登録日:2012/09/08(土) 06:36:21
更新日:2025/04/25 Fri 10:56:25NEW!
所要時間:約 3 分で読めます
概要
フリクリ(FLCL)とは、GAINAX・Production I.Gが制作したOVAである。ジャンルはSF青春ドラマ。2000年から2001年にかけてDVD全6巻が発売され、後に一つにまとめられたBlu-ray BOXも出ている。
原案・監督が
新世紀エヴァンゲリオンの副監督の鶴巻和哉氏、キャラデザなどが貞本義行氏など、スタッフの多くがエヴァと共通している。
本作で全話脚本及びノベライズを担当した
榎戸洋司氏もエヴァで2、7、8、11話の脚本を担当している。
また、監修・声優として
庵野秀明氏も参加している(クレジットでは表記されていない)。
この作品の大きな特徴は、
とんでもなくギリギリまで凝った映像・音響演出である。
話の途中で絵柄が大きく変わったり、マンガ雑誌のような画風になったり、CGを使ったり
サウスパークみたいになったり、パロディや小ネタ、
メタ発言など
「それをやりたかっただけなんじゃ…」と言いたくなる位好き放題な実験的な試みが多く見られる。
また、話のテンポの良さや躍動感溢れる戦闘シーン、
the pillowsの楽曲をBGM代わりにガンガン使う手法など独特な魅力があり心を奪われる。
しかし、話のテンポが良すぎて理解が追いつかないこともあり、視聴していてピンとこないこと。
また、その中にも謎や伏線も多数存在し、容赦なく視聴者を置いてきぼりにしていく。冗談みたいな口調で言ってることが事実だったりと。
日常会話の中にある何気なく、時折微妙にエロスを含む単語の真の意味を解釈しなければ「なぜこうなった?」というシーンも多数ある。
小説版や漫画版で補足や補完がされているので、より深く理解したい人は副読本にどうぞ。
日本での知名度は低くエヴァの影に隠れがちだが、海外では大人気。
2018年には続編『フリクリ オルタナ』および『フリクリ プログレ』が劇場公開された。
しかし、監督変更を始めとして多くのスタッフが変更され、フリクリらしくないと評するファンも多い。それでも
the pillowsが書き下ろした主題歌は好評。
あらすじ(第1話)
地方都市に住むナオ太は、兄の元恋人であるマミ美からちょっかいを出されながらも、退屈な日常を過ごしていた。
ある日、2人で並んで歩いていると後ろからエンジン音が。ゆっくりと振り向くと、ベースギターを片手にベスパを乗り回す女がこちらへ向かってきた。
その女はナオ太をベスパで轢き、ベースで額をぶったたき、キスをするとそのまま去っていった。
家に帰ったその夜、殴られた額からツノのようなものが生えてしまう。
どうしようかと悩みながらも食卓へ向かうと、朝の「ベスパ女」ことハル子がそこに。
家政婦として家で雇うらしいのだが…?
主な登場人物
普通の小学6年生。兄がいる。
退屈な日常に飽き飽きしているが、普通の日常であることを望んでいる。
大人ぶってクールに振る舞うが、何かあると感情的になりがちで子供っぽい。カレーも市販品で一番甘いカレー以外食べられない。
「すっぱいのは嫌いなんだけど」
ナオ太に付きまとう女子高生。「〜っす」口調が特徴で、ナオ太のことを「タっくん」と呼ぶ。
ナオ太の兄であるタスクと付き合っていたが、留学を機に別れる。
その後は弟であるナオ太をタスクの代わりとして恋人でもない曖昧な関係を持っている。
何を考えているかわからない性格で、学校でも孤立している。サボり気味。
よく写真を撮っている。
「マミ美は、こうしないと溢れちゃうんす」
ナオ太を轢いて殴った謎のベスパ女。自称19歳の
宇宙人。
常にテンションが高く、やりたいことをやる傍若無人な性格。しかし、ナオ太のことは何かと気にかけている。
ベースは打楽器。弾くより殴る用途の方が多い。
「タッくんはまだ子供だからさ」
ナオ太の頭から生えてきた謎の
ロボット。
エヴァや
ガンバスターと違い巨大ではなく成人男性より少し大きい程度。
ナンダバ家の家事を手伝ったり、パシリに使われたりしている。
名前の由来はマミ美の
ゲームのキャラ「天使カンティード様」から。
戦闘時にはナオ太を取り込み真っ赤な姿に変わる。この状態ならばメディカルメカニカのロボットにも負けない。
自走砲形態に変形もできる。この時の弾丸は撃つと戻って来る一つのみなので回収し損なうとピンチ。
ナオ太のクラスの学級委員長。
ハル子やマミ美にモテるナオ太によくちょっかいを出している。
父親がマバセ市の市長で、メディカルメカニカ誘致の件でバッシングを受けている。
実は視力が悪く、いつもはコンタクトレンズをつけている。
「…伊達よ」
ナオ太の父親。バツイチの男やもめ。
小さなパン屋を経営している。前職は週刊誌の記者であり、今でも同人誌として雑誌を刷っている。
ハル子にぞっこんで、息子の目を気にすることなくハル子に猛アタックを仕掛ける。
「ナオは僕ににてるからな。きっとやってる。ぜったいやってる」
ハル子を追う謎の入国管理官。
剃った眉毛の上に何故か海苔を貼り付けている。
「とにかく年上はやめとけ。思いがけない苦労をするから」
アマラオの部下。無茶をやらかす上司にいちいちツッコミを入れる。
各話タイトル
・#1『フリクリ』
・#2『ファイスタ』
・#3『マルラバ』
・#4『フリキリ』
・#5『ブラブレ』
・#6『フリクラ』
余談
本作のテーマは大人と子供である。これだけでは一般的過ぎるのだが、鶴巻監督にとっての定義が一般的な定義と正反対なため魅力的に映る。
子供の癖に大人ぶっているより、子供は子供らしく振舞った方が大人っぽい。
追記修正は大人になれた人にお願いします。
- 新劇エヴァの原点とも言える作品だと思う。ハル子のキャラがマリのモデルっぽいし、4話→5話の燃える展開の後落とされるのが破→Qの流れっぽい。「子供」と「大人」のキーワードをこれでもかと出してるし。 -- 名無しさん (2018-04-19 13:03:33)
- 「それがアレかい、ナオ太のガンダムハンマーってわけかい?」「いや、だからガンダムだけど所詮ロボットアニメなんですよっていう、こう、トミノ的なアレなんだろ?」この四半世紀後にまさか鶴巻監督が令和になってガンダムシリーズの監督を務めたり、ハンマー持ってるガンダム登場するとはなんという因果か -- 名無しさん (2025-04-25 10:56:25)
最終更新:2025年04月25日 10:56