Infinity(インフィニティ)

クロスオーバー、シリーズタイトル、マーベル

出版:2013年8月~11月
掲載誌:"Infinity"#1~6,"Avengers Vol. 5"#18〜23,"New Avengers Vol. 3"#9〜12

概要

"Infinity"#1~6,"Avengers Vol. 5"#18〜23,"New Avengers Vol. 3の3誌を軸に展開する大型クロスオーバーで、そのコアタイトルでもある。地球のヒーローたちと宇宙の知的生命体を根絶しようとするビルダーズ、地球に来襲したサノスとの決戦が並行して描かれる。

あらすじ

宇宙に蔓延る生命の創造主「ビルダーズ」が地球に向けて進撃を開始した。それを知ったキャプテン・アメリカは、アベンジャーズを率いて宇宙に出撃、ギャラクティック・カウンシルとともにビルダーズに徹底抗戦を挑む。
一方、アベンジャーズ不在の地球にはサノスとブラック・オーダーが来襲、各地に攻撃を開始する。ニューヨーク上空のインヒューマンズの首都アティランを訪れたサノスは、ブラック・ボルトにある要求を突きつける。

登場人物

アベンジャーズ:総勢20名となった大編成チーム。地球に残ったアイアンマン以外が宇宙に出撃し、ビルダーズとの対決に臨む。

イルミナティインカージョン対策のために地球に留まっていたが、サノスとブラック・オーダーの来襲を受ける。

ギャラクティック・カウンシル:クリースクラルシーアー、スパルタクス、ブルードネガティブ・ゾーン、それぞれの支配者からなる評議会。

ビルダーズ:宇宙最古の知的種族。強大な戦力で宇宙の知的生命体を根絶するために進撃を開始する。


掲載誌

Prelude to Infinity(序章)

"Avengers Vol. 5" #14-17
地球上にオリジン・ボムが打ち込まれた地点が活性化し、各地で異形の生物が誕生。さらにキャプテン・ユニバースが予告する宇宙の彼方から迫る危機に対し、アベンジャーズは更なるメンバーを加える。

主要ストーリー "Infinity"#1-6

同時に起きたビルダーズとサノス軍の来襲とヒーローたちの抵抗が描かれる。

#1
サノスは何かを探すため宇宙種族の虐殺を開始。ついにその何かがインヒューマンズによって隠されていることを突き止める。
インカージョンを止めるため、ビルダーズ軍が進撃を開始。その目的地が地球であることを察知したアベンジャーズは宇宙に出発を決める。
インヒューマンズ王家の不和、ミュータントたちの分裂、そしてアベンジャーズの不在を好機と見たサノスは地球への侵攻を決める。

#2
ついにサノス軍の地球への侵攻が開始、各地が陥落していく。コーヴァス・グレイヴはアッティラのインヒューマンズ王家を訪れ「全滅か16歳から22歳までの民全ての命を差し出すか」という選択を突きつける。
一方、アベンジャーズはシーアー帝国のイペリアル・ガードと合流。ビルダーズ艦隊の尖兵として送られたアレフ軍を撃退し農業惑星を守るが、一体のガーデナーが命と引き換えに惑星を死の星に変えてしまい、アベンジャーズの最初の勝利は苦い勝利となった。
その後、インヒューマンズの王ブラックボルトはイルミナティを招集。サノスの本当の狙いが自らの息子の命であると明かす。

#3
巨大宇宙ステーション"ベヒーモス"に大勢の宇宙難民たちが避難し、アベンジャーズやギャラクティック・カウンシルも合流するが、そこへビルダーズのドローン艦隊が攻撃。大量の犠牲者を出してしまう。ビルダーズはケンタウリアンやカイメリアンなど知的種族の母星を次々と訪れ、降伏か死かの選択を迫り、100以上の種族が従属を選んだ。ついにはクリーまでもが降伏してしまう。
そんな中、アベンジャーズとギャラクティック・カウンシルは反抗作戦を実行。ビルダーズの攻撃船「ワールドキラー」のシステムを乗っ取り、艦隊を撃退し、残存部隊をスターブランドが全滅させる。
一方ニューヨーク上空のアッティラにサノスが訪れ、ブラックボルトに決断を迫った。ブラックボルトは"NO"と叫び、アッティラごとサノスを攻撃。マキシマス・ザ・マッドが作った爆弾とともにアッティラは大爆発を遂げる。

