登録日:2012/02/02(木) 23:44:58
更新日:2025/03/04 Tue 18:39:07
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ALI PROJECTとは、宝野アリカ(作詞・ボーカル)と片倉三起也(作曲・編曲)による日本の音楽ユニットである。通称はアリプロ。
●代表曲(タイアップ曲)
1992年にメジャーデビューした。何気に30年以上活躍しているベテランである。
元々は暗いドリカム(宝野アリカ談)といった感じの爽やか音楽ユニットだったのが、どこでどう間違えたのかいつの間にか
の道を歩むようになった。
アリプロの曲の最大の特徴は何と言っても、良くも悪くもイントロを聞いた瞬間に一発で分かってしまうアリプロ臭さであろう。
この傾向はアニメタイアップ曲において顕著であるため、非ファンからは
「アリプロはどの曲も一緒に聞こえる」
「ウォーリー探すよりもアリプロの曲を聞き分ける方が難しい」
「
あだち充とアリプロはもはや伝統芸能」
などと揶揄されることも多い。
が、実はこのアリプロ臭さは意図的なもの。
オリジナルアルバムにはバラードを始め、大和ロック、インドの民謡風など様々なジャンルの曲が収録されている。
ファンの間では激しいまたはダークな曲には黒アリ、激しくないまたは乙女チックだったり穏やかだったりする曲には白アリと区別する為の名称がつけられているが、明確な基準などは存在せず、各々が
なんとなくで決めている。
そこ、黒蟻だとか白蟻だとか言うな。
ちなみに意外にもスパロボの
BGMに楽曲が採用された事があり(『鉄のラインバレル』OPの「鬼帝の剣」)、上記のアリプロ臭さもバッチリ再現されている。
アリプロの曲にはクラシック音楽から引用されている部分がわりとある。
分かりやすいところで言うと、「戦争と平和」(アルバム『EROTIC&HERETIC』収録曲)のサビ部分ではバッハの「
小フーガト短調」が引用されている。
少しマニアックなところだと、「聖少女領域」の間奏部分は『ペルシャ市場にて』というクラシック曲から引用されている。
さらにアニメ『.hack//Roots O.S.T.』のOP、「GOD DIVA」では冒頭でモーツァルトのオペラ「魔笛」の中の「夜の女王のアリア」を歌っている。
この曲は本職のオペラ歌手にさえ難しいと言わしめるが、アリカ様は見事に歌い上げている。
某スマイル動画に元曲と比較した動画があるので、気になる人は『アリプロ クラシック』で検索してみよう。
主に引用されている作曲家は次の通りである。元ネタと合わせてぜひとも聞いていただきたい。
- アルバート・ケテルビー
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
- フレデリック・ショパン
- フランツ・シューベルト
- グスタフ・マーラー
- イサーク・アルベニス
- エリック・サティ
- ミハイル・グリンカ
- レオシュ・ヤナーチェク
- カール・アマデウス・ハルトマン
- エンリケ・グラナドス
- ジャック・イベール
- アンリ・デュティユー
- セルゲイ・ラフマニノフ
- フェリックス・メンデルスゾーン
- バルトーク・ベーラ
- イーゴリ・ストラヴィンスキー
- ベドルジハ・スメタナ
- レオポルド・ゴドフスキー
- モーリッツ・モシュコフスキ
- エルネスト・レクオーナ
- ゲオルギー・スヴィリードフ
- ピョートル・チャイコフスキー
- ヨハネス・ブラームス
- フランシス・プーランク
- ヘンリク・グレツキ
- ジョージ・アンタイル
- クロード・ドビュッシー
- カロル・シマノフスキ
- フィリップ・グラス
- アレクサンドル・スクリャービン
- カール・ジェンキンス
- ヤニス・クセナキス
- ヴィトルト・ルトスワフスキ
- セルゲイ・プロコフィエフ
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
