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Mの憂い@-3rd.Stage★The small satans' in whispers talks
Chapter4:シッタカ文明

ご来場の皆様にご案内申し上げます。
まもなくメインホールにて権田世慧氏による「シッタカ文明の謎」の講演会がはじまります。
たくさんの皆様のご来場をお待ちしております。

「あら、いかなくちゃ。財宝の在処が判るかもしれなじゃない。行こう、行こう。」
亜梨葉がゆかりを手を引いて誘った。
「そうね」思わず肯いたゆかりだったが、内心不思議に思っていた。
(なぜ、亜梨葉がこんなにも積極的に講演なんかを聞きに行きたがるんだろうか。)
昔から亜梨葉は人の話しをじっと聞くのが苦手だった。それに他人のものを欲しがる傾向はあったが、多くの金銭や宝石等にはあまり興味を示さない方だったからだ。
だが、ゆかり自身、石の秘密をもっと知りたかったから誘われるまま亜梨葉についていった。

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みなさん、こんにちは。
蜜場大学考古学科後藤研究室の権田世慧と申します。
今宵はシッタカ文明にいてお話したいと思います。シッタカ文明はこの南の島で、約2000年前に栄えた文明だといわれています。
この南の島、現在は小さな島ですが2000年前は今の10倍近くあったと言われています。
島の南側の遠浅の海岸線も元々は陸地だったようですし、西側の断崖絶壁も川の岸辺が侵食され片方だけが残った形になったと考えられます。
いずれにしても長い時の流れでのなかで地球温暖化による海水面の上昇、自然侵食により現在の広さまでになったようです。

文明の起こりそのものはナイスニール人により築かれたといわれています。
主に、野生の動物を狩猟したり、焼畑農耕により食生活を営んでいた跡が所々で確認されています。その際現在は保護生物となっているフラコが狩猟犬として活躍してたと考えられます。
近隣諸国の文献等から、島で採れる豊富なダイヤモンドで他民族と貿易を行っていたと見られ、衣服や装飾品などを手に入れていたと推測されます。そして、島の主たる産物のダイヤモンド発掘を牛耳る鉱山職人のシッタカ一族がいつのまにか主導権を握るようになり政治を行うようになったようです。

次第にシッタカ一族は王族となり、いくつかの都市国家が形成され、ますます文明は発達していったと見られます。
シッタカ王は、壮麗な宮殿の中で毎日カードゲームを楽しむようになり、果ては政治の事や一族の未来までもカード占いで行うようになったとも伝えられています。
神殿の中の部屋の作りから、シッタカ王には代々13人の妾がいただろうという噂も有ります。また、建物が全体的に低かったり、入口が狭かったりする事から、小柄な人種だったと推測されます。
そして、建物の壁に書き記された暦らしきものが13ヶ月存在する事から月暦を使っていた事も確認されています。

文明の衰退については、やきもち焼きの7代目のシッタカ王の狂気で、王族全てを殺してしまったという説や、カード占いで絶望的な未来を見てしまったがために王族全員が自害し、残りの一族も他へ行ってしまったという説もあります。
突然変異による、ふふん性マラリアの大発生によるものだという見方も有力です。

いずれにしても、ほとんどが海の底で発見されているので、まだまだ未解明の事ばかりです。これが現在解っている大まかな概要です。

ところで、我々が今不思議に思ってる大きな謎は、シッタカ王族が身に付けいただろう装飾品や、宮殿の中にあっただろう調度品がかけらも見当たらないという事です。
それが、最近財宝としてどこかかに隠されているのではないかと騒がれている所以です。
まぁ、考古学というのは文字で残されていない時代の様子を、遺跡や痕跡から推測するものなので、全てを断言する事は出来ませんが、大きな争いも無く、それなりに裕福な生活を営む文明だったんじゃないかと思います。
以上です。簡単ですが何せ私もまだまだ助教授という立場で勉強不足なもので、実はシッタカ文明については後藤教授にお任せしていたもので・・。この辺でお許しください。
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苦笑いをしながら世慧は話しを締めくくった。

「権田助教授ありがとうございました。それでは質問を受け付けたいと思います。」

「ハイ。」梨生が酔った勢いで元気に手を挙げた。「どうぞ。」
「最近マリポンの石の歌が島で流行ってるみたいですが、財宝とどう関係あるんですか?」
「ええ、南の島の西にある洞窟を開ける方法として13のマリポンの石が必要だという事が最近判りました。財宝がその洞窟に在る可能性もあるんですが。ただし、洞窟の入口にはふふん性マラリアという細菌が存在することも判ってます。先日、米軍兵4人が財宝探しに洞窟に近づいて、それで亡くなっています。安易に近づかない方がいいかと。」

「よろしいですか?」
会場は少しざわついていたが手を挙げる者はもういなかった。
「他になければ、終了します。本日は・・」
司会者が言いかけた時どこからともなく、声が出た。
「後藤教授が殺されたのはシッタカの呪いのせいというのは本当なのかぁ?この島は呪われてて、満月の夜に皆死ぬんじゃないのかぁ?もしかしてこの船ももう港には戻らないんじゃないのかぁ?」完全に酔っ払った島民が勢い任せで言い放った。
一瞬にして会場は凍りついた。
主催者側は皆一瞬たじろいだが、咄嗟に署長がかけより司会者からマイクを奪うと、
「一連の殺人については現在取り調べ中です。特に変死というわけではないので皆様ご安心ください。」と、言い繕っってみたものの、若干ざわめきが残っていた。
「えー、権田助教授ありがとうございました。これで講演会を終了いたします。」
司会者の一言で半ば強引に講演は終了した。

あと1時間ほどで港に到着します。
船は明日いっぱい停泊の予定です。
サウナ・ラウンジ・バー等、船内の施設はご自由にご利用いただけます。
何かございましたら遠慮なくお近くのスタッフまでお申し付けください。
それでは、引き続きナイトクルーズを存分にお楽しみください。

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最終更新:2005年12月23日 20:44