アソーカ・タノ

「アソーカ・タノ」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

アソーカ・タノ - (2020/06/05 (金) 19:20:57) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/01/07 Thu 15:00:11
更新日:2024/03/08 Fri 20:40:12
所要時間:約 10 分で読めます






「わたし新しいパダワン。名前はアソーカ・タノ」


アソーカ・タノ(Ahsoka Tano)は、スター・ウォーズシリーズに登場する人物。
声は原語版はアシュリー・エクスタイン、日本語吹き替えは伊藤静氏が担当した。


【概要】

惑星シリ出身のトグルータの少女で、クローン大戦で活躍したジェダイの少女。階級はパダワン。
白い模様がある褐色肌とスフィンクスのようなボーダー模様のヘッドドレスが特徴である。
ちなみに、同族ではジェダイ評議員の一角シャアク・ティが有名。

トグルータは集団での行動を好み、おだやかで社交性が強いのだが、アソーカは例外的に生意気かつ恐れ知らず、好戦的で独立心旺盛な性格。
命令違反などで師であるアナキン・スカイウォーカーオビ=ワン・ケノービの手を焼かせることもしばしばである。
ぶっちゃけ女版アナキンと言える。
型破りで破天荒なジェダイ、という意味でしっかりマスター・ドゥークークワイ=ガン・ジンの系譜を継いでいる。


産まれたのはBBY36、ということなのでEP1時点で4歳、クローン大戦勃発(EP2)時点では14歳となる。
3歳の時にジェダイマスターのプロ・クーンによって見いだされ、ジェダイ聖堂に連れてこられた。
アソーカはクローン大戦中の「クリストフシスの戦い」において、アナキンのパダワンとしてヨーダから派遣され、以後アナキンと共にクローン大戦を戦うことになる。
それに続く「テスの戦い」でも共和国にとって重要な役割を果たしている。
アナキンとアソーカはジャバ・ザ・ハットことジャバ・デシリジク・ティウレの息子、ロッタの救出任務を通じて共和国とハットの氏族間の同盟の締結に貢献し、これによって共和国はハット・スペース内で安全な航行ができるようになった。

その後、共和国グランド・アーミーの司令官として各地の戦場へ赴き、第501軍団のクローン・キャプテン・レックスらと親しくなった。
戦争中は、ドゥークー伯爵の弟子アサージ・ヴェントレスや、同じくドゥークーの弟子でドロイド軍を指揮するグリーヴァス将軍、バウンティ・ハンターのキャド・ベインやオーラ・シングといった強敵と複数回にわたって対決し、第二次ジオノーシスの戦いやモン・カラの戦いでは共和国軍の勝利に貢献した。

ちなみに惑星モーティスでは、宇宙のフォースを司るフォース使いの一族、ザ・ワンズと遭遇し、サン(息子)の陰謀に巻き込まれて一度死亡している。

一度死亡している

大事な事なので2回言いました
だが、ドーター(娘)の犠牲によって与えられた命で蘇って事なきを得た。
ちなみにこの回、フォースの化身たるザ・ワンズでさえ自らの命を犠牲にしなければ他者を蘇らせる事はできないと判明し、アナキンとパルパティーンが手を組んでもパドメの復活はかなり厳しいものだったことが伺える。


【戦闘能力】

ライトセーバーのスタイルはシエンの逆手持ち。後にアナキンの指示により順手に変えている。
更に素質を見込んだアナキンはアタル、ドジェム・ソ、ニマーン、対ダブル=ブレード・ライトセイバー用の棒術についても教えていた。

戦うことに関する才能には非凡なものがあり、
上記の通りロッタを庇いつつ1人で3体のIG-100マグナガードを倒したり、
奇襲や地の利を活かしたとはいえアサージ・ヴェントレスやグリーヴァス将軍を相手に一時的に優位に立ち回ったりもしている(さすがに長期戦になると経験の差で負けてただろうけど)。
後述の事件が無ければジェダイの歴史に名を残す剣士にもなれたかもしれない。

またパイロットや戦術家としての才能もあった模様。


【人間関係】

彼女はプロ・クーンやアナキン、ジョカスタ・ヌーやバリス・オフィー等のオーダー達と親密な絆を築いている他、オーダーの外にもパドメ・アミダラやリヨ・チューチー、ラックス・ボンテリ等の親友がいた。
ラックスに至っては恋愛関係にまで発展し、彼への想いから任務に支障をきたす事もあったほどだった(もっとも、アソーカは戦場へ、ラックスは議員としてオンダロンの復興と多忙につき、それ以上の発展はなかった)。

