AΩ 超空想科学怪奇譚

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AΩ 超空想科学怪奇譚 - (2015/09/08 (火) 14:43:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/08/20 (木) 14:16:36
更新日:2023/12/27 Wed 18:42:22
所要時間:約 7 分で読めます





ユートピアは決して実現しない。

一人一人の理想が違う以上、必ず不満分子は残る。




『ΑΩ超空想科学怪奇譚』とは角川ホラー文庫から刊行されているSF小説。日本SF大賞の候補作になった。
元々は『ΑΩ』だけのタイトルだったが、文庫化に当たって改題された。執筆段階のタイトルは『虚空の救世主』であった。
著者は『玩具修理者』の小林泰三。

本作について端的に表すなら『リアル系クトゥルー神話ウルトラマン』だろう。
初代ウルトラマンを中心に様々なSF作品へのオマージュパロディが組み込まれている。

なお後に小林氏は『ウルトラマンギンガS』の外伝小説『マウンテンピーナッツ』を手掛ける事になる。


■あらすじ

別居中の妻と和解するため北海道行きの飛行機に乗った主人公・諸星隼人。
しかし旅客機は突然強烈な『』に襲われ、半ば溶解しながら地上へ激突。
乗客乗員全滅という地獄絵図のなか、隼人はただ独り、腕一本の状態から蘇生する。

一方、『光』――遠い宇宙の彼方から『影』を追跡する宇宙人『ガ』は焦っていた。
『影』を取り逃したばかりか、不慮の事故によって現地住民を虐殺してしまったのだから。
しかも高圧プラズマ生命体である『ガ』は、地球という惑星の環境に適応する事が出来ない。
自身が生き残るために、『ガ』は隼人の遺体に入り込んで体内から再生を試み、
混乱する隼人を置き去りに、『影』を殲滅するべく戦いを開始する。

そして地球へと漂着した『影』は現地動物を吸収し、増殖を始め――

やがて深夜の街に巨大な『影』が現れた時、隼人の肉体は「白い巨人」へと変貌を遂げていた!

    • 序章
乗員乗客全滅の旅客機墜落事故。
バラバラになった死体を安置する体育舘で、諸星沙織は別居中の夫・諸星隼人の右腕を発見する。
絶望しながらも遺体の司法解剖を承諾し、その死に顔を改めようとする沙織だったが、
その目前で、隼人は両腕の揃った「完全な状態」で蘇生を果たす……。

    • 第一部
宇宙に暮らすプラズマ生命体の『ガ』は、野心をかけて挑んだ電気龍との交渉に失敗。
さらに閑職である恒星フレア観察任務中に妻「城壁測量士」を事故で喪った責任を問われ、
とうとう完全な落後者として、自らの名前さえ剥奪されてしまった。
失意のどん底にあった『ガ』だったが、未知の侵略者『影』と接触。
名誉挽回を賭けた追撃任務を与えられ、未開惑星に逃れた『影』を追って降下するも、
『影』の盾にされた旅客機と激突してしまう……。

    • 第二部
『ガ』によって蘇生させられ日常に戻った隼人は、「白い巨人」となる悪夢に悩まされていた。
そして隼人は、義妹の千秋と共に取材に向かった片田舎の杉沢村で、湖から顕れた「恐竜」と遭遇。
自らの肉体が「白い巨人」へと変貌することで、隼人は自分こそが「超人」だと気付き、愕然とする。
一方、新興宗教アルファオメガの教祖・ジーザス西川は、『影』との接触を果たしていた。
侵蝕を続ける『影』の魔手は、やがて隼人の身近、千秋にまで及び……。

    • 第三部
『影』による侵蝕は留まる事を知らず、「人間もどき」と怪物が溢れた世界は、黙示録さながらの地獄絵図に陥る。
その中で隼人と『ガ』は交流を重ね、戦う度に満身創痍となりながら、アルファオメガの本拠地を目指す。
アルファオメガから妻・沙織を救い、『一族』に帰還して妻・「城壁測量士」のデータを遺すべく。
全ては、『影』を倒す為に。



