。
「おい、運転手さん。悪いが急いでもらえるか」
「はい。かしこまりました」
折縁は、アクセルペダルを踏みこんだ。
「これ、プレゼントなんだけど。包装してくれ」
ホテルに到着した緑田はブランドショップで黒のピンヒールを選び、急ぎ足で部屋に戻った。
コン、コン、コン。
「・・・・・・・」 部屋からは応答がなかった。
コン、コン、コン。緑田はもう一度ノックをする。
「亜梨葉様~ただ今戻りました」
「・・・・・・・」
{寝てるのかな。起こされると機嫌が悪いからな。仕方がない、少し時間をつぶしてからまた戻ってくるか}
緑田はエレベーターに乗った。
芳雄 平川 久万の3人はチェックインを済ませ部屋に向かった。
「きゃああああああああああ」
エレベーターに乗ると、手足ばらばらに切り裂かれた緑田が倒れていた。
その頃ホテルのプールで、亜梨葉は泳いでいた。
1キロ泳いで休憩をとっていると、悟郎がやってきた。
「ごろちゃんうまくいった?」
「ばらばらにしてやったよ」
「え?どうゆうこと?」
「ふふん」
梧郎は何事もなかったかのようにビールを飲んだ。
織重梧郎も亜梨葉のSMクラブの客だった。
亜梨葉は前日偶然ふふーんビーチで悟郎を見かけた。
たかしは奴隷として連れてきたのであり、亜梨葉にとってHの対象ではなかった。
しかしたかしは、勘違いして亜梨葉に迫ってきたのだ。
その場は、体調悪いから明日にしよといって乗り切ったが、今夜どうしようかと思っていた。
翌朝梧郎に相談すると梧郎は心配しないで任せといてといったのだ。
権田世慧と野琵は後藤の意思を引き継ぎシッタカ文明の研究をするため南の島にやってきた。
権田際と権田世慧は、仲の良い双子の兄弟だ。
お互い南の島に行くことを知っていた。
世慧は、ホテルのバーに、際を呼び出した。
際は光江に一緒に行こうと誘ったが光江は疲れたから部屋で休んでるといった。
「よお」
「よおひさしぶり」
「初めまして野比です」
「世慧の兄の際です」
3人は2時間ほど飲んでお開きになった。
ドカーーーーーーーーーーーン
際が部屋に入ろうとドアを開けた瞬間ものすごい爆発音がした。
小型の爆弾がドアを開けると爆発する仕組みになっていたようだ。
ホテルの従業員やお客が駆けつけ際と光江を救助しようとしたが2人は死んでいた。
爆発音は1Fのリネン室まで響いていた・・。
(また、事件・・・?!。また、だれか死んだのかしら・・・・。)
ホテルのメイド、海老川真予は、つぶやいていた・・・。
はやく、これを集めて財宝をもって、こんな物騒な島から出で行かなきゃ。
あの日、子供たちが奪い合っていたぴかぴかの石がそこあった。
ASTT・・・・そして、あたしも持ってるK。
彼女は、本土で生まれ何も知らず普通に育ちCAの仕事をしていたのだが、
一昨年亡くなった母親の遺言で、自分がシッタカ一族の血を受け継ぐ子孫の一人である事と、彼女の家に代々受け継がれてきた「Kの石」の存在を知った。
だが、シッタカ文明の財宝の秘密についてはあまり詳しくは書いてなかった。
すでに彼女の母親の時点でその辺のところは曖昧になっていた・・。
その後、何度なく南の島に足を運ぶようになった彼女は、海老川と恋におち結婚し子供を産んでいた。
何事もなく、平和な毎日を過ごしていたのだが、偶然にも「Kの石」と同じ輝きを持つ4つの石に出会ってしまった。
【SITTAKA】文明・・・・・・・残りはどこにあるのかしら。
ゆかりは、司法解剖に回っている剣斗の遺体とも会うことができず、失意のまま一度本土の自宅マンションに戻っていたのだった。
一緒に住む姉がやさしく出迎えてくれた。
剣斗の使っていたのランドセル、机、ラジカセ、帽子・・いっそうの悲しみがあふれだして、涙が止まらなかった。そんなゆかりを見て、姉は実家に帰る事を提案したのだった。
母も父も兄夫婦も事情は姉から聞いていたから、何も聞かず出迎えてくれた。
そこには都会にはない穏やかな時間が流れた。
二日後、南の島警察から電話があった。
剣斗の遺体の引き取りをという事だった。早速、島へ向かうというゆかりに母が一通の手紙と何がが入った小さな袋を渡した。
飛行機の中で手紙を読み、小さな袋を開けてみると、そこには「F」と刻まれた光る石が入っていた。
空港に降り立ったゆかりは、珍しく重い雲に覆われた空を見て、大きな不安に襲われていた。
最終更新:2005年11月08日 12:21