ラディゲ(鳥人戦隊ジェットマン)

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ラディゲ(鳥人戦隊ジェットマン) - (2021/05/08 (土) 22:12:01) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/02/09 (火) 03:33:17
更新日:2024/04/25 Thu 11:07:31
所要時間:約 6 分で読めます






跪け!


我らは、あらゆるものの始まりと終わりを支配する者、すなわち神だ!

跪け!跪け!

我らは、あらゆる次元を支配する者、すなわち神。『バイラム』!!



ラディゲとは、スーパー戦隊シリーズでも異色作の一つに挙げられる「戦うトレンディドラマ*1」こと『鳥人戦隊ジェットマン』の登場人物であり、同作のラスボスである。

演:舘大介(現・舘正貴)


概要

地球とは異なる時空「裏次元」を侵略し支配下においた悪の組織次元戦団バイラムの幹部で、「裏次元伯爵」を自称する男。*2

歪んだヤドカリの殻のような兜と、異形の鎧を身に纏った騎士のような人物で青い肌が印象的。
4幹部の実質的なリーダー格も務める。


人物

長きにわたるスーパー戦隊シリーズの悪役の中でも屈指の外道。
過剰なまでにプライドが高い残忍かつ冷酷な野心家で、尊大で傲岸不遜な性格。
自分の上に立つ者の存在を決して認めず、他者が必死で努力する姿を敵味方関係無く「健気」と皮肉を交えて嘲笑し、相手を見下しきった態度であしらう姿がしばしば見受けられた。
また人間の情愛などを「愚劣な感情」などと軽んじて唾棄する一方で、仲間であるマリアに対しては倒錯した感情を抱いているなど悪い意味で人間臭い一面を持つ。

冷酷非道の卑劣漢ではあるが一応戦士としての矜持もそれなりに高く、レッドホークこと天堂竜をライバル視し、正攻法や搦手も含めて何度も剣を相見え死闘を繰り広げた。
そして何よりも異常なまでに執念深い陰湿さが特徴。


戦闘能力

戦いでは「秘剣ブラディゲート」や多彩な破壊光線を振るって戦うほか、戦闘形態の凶獣ラディガンに変身する能力を持つ。
ラスボスとしても「あるアクシデント」がなければジェットマンは負けていたと言われるほどの強敵なのだが、
それと同時に劇中屈指のヘタレでもあるという、これまたスーパー戦隊シリーズでも稀有なキャラクター性を持つがゆえにネタキャラ呼ばわりされることも多い。


凶獣ラディガン

怒りの感情が昂ることで変身するラディゲの真の姿にして戦闘形態。
左右非対称のフォルムを持つ醜悪な怪物の姿をしており、左手に秘剣ブラディゲートが一体化している。
武器は口から放つ衝撃波。この姿に変身すると敵のあらゆる攻撃を防ぐ高い防御力を発揮する。


ラゲム



クッ…!ジェットマンの真の力、確かに見た!

次は…俺の真の力を見せてやる…!!


ラディゲが魔人ロボ・ベロニカの生体エネルギーを吸収したことで変身可能となった、ラディゲの最終形態である巨大怪獣。
機械と爬虫類と龍の合成生物を思わせる風貌となっているが胸部にはラディガンの顔があり、発声もその部分から行う。
ラディゲはこの姿を「聖なる身体」と呼ぶ。

戦法は両手の爪や伸縮自在の舌、噛み付きによる肉弾戦。
しかし最大の特徴は、バードニックセイバーをへし折り、バードメーザーを受けてもびくともせず、ジェットフェニックスすらも無傷ではね返す尋常ならざるほどに高い防御力にある。
無敵に等しい防御力を持つがリエに付けられた背中の傷が巨大化したことで開いてしまい、その部分が唯一の弱点。

テトラボーイの攻撃で弱点が発覚した後、傷を隠すためにバイロックを鎧として纏った更なる強化形態へと変貌。
バリヤーの展開が可能になり防御面は更に強化。
攻撃面に於いても、頭部の球体からは破壊光線や糸状の拘束光線を放ち、両肩からは2つの光輪を放つ。
身体から光を発して衝撃波を起こし、それで大量の大岩をぶつける戦法も披露した。
なお触手の一つにはブラディゲードが一体化している。