#4
ブラックボルトの叫び声によりマキシマスが作った"テリジェン・ボム"が作動。それは"テリジェン・ミスト"を地球上の窒素と結びつけ、連鎖的に拡散するというものだった。これにより地球上のインヒューマンズの遺伝子を持つ人々が次々と能力を覚醒していく。隠れ里オロランではサノスの息子セインが能力を覚醒。大爆発が起きてしまう。
ブラックボルトは一騎討ちでサノスに敗北。
一方、クリーの母星にはビルダーズへの降伏を告げる使者としてソーが到着。先に降伏していたロナンから武装解除を指示され、ソーはムジョルニアを放り投げる。ソーはビルダーズから侮辱を受けながらも命ずるままに跪くが、直後に恒星の熱を吸収しながら飛来したむジョルニアがビルダーズを貫いた。全てはキャップとソーの策略であり、ビルダーズといえども破壊が可能であることを宇宙に示したのだ。ソーに促され、ロナンは再びビルダーズとの戦いを決意する。

#5
ビルダーズ一体の破壊に成功したことでアベンジャーズの旗印のもと宇宙種族たちが次々と蜂起。ビルダーズに戦いを挑んでいく。そんな中、ブラック・オーダーのエボニー・マウはサノスの息子セインを篭絡。彼にコスチュームを与え、サノスのもとへ導くことに成功した。
ワカンダを占領したサノス軍はイルミナティが首都ネクロポリスに配備した対インカージョン用のミサイルの安全装置を解く方法を求め、ブラックボルトを尋問。スーパージャイアントがテレパシー能力でその秘密を引き出す。事態を察知したアイアンマンはイルミナティの面々と共に首都ネクロポリス奪還を目指し攻撃をしかける。
宇宙ではキャプテン・アメリカの功績により連戦連勝のギャラクティック・カウンシルがキャップの指示に従うことを表明。キャップは地球奪還を指示するのだった。

#6
地球を包囲して展開していたサノス艦隊を突破したアベンジャーズとギャラクティック・カウンシル。
ついにアベンジャーズが地上に降り立ち、ワカンダでサノス軍と対決する。激戦の末、ハイペリオンがコーヴァス・グレイブを撃破。
しかしスーパージャイアントが爆弾を起動するのには間に合わない。それでも爆発の瞬間、マキシマスがロックジョーの能力で爆弾とスーパージャイアントを宇宙にテレポート。スーパージャイアントは1人爆発に巻き込まれる。
そんな中、サノスの手が息子のセインに迫るが、ここでセインの新たな能力が発動。サノスを生きたまま琥珀の中に閉じ込めてしまう。
宇宙ではビルダーズを退けたギャラクティック・カウンシルの各種族が新たな動きを開始。
戦勝ムードの中、イルミナティは迫るインカ―ジョンの危機に気を引き締めるのだった。

主要ストーリー ”Avengers Vol. 5","New Avengers Vol. 3"

Avengers Vol. 5" #18-23
ビルダーズ迎撃のためにギャラクティック・カウンシルとともに出撃したアベンジャーズたち。しかし初戦から苦戦を強いられ、メンバーの半数は敵の捕虜に。さらにカウンシル内でも不協和音が……

"New Avengers Vol. 3" #9-12
サノスの目的を知り、対策に奔走するイルミナティに襲いかかるブラック・オーダー。そんな中、インカージョンが発生、異世界から現れたビルダーズは、彼らにインカージョンの真実を告げる。

