X-MEN: BLUE 【X-MEN:ブルー】

(シリーズタイトル、マーベル

出版:2017年~
ミュータント同士の戦争が発生するのを恐れ、ビーストことハンク・マッコイは若き日の自分を含むオリジナルX-MENは時間軸上に引きずり出した。今、彼らはこの時代に囚われている。しばらく離れていたマーベル・ガール、サイクロップスアイスマン、ビースト、エンジェルは再結集し、自分たちが本来あるべきヒーローであることを世界に示そうと決意した。
("X-MEN: BLUE#1巻頭の説明文より)

概要

インヒューマンズとX-MENの全面戦争が終結しテリジェン・クラウドの脅威が去った。一度は学園に戻った彼らオリジナル・X-MENはジーン・グレイリーダーに再び5人で独自に行動することを選んだ。
実はマグニートーに請われて集結したチームで、彼を指導者としマドリプールを本拠地としている。
また移動の手段となるジェット機ブラックバードにはAIが組み込まれており、単なる自動運転を超え自律的に行動してチームをサポート。実は会話もできることが後で明らかになり、さらに実は…

ストーリーは"Extraordinary X-MEN"→"X-MEN PRIME"→本作と続いている。
また"X-MEN: GOLD Vol.2"と"WEAPON X Vol.3"が同時進行している。
5人のオリジナル・X-MENたちの活躍は"Extermination"へと続く。

登場人物

X-MEN シリーズ開始時の初期メンバー

マーベル・ガール(ジーン・グレイ):チームリーダー。 前シリーズでは1人だけストームX-MENに所属していたが、再び同時代の仲間たちと集結した。
サイクロップス:大人になった自分がテロリストとなったことでショックを受けている。
ビーストドクター・ストレンジのアイテム「ホルスの眼」を使用することで悪魔のような姿に変身し、力を強化、また時空の門を開くことができるようになった。
エンジェル:"The Black Vortex"で翼が宇宙エネルギーの炎に変化。強力な攻撃力を発揮する。
アイスマン:ゲイをカミングアウト。恋人はインヒューマンズロメオという男。

  • 追加メンバー
ウルヴァリンジェイムス・ハドソン):アルティメット・ユニバース(Earth-1610)のウルヴァリンの息子。父同様にクロウと超回復力を持つ。
ブラッドストーム:別ユニバースから呼び出された吸血鬼化したストーム。ミュータントとしての天候を操る能力と吸血鬼の能力を併せ持つ複合能力者。

その他

マグニートーインヒューマンズとの戦いのあと死んだと思われているが、実は生きていて「ミュータントと人類の共存を実現するため」5人のオリジナル・X-MENに協力を依頼した。
フェリスマグニートーの執事的ポジションのロボット。


内容

#1

セレブロの反応により大型船でのミッションに出動したX-MEN。シージャックで金儲けを企んでいたブラック・トム・キャシディジャガーノートがいて、戦闘の末彼らを倒し船の乗客たちを救出する。彼らを本拠地で待っていたのは、若きX-MENたちの指導者となったマグニートーだった!
その頃、どこかの雪山ではハンターたちをウェンディゴが襲撃。彼らを救ったのは、拳にクロウのある謎の男!

#2

2ヶ月前、廃車置き場でジーンとマグニートーが邂逅。マグニートーはミュータントの生存のために人類との共存が必要だと感じ、彼らオリジナルX-MENを集めることを提案する。ジーンは半信半疑だったがマグニートーの精神に入り込み、真実と知る。
バルセロナにセンチネル出現の報を受け、急行するX-MEN。その間、マグニートーは彼らを元の時代に帰すタイムマシン建造の計画を進めていた。

#3

バルセロナのセンチネルミュータントを救出・保護するためにプログラムされていた。能力を覚醒させたばかりの女性ミュータントのベレンとともに基地に運ばれたX-MENを待っていたのはバスチオンだった。彼はテリジェン・クラウドのせいで人口が激減したミュータントを保護しないと「ミュータントを攻撃する」というプログラムの目的が果たせないと考えているのだ。
真実を知ったX-MENはセンチネルを攻撃するが、バスチオンたちはミュータント保護のプログラムに乗っ取り反撃せずに逃亡する。