■登場人物

  • 諸星隼人
この作品の主人公。32歳で(一応)駆け出しの童話作家。視力1.0。
長年童話作家に憧れており、去年自作の『ロケット少年ピコリン』が『経緯社メルフェン賞』を受賞した事で夢を叶えるが、
浮かれた隼人は退職して文筆業に専念しようとしてしまい、現実的だった妻の沙織が反対、別居状態に陥ってしまう。
さらに妻は出張のため北海道に行ってしまい、隼人はそんな妻を説得すべく人生初の飛行機に乗って北海道へ向かった。
しかしその矢先、飛行機は『ガ』と衝突してしまう……。

その事故で片腕と脇腹の部分を失って死亡した状態から独り蘇生した隼人は、
「白い巨人」となって怪物と戦う悪夢に苛まれ、やがて体内の同居人に気がつく。
隼人は未知の生命体『ガ』によって、『影』との戦いに巻き込まれてしまったのだ。
戦いの中で『ガ』と交流を重ね、沙織を救うべく、隼人は満身創痍になりながらも奮闘を続けるが……。

社会的に見ればパッとしない冴えない男性であり、終盤まで巻き込まれたまま事情を把握できない主人公だが、
愛する人を守るため、比喩抜きでズタボロの身体を引きずって戦う姿は、ヒーローと呼ぶに相応しいだろう。
ゾンビ中学生も、ちょっとは見習うべきだと思う)

名前の由来は明らかにモロボシ・ダン
ちなみに隼人は「ハヤタ」と当て字ではなく、普通に「ハヤト」と読む。


『影』という敵を追って地球へやって来たプラズマ生命体。
電気龍との交渉に失敗してしまった結果、種族としての閑職に追いやられ、
そこで出会った妻「城壁測量士」も事故で失い、もはや完全な落伍者として名前さえ剥奪されてしまった。
しかし未知の侵略者たる『影』と接触しながら、かろうじて生き延びた事をきっかけとし、
『一族』の長老である「奴隷監督官」から名誉挽回を賭けて『影』討伐の任務を与えられる。
『ガ』は必死に追跡するも、未知の惑星に降り立った『影』の策略にはまり、現地住民たちを殺してしまう。

プラズマ生命体である『ガ』は、地球環境ではプラズマ体を保持して生きていく事が出来ない。
そこで隼人の死体を乗っ取り、再構成する事で生き返らせ、自身も共存していく事になる。
戦いで欠損しては再生する為、隼人の脳や臓器の大部分は『ガ』由来の物質に置換されているが、
『一族』の定義では「情報」こそが「個」である為、隼人オリジナルの「情報」が残っている以上、問題無いらしい。
なので隼人の腕を使い捨てロケットパンチとして容赦なくぶっ放したりもする。やめたげてよお!

あくまで任務が最優先であり、自分の命を守るためなら一般人を見殺しにしたり盾にしたりもするが、
『一族』と『影』の問題が、『一族』と『影』と『人類』の問題になって以降は、隼人を人類代表者として決断を委ねていく。

「主人公と合体して悪の侵略者と戦う宇宙人」という実にウルトラマン的な存在であるが、
その経歴はあまりパッとせず、電気龍の観察に成功して『一族』中から交接を求められる可能性を想像して喜び、
愛する妻を失ってからは失意に沈み、隼人と合体してからも蘇生や戦闘、コミュニケーションに四苦八苦するなど、
(非人間的なものではあるが)感情は有しており、隼人とは何処か似通った境遇もあって交流を深めていく。
『ガ』が『影』と戦うのは、もはや彼しか所持していない「城壁測量士」のデータを『一族』に遺す為であり、
そして妻を思う隼人の気持ちを汲んで、純粋な好意から彼に協力し、最終的には重要な提案をする事に……。