タイ・イン

Avengers Assemble #18-20
 #18,19では、ホークアイへの複雑な感情を秘めたスパイダーウーマンから見たビルダーズとの最初の戦いが描かれる。#20は地球に残ったワスプアンキャニー・アベンジャーズが、思わぬ相手と対峙することに。
Captain Marvel Vol.7 #15-16
 キャプテン・マーベルから見たビルダーズとの最初の戦い。常機が撃墜されたピンチに、彼女がバイナリーとしての力を発動させる。
Fearless Defenders #10
 テリジェンミストによってインヒューマンズとして覚醒したレン・キムラは、フィアレス・ディフェンダーズとドゥーム・メイデンの戦いに巻き込まれる。
Guardians of the Galaxy Vol.3 #8-9
 アビゲイル・ブランドからの救援要請を受け、スターロードらは地球最終防衛ラインであり、アベンジャーズ地球帰還の障害であるS.W.O.R.D.の軌道上基地に急行する。
Infinity: Against the Tide #1-2
 ビルダーズの襲撃で大混乱に陥ったスクラル人の惑星に現れたシルバーサーファーは、人々を救うため、単身ビルダーズの大軍に挑むが……
Infinity: The Heist #1-4
 スパイマスターに誘われ、スタークタワーに忍び込むことになったブリザードら7人のヴィラン。しかしブリザードはその直前にインヒューマンズの力に目覚める。さらにこの依頼には裏が……
Infinity: The Hunt #1-4
 アベンジャーズ・アカデミージーン・グレイ学園他、世界中の若手ヒーロー養成学校による対抗戦が行われる直前、サノス軍が襲来。若手ヒーローたちは一致団結して強敵に立ち向かう。
Mighty Avengers Vol.2 #1-3
 ニューヨークを襲撃するProxima Midnightの軍勢。アベンジャーズ不在の中、ルーク・ケイジら新たなチームが集結する。しかしEbony Mawに操られたドクター・ストレンジによりシュマゴラスが召喚され……
Nova Vol.5 #8-9
 サムを訪ねてきたスピードボールジャスティス。一方、サノス軍の刺客Kalderaがサムの母と妹を人質に取り、サムに迫る。
Secret Avengers Vol.2 #10-11
 インヒューマンズの力に目覚めたS.H.I.E.L.D. の技術者・サラ。サノス軍に対する戦力としてフューリーJr.と共に戦う羽目になった彼女の前に新たな敵が……
Superior Spider-Man Team-Up #3-4
 目覚めたインヒューマンズの力で、機械文明を滅ぼそうとする少女・シルビア。サノス軍の襲撃の最中、スパイダーマンは彼女を説得することに。
Thunderbolts Vol.2 #14-18
 NYの犯罪ファミリーを次のターゲットに選んだサンダーボルツ。しかしミッション遂行中にサノス軍が襲来、さらにターゲットの中にテリジェンミストに反応する者が……
Wolverine and the X-Men Annual #1
 父・グラディエーターによってシャイアに呼び戻されたキッド・グラディエイターは、ビルダーズ襲撃のため、父やアベンジャーズと肩を並べて戦うことに。

結末と影響(ネタバレあり)

地球に帰還したアベンジャーズらヒーローはブラック・オーダーと激突、コーヴァス・グレイヴ、ブラック・ドワーフ、スーパージャイアントは、ヒーローたちとの激闘の中で倒される。
サノスの地球侵攻の理由はインヒューマンズによって密かに育てられていた自分の息子・セインを抹殺することだったが、サノスが敗北。
サノスとプロキシマ・ミッドナイトは、セインの右手の力で生きたまま琥珀の中に封印され、戦いは終結した。セインはエボニー・マウとともに姿を消す。

ビルダーズの強大な力の前に劣勢を強いられたギャラクティック・カウンシルは、一時崩壊しかかるものの、エクス・ニヒロの兄弟たちの造反とアベンジャーズの獅子奮迅の活躍で逆転に成功。
異世界のビルダーズにより地球がインカージョンの中心地であり、地球の破壊は宇宙の秩序を保つためだったことが判明する。つまりビルダーズの地球侵攻はインカ―ジョンを防ぎ宇宙を守るためだったのであり、これを防いだことによりインカ―ジョンは不可避となった。("Time Runs Out"、"Secret Wars(2015)"へと続いていく)

ニューヨーク上空のアティランを襲撃したサノスとブラック・ボルトの激突の末にアティランは地上に落下。マキシマス・ザ・マッドが開発したテリジェン・ボムが爆発しテリジェン・ミストが地球上に散布される。これにより新たなインヒューマン「ヌーヒューマン(Nuhuman)」が多数発生。
サノスの来襲とマキシマスの暴走により偶発的に起きたように見えるこの事態は、実はインヒューマンズ存続のためのブラック・ボルトの計画の範疇だった。(Inhumanityに続く)。
また地球に拡散したテリジェン・ミストの影響で新ミズ・マーベルカマラ・カーン)誕生。(Ms. Marvel Vol.3 スタート)
さらに後に地球で拡散したテリジェン・ミストはミュータントにとって猛毒となることが明らかになり、X-MENとインヒューマンズの対立を生むこととなる。

アベンジャーズ不在の地球を守るため、ルーク・ケイジ、スペクトラムらによって新たなマイティ・アベンジャーズが結成された。

サノスらは後にネイモアらの手により解放され、新たなカバルを結成することとなる。



最終更新:2024年05月16日 23:57