X-MEN:GOLD VOl.2 【X-MEN:ゴールド Vol.2】

(シリーズタイトル、マーベル

出版:2017年~
遺伝的に与えられた不思議な能力により、ミュータントは人類進化の次のステージだと考えられている。世界は彼らを憎み恐れているが、キティ・プライドX-MENとして知られるスーパーヒーローチームを再編し、彼らの能力を善に使うことでポジティブなイメージを広げようとしていた。
("X-MEN:GOLD Vol.2”#1巻頭の説明文より)

概要

インヒューマンズとX-MENの全面戦争が終結しテリジェン・クラウドの脅威が去った。X-MENのリーダーをストームから引き継いだキティ・プライドリンボー界に移していた学園をニューヨークのセントラルパークに移転させ「エグゼビア・ミュータント教育支援学院」と改称。アベンジャーズのようにスーパーヒーローとして積極的に表に出る活動を選ぶ。
一方で自称「シンクタンク」の女性リディア・ナンスはメディアで反ミュータント論を繰り返し、「ミュータント追放法案」が政府で議題に上がるようになっていく。

ストーリーは"Extraordinary X-MEN"→"X-MEN PRIME"→本作と続いている。
2013年の"X-MEN: GOLD"(Vol.1)とは直接つながりはない。
また"X-MEN: BLUE"と"WEAPON X Vol.3"が同時進行している。
本シリーズのあとX-MENのストーリーは"X-MEN: BLACK"へと引き継がれる。


登場人物

キティ・プライドのX-MEN初期メンバー

キティ・プライド:チームリーダー。宇宙でガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーの一員として活動していたが、ストームに要請されリーダーに。
ストームインヒューマンズとの戦争を選んだ責任を感じ離脱しようとしたが、キティに頼まれメンバーとして残ることになった。
ナイトクロウラーストームのチームから残留。髪の毛は少しさっぱりした。
コロッサスストームのチームから残留。ヒゲを剃った。
ローガン:世界が崩壊した未来からやってきた老ウルヴァリン。未来では操られてX-MENを全滅させてしまい、現代ではウルヴァリンとは名乗っていない。(オールドマン・ローガン)
プレスティージ(レイチェル・サマーズ):未来世界"Days of Future Past"世界からやってきたサイクロップスジーン・グレイの娘。本作からコードネームをプレスティージ(Prestige)に変えた。

リザーブメンバー、学園の生徒たち


内容

#1

ヒーローとして積極的に行動することを選んだキティ・プライドのX-MEN。ニューヨークで暴れていたテラックスを退けるが、インヒューマンズとの戦争で悪化した一般人の心象は回復せず、キティは一般人の女性から心ない言葉を浴びる。
一方、リンボー界からセントラパークにテレポートさせた学園には市の会計課から6ヶ月分の家賃として1800万ドルを請求されてしまう。
そんな中、国連本部が何者かに襲撃されX-MENが出動。待っていたのは新たなブラザーフッド・オブ・イビル・ミュータンツだった。
後半はここまでのX-MENの歴史が6ページで語られる。

#2

ブラザーフッドはナイトクロウラーマドリプールまで強制テレポートさせると、ローガンとニューヨーク市長を拉致し逃亡。
しかしローガンは敵のアジトでブラザーフッドのメスメロマスクパイロの3人を倒しキティと連絡をとる。

#3

ローガンからの連絡を受け、ロング・アイランドのアジトを強襲するX-MENロックスライドアーマーと二人の若手ミュータントも参加した。
しかしマグマほかブラザーフッドの面々はメスメロに操られていただけだっとわかる。
ウルヴァリンと市長を救出したレイチェルはメスメロとテレパシーで戦い、その記憶を読むことで今回の事件の黒幕がメディアでミュータント追放論を唱えていたリディア・ナンスだったと知る。その後、X-MENはリディアの邸宅を訪れる。

#4-6 "TECHNO SUPERIOR"

ガンビットが依頼を受け、小さな瓶を盗むがその中に入っていたのは1つ1つの粒子にAIが入ったナノテクロボットだった。依頼人がオリヴィア・トラスクセンチネルの発明者ボリヴァー・トラスクの孫だと知ったガンビットはこれを渡せないと拒否するが、警備員に銃撃され、瓶の中身が流出。そこにあったコンピューターと融合し、「ミューテイトした」センチネルになってしまう。

キティの「通り抜けると機械が故障する」能力で一度はセンチネルを退け、逃亡。
その過程でレイチェルの精神が衝撃を受けたことから、センチネルが自我を持ったことでテレパシー攻撃が有効となったことに気づく。
だがナノマシンの集合体であるセンチネルは街中に拡散してしまい、一般市民を攻撃。彼らが癌や色盲であることから、センチネルが「遺伝子的特質」を持つ人々を攻撃していることが明らかになる。

