登録日:2011/12/16(金) 15:35:54
更新日:2025/04/14 Mon 04:06:36
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ビワハイジ(Biwa Heidi)とは中央競馬の元競走馬である。
1993年3月7日生まれ
父:Caereon
母:アグサン
母父:Lord Gayle
生産者:早田牧場新冠支場
馬主:有限会社ビワ
調教師:濱田光正(栗東トレーニングセンター)
競走馬時代
父はアイルランド出身のノーザンダンサー系の名種牡馬。母もアイルランド出身の繁殖牝馬(現役時代は未勝利)であり、ビワハイジは日本輸入時に母が身籠っていた仔となる。
ちなみに母の半妹サトルチェンジも後に日本に輸入されており、2001年オールカマ―馬エアスマップ(外国産馬)とGI3勝馬
マンハッタンカフェが生まれている。
馬齢は旧表記(-1すると現在表記)である。
デビュー戦は札幌競馬場で新馬勝ちした。
2戦目は札幌3歳ステークスでこれも勝ち、勢いに乗って阪神3歳牝馬ステークスに出走する。
これまで乗っていた武豊騎手は1番人気のイブキパーシブに乗る為に、角田晃一騎手に乗り変わる。
これが功を奏したのか、逃げ切りの体勢から2着の
エアグルーヴ(後のオークス・秋天馬)以下を寄せ付けずにこのレースを制し、無傷の3連勝が評価されて最優秀3歳牝馬に選ばれた。
以後、ラストラン以外は角田騎手が騎乗することとなる。
4歳になったビワハイジはチューリップ賞から始動するが、エアグルーヴに差され2着に敗れてしまう。
ここからがスランプの始まりだった。
続く桜花賞は2番人気になるもファイトガリバーの15着。
しかしその能力を買われて、果敢にも東京優駿(日本ダービー)に牝馬ながら出走する。
残念ながら結果は同じCaereon産駒のフサイチコンコルドに敗れ13着で、レース後骨折が判明し1年以上も棒にふる。
5歳になったビワハイジは、10月のカシオペアステークス(OP)から始動する。
結果は5着。
次走はG1のエリザベス女王杯で
エリモシックの追い込みを眺めながらの7着。
その後、阪神牝馬特別に出走し7着。
6歳になったビワハイジはGIIIの京都牝馬特別を選択する。鞍上は外人ジョッキーのオリビエ・ペリエ。チューリップ賞ではエアグルーヴの鞍上であった。
そして全盛期を思わせる逃げを成功させ復活の勝利。
だがやはり骨折の影響かこれで引退。ラストランを花道で飾ることとなった。
通算10戦4勝
繁殖入り後
競走馬を引退し、繁殖牝馬となったビワハイジだが、ここから競走成績以上に結果を残すことになる。
第3子アドマイヤジャパン 牡
(父:
サンデーサイレンス)
京成杯を勝ちその後05年クラシック世代、要するに
ディープインパクトの相手として皐月賞3着&菊花賞2着と奮闘。
クラシック次年は屈腱炎で引退。通算10戦2勝。
2007年から種牡馬として活躍。2019年に引退し、以降は功労馬・乗馬として過ごす。血縁馬で有名なのは母父アドマイヤジャパンのサークルオブライフ(2021年阪神ジュベナイルフィリーズ)。
ちなみに2022年5月、静養先の牧場で牧場のスポンサー「yogibo」謹製のビーズソファ(ハッシュタグ「馬をダメにするソファー」)を枕にお昼寝する映像が公開され話題となった。
彼までのハイジ産駒は早田牧場生まれなのだが、馬主の他界と牧場の破産によりビワハイジがノーザンファームに託されたため、以降の産駒はノーザンファームで生まれている。
第4子アドマイヤオーラ 牡
(父:
アグネスタキオン)
07年クラシック世代(いわゆる
ウオッカダイワスカーレット世代)としてシンザン記念 弥生賞 京都記念と重賞3勝。
5,6歳時は故障に苦しみ引退。通算16戦4勝
兄に続き種牡馬として活躍していたが2015年に重度の故障がありそのまま
安楽死。代表産駒は死亡から三か月後に生まれたアルクトス(2020・2021年マイルチャンピオンシップ南部杯勝利)。
第6子ブエナビスタ 牝
(父:
スペシャルウィーク)
阪神ジュベナイルフィリーズ、08年牝馬クラシック2冠、ヴィクトリアマイル、天皇賞(秋)ジャパンカップのG16勝を含む通算23戦9勝(着外は3回のみ)。
牡牝クラシック古馬国外を越えて活躍し続け、ビワハイジの最高傑作であるとともに最強牝馬候補として不動の地位を築いている。
ウオッカの牝馬最高賞金(当時)も更新(なおその後
ジェンティルドンナとアーモンドアイが出たので…)。
