恩寵の薄衣(グレイスヴェール)
[解説]
光魔法に属する魔法。
この魔法で形作られる光のヴェールで覆われた対象は五感を遮断、鈍くされ、非常に心地よい睡眠に落ちるように意識を奪われる。
精神魔法に属する誘眠と効果自体は非常に似ているが、その作用機序は全く異なるもので、誘眠のように精神に直接影響を及ぼし、眠りという現象を引き起こしているのではなく、暖かな光に包み込み極度の安心感を与えるとともに、身体機能としての休眠を司る領域(旧時代、科学技術の世界においては副交感神経と呼ばれていた領域)を活性化させ、意思では抗えないほどの強い眠気を誘うというものである。
基本的に攻撃的な魔法ではなく、過度のストレスなどによる不安症や不眠症の治療、重傷の患者に対する鎮痛などといった魔導的な治療行為として行使されることが多いほか、暴徒化した市民など非殺傷での制圧が推奨される場合に用いられることもある。
なお、恩寵の薄衣という名前は、この魔法を受けると非常にリラックスし、質の良い眠りが取れるため「まるで女神の恩寵を受けた衣に包まれたよう」に感じるからだとされている。
詠唱例
痛みに喘ぐ者よ、怒りに猛る者よ。
我は汝らにひとときの安らぎを与えん。
女神の恩寵を受けし光の衣に包まれて眠るがいい。恩寵の薄衣《グレイスヴェール》
我は汝らにひとときの安らぎを与えん。
女神の恩寵を受けし光の衣に包まれて眠るがいい。恩寵の薄衣《グレイスヴェール》