ラディゲ(鳥人戦隊ジェットマン)

登録日:2010/02/09 Tue 03:33:17
更新日:2022/10/10 Mon 21:55:34
所要時間:約 6 分で読めます






跪け!


我らは、あらゆるものの始まりと終わりを支配する者、すなわち神だ!

跪け!跪け!

我らは、あらゆる次元を支配する者、すなわち神。『バイラム』!!



ラディゲとは、スーパー戦隊シリーズでも異色作の一つに挙げられること『鳥人戦隊ジェットマン』の登場人物であり、同作のラスボスである。

演:舘大介(現・舘正貴)


概要

地球とは異なる時空「裏次元」を侵略し支配下においた悪の組織次元戦団バイラムの幹部で、「裏次元伯爵」を自称する男*1

歪んだヤドカリの殻のような兜と、異形の鎧を身に纏った騎士のような人物で、青い肌が印象的。
4幹部の実質的なリーダー格も務める。


人物

過剰なまでにプライドが高く、自身よりも上位の者を決して認めない残忍かつ冷酷な野心家。
おまけに敵も味方も含めた他人が死に物狂いで努力する様を皮肉交じりに「健気」と嘲笑いながら見下すなど、傲慢そのものを地で行く性格の外道。
また人間の「愛」や「友情」などといった感情に対しては「愚劣な感情」などと唾棄していながら、仲間のマリアに対しては倒錯的な情愛の念を抱くなど、悪い意味で人間臭い一面を持つ。
そして何よりも異常なまでの執念深さと陰湿さが特徴。

反面、戦士としての矜持もそれなりに高く、レッドホーク/天堂竜ライバル視し、正攻法や搦手も含めて何度も剣を相見える死闘を繰り広げた。


戦闘能力

戦いでは「秘剣ブラディゲート」や多彩な破壊光線を振るって戦うほか、下記の凶獣ラディガンに変身する能力を持つ。
その他、霊界や妖術に造詣が深い一面も持ち、第27話では亡霊次元獣との併用で早坂アコ、結城凱、大石雷太を一度はに追いやった。
しかし、竜がカー将軍泰元上人の力を借りて霊界に行き、3人の魂を連れ戻す事に成功。
その後、次元獣が倒された際のダメージが逆流し、霊体に深い傷を負ったために霊能力は二度と使えなくなった。


凶獣ラディガン


貴様…!虫ケラの分際で、我が聖なる血を…!!

ラディゲの怒りが頂点に達する事で変身する戦闘形態。
ラディゲの真の姿でもあり、左右非対称かつ彼自身の醜悪な内面が表層化したかのような悍ましい風貌と化している。
この姿になると手持ち武装の秘剣ブラディゲートは左腕と一体化した状態となり、口から放つ衝撃波で攻撃する他、相手の攻撃も意に介さない程の防御力も兼ね備えている。


ラゲム


クッ…!ジェットマンの真の力、確かに見た!

次は…俺の真の力を見せてやる…!!


ラディゲの最終形態で、第45話にて魔神ロボ・ベロニカの生体エネルギーを吸い取った結果、変身出来るようになった。
機械と爬虫類と合成生物を思わせる巨大怪獣と呼べる風貌と化しており、この姿を「聖なる身体」と自称していた。
また、胸部からはラディガンの顔が実体化しており、会話もそこで行う形を取る。

口から青い光線を吐き、主に両手の爪や伸縮自在の噛み付きによる肉弾戦を得意とするが、最大の武器は尋常ならざる防御力の高さ
劇中ではジェットイカロスのバードニックセイバーをへし折ったのみならず、グレートイカロスのバードメーザーをも耐え凌ぎ、おまけにイカロスハーケンのジェットフェニックスすらも無傷ではね返した程。
その無敵に等しい防御力を以て巨大戦でジェットマンの面々を追い詰めたが、第49話終盤でかつてのマリア=藍リエの一撃で負った背中の傷が巨大化に伴って開いてしまった事が思わぬ弱点として露見。
直後テトラボーイに弱点を攻撃されるも、すぐさまバイロックを呼び寄せ鎧代わりに利用し、傷を覆い隠して対応。結果バリアの展開が可能になり、
  • 頭頂部の球体から放つ破壊光線や糸状の光線による拘束技
  • 両肩から繰り出す丸ノコ状の光輪
  • 全身を輝かせて発生させる衝撃波で無数の岩石をぶつける
など、攻守双方で大幅なパワーアップを果たした。

