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Mの憂い@-4th.Stage★Come back from Long journey
Chapter5:復讐の綾

**花火工場の悲劇。
『大丈夫?やっぱりやめようよ。』少女が二人の手を引いて帰ろうとした。
『ふん、意気地なしが。
つまんないから、暇つぶしに凛子さんとこにでも行ってこようかなー。
いろいろ話しちゃぉ。あれとか・・それとか・・。』
もう一人の少女が意地悪そうに呟いた。
『わ、わかったよ。』泣きそうに食いかかる少年がいた。
『わーい、じゃぁ、楽しみにしてるわ。できるだけ大きいのねー、あはははは』
高笑いする少女の元から少年は暗闇へと走って行った。
悲劇が起きたのは、それから間もなくだった。
倉庫が大きく揺れ、内圧に耐え切れず破裂する何かの様に、次々に飛び散る赤や青の火花と共に、壁も屋根も勢いよく吹っ飛んだ。隣接する小さなプレバフの事務所は一溜りもなかった。窓ガラスやアルミの壁がバラバラ割れていった。やがて火花は炎へと変わっっていた。
『ゆかり、逃げるわよ。』『まって、亜梨葉、まだ猟が・・。』『きゃっ。』『ったく。』
工場内に入ってきた車のヘッドライトに目が眩んで、思わず転んでしまったゆかりを引きずるように、少女達は街の中へと消えていった。

「あ、あれは、猟が勝手にやったことよ。勝手にしくじったのよ。」
亜梨葉の言葉は強気ながらもそっぽを向く目線は弱気だった。
「ちがうでしょ、半分あたし達が脅したようなものよ。
婦警の凛子さんに、あんな事そんな事、喋るって言われたらやるしかないでしょ。
あの頃イタズラする時は、ほとんど彼が実行犯だったんだから。」
「そうね・・、悪かったわね、猟ひとりで行かせたのは・・。」

「違うだろう!冗談じゃない、、俺は許さないぞ、おまえ等を!」
怒りを露に叫んだのは太良登だった。
「ちきしょー、顔が分かっていれば、あのパーティーでどうにかできたのに、、」

***ホテルの一室で。
『ちょっとっ、何するのよ。』
ホステスとホテルの従業員が一つの石を争ってソファーで揉み合っていた。
やがて、ホステスはぐったりして動かなくなっていた。
ホステスが必死に暴れた時、蹴飛ばされ、ひっくり返ったバックの中から一通の封筒が滑り出てきていた。
さらに、少しひん曲がった封筒は部屋の入口付近へと飛ばされていた。
やがて、我に返り青ざめた従業員らしき青年は慌てて部屋を出て行った。

魁矢の顔から一瞬にして血の気が引いていた。
引っくり返る様に地べたに座り込み、後ろに両手を突いて、ひたすら謝っていた。
「殺すつもりはなかったんだ。なんだか、つい掴んでしまったんだ。
ただ彼女が余りに必死に取り替えしに来るから、こっちもつい力が入ってしまって。
ごめんなさい。ごめんなさい。」
隣にいた夏生が優しく魁矢の背中を起こした。
心から謝罪をしたあとに、断固として爆破のことは否定した。
「じゃ、誰だ、際を殺したのは。」
****誤配
『ああ、旨かった。光江もくれば良かったのに。世慧にも会えたし。満足満足。』
そう言いながら、男が部屋に入ろうと勢い良くドアを開けた瞬間、ドア近くに迄飛ばされて来ていたひしゃげた封筒は、もう僅かな震動と風にも耐えきれんといわんばかりに封を開いた。
それは、次の瞬間ものすごい音を立てて爆発した。

「なぜだ・・こいつじゃない・・」
*****実は、ふふんビーチで・・・
ふふんビーチの東端で一人の男が迷い子のように立っていた。
『あんちゃん、シッタカの財宝を探してるのかね?』
『あれ、なんでわかったんだ。』ばつ悪そうに顔を顰めた。
『その地図にでっかく、SITTAKAって書いてあるじゃないか・・』
『・・・・・・・』『良いこと教えてやろうか。』『なんだよ、』
『何処にあるか分からないその洞窟、誰でも入れるわけではないみたいだぞ。13個の石が必要だそうだ。それに入口には猛毒がばらまかれてるって話だから、きーつけな。』
『へぇ-、そうなのか。おっさん、詳しいのか?』
『いや、これはお客に聞いた話しさ、はは。とにかく洞窟を探すのは勝手だが、猛毒を島に撒き散らすようなことはしないでくれよ。はは。』『うぃ。気をつけるよ』
『ところで、情報の替わりといちゃなんだが、一つ俺のお願いを聞いてくれないか?』
『おお、何でもきこうじゃないか。』
実は、あのホテルに憧れの彼女が泊ってるんだけど、なかなか相手にしてくれなくてな、はは。この際思い切ってラブレターを出してしまおうかと思うんだけど、届けてくれないかなー。』
『おう、任せておけ。届けることは得意だから。』『今取ってくるから待っててくれ。』そう言うと車の中に戻っていった。

太良登は島内で酔った米兵がタクシー内に忘れていった超薄型の爆弾を隠し持っていた。それを器用に細工して仕掛けた偽のラブレターを梧郎に渡した。
太良登は女の特徴を説明しはじめた。
だが、梧郎は既に違うことに気を取られ話半分に聞いていた。

(えーっと、確か、クラブの・・女とか言ってたな・・。で、さえない男連れで・・、特別室に泊ってて・・。あ、あいつらか。。これまた、おっさんの趣味悪いな・・。)
そう思いながらもトレーを手に持ちウェイターの振りをしながらレストランに入り込み、例の手紙を光江のハンドバックのポケットに放り込んだ。

「ぁぁ・・」小さく声を上げたのは、太良登だった。
「・・・ったく、あの男、間違えやがっったのか。ちきしょー。」
呆然しながらも、鉄柵に捉まりながら話し始めた。
「16才の時から行方不明になっていた俺の息子は自殺してたんだ。
半年後発見された時にポケットに入っていた遺書に花火工場のことが書いてあったんだ。
花火を盗めといわれて倉庫に忍び込んだものの、何もかも嫌になって咄嗟にマッチに火をつけ、扉の隙間から投げ入れて逃げてきてしまった。
あんな事になってしまって、死んで償うと・・。
他にもいろいろ懺悔めいたことが書いてあったよ。もともと気の小さいあいつをそこまで追いつめた奴が憎くくて、必死に調べまわってやっと突き止めたんだが、彼女は街から既にいなくなっていた。最近やっとの思いで、とあるSMクラブにいるということを突き止めてクラブに行ったら、休暇でこの島に来てるというから追いかけてきたんだ。
致命的なことは今の彼女の素顔を俺は知らないという事だった。
リゾート客の殆どはあのホテルの中で過ごしていたみたいで彼女も・・・。
哀しいかな、あそこは俺には縁のない世界でなー、そんな時、島をうろつく梧郎とかいう奴に出会ったんだ。
話をしていくうちに彼がホテルに自由に出入りできることが分かり、咄嗟に彼を利用することを思い付いてしまった。だけど・・・。」

「じゃあ、際は間違えられて殺されたというのか。しかも巻沿いで。なんてことなんだ・・。」
普段から冷静な世慧もさすがに声を荒げてしまった。
「ああ、でも・・・俺もまた関係の無い命を奪ってしまっていたんだな。・・・すまなかった。」
太良登が涙ながらに世慧に頭を下げていた。

最終更新:2005年12月31日 22:02