戦火はニューヨーク中に広がり、アベンジャーズなど他の能力者たちも参戦。
そんな中、気を失っていたレイチェルは精神世界で両親と会話し、自分が潜在能力の全てを引き出すことを恐れていることを知る。それでもニューヨーク市民や仲間の危機を救うためレイチェルは能力を解放。ニューヨーク中に拡散していたセンチネルを精神攻撃で倒してしまう。しかし地下には人知れずその頭部が残り、不気味な光を放つのだった。


#7-8 "SECRET EMPIRE"タイ・イン。

ダーク・ディメンションがニューヨークを襲う中、エグゼビエア・インスティテュートミュータントを狙うシリアルキラーが侵入。妻と子をミュータントに殺されたという彼は学園に爆弾を仕掛け、また銃で1人また1人とミュータントたちを殺害していく。

#9

ミュータント追放法」制定をめぐり委員会が開かれ、キティがワシントンに召喚される。キティはボディガードとしてコロッサスを伴い出席、ミュータントの人権擁護の立場から弁論をする。その委員会をウィップラッシュが襲撃。キティとコロッサスがこれを退けるが、法案は委員会を経て下院を通過。今後、上院で可決されれば大統領が拒否しい限り法律が成立するという。
そんな中、AIナノセンチネルとの事件で協力しあったナイトクロウラーとレイチェルが接近。またコロッサスとキティも何だかいい雰囲気に。
またロシアでは謎の組織がザ・ハンドを雇い、復活の儀式でオメガレッドを蘇らせえてしまう。

#10-11"EN' KANE"

コロッサスマジックの叔父を名乗る男アナトリーから連絡があり、X-MENはロシアへ。アナトリーによると、彼はロシアのマフィアの一員だが、そのボスがオメガレッドを蘇らせたという。叔父との会話中にマフィアたちから襲撃され、マジックが攫われる。オメガレッドの蘇生は一時的なものであり、これを継続するためにマジックの力がが必要だったからだ。
X-MENはマフィアとオメガレッドを倒しマジックを救出。
事件が解決したあと、コロッサスとキティはキスをする。

#12
ブラザーフッドにいた謎の新キャラ”コロゴス”(Korogoth)のストーリー。
彼はネガティブ・ゾーンのダルタユスという惑星で生まれたミュータントだった。
その異様な姿から生まれてすぐ両親に捨てられ、自力で生存。犯罪者グループに参加、やがて軍隊レベルまで強大になり自国で内戦を引き起こす。しかし捕まって地球に追放されたのだった。

#13〜15"Mojo Worldwide"【モジョ・ワールドワイド】

"X-MEN: BLUE" #13〜15と交互に進行するストーリー。
モジョーが過去のX-MENたちの苦難に満ちた戦いのシーンを「グレーテスト・ヒット」として「リマスター」し、彼らの処刑シーンとして配信することを思いつく。
X-MENはアステロイドMでのマグニートーの戦いや"Avengers vs. X-MEN"など過去の幻覚とも現実とも知れぬ世界で転戦に次ぐ転戦を強いられることになる。
戦いの序盤でこの世界で死ぬと本当に死ぬことが示され、X-MENは1人また1人と倒れていくが、実は別室で生かされていることが明らかになる。
危機に陥ったX-MENロングショットが助太刀に現れ、形勢は逆転していく。
モジョーは地球のニューヨークをモジョーバースのように変質させる計画を実行に移すが、最終的にはX-MENが勝利。
モジョーとその一味は死んだように思われたが実は生きていて、地球に取り残される。

#16〜20"The Negative Zone War"

地球に取り残されたコロゴスを救出するためネガティブ・ゾーンから彼の軍勢が現れる。迎え撃ったX-MENだったが、キティ・プライドとナイトクロウラーが捕虜となり、ネガティブ・ゾーンに連れ去られてしまう。
ローガン、コロッサス、ストーム、アーマーインクでメンバーを編成し救出ミッションに向かうX-MEN
ネガティブ・ゾーンの惑星ダルタユスではコロゴスが反乱軍を従え政府軍と内戦を起こしており、X-MENはそれに巻き込まれてしまった。
コロゴスは巨大な石像と化していたダルタユスの邪神サイシアンを復活させるが、X-MENはこれをネガティブ・ゾーンの中心にある渦に投げ込むことで勝利。ローガンはコロゴスを殺害する。
戦いの後。キティはコロッサスのプロポーズを受け入れ、結婚を承諾する。

#21〜22"Brother Hood"