ちなみにこの状態になると秘剣ブラディゲートが触手の一つとして機能する形になっている。

特殊能力も何もない純粋なフィジカルの強さだけを武器にジェットマンの全戦力を蹴散らし、終始無敵を保った圧倒的な強さから、全戦隊シリーズ中最強クラスのラスボスとの呼び声も高い。


★劇中の主な活動

第1話の初登場シーンでは、様々な場所*2に自分の姿を映し出しながら地球に降伏勧告を行い、
その後はトラン「ジェットマンを倒した奴がバイラムの新しいリーダーになる」という子供ならではの提案に同意。
これまで加入を拒否していた凱の参加でやっとチームとなったジェットマンに皮肉混じりの祝辞を贈ったり、マリアを口説こうとして相手にされなくても余裕を崩さない懐の大きさも垣間見せた。


第6話では、次元獣になったマンションの中でレッドホークと一騎打ちになった際、ブラディゲートで彼の強化スーツに傷を負わせるという幹部に相応しい力を見せたが、
最終的にはラディガンに変身したにもかかわらず2人しか揃っていない状態のジェットマンに撃退されてしまった。


第17話にて、過去の侵略戦争で行方不明になっていたバイラムの本来の首領・女帝ジューザが帰還。

ラディゲ・トラン・グレイの古参幹部一同は表向きは彼女の帰還を祝うものの、
とっくに死んだと思っていた彼女が五体満足で帰ってきて、再び彼女の尻に敷かれるハメになったことに不満を抱いていた。

中でもラディゲは傲然とジューザへの反逆を宣言し、表向きは以前と変わらず忠誠を誓いながら絶えず機会を伺っていた。
ジューザがセミマルを成長させてしまえばもうチャンスはなくなると踏んだラディゲは、自分の忠誠心を労うジューザに対して遂に行動を起こす。
……が、それもあっさりと返り討ちにされた挙句、記憶を消されてしまった。

その後、なんとか記憶を取り戻したラディゲは「敵の敵は味方」理論で同僚諸共ジェットマンと共闘してジューザを討伐、彼女の切り札だった魔獣セミマルの卵を奪うことにも成功。

さらに記憶喪失中に世話になった人間の女性・早紀に戦いを捨てるように説得され、一瞬ためらうような姿を見せるが、
「ロマンスによる改心フラグか」と期待した視聴者を嘲笑うかのごとく、次の瞬間には早紀をブラディゲートの一撃で跡形もなく消し去ってしまった。

この一件の後、ジェットマン討伐に苦心する他の幹部達を尻目に、ジューザから奪った卵から孵化した魔獣セミマルの育成に精を出し、
そして遂に成体になったセミマルを実戦に投入するや否や、セミマルは圧倒的な力でジェットイカロスに勝利。
しかし、裏次元ディメンシアから駆け付けたジェットガルーダとの戦いで、セミマルはガルーダを仕留め切れずに帰還、これを心配したのか修復されたガルーダを強奪してセミマルを援護。
……が、ガルーダ強奪の際にパイロットを皆殺しにしなかったために、生き残ったダンの決死の突撃で顔面に炎を浴びせられた挙句、ガルーダを奪還されてしまう。
せっかくのセミマルも新登場のグレートイカロスに倒された事で、再び他の幹部達に笑い者にされる屈辱を味わう羽目に。

その後、自らの血で復活させた魔神ラモンとゴーグにジェットマンを襲わせたり、毒ガスネズミを連れて前線に出たはいいが、鳩に煽られて池に落とされたり、
背伸びして意地を張るトランを笑い飛ばしたのも束の間、怒りと劣等感でトランザへと急成長を果たしたトランに一蹴された挙句、「様」付けで呼ぶよう強要されたり、
魔神ロボ・ベロニカの操縦捍をトランザと奪い合った末、逆に生体エネルギーを吸い取って再び人間になったり、ジューザの時のようにジェットマンの力を借りて彼を精神病院送りにしたり
リエに戻ったマリアに背中を刺された怒りで彼女を殺害する浮き沈みの激しい人生を送る。


