Mの憂い@-4th.Stage★Come back from Long journey
Chapter4:藍色の洗礼
ふたたびの閃光の後、残された面々が目を開けると・・。
広場の真ん中に大きく穴が空いていた。
「階段があるわ。」恐る恐る華子が覗き込んだ。「たぶん地下へ通じてるわね。」
一同は立ち上がり階段を下っていこうとしていた。
「私、もう少しここに残るわ。」杷明都の言葉に、
「ここはいつ崩れるか解らないんだぞ、危険過ぎるわ。」華子が止めた。
でも、逆にこの機会を逃したら永久に封印されてしまうかもしれないと考えた杷明都は、必要最低限の資料収集をしたら、すぐに追いかけることを約束して残ることになった。
念のため華子の命令で野琵も一緒に残ることになった。
階段の先で、ささっと一人降りていった人志が驚嘆の声をあげていた。
「すっんげえええ。」後に続いた星人等もその光景に暫し見とれていた。
彼らの前に広がっていたのは、まさにガラス張りの海底トンネルだった。
天を仰げば、澄み通る海にを小さな魚たちが通り過ぎていき、藍に染まる地中の岩影では彩り鮮やかな魚達が戯れ、陽の光を受けた珊瑚礁が揺れ動く様に圧倒されれていた。
大きなマンタが頭上を悠然と通り過ぎていった。
皆が思わず首を竦め姿勢を低きした時、トンネルの通路の先に怪しく光る大きなクリスタルのような物が中央に置かれた部屋があるのに気がついた。
「おおお、もしかして財宝の部屋か?」
皆が我先にと部屋に入っていった。
だが、それはカニの形をした水晶だった。
それを囲むように13個の石が丸く並んでいた。
不思議なことにあれほどに魅惑的な輝きは失なわれていた。
正面には白く塗られた大きな壁があった。
視線を横に向けると、左右に分かれて石を持っていた12人がいた。
その先に見えるのは通路と同じように青の世界が無限に広がっていた。
ただ一つ、彼ら12人がガラスの壁と鉄の柵の間に囲まれていることに違和感を感じざるを得なかった。
突然、部屋の周りのガラスが透明から黒へと変わった。
天壁についている幾つかのランプで辛うじてお互いの顔は見えていたから、そう大きな騒ぎにはならなかった。
すると、カニ水晶が仄かに蒼白く光った。
何処からということもなく人の声が聞こえてきた。
・・・・・・何よ、いい加減にしてよ・・・ブツブツブツ・・・
「何だ、呪いか?!」
「違うわ正面よ、このカニ水晶が正面の壁に何か映し出してるのよ。」
一同が壁を見た。そこには理恵世が映っていた。
*満天の星が煌く冬の夜に・・・
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北海道のとある酪農場の牛車の脇を通る農道を一人の女がブツブツ言いながら歩いていた。何気なく火の点いた煙草を振り回し、牛舎の横にある干し草のところでさらに大きく腕を回してみせた。しばらくその場にじっとしていたが、間もなく何事も無かった様にその場を去っていった。だがそれから暫く後、干し草の山から白い煙があがった。それはあっという間に真っ赤な炎と変わった。 |
映像を見ていた理恵世は居たたまれなくなって顔を両手で覆った。
「な、なによ、これ、だ、誰が隠し撮りしてたのよ、それに何よ今更・・」
「・・・それって、この映像が本当だって言ってるのと同じ事よね。」
華子の鋭いつっこみに、ただただ、うろたえる彼女を誰もが冷ややかな目で見ていた。
「うっさいわねぇー、そうよ、本当のことよ。あの夜、ムシャクシャしていたのよ。」
暫く僅かな指の間から周りを見渡していた彼女だったが、開き直って喋り出した。
「担当の時間はなかなか解決しないし、クラブ通いにはまってしまった旦那とは、顔をあわせると喧嘩ばかりでさ。そんな時たまたま散歩に出かけた先でうずたかく積んであるわらの山を見て、つい・・タバコの灰をちょっとだけ、落としたのよ。
でも、しばらくしても何も起きなかったら、内心ほっとして帰ったのに。
朝、出勤したら大変な事になっていたわ。
でも、幸い牛舎を少し焼いた程度で良かったわ。
しばらくは、いろいろもみ消し工作で忙しかったわよ。」
ふてぶてしい態度の理恵世に、いつもは大人しい帆羽が珍しく怒り狂った。
「それ、私の家よ。何てことしてくれるのよ!それに、なんだか知らないけど後になって、ぼけ始めたおばあちゃんが散々疑われて・・そのおばあちゃん、先週亡くなったのよ。疑われたまま・・ぅぅ・・」
泣き崩れる帆羽を優しくなだめるゆかりの目が、理恵世を哀しく見つめた。
理恵世は一瞬目をそらしたが、程なくうな垂れて力無く崩れるように座り込んだ。
「ごめんなさい。・・・」
その時【N】の石が輝きを取り戻した。
「ねぇ、もしかして・・もしかしてだけど、ここ懺悔部屋?ちょっと表現古いけど。」
ちょっと恥ずかしそうに真里菜が行った。
最終更新:2005年12月31日 22:02