旧約聖書
旧約聖書(きゅうやくせいしょ)は、
ユダヤ教および
キリスト教の正典であり、
ユダヤ教では「タナハ」や「ミクラー」と呼ばれています。
この書物は、イスラエル民族(ユダヤ民族)と神との関係や契約を記録したもので、
天地創造から始まり、イスラエル民族の歴史や宗教的な規範、預言などが含まれています。
概要
- 構成と内容
- 旧約聖書は39巻(ユダヤ教では24巻)から成り、以下のように分類されます
- 律法(トーラー)
- 創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記
- 神がイスラエル民族に与えた律法や物語が記されています
- 預言書(ネビイーム)
- ヨシュア記やイザヤ書など
- 神の意志を伝える預言者たちの言葉
- 諸書(ケトゥビーム)
- 言語と成立過程
- 主にヘブライ語で書かれ、一部はアラム語で記されています
- 紀元前10世紀から紀元前2世紀頃までの約1000年にわたり、多くの著者によって編纂されました
代表的な物語
- 天地創造
- 神が7日間で世界を創造し、人間(アダムとイブ)を楽園に住まわせるが、人間の堕落によって追放される(創世記)
- ノアの箱舟
- 出エジプト
- モーセがイスラエル人を率いてエジプトを脱出し、シナイ山で十戒を授かる物語
宗教的意義
- ユダヤ教における位置づけ
- ユダヤ教では旧約聖書は唯一の聖典であり、「タナハ」として信仰の中心となっています
- 律法は特に重要視され、日常生活や宗教儀式に深く関わっています
- キリスト教との関係
歴史的背景と影響
- 歴史資料としての価値
- 旧約聖書にはイスラエル民族の歴史や文化が描かれていますが、その内容は信仰上の解釈が多く含まれており、必ずしも歴史的事実そのものではありません
- ただし、考古学的な発見(例: 死海文書)によって一部内容が裏付けられることもあります
- 文化・思想への影響
- 旧約聖書は西洋文化や倫理観に大きな影響を与えました
- 文学、美術、音楽など多くの分野でその物語やテーマが取り上げられています
- また、現代でも宗教的・哲学的な議論の基礎となっています
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最終更新:2024年12月06日 22:27