ノーデンス
ノーデンス(Nodens)は、
クトゥルフ神話に登場する神格で、「旧神(Elder Gods)」に分類される存在です。
概要
特徴
- 起源
- ノーデンスは元々ケルト神話の癒しと漁の神「ノドンス」に由来しており、アーサー・マッケンの小説『パンの大神』で言及された後、H.P.ラヴクラフトがクトゥルフ神話に取り入れました
- ラヴクラフト作品では、『霧の高みの不思議な家』や『未知なるカダスを夢に求めて』に登場します
- 外見
- 白髪と灰色の髭を持つ威厳ある老人の姿で描かれ、右腕には銀製の義手を装着しています
- また、イルカが引く貝殻の戦車に乗るという描写もあります
- 旧神としての立場
- ノーデンスは「旧支配者(Great Old Ones)」や「外なる神(Outer Gods)」と敵対する旧神の代表的存在です
- 特に、ニャルラトホテプとは対立関係にあり、時には人間を介した代理戦争を繰り広げることもあります
- 善悪の性質
- ノーデンスは比較的人間に友好的であり、善なる存在とされています
- ただし、その「善」は宇宙規模のものであり、人類個々の利益と一致するとは限りません
- 彼が示す好意は気まぐれであるとも言われています
- 居住地
- ノーデンスは異世界「ドリームランド」の地下に広がる暗黒世界「大いなる深淵」を治めています
- この地ではナイトゴーント(夜鬼)という眷属を従え、禁忌を冒す者たちを妨害します
- 能力
- ノーデンスは雷や深淵から轟く声など、威圧的な力を持ちます
- また、ナイトゴーントを使役して敵対者を排除したり、人間を異世界へ連れ去ることがあります
- ニャルラトホテプとの関係
- ノーデンスとニャルラトホテプはライバル関係にあります
- 『未知なるカダスを夢に求めて』では、ノーデンスがランドルフ・カーターを救う一方で、ニャルラトホテプが妨害するという対立構造が描かれています
- ただし、両者が地球の神々を保護するという点では協力関係も見られるため、その関係性は単純な敵対だけではありません
- 文化的影響
- ノーデンスはクトゥルフ神話TRPGや関連作品にも登場し、人間に比較的友好的な存在としてシナリオで活用されることがあります
- また、そのビジュアルや設定から、ケルト神話や北欧神話のオーディンと比較されることもあります
ノーデンスはクトゥルフ神話内でも特異な存在であり、人間に友好的ながらも宇宙規模の視点で行動するため、その意図は計り知れません。彼は
旧支配者たちへの抑止力として重要な役割を果たしつつも、その行動が必ずしも人類に利益をもたらすとは限らない存在です。
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最終更新:2024年12月28日 19:56