#4

セレブロの反応を追い雪深い森へ。そこで出会ったのは別世界(Earth-1610)のウルヴァリンの息子、ジェイムス・ハドソンだった。最初は戦闘になったが和解しバーで話を聞くX-MEN。そこに同じく別世界のニュー・マローダーズが現れる。

#5

メンバーとニュー・マローダーズが戦っている間、ジーンは精神世界でミス・シニスターと出会う。ミス・シニスターはジェイムスのような特殊なミュータントを調査しているというのだが…
最終的にニュー・マローダーズは撤退。ミス・シニスターの目的は謎のまま残される。X-MENはジェームスを連れ帰り、仲間にする。

#6

ジェームスを伴い、マドリプールの祭に繰り出すジーンとビースト。ジェームスは2人からはぐれ、ミュータント・グロース・ホルモンの密売現場に出くわす。
そこへ「ラクシャ」を名乗るミュータントチームが現れ、密売グループを攻撃。乱闘になるが、彼らはウルヴァリンをリスペクトする者たちだとわかり和解する。

#7-9 "SECRET EMPIRE"タイ・イン

ハイドラとの協約によってミュータントの独立国家ニュー・ティアンが建国された。元首はシェン・ソーンだが、彼はエマ・フロストによって操られていて、実際に国を支配していたのはエマ・フロストだった。
マグニートーキャプテン・アメリカとの協定により不可侵を約束していたが、オリジナル・X-MENたちは隠れ家に潜み、反乱の機会を伺っていたのだが、ニュー・ティアンの手先となった大勢のミュータントたちの襲撃を受けサイクロップス、アイスマン、ビースト、エンジェルらが拉致されてしまう。中でもサイクロップスはエマ・フロストによって洗脳され、大人の方のサイクロップス(つまりエマの理想のサイクロップス)の意識を植え付けられてしまった。
残ったジェームスとジーンはブラックバード(実はアンドロイド化したデンジャールームデンジャー)やポラリスなど、マグニートーがメンバーにも知らせず準備していた協力者たちの力を借りてニュー・ティアンを侵入。
メンバーの奪還に成功する。
作戦には失敗したエマ・フロスト率いるニュー・ティアンだが、既にバスチオンやミス・シニスターを仲間に加え何かを企んでいるようだ。

10-12

ゴブリン・クイーンことマデリーン・プライアーとの戦い。魔術に傾倒していくヤング・ビーストを欺き、マデリーンは時空の門を開かせ、吸血鬼化したオロロ・マンロー「ブラッドストーム」ら異世界のX-MENを召喚。続いて現世に更に凶悪な何かを顕現させようと企む。
一方、ミス・シニスターはジェイムス・ハドソンのようなアルティメット・ユニバースのミュータントが遺伝子操作による人工的に作ららたものだということを突き止め、人為的にセカンド・ミューテーションを引き起こす研究をしていた。

#13〜15"Mojo Worldwide"【モジョ・ワールドワイド】

"X-MEN: GOLD Vol.2" #13〜15と交互に進行するクロスオーバーストーリー。
モジョーが過去のX-MENたちの苦難に満ちた戦いのシーンを「グレーテスト・ヒット」として「リマスター」し、彼らの処刑シーンとして配信することを思いつく。もちろんキャスティングされるのは現在の本物のX-MENたち!
宇宙から飛来した謎の柱に閉じ込められたX-MENはアステロイドMでのマグニートーの戦いや"Avengers vs. X-MEN"など過去の幻覚とも現実とも知れぬ世界で転戦に次ぐ転戦を強いられることになる。
過酷な戦いの中でX-MENは1人また1人と倒れ、危機に陥ったX-MENロングショットが助太刀に現れ、形勢は逆転していく。
さらに死んだと思われていたメンバーが実は別室で生かされていることが明らかに。
一方モジョーは地球のニューヨークをモジョーバースのように変質させる計画を実行に移すが、最終的にはX-MENが勝利。
モジョーとその一味は死んだように思われたが実は生きていて、地球に取り残される。

#16〜20"Cross Time Capers"

