アーカム
アーカム(Arkham)は、
H.P.ラヴクラフトが創造した
クトゥルフ神話に登場する架空の都市で、彼の作品群における重要な舞台の一つです。
ニューイングランド地方に位置し、特にマサチューセッツ州に属する設定となっています。この都市は、ラヴクラフトの故郷であるロードアイランド州プロヴィデンスや、セイラム(セイラム魔女裁判で有名)をモデルにしているとされています。
 
概要
アーカムの特徴
- 地理と位置
 
-  アーカムは、架空のミスカトニック川沿いに位置する町で、近隣には他のクトゥルフ神話の舞台となる都市、インスマス(Innsmouth)やダニッチ(Dunwich)、キングスポート(Kingsport)があります。
 
-  ミスカトニック川は町を南北に分けて流れ、その上流にはダニッチ、河口にはキングスポートがあるとされています。
 
 
- 建築と雰囲気
 
-  アーカムは古い建築様式が特徴で、駒形切妻屋根やジョージア風の欄干を備えた築数百年の家々が立ち並んでいます
 
-  その歴史や建築物には魔術やオカルトとの結びつきが色濃く反映されており、不気味で陰鬱な雰囲気を漂わせています
 
 
アーカムの重要な施設
- ミスカトニック大学
 
-  アーカムを象徴する施設であり、クトゥルフ神話において最も有名な架空の大学です。
 
-  1765年に設立され、人類学、考古学、地質学など幅広い分野で名門とされています。
 
-  大学付属図書館には「ネクロノミコン」をはじめとする希少な魔導書が収蔵されており、多くの物語で重要な役割を果たします
 
 
- アーカム精神病院
 
-  アーカムには精神病院も存在し、多くの場合、狂気に陥った登場人物が収容される場所として描かれます
 
-  この施設はクトゥルフ神話作品だけでなく、大衆文化にも影響を与え、『バットマン』シリーズの「アーカム・アサイラム」のモデルともなっています
 
 
歴史と背景
- 創設と発展
 
-  アーカムの入植は1692年頃から始まりました
 
-  この時期はセイラム魔女裁判と重なり、その影響を受けた魔術師や移住者たちが町を形成したとされています
 
-  18世紀には西インド諸島との貿易によって繁栄し、その後19世紀には工業地帯へと転換しました
 
 
- 事件と災害
 
-  アーカムでは数々の超自然的事件や災害が発生しています。例えば、
 
-  『宇宙からの色』では1882年に隕石が落下し、その影響で土地が荒廃しました
 
-  『ダニッチの怪』では1928年にミスカトニック大学図書館への侵入事件が描かれています
 
 
- モデルとなった場所
 
-  ラヴクラフトはアーカムを創造する際、実在するマサチューセッツ州セイラムやロードアイランド州プロヴィデンスを参考にしました
 
-  特にセイラム魔女裁判の歴史的背景が町の雰囲気や設定に大きく影響しています
 
 
- 文学的役割と影響
 
-  アーカムはラヴクラフト作品内だけでなく、多くの後続作家による[[クトゥルフ神話]{作品にも頻出します
 
-  そのため「ラヴクラフト・カントリー」と呼ばれる架空地域群(アーカム、インスマス、ダニッチなど)の中心的存在となっています
 
-  また、この都市名はラヴクラフト作品を出版するために設立された「アーカムハウス」という出版社名にも使われました
 
 
関連作品
アーカムが登場する主な作品:
-  『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』(本格的な舞台として初登場)
 
-  『宇宙からの色』
 
-  『ダニッチの怪』
 
-  『銀の鍵』
 
-  『狂気山脈』
 
アーカムは
クトゥルフ神話における中心的な舞台として、多くの物語で重要な役割を果たします。その不気味な雰囲気や歴史的背景、象徴的施設(
ミスカトニック大学など)は、人間存在への挑戦や未知への恐怖という
テーマを強調しています。また、大衆文化への影響も大きく、多くのフィクション作品でその名前や要素が引用されています。
 
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最終更新:2024年12月28日 09:17