挑発星人 モエタランガ

登録日:2011/09/04 Sun 23:39:46
更新日:2025/05/14 Wed 22:47:08
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※推奨BGMウルトラマンマックス2〈M-3〉」







異星人・モエタランガが登場!

新たな侵略者を前に、DASHもマックスも

燃える!

燃える!!

燃えるゥゥゥゥゥ!!!

しかし……!?

次回、ウルトラマンマックス!


燃えつきろ!

地球!!







待っていたぞ、ウルトラマンマックス。君が頑張れば頑張るほど、己の無力を知るだろう

間もなくこの地球は私のものとなる


モエタランガは『ウルトラマンマックス』31話「燃えつきろ!地球!!」に登場した宇宙人である。



【データ】

別名:挑発星人
体長:1.8〜50m
体重:77kg〜42000t
CV:遠藤守哉

【概要】

突如として空間転移で地球に襲来した宇宙人
名前通りと言わんばかりに燃え盛る炎のような形状の身体とトカゲに似た顔を持つが、見かけに反して性格は非常に冷静沈着にして陰湿。
口調こそ丁寧だが慇懃無礼に近く、劇中では勝ち誇っていたこともあって終始上から目線の言動であった。


【能力】

見かけこそ暑苦しいが実態は搦手特化型の宇宙人であり、下記のウイルスを用いた能力こそが最大の武器。
ただしウイルス以外でも
  • 瞬間移動
  • 目から放つ火球
  • 念動力
  • 手から放つ青白い色の破壊光線
  • 物体の動きを封じるオレンジ色の怪光線
といった攻撃手段を持つため結構多芸。格闘戦でもウイルスを除去された直後のマックスとそれなりに殴り合えている辺りフィジカルもそれなりにある。
戦闘とは関係ないが身体を人間サイズまで小さくしたり、テレパシーによって語り掛けることもできる。
他にもカイトの正体を当初から見抜いた上で地球侵略を企てて干渉しており、呆気なくマックスへの変身手段を見抜く目ざとい洞察力も持っていた。


モエタランガウイルス


まんまと罠に嵌ったな。貴様の体内時計は10倍の速さで進んでいるのだよ!
他の連中も同じだ!生体エネルギーが一気に燃え上がり、そして、燃え尽きる(・・・・・)

モエタランガの背中から発した薄紫色の光波チャネルを介してばら撒かれるウイルス。モエタランガの強さを支える最大の武器にして能力。
ウイルスは脳内の神経シナプスに感染し、罹患した生物の体内時計を10倍に早め、新陳代謝を異常活性させる働きを持つ。
結果脳は極度の興奮状態に陥り、ウイルスに神経電流を食われながらもエネルギッシュに燃えて燃えて…最後は燃え尽き症候群の如く「燃えつきて」、体力の全てを使い果たしまともに動く事すら儘ならない生きた屍となってしまう。
モエタランガとの戦いで見られた
  • 過剰すぎるやる気
  • 常軌を逸したハイテンション
  • やる気と勢いに任せた後先全く考えない暴走行動
  • 上記の全てを全く異常と思わない精神状態と思考状態
これらは全てモエタランガウイルスに神経電流が食われていく過程の副産物(症状)である。
しかも光波チャネルの光を直接浴びずとも人から人に感染していく上にその感染ルートがエリーを以てしても全くわからず、上記の異常な興奮状態以外は特に症状は無し。
生物である以上カイトの肉体を経由してウルトラマンマックスすら問答無用で感染させられ、ウイルスに食われた生体エネルギーはモエタランガのエネルギーになってしまうというおまけ付きである。
一応死力を振り絞れば燃え尽きた後でも無理矢理行動することはできるようだが、この場合体力が限界まで低下しきっているため、ウイルスを除去されない限りはまともに戦うこともできない。
実際マックスも再戦時当初はカラータイマーが最初から鳴りっぱなしな上、ワクチンを接種するまではまともに動く事すらできなかったため影響力はすさまじいものであった。

このように、宇宙化猫タマ・ミケ・クロの影に隠れがちだがモエタランガもまた凶悪無比な生物特攻能力持ち。
あくまで生理現象の範疇だった宇宙化猫と比較して、悪意全開でウイルスを操っているのでタチの悪さでいえばこっちの方が遥かに上である。
ただしウイルス罹患後の病の進行は個人差があるようで、歳を取れば取るほど「燃え尽きる」までの時間が長いことがうかがえる。
また当然ながら機械には一切効果がなく、やる気を活性化させる関係から人によっては一時的な作業効率の強化も齎すため全てが全て人類の不利益を引き起こすわけでもない。

このウイルスの前には「最強・最速」のマックスですら、30秒も経たない内に力を使い果たし、DASHも壊滅寸前に追い込まれた……のだが、そこに至る経緯があまりにもカオスである。
良くも悪くもコメディ色が強めの「ウルトラマンマックス」らしいエピソードと言えよう。