ミュータント犯罪者の刑務所ザ・ボックスに収監されていたブラザーフッドのメスメロ、アバランチパイロ
メスメロの力を使って脱獄に成功した3人は、自分たちの力を利用しながらミュータント追放法を推進するリディア・ナンスへの復讐を決意する。
X-MENはリディアを守るために出動、ブラザーフッドを撃退したはずだったのだが…
メスメロの幻覚能力にはめられ、警察を攻撃してしまうことに。キティ、ストームコロッサスナイトクロウラー、レイチェルの5人は逮捕されてしまう。
実はメスメロは今でもリディアに協力していたのだ。しかし本当にリディアへの復讐を願っていたパイロは話が違うとメスメロの下を去ってしまう。

#23〜25 "CRUEL AND UNUSUAL"

ミュータント専用の刑務所ザ・ボックスでストームはカリストと同室となってしまう。そのカリストの手引きもあり、ストーム、キティ、レイチェルは他の女囚のボスに目をつけられ、リンチを受けそうになるが反撃。女囚たちを撃退してしまうが、独房に入れられてしまう。
一方、ネガティブゾーンではアナイアラスがダルタユスの邪神サイシアンを解放してしまい、地球のパリに現れて暴れ出す。
刑務所の5人に変わりアイスマンローグマジックアーマーインク、そしてメスメロを離れX-MENの仲間になりたいと門を叩いた二代目パイロを加えたメンバーでパリへ。
最終的にはストームら刑務所組も合流し、邪神をリンボー界に送ることに成功する。

#26〜30 " 'TIL DEATH DO US PART "『死が2人を別つまで』

コロッサスとキティの結婚前夜、ナイトクロウラーの発案でコロッサスの「バチェラーパーティ」(男だけで独身最後の夜にハメを外すパーティ)開くためラスベガスへ。しかしそこへリディア・ナンスと手を組んだAIナノセンチネル「アルファ」が現れコロッサスを拉致してしまう。
リディアとアルファの計画は、コロッサスの細胞に残るレガシー・ウィルスを使ってミュータントを殺す生物兵器を作ることだった。2人はコロッサスを連れてロクション社の廃棄され宇宙ステーションへ。
どうにかコロッサスを救出し、生物兵器拡散を止めたキティとX-MENはいよいよ結婚式に臨む。
結婚式が始まりいざ誓いの言葉を発し、指輪の交換というところでキティが逃げ出し、結婚式は中断。
しかしここで決意を固めたガンビットローグにプロポーズし、2人が結婚することとなった。

#31〜32 "PRESTIGE DARK"

結婚式の翌日、ウェストチェスターのホテルに宿泊していたX-MEN。コロッサスがX-MENを離脱し、いずこかへ1人で去ってしまう。
そしてレイチェルの真相意識に影響を残していたメスメロは彼女に"Days of Future Past"世界の幻影を見せ、現実のX-MENたちを次々と攻撃させていく。
難を逃れメスメロを撃退したナイトクロウラーとパイロだったが、レイチェルは自分は危険な存在だと認識しナイトクロウラーに別れを切り出す。

#33〜35 "GODWAR"

ストームが育ての母アイネットの訃報を受け、ケニアの故郷へ。しかし女神として崇められていたストームが不在の間に、村はウオヴと名乗る神が率いる「死のカルト」によって支配されていた。
ウオヴはストームを仲間に引きれるため彼女の実の父と母を生き返らせて見せるが、ストームは村の住民たちが死後埋葬もされずに保存されているのを見てウオヴとの決戦を決意。
アスガルドのハンマー「ストームキャスター」を手に勝利。それと共にハンマーと復活した両親、村人たちは塵となって消え去った。

#36 "FEARED AND HATED"

セレブロが突如オメガレベルの新たなミュータントの出現を感知。測定不能な量の宇宙線を放出し、しかもコントロール不能だという。
X-MENは現場へ急行し、能力を発現したばかりで暴走している若者を発見。キティが説き伏せ、落ち着きを取り戻しつつあったそのとき、住民が若者を撃ってしまった。
X-MENは近くの病院に彼を運ぶが、事情を聞いた医師は治療を拒否。病院に被害が及ぶことを恐れたからだ。
すると別のある女性医師が治療をかって出る。それは、シリーズ第1話でキティに心ない一言を投げかけた女性だった。

シリーズを通しての結末と影響

ガンビットローグが正式に結婚。
キティとコロッサスは結婚式こそ中止になったものの、まだお互いに思いは消えておらず、キティはコロッサスに「声が聞きたいの」と電話してしまうほど。
レイチェルとナイトクロウラーは別れを選んだが、こちらもお互いが嫌いになったわけはない。
レイチェルの能力は精神的な障壁の解消により強化された。
ストームアスガルドのハンマー「ストームキャスター」により一時的に神のレベルに強化されたが、ハンマーは破壊されストームも元に戻った。
二代目パイロX-MENに加入。
モジョーは地球に残留。
ミュータント追放法は未だ撤回されたわけではなく、政府で議論が継続されている。

X-MENのストーリーは"X-MEN: BLACK"へと継続していく。



最終更新:2025年04月13日 02:37