雑煮

登録日:2011/12/18(日) 12:20:12
更新日:2025/01/01 Wed 22:27:49
所要時間:約 3 分で読めます





雑煮(ぞうに)とは、正月に食べられる、を主とした汁物料理である。
日本以外のアジア諸国にも似たような料理があるが、ここでは日本のものを説明する。

概要

その起源は諸説あるが、室町時代の文献に、初めて「雑煮」の名が出てくる。
この時には、武士による野戦料理として紹介されており、それ以降も武家社会の祭事儀礼用の食べ物として発展したとある。
武士は、必ずし最初に野菜を食べてから餅を食べるが、これは、「名(菜)を持ち(餅)上げる」と言う縁起担ぎである。

また、一方で、農民たちの稲作神信仰から発展したとされる説もあり、この場合、神様への捧げものとして作った餅を、備えた後に煮て食べたとされている。

しかし、畑作が中心となった地域では、餅を禁忌とし、その他のそば粉や野菜などで雑煮を作り、正月を祝う「餅無し正月」と呼ばれる習慣もあった。
江戸時代には日本全国に広まり、正月の定番料理になった。

正月以外にも、甘味屋の食事メニューとしておむすびや雑炊などに並ぶ定番となっている。軽食にもよし。
無論、味付けや具材は店主の出身やこだわりなどが反映される。
ただ、餅はしるこやぜんざいと同じものになる(逆に、雑煮のこだわりがしるこなどに反映される時もあるようだが)。


■各地の雑煮

現代でも、雑煮は日本人にとって大事な正月料理であり、年末についた餅を使って作られる。

また、雑煮ほど、地域や家庭によるバリエーションが豊かなものも無いとされる。
出汁の種類もさる事ながら、味付けも醤油とか味噌とか、味噌もまた赤味噌か白味噌か、
餅も焼いたもの、焼かないもの、はたまた、餡子が入っているものと様々である。
なお関東では四角い餅、関西では丸い餅を使う。

◆江戸雑煮
鰹出汁と醤油の汁に、焼いた餅を入れたもの。
その他には小松菜、鶏肉、蒲鉾など、かなりシンプルに仕立てる。
正月には豪華な料理をたくさん食べるが、〆の雑煮までごってり具沢山にしたくないと言う、江戸っ子の心意気である。

◆博多雑煮
飛び魚を干したアゴ出汁のすまし汁に、焼き餅。独特の癖がある味わいで、博多っ子の心の故郷である。
あとはかつお菜などの野菜などで仕立てるが、旬の鰤などが入ったりもする。

◆長崎雑煮
しっぽく料理の影響で、豚の角煮が入ったりする。

◆ぜんざい
鳥取県の雑煮。
その名の通り小豆と餅を使ったぜんざい。
同じ山陰でも島根では醤油雑煮にかもじ海苔を浮かべたものと全く関連性がなく、かなり局地的な食文化と言える。

※皆様の思い入れある雑煮を募集


■簡単雑煮

上述の通り、雑煮はハレの日に食べる正月料理であり地域性の強い伝統料理である。あるのだが…
現代人からすれば「折角の正月に餅と具材煮るとかめんどくさい」「家族で好みが違う」「そもそも料理しない」との意見もある。
そうは言ってもなんだかんだハレの日の行事を味わいたいのが日本人。現代なら簡単手軽に雑煮を食べることだって可能。もっと言えば正月以外でも食べたい日に食べられるのである。

◆市販のカップ雑煮
現在一番手軽な雑煮。カップ容器の中に餅とフリーズドライの出汁と具が入っており、お湯を注いで待つだけで完成。
近所のコンビニにあるなら、購入後お湯を注いで持ち帰れば鍋もヤカンも無くても自宅で食べられる。
レンジで加熱するタイプもあるぞ。
流石に22世紀のカップ雑煮のように蓋を開けるだけで食べられる物はまだない。技術の進歩に期待しよう。

◆インスタントスープ雑煮
手軽さならこちらも。お椀にインスタントスープとお湯を注いで混ぜ、加熱した(焼く、茹でる、レンチンなどお好みで)餅を入れれば完成。
味噌汁や吸い物など和風のスープに限らず中華風、洋風など好きなスープで作ってみよう。
カップ容器入りのスープならより手軽。

◆出汁の素雑煮
シンプルな味付けの雑煮を好むなら、お椀に出汁の素と焼いた餅を入れてお湯を注げばOK。仕上げに醤油で味の調節。
カマボコや三つ葉、おせちの煮しめなど具材を加えてもよい。
(電子レンジ可の)器に水と出汁の素と餅を入れてレンチンしても。
出汁ではないが、お茶漬けの素も美味いぞ。



追記、修正は、インドで象を捕まえて煮込んでからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年01月01日 22:27