特殊能力も何もない純粋なフィジカルの強さだけを武器にジェットマンの全戦力を蹴散らし終始無敵を保った圧倒的な強さから、全戦隊シリーズ中最強クラスのラスボスとの呼び声も高い。


★劇中の主な活動

第1話の初登場シーンでは、冴えないリーマンが飲んでたコーヒー、女子トイレの鏡、モブのバーちゃんが昼寝している縁側の窓、
畑仕事中の雷太(後のイエローオウル)の頭上などに自分の姿を映し出しながら地球に降伏勧告をするというチャーミングな姿を晒す。



その後もラディゲ様はバイラム幹部の中では最年少と思しきトランの「ジェットマンを倒した奴がバイラムの新しいリーダーになる」という子供ならではの提案に同意なさったり、
これまで加入を拒否していた結城凱の参加でやっとチームとなったジェットマンに皮肉混じりの祝辞をお贈りになったり、
マリアを口説こうとして相手にされなくても余裕を崩さないという、 懐の大きさもお見せになった。



第6話では、次元獣になったマンションの中でジェットマンのリーダー・レッドホークと一騎打ちになった際、
彼の強化スーツに剣で傷を負わせるという幹部に相応しい働きを見せるラディゲ様。
が、どういうわけかマンションにあった椅子はぶった切れなかった*3

また、この回でラディゲ様は人間を醜く愚かな生き物だとおっしゃったが、
人間であるレッドホークに顔を傷付けられた怒りでラディガンに変身したにもかかわらず2人しか揃っていない状態のジェットマンに撃退されてフラフラになって帰還するという醜態を視聴者にお見せ下さった。



第17話にて、バイラム幹部内で調子に乗ってたラディゲ様を諭すがごとく、
過去の侵略戦争で行方不明になっていたバイラムの本来の首領・女帝ジューザが帰ってきた。

ラディゲ様・トラン・グレイの古参幹部一同は表向きは彼女の帰還を祝うものの、
とっくにくたばったと思っていたイヤな上司が五体満足で帰ってきて、再び彼女の尻に敷かれるハメになったことに不満を抱いた。


しかし、ちゃっかりと謀反を企てていた!
さすがラディゲ様!


だが、それもあっさりと阻止されて記憶を消された挙げ句、無力で「ちょっと出っ歯な」人間に姿を変えられた。
さすがラディゲ様!



その後、なんやかんやで記憶を取り戻したラディゲ様は、「敵の敵は味方」とばかりにジェットマンと共闘して憎きジューザを討伐なさり、
彼女の切り札だった魔獣セミマルの卵を奪うことにも成功。
さすがラディゲ様!

さらに記憶喪失中にお世話になった女性に戦いを捨てるように説得されると、
ご自身のためらうような仕草にロマンスを期待した視聴者を嘲笑うかのごとく、次の瞬間には女性を冥界送りに。
さすがラディゲ様!

この一件の後、ジェットマン討伐に苦心する他の幹部達を尻目に、ラディゲ様は卵から孵化した魔獣セミマルの育成に精を出す日々を過ごされる。



そして遂に成体になったセミマルを実戦に投入するやいなや、セミマルは圧倒的な力でジェットイカロスに勝利。
調子に乗ったラディゲ様は他の幹部達を小馬鹿になさるのだった。

しかし、裏次元ディメンシアから駆け付けたジェットガルーダとの戦いで、セミマルはガルーダを仕留め切れずに帰ってくるという失態を演じ、
これを心配なさったのかラディゲ様は修復されたガルーダを自ら奪い、ちょっと楽しそうに操縦捍を握りながらセミマルを支援なさった。


…が、ガルーダ強奪の際にパイロットを皆殺しにしなかったために、生き残ったダンの決死の突撃で顔面に炎を浴びせられた挙げ句、
ガルーダを奪い返されるラディゲ様。

せっかくのセミマルも新登場のグレートイカロスに倒され、再び他の幹部達に笑い者にされるのであった。



以降も、マリアから新兵器バイオ次元獣の使用許可がなかなか貰えなかったり、なぜか霊界や妖術に詳しいという設定が追加されたり、
裏次元ベルセルクから来たリア充を弄んだり、竜とリエの再会にキロリットル単位で水を差したり、
手間暇かけて手駒に加えた魔神を尺の都合で瞬殺されたりなさるラディゲ様。

でも、この頃のラディゲ様は(それほど注意して見ない限りは)ヘタレには見えないだろう。



だが、第35話「鳩がくれた戦う勇気」では情けないお姿を晒すことになるのだ!