しかし、そんなアソーカの生き方を一変させる出来事が起こる……


【ジェダイ聖堂爆破事件】

アナキンと共に惑星ケイト・ニモイディアの戦いに派遣され、無事に危機を切り抜けた直後にヨーダからジェダイ聖堂が何者かによって爆破されたことを伝えられた。
ヨーダは事件の真相を調査させるため、2人を直ちにコルサントへ呼び戻した。
調査の過程で爆破事件に関与していると思われるレッタ・ターモンドを容疑者として連行した。
その後、共和国軍事基地へと移送されたレッタに呼び出される形で彼女と面会した。…この行動がアソーカの運命を決めることとなる。

刑務所内でレッタと接見したアソーカは、レッタの口からジェダイ聖堂爆破事件の首謀者は戦争に不満を持つとあるジェダイであり、そのジェダイが戦争行為を主導するべきではないという声明を共和国に訴えようとしていた事を聞かされた。
彼女はそのジェダイによって命を狙われることを恐れており、アソーカに守ってもらうことを条件に黒幕について供述することに同意したのだが、その名前を口にしようとした瞬間、彼女は何者かによってフォースグリップで首を絞められて死亡した。
直後にクローン兵からは犯人と見なされ、殺人容疑で逮捕されてしまう。

独房に入れられたアソーカはアナキンとの面会もできずにいたが、数日後、アソーカは独房の前にロックを解除するカードキーが落ちていることに気付いた。
アナキンが助けに来たのだと思ったアソーカは、よせばいいのにフォースでカードキーを手元に引き寄せて脱走した。
通路に出ると、見張りのクローン兵が数名殺されていた。その場に駆け付けたクローン兵からは当然犯人扱いされ、やむなく戦闘状態になってしまう。

独房のあった基地から脱出した後、自分を追ってきたアナキンに自首を勧められた。
当初、自分を助けようとしなかったアナキンに不満をぶつけたが、彼は「自分が強引に動けばアソーカにとって確実に不利になってしまう」と判断したのだと弁明する。
そして、武器を捨てて投降するよう説得されたが、アソーカはやっていないことに対する裁きを受けるつもりはないと訴え、投降を拒否する。
事件の謎解明に一縷の望みをつなぐ彼女は自らの手で真相を暴き、己の無実を証明しようと決意し、アナキンに「信じてほしい」とだけ言い残し、通過する船の上に飛び降りて逃走したのだった。


ジェダイ評議会の決定により、アナキンとプロ・クーンはアソーカを探しに暗黒街へ向かった。
一方、暗黒街に逃げ込んだアソーカは賞金稼ぎのアサージ・ヴェントレスに襲われる。彼女に追い詰められたアソーカは互いの裏切られた境遇について話し合い、協力と引き換えに恩赦を嘆願すると取引を持ちかけ、ヴェントレスはそれを承諾した。

隠れ家に案内されたアソーカは親友のバリス・オフィーに連絡を取ると「爆破事件に使われたナノ・ドロイドはレベル1315の兵器倉庫で作られた可能性がある」と聞かされる。
さっそく兵器倉庫に単独で向かうのだが、それは黒幕によって仕組まれた罠であり、アソーカはヴェントレスに変装した何者かに襲われ、衰弱していたところをアナキン達に連行される。倒れた場所には事件の証拠と思われるナノ・ドロイドと爆弾が置かれており、それがアソーカの立場をますます不利してしまった。

その後、ジェダイ評議会はアソーカに関してどのような裁判を行うべきかウィルハフ・ターキン提督と協議していた。
アソーカを真っ向から犯人と疑っていたターキンは今回の事件に対してジェダイだけで収めるわけにはいかず、軍事裁判にかける事を強く希望した。オビ=ワンとアナキンの2人はアソーカが無実である事を強く主張するも、ジェダイ評議会も今回の事件を重要視するあまりターキンの主張に賛成し、それどころかヨーダメイス・ウィンドゥに至っては「アソーカが暗黒面に堕ちているのではないか」と疑ってかかる有様であった。

必死に無実を主張したアソーカだったが、結局はジェダイ評議会によってジェダイ・オーダーから追放され、共和国元老院の裁判にかけられることとなる。
その際、パダワンの証しの髪飾りも没収されてしまう。

アソーカの事を信じているアナキンはこの決定を不服として、とにかくヴェントレスを探して真実を見つけようと暗黒街へと向かった。


ほどなくアソーカは軍に移送され、元老院の議員やパルパティーン議長の前で公開裁判が行なわれた。裁判の弁護はパドメが引き受けていた。
弁護側についたパドメは、アソーカには事件があったときにスカイウォーカーと任務に出ていたというアリバイがある事、そしてレッタの殺害とそれに先立って彼女を逮捕するという行動には矛盾があることを指摘し、アソーカの無実を訴えた。
だが、ターキンは彼女が逃亡中に分離主義勢力のヴェントレスと通じていたことを証拠として主張し、彼女に死刑を求刑したのだった。
やがて両者の論争は終了し、裁判の判決は議員達から成る陪審団の手に委ねられたのである。

