Mの憂い@-4th.Stage★Come back from Long journey
Last Chapter:旅立ち
「ぅぅー。」
朝日は、既に地平線を離れ、東の空に浮かんでいた。
ふふんビーチで目を覚ました面々は重く朦朧とする頭を抱えて立ち上がった。
「な、なによこれ。」
梨生の服のポケットの中で黄色と黒の縞縞のフィッシュがピクピクと踊っていた。
亜梨葉の手には長く輪っかになった海藻が巻き付いていた。
銀のスプーンを持ってきたはずの真予の手には貝殻が握られていた。
「夢だったのかしら・・」
と、ポツリと力無く呟くゆかりの隣で世慧が慌ててPCの電源を入れていた。
「ああああああ、見て!これ、ダイヤモンドよねー。」
「うふふ」
そういって、不思議な黄色に輝くダイヤモンドを両手で空高くかざした。
「あら、あたしもあるわん。
あたしのは・・パープルよ。」
「俺もある。俺のはエメラルドグリーンだ。」
いつもまじめな雲丹が珍しく嬉しそうに笑った。
「俺も。、、」「あれ、私も・・・」
みんな、一つずつ様々な彩りのダイヤモンドを手にしていた。
ただし、今度は妖しく光る事も妖しい文字も刻まれていなかった。
「うむ、我々が撮ってきた画像は残っているよ。」
「もしかして、シッタカが自分の栄華を後世に伝えるために俺達は踊っていたのか、」
「の、可能性が大きいかもな。」何処までも続く地平線を見つめながら世慧が答えた。
「でも、そのダイヤは何となく本物のような気がするわ。きっとそれがお土産ね。」
「・・・・・ま、いいわ。さ、帰りましょ。」
「そうだな・・」
亜梨葉とゆかりは改めて太良登に深く頭を下げていた。
「あ、とうちゃん。」
星人は砂浜に足を取られながらも、恰幅がいい男のとこへ駆け寄っていった。
「何してるんだ、こんなとこで。あ、そう言えばレストランで何してたんだよ・・。」
「ランチを頂いてただけさ。」
「そうそう、久しぶりに、ニョロリも見たよ。」
「ああ、たまには家にも帰ってこい。酒でもつきあってくれよ。」
星人の肩を軽く叩いてその男は言った。
(ふぅー。やっと、終わった。次は1000年後か。先ずはこいつに伝えなきゃな・・。)
******
冷たい秋風が落ち葉と戯れていた。
ゆかりは、一つの墓石の前で静かに手を合わせていた。
しばらくの間、何かを語りかけ終わると、
墓地の入口で待つ男の傘の中へ、寄り添うように入っていった。
最終更新:2005年12月31日 21:59