それは……


鳩 に 煽 ら れ て 湖 に 落 ち る


という姿であった。
これはもう、どうしようもないほどヘタレだった。
当時の視聴者の中でも、このシーンを見て 吹き出した者は少なくないかもしれない……



その後、背伸びして意地を張るトランを笑い飛ばしたり、何故か最強幹部になって帰ってきたトランザに虐げられたり、
ベロニカの操縦捍をトランザと奪い合った末に再び人間になったり、
ジューザの時のようにジェットマンの力を借りて彼を精神病院送りにしたり
リエに戻ったマリアに背中を刺されたりしたので彼女を殺害する浮き沈みの激しい人生を送る。



最終回では、正体であるラディガンの強化形態・ラゲムに変身するも、
マリアから受けた傷を完治させないまま変身した為巨大化した影響で大きく開いた傷痕を突かれてAパートのみで倒される。
3年後に凱が死亡したのはラディゲの断末魔の影響とも言われている。


一応テトラボーイとジェットガルーダを道連れにしているのだが、
テトラボーイこそ自力で倒せたものの*4ジェットガルーダを道連れにできたのは、ジェットイカロスが弱点を攻撃して倒すため、乗っていたレッドホークがガルーダを犠牲にしたから
つまりガルーダの方は自力で道連れにしたわけではない。
しかもイカロスの目に見える被害は片手が取れた程度(それ以上の被害は今まで何度も受けているのに…)。




グアッ…アアアア…!これで…このラディゲを倒したつもりだろうが…!

俺の魂は!裏次元から貴様達を永遠に呪い続けるだろう!!


余談

シナリオではバードニックセイバーがラディゲの顔に刺さるようになっていた。

シナリオでは「がー!! ジェ…ジェットマン…私は…死なん…私は…」が最期の台詞だったらしく、恐竜の化石のように白骨だけを残して溶け切っているラゲムの残骸が存在していた。

当時テレビランドに掲載されていた漫画版ジェットマンでは尺の都合上、ハイパーハーケンの必殺技「ハイパーGアタック」で撃破されている。




もうやだ、さすがラディゲ様!



総評

このように、ラディゲ様はラストを飾るに相応しい強者であるが、それ以上に随所随所で情けないヘタレキャラなのである。

しかし一方で、当時の子供たちが「石を投げつける」程のトラウマメーカーでもあり、
悪の名言を生み出した生粋の悪である事に変わりは無く、それ故に高い評価を受けているのである。


第18話で、一時的に記憶喪失となったラディゲが心を通い合わせた女性・早紀を殺害するシーンには、演者の舘自身はかなり抵抗があり、何とか早紀が死なないように出来ないか と監督や脚本家に自ら訴えた。
だがラディゲの残虐さを描写するのに必要なシーンだと説得されると、ついには「こんな嫌な役を演じるくらいなら、いっそこのまま(ラディゲを)死なせて、降板したい」とまで言い出した。だがそれも、ラディゲの役の重要性故に監督達から説得され、とうとうやむを得ず折れる事となった。
そのこともあってかDVD添付の解説書によれば「あれでも映像作品は元の脚本よりソフトにされた」とのことである。



生粋の悪だけあって非公式続編(商業作品ではある)でもゲスな手を使って復活し、悪辣な策を張り巡らした。
しかし、復活の時に使った方法が災いして、自らが陥れたトランザから度重なる妨害を受けることに。
挙句の果てにトランザからの意趣返しが敗因になって本編以上に情けない死に様を晒すという締まりの無さも露呈している。

ラディゲ役の舘大介は三年後の『忍者戦隊カクレンジャー』でモクモクレンの人間体を演じ、ニンジャホワイト/鶴姫と結婚しようとしていた。




「Wiki篭り!!所詮貴様らは流れ星!」
「如何に輝こうと、追記・修正しなければ、堕ちる運命にあるのだ!!」

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