ドリームランド
ドリームランド(Dreamlands)は、
H.P.ラヴクラフトが創造した
クトゥルフ神話の中でも特異な位置を占める夢の世界です。
この異世界は、夢を通じてのみ訪れることができる幻想的な土地であり、ラヴクラフトの「ドリーム・サイクル」と呼ばれる一連の作品群に登場します。
概要
ドリームランドは、H.P.ラヴクラフトによる幻想的かつ詩的な異世界であり、クトゥルフ神話内でも特異な位置づけを持つ舞台です。
夢見人たちによって訪れるこの世界は、美しい都市や危険な地域、多様な種族と文化によって彩られています。その独特な雰囲気は、クトゥルフ神話全体とは一線を画しながらも、その魅力的な一部として多くの読者やクリエイターに影響を与え続けています。
背景と特徴
- 邦訳名
- 初出
- ラヴクラフトの作品『北極星』(1918年)で初めて言及され、その後『白い帆船』や『未知なるカダスを夢に求めて』などで詳細が描かれました
- 影響
- ラヴクラフトがダンセイニ卿の幻想文学に影響を受けて構築した世界観であり、クトゥルフ神話の中でもファンタジー色が強いジャンルを形成しています
- アクセス方法
- ドリームランドは単なる夢ではなく、深い夢の中で到達可能な異世界です
- 通常の夢から「70段の階段」を降り、「炎の洞窟」を抜けてさらに「700段の階段」を降りた先にある「深き眠りの門」を越えることで到達できます。この過程では神官ナシュトとカマン=ターによる審査を受けます
- ラヴクラフトの短編『銀の鍵』『銀の鍵の門を越えて』では、主人公ランドルフ・カーターは銀の鍵を使い、夢幻境(ドリームランド)や宇宙的存在との接触を果たす物語が描かれています
- 時間と空間
- 目覚めの世界(現実世界)とは時間や空間の概念が異なり、ドリームランドで過ごした時間は現実世界にはほとんど影響しません
- 地形や都市は現実世界と異なり、独自の地理や文化を持つ幻想的な土地です
- 地理と主要な場所
- ドリームランドは広大で多様な地域に分かれており、それぞれが独特の特徴を持っています
西方
- ウルタール
- 「猫を殺してはならない」という法律がある都市。『ウルタールの猫』で描かれます
- ダイラス=リーン
- フラニス
- ムナール地域
- 古代文明が栄えた地で、「旧神の印」に使われる石が産出されます
東方
- セレファイス
- 偉大な夢見人クラネスが創造した都市。美しい風景と平和な雰囲気が特徴です
南方
- 楽園的な土地やオリアブ島などが存在し、『白い帆船』で語られます
北方
- レン高原
- ニャルラトホテプが支配する地域で、大地の神々が住まう冒涜的な巨城カダスがあります。
登場する種族や存在
- 人語を話す猫
- ドリームランドでは猫が特別な存在として描かれ、人語を話すこともあります
- レン人
- ムーンビースト
関連作品
ドリームランドは次のような作品群で描かれています:
- 『ウルタールの猫』
- 『セレファイス』
- 『白い帆船』
- 『未知なるカダスを夢に求めて』
クトゥルフ神話との関係
関連ページ
最終更新:2024年12月29日 08:08