ジーン・グレイプロフェッサーXからの「戻って来い」というテレパシーを受け、マグニートーが開発したタイムマシンを使い一同が元の時代に戻ろうとする。
しかし装置を使用するたびに過去の世界ではなく別の時間軸に移動し、2099の世界(Earth-928)やジェネレーションXの時代などを次々と移動。たどり着いた元の世界の過去では、どういうわけかプロフェッサーXX-MENがブラザーフッドを殺してしまった世界だった。
この世界のマグニートーと協力し、X-マンションにテレポートした一行はプロフェッサーXもX-MENも偽物がなりすましていて、その正体は未来のブラザーフッド*1だと突き止める。X-MENが本物の教授を救出すると未来のブラザーフッドは逃亡。教授との再会を喜び、この時代に留まることを望んだX-MENだったが、教授は成長し変わり果ててしまった彼らを見て「今はそのときではない。変化を元に戻すことが可能なはずだから、その後で」と提案する。X-MENたちは再び現代に戻ることを余儀なくされた。
一方、過去のマグニートーは未来のブラザーフッドを追跡していた。
なお、このストーリーではビーストが2099世界でセラブラから「サイバー・ギア」を手に入れ、あらゆる機械に自在にアクセスする「テクノパス」の能力を得る。

"X-Men: Blue Annual", #21〜22 クロスオーバー"POISON-X"【ポイズン-X】

"X-Men: Blue Annual"から始まり"Venom Vol.2"#162〜#163と交互に進行するクロスオーバー
サイクロップスとコルセアの交信中、スタージャマーズがシンビオート共生体の一団に襲われ拉致される。X-MENはスタージャマーズ救出のためヴェノムに助けを求め、半ば強引に引き連れてブラックバードで宇宙へ。
宇宙の酒場でシンビオート共生体のならず者たちに襲われるがこれを撃退。
街はずれの倉庫で武器商人のヘイズ・マンサーの取引現場を抑える。戦闘中にヘイズが保存していたシンビオートの容器が破壊され、流出したシンビオートX-MENと結合。5人全員共生体となってしまう。
ジーンが死亡する展開となり、ストーリーは"VENOMIZED"へと続く。

#23〜28 "CRY HAVOK"

オリジナルX-MEN(ブルーチーム)たちが宇宙にいる間のこと。ハボックセバスチャン・ショウ、ミス・シニスター、バスチオン、エマ・フロストたちとともにある計画を実行に移す。それは、X因子を持たない者にもミュータント能力を与え、X因子を持っているが能力が発現していない者には能力を発現させ、既に能力を発現させている者にはセカンドミューテーションを引き起こす血清「マザーヴァイン」を世界中に散布し、ミュータント人口を増やすという者だった。
マグニートーはローナ・デインをフィールドリーダーに新たなブルーチームを結成。そのメンバーはローナの他にジェイムス・ハドソン、ブラッドストーム、シェン・ゾーンゲイジング・ナイトシェイドラクシャのメンバー)、ダケン。ユニバースを超えウルヴァリンの息子が2人揃うという異色の顔ぶれであった。
一方でマグニートーハボックから同志にならないかと誘われるがこれを拒否。戦いの最中にマザーヴァインを積んだミサイルが発射されてしまう。
新たに生まれたミュータントたちはミス・シニスターの洗脳を受け、保護しようとしていたマグニートーを襲撃。手傷を負ったマグニートーはタイムマシンを使って逃れる。
そしてハボックの暴走を知ったエマ・フロストはブルーチームに味方し、ハボックのかつての恋人ローナとともにその精神に侵入。悪に転移していたハボックの精神を治し、かつての善良な心を取り戻させ、さらにエリクサーの力で顔の負傷も治癒させた。
またエリクサーの力でX因子を持たずに能力をえた人間たちの治療も実行するのだった。

#29〜30 "THE SEARCH FOR JIMMY HUDSON"

"VENOMIZED"によってポイズン最後の生き残りと化したジェイムス・ハドソン。逃亡生活を続ける彼を助けるため、地球に帰還したブルーチームがその行方を追っていた。
ジェイムスをみつけたブルーチームだったが、戻るように説得している間にダケンが現れ彼を攻撃。マグニートーにより暗殺の指示を受けたのだという。
戦闘の最中でポイズンと化した彼の中にジェイムスの心が残っていることを確認するが、彼はブルーチームには戻らず去ってしまう。



最終更新:2025年04月21日 04:58

*1 "battle of the atomに登場し、このときも「未来のX-MEN」を名乗っていたブラザーフッド"