ネクロノミコン

ネクロノミコン(Necronomicon)


ネクロノミコン(Necronomicon)は、H.P.ラヴクラフトが創作したクトゥルフ神話に登場する架空の魔導書であり、和名では「死霊秘法」とも呼ばれます。
この書物は、邪神旧支配者に関する知識を記録し、読む者に狂気や破滅をもたらす禁断の書物として知られています。


概要

来歴と概要
ネクロノミコンの原典は、アラビア語で書かれた「アル・アジフ(Al Azif)」です。このタイトルは、夜間に聞こえる虫の音を悪霊の声と解釈したアラビア語の単語に由来します。
730年頃、狂える詩人アブドゥル・アルハザードによってダマスカスで執筆されました。アルハザード自身もこの書物の影響を受け、最終的には見えない怪物に食い殺されるという末路を迎えました。

950年にはビザンティウム(現コンスタンティノープル)の学者テオドラス・フィレタスによってギリシャ語に翻訳され、この際に「ネクロノミコン」という名前が付けられました。この名称はギリシャ語で「死者の掟の表象」を意味します。その後、中世にはラテン語版も制作されましたが、その冒涜的な内容から焚書や発禁処分が繰り返されました[3][7][9]。
内容と危険性
ネクロノミコンには以下のような内容が含まれています:
  • 太古の地球を支配していた邪神たちの歴史
  • 邪神の召喚方法や魔術
  • 宇宙や異界の真理に関する記述
この書物は読む者に強烈な影響を与え、狂気や非業の運命へと導く力を持つとされています。そのため、多くの国や宗教組織によって禁書指定され、人々から隠されています。
現存する写本
ネクロノミコンは非常に稀少な書物であり、確認されている現存する写本は以下のものです:
  • 大英博物館(ラテン語版)
  • パリ国立図書館(ラテン語版)
  • ハーバード大学ワイドナー図書館(ギリシャ語版)
  • ミスカトニック大学図書館(架空の大学)
  • ブエノスアイレス大学図書館
文化的影響
ネクロノミコンはクトゥルフ神話内だけでなく、多くのフィクション作品にも影響を与えています。例えば、小説や映画、ゲームなどで魔導書や禁断の知識を象徴する存在として描かれることが多く、その名は広く知られるようになりました。

このようにネクロノミコンは、クトゥルフ神話を象徴する重要なアイテムであり、その存在自体が恐怖と魅惑を兼ね備えたものとなっています。

関連ページ

最終更新:2024年12月28日 06:58