ちなみに『ガ』の弁によると、出身はカイパーベルト外周円あたりらしい。

空を飛ぶ時は青い光(多分チェレンコフ放射光)になる。
真の名前は『玩具修理者』。


  • 諸星沙織
隼人の妻。旦那が童話作家になると言って勝手に会社を辞めてしまった事に激怒し、別居していた。
ただ現在でも愛していないというわけではなく、飛行機事故の話を聞いて慌てて遺体置場まで来たものの、
あまりにも無惨な遺体だったせいか、隼人の死体を見ても「物体」と捉える程度には冷めた考え方をしている。
しかし警察に解剖を許可した所で隼人が生き返ったため、彼に対し罪悪感を覚え、苦しむ事に。
やがて死者の蘇生を唄う新興宗教『アルファ・オメガ』にのめり込んでいくのだが……。


  • 千秋
沙織の妹で隼人の義妹。現役の女子高生。視力は2.0。
冷静な沙織と比べ年相応に活発で好奇心も旺盛。
どうも隼人に対して好意を抱いているようで、ヒロインの如く活躍するが……?
『影』に取り込まれてレプリカント化。部屋から大量に複製体が現れては、崩れかけながら隼人に会いに行くという状態に……。


  • 唐松
飛行機事故の際に検視に来た警察官。
隼人に蘇生に疑問を抱き調査していくうち、恐るべき真実へと到達する。
世界中が大混乱に陥る中、「俺は警察官だから人を守らなきゃならない」という信念で辛うじて自我を保つ。
そしてただの警察官にも係わらず、怪物たちを相手に冷静で的確な判断で戦っていく漢。
見るに堪えない有様になった隼人に対しても、躊躇なく握手をする、漢の中の漢。
しかし物語のラストで……。
至近距離で『ガ』が飛翔した為に光を浴び、放射線障害に陥ってしまった。


  • ジーザス西川
新興宗教『アルファ・オメガ』の教祖……みたいな人。「復活したキリスト」を自称する。
祖父は杉沢村で恐竜(正確には大型の爬虫類らしい)の化石を発見した西川輝介。
西川自身は真面目にバンド活動(という名の布教活動)をしているだけだったのだが、『影』に取り憑かれ……。

「神」「救世主」として力を揮い、世界を良くしようと模索するなど、決して「悪」というわけではないが、
晴れにしたら晴れにしっぱなし、雨を降らせたら降らしっぱなしなど、その方針は完全に行き当たりばったり。
やがて全存在の願いを逐一叶える事の困難さを理解し、面倒になった末、力の管理を放棄。
『影』があらゆる者を喰らい、あらゆる願を叶え続けるという状況を作り出し、世界を混乱の坩堝に叩き込む事になる……。


  • マイケル黒田
杉沢村で本屋を経営している一筋縄ではいかない爺さん。
宗教団体には興味を持っていなかったが、『影』と『白い巨人(ガ)』の戦いを目撃した事で宗教に目覚める。
白い巨人の事を天使と崇めている。
『影』によってレプリカントとされて以降は、複数の個体が偏在するようになってしまった。
未だにアルファ・オメガを崇めて隼人に襲いかかる者もいれば、全てを悔いて隼人に謝罪して消滅した者もいる。


  • リチャード青木
先見の明がある『アルファ・オメガ』の信者。
『影』によってレプリカントになって以降は常にブリッジをしており、腹の部分に普通の頭部がついている。
この頭部に対応する腕が脇から生えている上、さらに肩の部分には角と5つの目がついた頭部がある。
意外と強いが、敗北して以降はガの操り人形にされてしまった。


  • 老人
夫婦揃って『影』によってレプリカントにされてしまった哀れな老人。
ただ複製されただけでなく、妻と融合されてしまい、妻の顔が臀部になり、おまけに口が肛門に該当してしまった。
妻を苦しますわけにはいかず、を漏らさないように生活していた。
しかし我慢が限界に近づいていたため、隼人に自殺用のを譲ってもらう。


恐竜の化石が発見された事で有名な杉沢村で最近話題の、湖にいる恐竜。
水深平均10mの湖のため、村の人間にどこに住んでいるのか疑問に思われている。
2頭の首を持つ全長50~100mの、恐竜と言うよりかは怪獣と言った方が正しい巨体の持ち主。
その正体は『影』によって生み出されたレプリカント。
恐竜の化石の情報か、人々の記憶から生み出されたのではないかと推測されている。