- エドヴァルド・グリーグ
- ジャコモ・プッチーニ
- ピエトロ・マスカーニ
- ルッジェーロ・レオンカヴァッロ
- スティーブ・ライヒ
- リヒャルト・ワーグナー
- ジョージ・ガーシュウィン
- ミシェル・ローラン
- サルヴァトーレ・カルディッロ
- アレッサンドロ・スカルラッティ
- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
- エマニュエル・シャブリエ
- アストル・ピアソラ
- ホアキン・トゥリーナ
- フランチェスコ・パオロ・トスティ
- オットー・ボルグマン
- スティーヴン・ライニキー
- ガブリエル・フォーレ
- アントニオ・カルダーラ
- ガエターノ・ドニゼッティ
- ロベルト・シューマン
- ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
- ジャン・シベリウス
- ジョン・アイアランド
- クリストフ・ヴィリバルト・グルック
- アルフレート・シュニトケ
- ジュール・マスネ
- エフゲニー・スヴェトラーノフ
- ティヴィダール・ナシェ
- 武満徹
- ニコロ・パガニーニ
- ルイス・モロー・ゴットシャルク
- アナトーリ・リャードフ
- 坂本龍一
- ベンジャミン・リース
- ソフィア・グバイドゥーリナ
- ブルース・ウォロソフ
- ジョン・コリリアーノ
- ジェファーソン・フリードマン
アリプロの大きな特徴の一つに、歌詞が厨二すぎて何を書いてあるのかがさっぱり分からないという点が挙げられる。
これは作詞担当の宝野アリカが三島由紀夫、中井英夫などの文学作品に傾倒しているためである。
大体一度聞いただけだと、サビ以外何を言っているのかちんぷんかんぷんで、歌詞カードを見ながら何度か聞き直して初めて意味がわかることが多い。
例として、アリプロの出世曲の一つである『AVENGER』のOP曲「月蝕グランギニョル」は中井英夫の『虚無への供物』の
オマージュであり、「ディレッタントの秘かな愉しみ」(アルバム『Dilettant』収録)は
江戸川乱歩の名作『屋根裏の散歩者』をモチーフとしている。
特に「月蝕グランギニョル」は宝野アリカとミステリー作家の綾辻行人を繋ぐきっかけにもなった。
そのほか和歌から題材を取ることもあり、「阿修羅姫」などの一部にそれが見られる。
余談だがアリプロ初期の曲には「LABYRINTH」というビックリするぐらいアリプロらしくない曲があるのだが、この曲は20代なら必ず謎のデジャヴを起こすので該当年齢の方は是非とも聞いていただきたい。
同じく初期の曲で『CLAMP学園探偵団』のOPとしても使われていた、「ピアニィ・ピンク」は黒アリが好きな人には劇薬レベルの猛毒なので要注意。
アリカ様の可愛いお声を御拝聴できるぞ。
しかし、そんなモノで驚いてはいけない。アリカ様にはアリプロ好きにとって究極の黒歴史に等しい劇薬が存在する。
ジブリアニメ『魔女の宅急便』のイメージソング「好きなのに!」がそれである。
麻生&久石コンビによるこの曲を歌うアリカ様は最早別人である。
同じ頃の曲に、『緑山高校甲子園編』のED、「
ストロベリーパイをお食べ」がある。こちらも負けず劣らず
可愛い歌声だが、歌詞は
カニバリズム。
アリプロ以外の名義
アリプロとしてではないが、片倉&宝野コンビで
「あんなかお こんなかお」
という曲を製作したことがある。
追記・修正はアリプロの曲を聞き分けられる人がお願いします。
- 人生美味礼讃(魔人探偵脳噛ネウロ:OP) 否定しづらい・・・ -- じゃ (2013-07-06 17:43:01)
- 自分が気に入らない、理解できないから厨二やオタクって言うのは頭おかしい、って数年前のライブでアリカさん言ってたよね -- 名無しさん (2013-07-23 00:56:22)