そして、パルパティーン議長から有罪判決を下されようとしていたそのとき、突如アナキンが真犯人を連れて法廷に現れた。
その真犯人は何と親友であるはずのバリスであった。

ヴェントレスを探し出したアナキンはヴェントレスの証言から犯人がバリスであると確信し、アソーカに罪を着せた彼女を証人として法廷に連れ出したのである。
法廷に引き立てられたバリスは、ジェダイ・オーダーが本来の信念を見失い、戦争を通じて暗黒面の手先となっていると主張した。
ただちにバリスは逮捕され、アソーカは晴れて無罪を勝ち取ったのだが、同時に彼女の心に深い傷跡を残すことになった。
ジェダイ評議会はこれまでの行為についてアソーカに謝罪した。


アナキン「アソーカ、本当に申し訳なかった。お前を苦しめた」

プロ・クーン「評議会を代表して心から詫びたい。疑ったのは間違いだった」


ここまではいい。問題はこの後……


セイシー・ティン「君は力強く、くじけることなく自分の無実を証明した」

キ=アディ=ムンディ「まさにジェダイナイトの資質」

メイス「またとない試練だったがよく乗り越えた。フォースは時に気まぐれだ。お前はより高位のジェダイであることを証明した」

アソーカ「(゚Д゚)」


アナキンとプロ・クーンは明確に謝罪したのに対し、メイス達は謝罪どころか自分達の落ち度やアソーカの冤罪を正当化するような主張をする体たらくであった。
アソーカがこの手のひら返しに幻滅したのは言うまでもない。
中でもメイスの言葉はかなり気に障ったのか、ムンディまでは少なくとも無表情だったアソーカは、メイスの「試練」という言葉から一気に顔を歪めている。

ヨーダやアナキンからも復帰の要請を受けるも、唯一自分を信じていたアナキンの誘いも断ってジェダイ聖堂を後にした。
評議会が自分を信じることができなかった以上、自分も評議会を信じることはできないと悟り、脱退を決意したのである。

すぐさま後を追ってきたアナキンに脱退を考え直すよう説得されるが、ジェダイに失望したアソーカの決意は固く、アナキンのジェダイ評議会への信頼が揺らいでいることも見抜いていた。
アナキンが自分を信じてくれたことには感謝していたが、自分を擁護してくれなかったジェダイ評議会のもとに留まることはもはやできなかったのである。

既にアソーカとジェダイの関係は修復不可能であると悟ったアナキンはアソーカの孤独な旅立ちを見送る他なかった。

この事件がアソーカとアナキンにもたらした影響は非常に大きく、後の惨劇を引き起こす遠因にもなってしまう。


犯罪に手を染め、親友を陥れてまでジェダイを糾弾しようとしたバリスも全く褒められたものではないが、真実の究明よりも共和国との関係を優先してアソーカを簡単に切り捨てたジェダイ・オーダーという組織そのものが既に末期の状態だったと言える。

彼女がその後どうなったかについては不明であり、オーダー66の後も生存しているかどうかもファンの間で議論となっていたが……



















TVアニメシリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』にて、アソーカの生存が判明。

EP3EP4の間を描く本作では、銀河帝国の反乱組織の一員として活動しており、皮肉にもかつての師がいる帝国との戦いに身を投じているのであった。

大人になってもスタイルは成長しなかった模様




【総評】

下のコメントにある通り、アナキンとアソーカは気質が似ているため、お互い相手を見ることで自分の欠点を自覚するような関係だった。
アソーカが居た時のアナキンは、多少暗黒面の鱗片を見せることはあってもそれに呑まれることなく立派なマスターとして行動できていたことからもそれが伺えるだろう。

また、父親の愛情に飢えるていたアナキンにとって、良くも悪くも手のかかる娘としても見ることができるアソーカとの交流は
父親の愛情というものを理解することができ、それが精神的な救いになっていたのかもしれない。

しばしばオビワンは『アナキンを映す鏡』に例えられることがあるが、アソーカもまたオビワンとは異なった形でアナキンを映す鏡だったと言える。



【余談】

アソーカのモチーフについては、『もののけ姫』のヒロインであるサンがモデルになっているとの事。
また、キャラクター性や顛末は大きく違うが、
「女性」「二刀流」「精神修行は未熟だが戦闘能力はマスター並み」「パダワン止まり」「シス卿のジェダイ時代最後の弟子」「彼女の喪失が師匠のシス転落の一手となる」
などの特徴は、レジェンズ作品におけるドゥークーの弟子コマリ・ヴォサと相似している。




追記修正はマスターと敵にあだ名をつけてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/