■用語

  • 白い巨人
隼人が『ガ』の力によって変身した、全長約4mの巨大生物。
『ガ』にとっての陸戦戦闘形態で、隼人は「超人」と呼んでいる。

戦闘に不必要な内臓器官は退化しており、色素がないため色白。皮膚は分厚く半端な攻撃は通用しない。
眼の周囲は眼球を守るためにメッシュ状のゴーグルで覆われていて、五感は人間の一万倍になる。
速度は自動車以上、ジャンプ力は数十mという驚異的な力を誇る。
必殺技は拳をプラズマ化して撃ち出すというもの。威力はTNT火薬1400トンに匹敵し、湖を一瞬で蒸発させる。

変身している間は、隼人の意思ではなく完全に『ガ』の意思で動いている。
ただし肉体を動かすにあたっては隼人の持つ「ソフト」が必要となるため、戦闘方法は格闘戦が中心。
また隼人が銃を撃った事がないため射撃「ソフト」は持たないが、投擲「ソフト」は保有している。
加えて身体構造上の問題から、この形態で空を飛ぶ事はできない。試す必要さえない。

変身方法はクウガ方式で、隼人と一体化している『ガ』が肉体を再構成して変身する。
「固体と気体と流体で構成された荒々しい世界」では、こうして肉体を変化させない限り『ガ』は戦う事ができないのだが、
この形態での戦闘は人間に耐えられるものではなく、変身するたびに隼人の細胞は崩壊していく。
そのため数分間しか活動出来ないという弱点がある。


  • 『一族』
『ガ』が所属するプラズマ生命体の種族。
真空と磁場と電磁体(プラズマ)からなる世界に住んでおり、生息する周辺では最強の種族。
しかし固体と気体と流体で形成された荒々しい世界、すなわち地球上ではその肉体を維持する事が難しい。
「奴隷監督官」「電話消毒係」「城壁測量士」「渦動破壊者」という個体識別名称を持つ。

人間で例えるなら会話と食事と性交が一緒になった『交接』と呼ばれる、特殊なコミュニケーション方法を持つ。
『一族』は交接をする事で意思疎通は勿論、自身のデータを相手に渡したり、相手のデータを取り込んだりする事が出来る。
交接をすれば優秀な個体の情報で自身を強化する事が出来るし、何よりも種族全体に『自分』を残せるのである。
未知の発見や偉大な業績を残した個体は、貴重なデータを求める『一族』にとっての英雄で、交接相手に困る事がない。
そして交接を続けて膨大なデータを溜めこんだ個体は「長老」となり、やがて「巣」に転じて『一族』を生み出すようになる。

だが、これは裏を返すと、劣っている個体と交接すれば、その情報が種族全体に広がる事をも意味する。
一応意思疎通ができないと支障が出るせいか、アスペクト投射による交接を伴わない会話方法も存在するものの、
これらの点から劣等個体は交接する機会が少なく、自分を残すべく無理やり交接しようとする個体も存在する。
無論、『一族』全体より個を選んだ時点で劣等性を証明した事になり、罪人と見なされる。
『ガ』の場合は、「城壁測量士」の危険行動を止めず、彼女の持つ貴重なデータを消滅させてしまった事が問題であり、
彼にくだされた名前の剥奪という刑罰は、事実上「交接を認めない」という、極めて不名誉な処置であった。

未知の種族と出会うと観測して生態を調べてから仲良くしようとするし、無闇に犠牲を及ぼす事を厭う。
文明が遅れていれば長い年月をかけてその種族の進化を観測し、観測の結果無害なら放置、有害なら殲滅する。
ウルトラシリーズで例えるなら過激な文明監視官だろうか。
自分たちに害をもたらさない限りは感知せず、比較的友好であるなど、決して悪い種族ではないようだが、
『影』と『ガ』の正体を鑑みるに、果たして……。

ちなみに肉体を自由自在に変化させられる高位知的生命体な為、機械は不要である。
複数の個体が合体することで巨大化、マイクロブラックホールを生み出し投射するという必殺技を有している。



