ダゴン
概要
- 初出作品
- ダゴンはラヴクラフトの短編小説『ダゴン』(1917年)で初めて登場しました
- この作品では、主人公が海中で巨大な半魚人のような怪物を目撃し、その恐怖を描いています
- 外見
- ダゴンは小山ほどの巨大な体躯を持ち、鱗や水かきのついた手足、人間と魚が融合したような姿をしています
- その目を見た者は狂気に陥るとされています
- 役割
- ダゴンは「深きものども」の長老・指導者であり、[[クトゥルフ]{に仕える従属神(小神)として位置づけられています
- 彼は「母なるヒュドラ」と共に崇拝され、インスマスでは「ダゴン秘密教団(Esoteric Order of Dagon)」が彼らを信仰しています
深きものどもとの関係
- 深きものども
- ダゴンは「深きものども」と呼ばれる半魚人型の種族を統率しています
- 彼らは人間と交配することで混血種を生み出し、インスマスなどで密かに繁殖しています
- これらの信奉者たちはダゴンとヒュドラを崇拝し、生け贄や儀式を通じて豊漁や財宝などの恩恵を受けています
- インスマスとの結びつき
- ラヴクラフトの『インスマスを覆う影』では、ダゴンとヒュドラがインスマスの住民と密接に関わり、信仰の中心となっている様子が描かれています
神話的背景
クトゥルフ神話以前のダゴンは、古代メソポタミアやカナン地方で信仰された豊穣神・海神でした。
旧約聖書にも登場し、ペリシテ人が崇拝した異教の神として描かれています。ただし、ラヴクラフト作品ではこの伝承上のダゴンとの直接的な関連性は明確ではなく、クトゥルフ神話独自の解釈として再構築されています。
ラヴクラフト作品での描写
- 1. 『ダゴン』
- 主人公が太平洋で巨大な石柱とそれに彫られた奇怪な彫刻を見る場面や、海中から現れる巨大な怪物(ダゴン)の目撃が描かれます
- この作品でダゴンは古代文明と結びついた存在として暗示されています
- 2. 『インスマスを覆う影』
- インスマス住民がダゴンとヒュドラを崇拝し、「深きものども」と交配している様子が詳細に描かれます
- この物語ではダゴンが[[クトゥルフ神話]{全体における重要な存在として位置づけられています
謎と考察
- ダゴンの正体についてはいくつかの推測があります
- 彼が単なる「深きものども」の最も巨大な個体なのか、それともクトゥルフの化身や[眷属]]なのかは明確ではありません
- また、「父なるダゴン」という呼称には象徴的・宗教的な意味合いも含まれている可能性があります
ダゴンは
クトゥルフ神話において最も知名度の高い
邪神の一つであり、その存在は深海や未知への恐怖を象徴しています。彼は「深きものども」の指導者として海底世界を支配し、人間社会にも暗い影響を及ぼす存在です。その謎めいた性質と圧倒的な威容は、多くのラヴクラフト作品やその後継作家たちによる創作にも影響を与え続けています。
関連ページ
最終更新:2024年12月28日 12:06