| 『大丈夫?やっぱりやめようよ。』少女が二人の手を引いて帰ろうとした。 『ふん、意気地なしが。 つまんないから、暇つぶしに凛子さんとこにでも行ってこようかなー。 いろいろ話しちゃぉ。あれとか・・それとか・・。』 もう一人の少女が意地悪そうに呟いた。 『わ、わかったよ。』泣きそうに食いかかる少年がいた。 『わーい、じゃぁ、楽しみにしてるわ。できるだけ大きいのねー、あはははは』 高笑いする少女の元から少年は暗闇へと走って行った。 悲劇が起きたのは、それから間もなくだった。 倉庫が大きく揺れ、内圧に耐え切れず破裂する何かの様に、次々に飛び散る赤や青の火花と共に、壁も屋根も勢いよく吹っ飛んだ。隣接する小さなプレバフの事務所は一溜りもなかった。窓ガラスやアルミの壁がバラバラ割れていった。やがて火花は炎へと変わっっていた。 『ゆかり、逃げるわよ。』『まって、亜梨葉、まだ猟が・・。』『きゃっ。』『ったく。』 工場内に入ってきた車のヘッドライトに目が眩んで、思わず転んでしまったゆかりを引きずるように、少女達は街の中へと消えていった。 |
| 『ちょっとっ、何するのよ。』 ホステスとホテルの従業員が一つの石を争ってソファーで揉み合っていた。 やがて、ホステスはぐったりして動かなくなっていた。 ホステスが必死に暴れた時、蹴飛ばされ、ひっくり返ったバックの中から一通の封筒が滑り出てきていた。 さらに、少しひん曲がった封筒は部屋の入口付近へと飛ばされていた。 やがて、我に返り青ざめた従業員らしき青年は慌てて部屋を出て行った。 |
| 『ああ、旨かった。光江もくれば良かったのに。世慧にも会えたし。満足満足。』 そう言いながら、男が部屋に入ろうと勢い良くドアを開けた瞬間、ドア近くに迄飛ばされて来ていたひしゃげた封筒は、もう僅かな震動と風にも耐えきれんといわんばかりに封を開いた。 それは、次の瞬間ものすごい音を立てて爆発した。 |
| ふふんビーチの東端で一人の男が迷い子のように立っていた。 『あんちゃん、シッタカの財宝を探してるのかね?』 『あれ、なんでわかったんだ。』ばつ悪そうに顔を顰めた。 『その地図にでっかく、SITTAKAって書いてあるじゃないか・・』 『・・・・・・・』『良いこと教えてやろうか。』『なんだよ、』 『何処にあるか分からないその洞窟、誰でも入れるわけではないみたいだぞ。13個の石が必要だそうだ。それに入口には猛毒がばらまかれてるって話だから、きーつけな。』 『へぇ-、そうなのか。おっさん、詳しいのか?』 『いや、これはお客に聞いた話しさ、はは。とにかく洞窟を探すのは勝手だが、猛毒を島に撒き散らすようなことはしないでくれよ。はは。』『うぃ。気をつけるよ』 『ところで、情報の替わりといちゃなんだが、一つ俺のお願いを聞いてくれないか?』 『おお、何でもきこうじゃないか。』 実は、あのホテルに憧れの彼女が泊ってるんだけど、なかなか相手にしてくれなくてな、はは。この際思い切ってラブレターを出してしまおうかと思うんだけど、届けてくれないかなー。』 『おう、任せておけ。届けることは得意だから。』『今取ってくるから待っててくれ。』そう言うと車の中に戻っていった。 太良登は島内で酔った米兵がタクシー内に忘れていった超薄型の爆弾を隠し持っていた。それを器用に細工して仕掛けた偽のラブレターを梧郎に渡した。 太良登は女の特徴を説明しはじめた。 だが、梧郎は既に違うことに気を取られ話半分に聞いていた。 (えーっと、確か、クラブの・・女とか言ってたな・・。で、さえない男連れで・・、特別室に泊ってて・・。あ、あいつらか。。これまた、おっさんの趣味悪いな・・。) そう思いながらもトレーを手に持ちウェイターの振りをしながらレストランに入り込み、例の手紙を光江のハンドバックのポケットに放り込んだ。 |