最終回では、正体であるラディガンの強化形態・ラゲムに変身するも、マリアから受けた傷を完治させないまま変身した為巨大化した影響で大きく開いた傷痕を突かれて倒される。


グアッ…アアアア…!これで…このラディゲを倒したつもりだろうが…!

俺の魂は!裏次元から貴様達を永遠に呪い続けるだろう!!



一応テトラボーイとジェットガルーダを道連れにしているのだが、テトラボーイこそ自力で倒せたものの*3ジェットガルーダを道連れにできたのは、ジェットイカロスが弱点を攻撃して倒すため、乗っていたレッドホークガルーダを犠牲にしたから
つまりガルーダの方は自力で道連れにしたわけではない。
しかもイカロスの目に見える被害は片手が取れた程度(それ以上の被害は今まで何度も受けているのに…)。
なお、『テレビランド』掲載の漫画版ではハイパーハーケンの「ハイパーGアタック」で倒されるアレンジになっていた。


余談

第18話で一時的に記憶喪失となったラディゲが心を通い合わせた女性・早紀を殺害するシーンだが、演じた舘氏自身はかなり抵抗があり、「何とか早紀が死なないように出来ないか」と坂本太郎監督や脚本を手掛けた井上敏樹氏に訴えた事も。
その後「ラディゲの残虐さを描写するのに必要なシーン」だと説得されると、ついには「こんな嫌な役を演じるくらいなら、いっそこのまま(ラディゲを)死なせて、降板したい」とまで言い出すが、「ラディゲというキャラクターのためには重要なシーンだ」と監督達から説得され、とうとうやむを得ず折れる事となった。
そのこともあってか、DVD付属の解説書によれば「あれでも映像作品は元の脚本よりソフトにされた」とのことである。

脚本段階ではラディゲの最期は顔面にバードニックセイバーが突き刺さり、「がー!! ジェ…ジェットマン…私は…死なん…私は…」という断末魔と共に葬られ、肉体が溶けて白骨だけが残るというグロテスクなものだった模様。

演じた舘氏はその後、『忍者戦隊カクレンジャー』にてニンジャホワイト/鶴姫との結婚を目論むモクモクレンの人間体を演じた他、
『ジェットマン』と同じく井上氏が脚本を務めた『仮面ライダー555』の第31話にてゴージャスな中年の男*4ソードフィッシュオルフェノク役でゲスト出演した。


総評

このように、ラストを飾るに相応しい強者であるが、それ以上に当時の子供たちが演じた舘氏に「石を投げつける」程のトラウマメーカーでもあり、
悪の名言を生み出した生粋の悪である事に変わりは無く、それ故に高い評価を受けているのである。

生粋の悪だけあって非公式続編(商業作品ではある)でもゲスな手を使って復活し、悪辣な策を張り巡らした。
しかし、復活の時に使った方法が災いして、自らが陥れたトランザから度重なる妨害を受けることに。
挙句の果てにトランザからの意趣返しが敗因になって本編以上に情けない死に様を晒すという締まりの無さも露呈している。



Wiki篭り、所詮貴様らは流れ星!

如何に輝こうと、追記・修正しなければ、堕ちる運命にあるのだ!!


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最終更新:2022年10月10日 21:55

*1 劇中では爵位を持った登場人物が他にいないため、どういう扱いの身分なのかはハッキリしない。

*2 サラリーマンが飲んでいたコーヒー、女子トイレの鏡、バーちゃんが昼寝している縁側の窓、畑仕事中の雷太の頭上など。

*3 ちなみにテトラボーイの両腕を切断したカッターは『ウルトラマン』の八つ裂き光輪と同様のエフェクトである。

*4 名称は東映のWebサイト『仮面ライダー図鑑』より。