【31話あらすじ】

トミオカ長官が「燃え尽き」気味な時に突如出現した宇宙人・モエタランガ。
「DASH」が攻撃を仕掛けると、モエタランガは紫色の怪しい光を街全体に浴びせる。すると…




モエタランガの光を浴びた「DASH」の隊員のテンションが急上昇。どのくらい上がったかっていうと、目から火が出るくらい
そして「天国と地獄」をBGMに全力でモエタランガに攻撃するが…勢いだけの後先考えない無茶な作戦により「ダッシュバード」全機撃墜される羽目に。
それでもなお、テンションが上がりっぱなしの「DASH」メンバー(と街の皆さん)は無謀にも生身でモエタランガに突撃を開始する。


その一連の光景は凄まじく「カオス」(TVと視聴者の温度差的な意味で)なので是非観てみることをオススメ…する?
正直、ここでは書ききれないレベルである。

そしてカイトもウルトラマンマックスに変身(登場時の変身バンクも早回し)。真打ち登場で安心…な訳もなく、やっぱりマックスも「最初からクライマックス」状態…異常なまでのペースで攻撃を繰り出した挙げ句、エネルギー切れで力尽きる。



ウルトラマンマックスは地球上では三分間しか戦えない。

(中略)

だがまだ30秒も経っていないぞ!?

どうしたマックス!?

気が早すぎるぞ!ウルトラマンマックス!!
(By佐野史朗)

この戦闘も異常に速いマックス(とBGM)に対してほとんど棒立ちなモエタランガの対比が物凄くシュールである。
ウイルスに侵され燃えつきて灰になったカイトの前に現れたモエタランガは等身大の姿となって、地球人という脆弱な生命体と一体化したマックスを嘲笑しながら全てを語る。
自身が放った「モエタランガウイルス」の力。
そしてそれを使ってDASHとウルトラマンマックスを打倒して地球人全ての怒りを煽った上でその怒りを食い付くし、地球人全てを「生ける屍」に変え地球を征服する計画を。


トウマ・カイトが生きる屍となった今、君に打つ手はない
地球人の肉体という牢獄の中で、人類が滅びる様を見ていたまえ…フッフッフッフッフ!


しかし、カイトには最早、変身する力は残っていなかった。
こうして燃えつきて「生ける屍」になってしまったカイト達。ヨシナガ教授らまで感染してしまい危機に陥った「DASH」を、地球を救ったのは…冒頭で燃えつきていたトミオカ長官だった。
曰く「年寄りは新陳代謝が遅いのでな」とのこと。おいおい。
さらに、10倍の速さで奮闘するも後一歩でワクチン完成前に燃えつきたヨシナガ教授に代わってダテ博士が登場。ワクチンを完成させる。


「冷えかけた炭火ほど意外と長持ちするものだ。そう簡単に燃えつきんよ!」

「私は信じている!燃え尽きた筈のその限界を乗り越え、君たちが再び立ち上がる時を!それが人間の強さだ!!」


そして、モエタランガに立ち向かうトミオカ長官の勇姿を見て

地球人は……脆弱じゃない……!!

とカイトも何とか変身。
まだウイルスに感染していたので即カラータイマーが点滅した状態な上に疲労困憊でまともに動けない状態になってしまうも、ダテ博士によるワクチン治療を受けて形勢逆転。
ウイルスの抜けたマックスの前に圧倒され続け、最後は「マクシウムソード→ギャラクシーカノン」で止めをさした。


モエタランガは老兵二人の活躍と地球人とウルトラマンマックスの限界を越えた底力の前に敗れ去ったのだ。


【モデル】

言うまでもなく『帰ってきたウルトラマン』の48話「地球頂きます!」に登場したなまけ怪獣ヤメタランスがモデル。
あちらは「なまけ放射能」で人類全員をなまけ者にし、なんやかんやで地球を頂くという作戦のために送り込まれたが、コイツは別のアプローチで人類の無力化&地球征服を企んだ訳けである。名前もそっくりだ。

ちなみに、当初はヤメタランスを操っていた宇宙人であるササヒラーを登場させようとしていたが、このプロットはボツになり新怪獣を作る事になった。
確かにあんなマイナーな奴再登場しても誰も嬉しくないだろうが…。
また着ぐるみは、前作「ウルトラマンネクサス」に登場したグランテラの改造である。


【余談】

この話を書いた脚本家は、後に『天元突破グレンラガン』や『仮面ライダーフォーゼ』『キルラキル』を手掛ける中島かずき
中島作品固有の「熱さ」が込められたエピソードと言えよう。




「よくきたな、アニヲタWikiの諸君。私はモエタランガ。間もなく『アニヲタの集い』は私のものになる」

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最終更新:2025年05月14日 22:47