日本語表記/英語表記(遊戯王OCG)

「日本語表記/英語表記(遊戯王OCG)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

日本語表記/英語表記(遊戯王OCG) - (2023/11/29 (水) 00:14:41) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/05/18(金) 16:25:01
更新日:2024/02/12 Mon 03:48:40
所要時間:約 4 分で読めます





原作開始から25年以上が経過し、遊戯王OCGは今や世界一売り上げたカードゲームの座を不動のものとした。
現在では世界的に展開しており、日本語でない言語で先に発売され、後から日本語版が輸入されることすら今日では珍しくない。*1

だが年が経つに連れ、日本と世界の言語・文化の差異から、どうやっても表現出来ないカード名が生まれ始めた。


この項目では基本となった日本版と英語版のカード名について述べる。




◆日本語の特異性について
日本語は、ひらがな、カタカナ、漢字でほとんどの言葉を表記できる。
カード名にも日本語以外の言語が使われるのは当たり前だが、日本は世界一自由な国であるため、
諸外国では控えられる単語も平気でカード名に使っている。

特に海外では、兵器などの暴力的な単語、差別用語、宗教用語は避けられており、別の単語に置き換えられることが多い。
この中でも、宗教用語は歴史背景もあり特に影響が大きい上例外は日本だけである。

日本では世界宗教が文化に根付いていないため、こうした規制の影響を受けにくいのだ。
しかし、宗教が根強く浸透している諸外国ではそのままでは販売できない。
ときに戦争をも起こす宗教の概念を使うことは日本以外では控えられ、宗教的な単語は全て別の単語に代えられるか、丸ごと削除されている。

この影響が特に顕著なのは「」の表記だろう。
これは、日本人にとっての「神」とキリスト教でいう「God」が全く違う概念であるため。
そもそも「God」を「神」と訳すのは不適当という論説もあるほどである。日本は実質の多神教だしね。

日本以外のカードでは「GOD」にあたる単語を使わないようになっており、
原作でそう表記されていた三幻神ですら属性、種族含め一切「GOD」という単語は使われていない*2
大して「神」が特別な存在ではない日本では、三幻神やホルアクティのような例外を除いても、神と名の付くカードは相当数存在する。 

よって、日本語名の『神』に当たる部分は「God」ではなく
「Immortal(超越者)」「Divine(神性)」「Deity(神格)」といった単語が用いられている。
Goddesは女神なので例外的に昔より使用されている他、近年は多少緩和されているようで、11期以降では「God」も使用されるようになった



日→英の珍訳・迷訳

初期のカードに多いが、見るからに雑だったり、誤植がそのままだってたり、といった感じの英訳は少なくない。
ローマ字日本語表記なんて投げっぱなし感ただようものも。

きのこマンが「Mushroom Man」。
で、マタンゴは「Mushroom Man #2」。
初期のカードには多かった投げっぱなしネーミングの一つ。
なのだが、エメラルドドラゴン/Luster Dragon #2のように、先に出たのに「#2」をつけられる可哀想なヤツもいる(ちなみに、サファイアドラゴンが「Luster Dragon」である)。


  • 鬼神の連撃/Oni-Gami Combo
先に上げた、「神を名に含むカード」のひとつ。
こういうのは普通「神」の部分をkami、jinなどの表記にするのだが、こいつは「Oni-Gami Combo」。
どうして中途半端に翻訳しようと思ったのか。


  • 水魔神スーガ/Suijin
  • 風魔神ヒューガ/Kazejin
  • 雷魔神サンガ/Sanga of the Thunder
この手の翻訳による被害が大きいことで有名なカード。

水魔神スーガ→Suijin(スイジン)

これはまだいい方で、

風魔神ヒューガ→Kazejin(カゼジン)

スイときたら普通フウだろう……

雷魔神サンガ→Sanga of the Thunder。

統一性も何もあったものではない。
雷はともかく神(ジン)はどこいった!?


  • レアメタル・ソルジャー/Roboyarou
「ロボ野郎」。


英→日の珍訳・迷訳

英→日で妙な翻訳になるケースも散見される。
主にUpperDeck社によって英語版の先行販促カードが販売されたあと、英→日に翻訳された、というものが多い。
これだけでも一苦労なのだが、よせばいいのにKONAMIは日本語の汎用性を悪用して生かして無茶な邦訳をし、ネーミング被害者が続出することとなる。 


  • スクラップ・デスデーモン/Scrap Archfiend
「このカードなんて言うんだ?」
「これは《Scrap Archfiend》というんですよ。海外先行カードで9月になれば使えますよ」

Scrap→スクラップ
Archfiend→デーモン
なので日本語では《スクラップ・デーモン》以外ありえないだろう。……とおもーじゃん?

で、迎えた9月。
《スクラップ・デスデーモン》
どっから湧いたその単語!?スクラップは「デス」の単語とは無縁なカテゴリだろうが!?
いや、まぁ、フレムベル・デスガンナーとかはいたけど...

  • アレキサンドライドラゴン/Alexandrite Dragon
英名を見てもらえばわかるが、teにあたる部分が抜け落ちている。
太平洋のどこかに「ト・」の字を落としてきたのだろうか?

  • オーシャンズ・ーパー/Ocean's Keeper
どう見てもわかるレベルの誤植を直されなかったまま日本語化。
KONAMIはこの件について完全に開き直ったようで、この後登場した《Abyss Keeper》を《アビス・ーパー》と訳する始末。

そのまま「トーテム・ドラゴン」とかでよかったんじゃないだろうか。

この手の話題でよく槍玉に挙げられるカードのひとつ。
元名は「Tour Guide From the Underworld(地底より来たるツアーガイド)」というちょっとお洒落な名前だったのだが、
日本に来る際に「魔界発現世行きデスガイド」という猛烈にダサいネーミングにされたことで話題になった。
KONAMIはやっぱり開き直ったらしく、
「魔界の警邏課デスポリス/Beat Cop from the Underworld」
「魔界特派員デスキャスター/Muckraker From the Underworld」
という関連カードも出している。



面白い英訳

日英で同じシャレを成立させていたり、ちょっと味のある訳し方をしていたり...
という、思わず唸るような訳し方をされたものもある。

  • 弱肉一色/The Law of the Normal
英語における「弱肉強食」にあたることわざ「The Law of the Jungle(ジャングルの掟)」をもじった英語名。
通常モンスターに関するカードなので、このカードは「The Law of the Normal(通常モンスターの掟)」としてある。


カテゴリ名の都合で問題になったカード

遊戯王は仮にもカードゲームなので、「カテゴリ名」の範囲は日英できちんと統一されていなければならない。
たとえば、「ガエル」というカテゴリは「鬼ガエル」を含むが、同じガエル関連カードの「粋カエル」は含まれない、といった具合。
つまり、「鬼ガエル」に「Swap Frog」、「寝ガエル」に「Flip Flop Frog」という英語名を使ったら、「ガエル」ではない「粋カエル」や「餅カエル」には「Frog」という単語を使ってはいけないのだ。
この辺も翻訳者泣かせなところで、中には英語名が後から変更されたものもある。
ちなみに、「カエル」の英語名はヒキガエルを意味する「Toad」を使い、「粋カエル/Ronintoadin」、「餅カエル/Toadally Awesome」としてある。







追記・修正は日本語訳の予想を当ててからお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/