  • 『影』
影の粒子で構成されている知的生命体。
本編では彼らが送り込んだ機械が主に『影』と称される。
追撃から逃れるため地球へと落着、『ガ』と壮絶な戦いを繰り広げる。

物質世界に干渉することも干渉されることも出来ないが、唯一「重力」だけは相互に影響を及ぼす為、
重力を操作可能な機械を造り出して送りこみ、何らかの目的を達成しようとしている。
地球に漂着した『影』も見かけ上は掌に載るほどの石だが、その実は巨大な要塞並の大きさを持っている。

一億年もの間観測しても未だコミュニケーションが取れない存在であり、『一族』は相互理解不可能という結論を出しつつある。
しかし『一族』の歴史で遥か昔には、『影』の送りこんだ機械によって生息領域が破壊されて戦争状態に陥り、
さらに後述のレプリカントとの遭遇において、接触した『一族』が『影』に破壊された事も判明し、討伐を決定した。

その行為は人類や『一族』の主観としては侵略・攻撃に思えるが、『影』の意図が不明な為、侵略と断ずる事はできない。
接触した者の願いを叶えているだけに過ぎず、人類の想定する「神」かもしれないとの可能性が示唆されている。


  • 電気龍
内部小領域に生息する知的生命体。『一族』と交渉している。
電気龍の身体は薄い磁気壁に流れる電気からなっており、
彼らはそれを認識できないため、自分たちの事を『二次元生命体』と認識している。
「肯定」「否定」の概念すらもたないほど異質で、彼らの詳細な「情報」を得る事は『一族』にとって革新的なものだった。
また交渉は身分の高い者がするという文化を持っているが、その文化の違いが悲劇をもたらす事に……。


  • アルファ・オメガ
ジーザス西川がリーダーを務めるロックバンド。傍から見ると宗教団体そのものだが、宗教団体ではない。
宗教は人が作ったもので自分たちは神の声に従っているだけだから宗教ではない」らしい。
実際バンドとしては優れた団体であり、10曲連続でメガヒットを記録している。もちろんファン(信者)も多い。
しかし隼人が生き返った事実を知り、その方向性は徐々にねじ曲がり始める。
最初に復活するのはキリストである。しかし隼人が生き返った。ならばキリストは復活しており、西川こそキリストであるはずだ、と。
やがて『影』との接触によって、その行動は暴走を始め……。


  • レプリカント
『影』によって複製された存在。
『人間もどき』とも呼ばれるが、実際には他の地球生物はおろか『一族』すらも複製してしまう。
オリジナルを分解・解析して量産すが、保持している記憶はよくて『影』に殺される前の数日間だけ。
さらに欠陥も数多く持っており、複製に用いられる「記憶」も主観によるので、
たとえば上半身は人間なのに下半身は触手だけの体になっていたり、
中年男が最期に縋った幼少期の記憶から「3m以上ある(見上げる大きさの)祖母」を生み出したりもする。

しかし、数日間とはいえ人としての記憶と意思を持っているため、自分は純粋な人だと言い張るし、
それ故に変化してしまった自分の体に驚きパニック状態になったり、凶暴化して人を襲う事もある。
初期に取り込まれたアルファ・オメガの信者たちは、黙示録に記されたハルマゲドンを実行するための聖戦を始めてしまう。
彼らのレプリカントの一部は怪人じみた特殊能力と歪んだ宗教価値観を持ち、非常に危険。
さらに無数のレプリカントが融合して巨大化した怪獣のような個体もいる。

目的は不明ながら、これらの点から『一族』はオリジナルの「情報」が喪われるとして敵視している。
アニヲタwiki的に言えば、様々な作品の原作を布教し、良作の発掘を至上とするのが『一族』であるのに対して、
原作をコミカライズやノベライズ、ひどい時は実写化や同人誌化してしまうのが『影』のレプリカントなのだ。
やっぱ『影』って悪じゃね?と思うかもしれないが、素晴らしいメディアミックスの成功例を考えると、一概に断定できないのもわかって頂けると思う。



追記・修正は交接を断られた方がお願いします。


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