2011年の有馬記念を最後に引退。最初で最後の対決となった三冠馬
オルフェーヴルの1着を眺める7着であった。
2012年以降は繁殖牝馬入り。ちなみに
キングカメハメハだけで4回。
7番仔アーデルハイト 牝
(父:
アグネスタキオン)
自身は、未勝利戦を1度のみ出走しただけで繁殖入りすることとなったが、娘のロッテンマイヤーがクイーンCで3着に入るなど重賞で活躍し、3勝を上げて繁殖入り。更に、ロッテンマイヤーの第2仔であるエンブロイダリーが2025年に桜花賞を制しており、ビワハイジの牝系存続に大きく貢献している。
第8子トーセンレーヴ 牡
(父:ディープインパクト)
産駒では6年33戦と2番目に長く活動。エプソムS、プリンシパルSなどOPまでなら重賞4勝。通算8勝。
外国人騎手を13人27戦も乗せたことに定評がある。
一度は乗馬行きと思われたがなんとか種牡馬入り。
第9子ジョワドヴィーヴル 牝
(父:ディープインパクト)
デビュー2戦目で阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を圧勝。その圧勝ぶりから早くも親子三冠達成へ期待されていたが骨折もあり桜花賞6着までで打ち止め。
クラシック次年はヴィクトリアマイル4着など復活の気配はあったが調教中に予後不良となり
安楽死。「生きる喜び」という名前を持ちながら皮肉な最期であった。
第10子サングレアル 牝
(父:
ゼンノロブロイ)
GIIフローラSを勝利。だがその後のオークス以降は精彩を欠き2016年に引退。
以降は繁殖牝馬。
全て同じ
サンデーサイレンス系の種牡馬とは言え、5頭の異なる種牡馬から活躍馬を出し、重賞勝利馬6頭を輩出(物悲しい結末もあるが)したことは、ビワハイジの基礎能力の高さの証明と言えよう。
余談だが第1子ビワワールド(牡→騙)のみ父ブライアンズタイムなのだが、「ビワ」冠名で最期にJRA登録から抹消された馬(最後のビワ系勝利馬自体は別の馬)という物悲しい記録を持っている。
そして2015年に第12子プリメラビスタ(牝、父
オルフェーヴル)を産み、2016年にルーラーシップ(エアグルーヴの息子)と交配するも不受胎となった後繁殖を引退。その後はノーザンファームで仔馬達のリードホースを務め、2022年2月25日に29歳で老衰死した。
第11子エルプシャフト(牡、父:ディープ)は三度のサラオク出品を挟み中央も地方競馬も回り続けた果て、産駒で最も長い66戦8勝の戦績を以って2023年にようやく引退。
ビワハイジの直仔はこれにてついに競馬場から姿を消した。
これからは産駒の産駒たちが走り続けて行くだろう。
●フィクション作品への登場
阪神3歳牝馬S勝利直後に初登場したが、正月にツノダ(角田)騎手に会いに行ったら彼と
他の馬の
意味深すぎる体勢を目撃してしまい(注:事故です)、
時を経て繁殖牝馬として再登場してからの出番の殆どで「『
イソイソ』なんて効果音で登場」→「
近しい馬達の禁断の愛をも妄想させる様子を見て勘違いして絶望から逃走する」のが定番に…。
ただトーセンレーヴのセレクトセール時にはスペシャルウィーク・アグネスタキオンとの会話で、ディープインパクトを知らぬ間にいつもの自分のように絶望逃走させていた。
またスカーレットブーケ(アドマイヤオーラの同期同父
ダイワスカーレットの母)とは色々と好敵手に近い関係性にあり、彼女と縁が切れた時は淋しさを感じ
るも直後フサイチコンコルドとブエナビスタの同期アンライバルドの母バレークイーンと遭遇し気おされていた。
追記修正お願いします。
- ジョワドヴィーヴルは可哀想だったな…。ブエナビスタはその血筋を後世に何とか残して欲しいものだ。 -- 名無しさん (2015-02-05 02:20:35)
- 2月25日に天国へ。ご冥福をお祈りします。 -- 名無しさん (2022-02-28 07:51:34)
- 21世代の有名牝馬3頭のリードホースをしていた伝説の聖母 -- 名無しさん (2023-06-12 02:04:09)
- 牝系は孫以降パッとしないなと思ったけど、ここに来て重賞馬2頭を輩出するなど活躍してきているな。 -- 名無しさん (2025-02-16 00:47:49)
- オーラとダスカの時一緒にイソイソやってた、スカーレットブーケの血が入った子がG1とるとか -- 名無しさん (2025-04-14 04:06:36)
最終更新:2025年04月14日 04:06