- 昔プログレの本に載った話を聞いた時は「へ?」って、思ったけどアルバム聞いたりすると「まぁなるほど」ってなる。そもそもプログレ誌にケイト・ブッシュとか載るしね -- 名無しさん (2014-08-25 11:52:31)
- 新しい方のローゼンはどう表記すべきか迷ったからこうしたけど -- 名無しさん (2014-09-07 21:38:35)
- ところで愛と誠と同じアルバムに入っててネウロFLASHであれだけ流行っててテーマにもぴったりだったのに何でポップン16PARTY!に人生美味礼賛が入らなかったんだ? -- 名無しさん (2014-09-22 20:43:20)
- Wishの主題歌も爽やかすぎる -- 名無しさん (2014-09-22 22:56:04)
- あの独特の軽くてスカスカした♪スクティキツクティキ...っていうドラム音がクセになる。個人的には、ああいう音楽も一種のディスコ・ミュージックだと思ってるんだけど。 -- 名無しさん (2014-09-22 23:12:26)
- 最近OPEDしてないな。聞きたいのに……。 -- 名無しさん (2014-09-22 23:26:21)
- ↑ローゼンメイデンみたいなゴシック系か、刀語みたいな大和ロック系の合う作品じゃないとOPEDは厳しいかもなぁ。遊月恋歌や胡蝶夢心中のような感じの挿入歌とかも聞きたいけど -- 名無しさん (2015-03-20 01:33:03)
- ポップンで新曲出さないかな?弐寺でも十分通用しそうなんだけど -- 名無しさん (2015-05-13 01:09:18)
- そろそろ平成ライダーの主題歌とか担当してもいいかと思う今日この頃 -- 名無しさん (2015-10-21 21:18:36)
- ↑なんかキバとか合いそうな気がする -- 名無しさん (2015-11-28 20:14:30)
- ↑2勇ましいけど可愛い感じの白アリでプリキュアの主題歌とかもして欲しいな -- 名無しさん (2016-01-03 03:52:07)
- 似た感じなのはわかるが聞き分けられないのはアホだと思ってる -- 名無しさん (2016-07-30 13:22:25)
- ↑アホとかじゃなくて興味がなけりゃそりゃ聞き分けないでしょ。外人の顔が全部同じに見えるってのと同じような感じで。俺自身もアリプロは好きだけどタイアップ系はあんまり興味ないからどれがどれかってパッとわからないし。 -- 名無しさん (2016-07-30 17:03:30)
- わが臈たし悪の華は見事に世界観を表現してたので非凡なのは間違いない -- 名無しさん (2016-07-30 18:52:01)
- 勿論黒アリも好きだけど、白アリやバラードのほうが好きかな。逢魔ヶ恋やマダムノワール、令嬢薔薇図鑑、薔薇色翠星歌劇団、汚れなき悪意、オフェリア遺文、薔薇架刑、亡骸の女、眠れる城とかいつ聞いてもとてもいい -- 名無しさん (2016-10-05 00:41:10)
- 「亡国」みたいないわゆるアリプロ節だけじゃなくて和ロック、甘ロリ、バラード、最近だと「青空」みたいなかなりポップな曲もあってメチャメチャジャンルとして幅広い。歌詞は相変わらず強烈だけど -- 名無しさん (2020-02-05 09:17:08)
- 暗黒サイケデリックの歌詞、なんか何かと似ているなと思って色々考えたら自分の中の結論が「闇堕ちしたジュディマリ」だった -- 名無しさん (2022-03-15 19:37:08)
- 妖精帝國も自分の中では同じカテゴリになってる。。(アリプロよりはマイナー? -- 名無しさん (2023-04-16 18:25:58)
- ↑「少女貴族」あたりの方向性を突き進んだのが妖精帝國だと個人的に思っている -- 名無しさん (2023-04-16 21:24:25)
- ギアスの1期1クール目が特にハマってた -- 名無しさん (2024-07-25 02:02:37)
最終更新:2025年03月04日 18:39