登録日:2010/12/26 Sun 20:38:51
更新日:2025/04/21 Mon 20:41:03
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メタ発言とは、「メタフィクション発言」の
略語で、小説・
漫画・アニメ・
ゲームetcにおける登場人物達が、
「作者や視聴者にしか知り得ない知識」についての発言をすることである。
冒頭に書いた発言や登場キャラクターによるチュートリアル、舞台等である「台本通りにやれ台本通りに!」や、
視聴者、読者、果ては制作サイドまでも対象にした発言などがこれに当たる。
解説
そもそも作品とそれを見ている者の間には第四の壁というものがあり、作品中の登場人物達はこちら側の存在を認識出来ない(しない)のが常であるが、
メタ発言とはこの壁を越えた発言をあえてすることである。
チュートリアル以外では大体がネタ発言や作者の弁明だったりする。
「ところでこのコーナー何話まで続けなきゃいけないの?」
「仕方ないよ作者が作者なんだもん」
「一時間という短い枠におさめるには仕方が無いんですよ」
「おおっショート漫画だから展開が早いぞ」
「漫画じゃなかったらとっくに死んでるっつーの!」
「大丈夫か公式…」
アメコミのキャラクターである
デッドプールは改造手術の影響により読者と彼の間にある第四の壁が壊れており、
しばしばこちら側(読者)に向かって話しかけてきたりする。
「スパイダーマンの『クローン・サーガ』よりヒデェ…」
「俺が化け物と戦っているのに、お前はテレビの前でゲームかよ!?」
小島監督の作品、特に
メタルギアシリーズはメタ発言が多かったりする。
「雷電、今すぐにゲーム機の電源を切るんだ!」
「2Pの接続端子にコントローラを繋ぐんだ!」
(コナミつながりで)「
ときメモが好きなようだな」
「周波数はパッケージの裏に書いてあると言ってなかったか?」
「戦士としての、
ゲーマーとしてのカンを信じろ」
「ブラックアウト!」
ヒデオ
「メモリーカードがない…クソッ、腕を上げたな…いや、ハードと言うべきか…」
メタ発言はそれを見たり、聞いたりした人間を思わずニヤリとさせる効果があるが、使い所に気をつけなければならない。
タネや仕掛けをある程度ばらすならともかく、身も蓋もない内輪的な台詞回しが強めだと夢ぶち壊しである。
そういうのはせめて、メイキングやインタビュアーの質問の応答に留めておこう。
またメタ発言しそうにない世界観やキャラで、いきなりメタ発言させると間違いなく滑る。
入れれば必ずウケが取れるものではないのである。
このあたりは
下ネタに通じるものがある。
この理由から「メタ発言を担当するキャラクター」を決めてしまっている作品は珍しくない。
ごく新しい作品だと『
モンスター娘TD』で最初からいるメンバー内のスズや『
ジャイアントお嬢様』で宇宙(作中世界)の出来事を「物語」として読むことができる
METAちゃん辺りがわかりやすいか。
先述したデッドプール、後述するディケイドとジオウ…というか「他のライダーを作品として観測できる人物」としての士やウォズなども当てはまる。手塚作品というか『ブラック・ジャック』でも案外BJ以外のレギュラー陣がメタ発言を挟む頻度は少なめで、他に多いのはどろんこと手塚の旧友同業者コンビ程度とこの手法も歴史が長い。手塚に関してはあの容姿だからこそ許される面もあったのだろう。
『
物語シリーズ』においては登場人物が「メタ発言に注意しなければ」などと言い出す始末である。
戦場ヶ原「私と羽川さんが手を組めば、千石ちゃんを倒せるはずなのよ!」
羽川「あなた、その子のこと、まだ知らない設定でしょう……?」
『
仮面ライダーディケイド』では
各ライダー世界の融合と消滅の真相が「視聴者である人々からライダーの物語の記憶が薄れ、忘れ去られる運命にあった事」であり、
メタ要素が物語の中核を担っていたといえる。
前々年度放送の『電王』はともかく、前年度放送でまだ記憶に新しいであろう『キバ』がそこそこ改変されてたのは気のせい。
「やっほー2ちゃんねる実況板のみんな、見てるー?」
「どうせ誰も聞いてないのでこの
あらすじ辞める!」
「全国の女子高生の皆さ~ん」
「次回からはタイムボカンじゃなくてタイムガイコッツが始まるのよ」
「お説教なんておもしろいもんじゃないからね。長ながやると、このマンガの人気がおちる。」
「いいや 二ページほどやる!!」(本当に2ページやった)
「三年前といえば連載がはじまってから一年だ 今は二百回ですからな だけどあなたのエピソードはなかったですよ」
「でもカメラワークはしっかりしてるわ」
「動いてるように見せてるだけよ」
「こういうアニメは安く作れるね~」
カワサキ「カブーの声を頼まれたんだ……」
※カワサキとカブーは
同じ声優
「死んでも声を合わせるのが声優ZOY!!」
さらに、『
忍たま乱太郎』ではこれでもまだ控えめな部類に入る。
「読者の皆さんこんにちは!」
「あ~カメラさん、こっちこっち」
「読者が状況が分かっていれば私も分かったことになる」
原作:『落第忍者乱太郎』でもメタ発言を含めたメタ的なギャグがかなり多く、枠線を掴んで乗り越える、投擲武器のせいで枠線が歪む、枠線で隣り合ったコマ同士で次元の壁を越える、折れた歯をペンとホワイトで描き治す、背景を剥がしたところにいる原作者に文句をブチまけるなどやりたい放題である。
土井先生にいたってはおそらく全エピソード共通でコマの枠線と忍者の仕事道具としてのロープを同一視している可能性が高く、「綱はつねに携行するように授業をしただろう」「先生だって持ってないじゃん」→枠線を切断して"用意・調達"するはお約束の展開となっている(一応「忍者は手持ちに必要なものがなくとも、周囲にある代用できそうなものを機転で使えるようになるべき」という趣旨の指導であるとのこと)。
項目冒頭のメタ発言ラッシュの中にもある『
UNDERTALE』のフラウィは(本編中では諸事情で使えなくなっているものの)その特殊能力が「この世界はゲームである」ことを前提としたものであるためか、明らかにプレイヤーを意識したメタ発言をしばしば繰り出す。
ここまで挙げてきた例はいわゆるフィクション作品だが、バラエティ番組でもメタ発言が登場することもある。
『
8時だョ!全員集合』の観客「志村ー!後ろ!後ろ!」→
志村けん「あん?後ろ?」や、『
笑点』の大喜利で力士に扮した際、
林家たい平「『ごんす』を語尾に付けているが、そのような力士は現実にはいない」という回答が良い例だろう。
「これ以上、メタ発言について情報はあるか?」
「もう無いよ」
「だからもう情報が無いんだって」
「お前じゃない。いまこの項目を見ている君だよ、君。君に追記・修正をお願いしたい」
「え?誰?」
「下にある「項目変更」というところをクリックすれば編集が出来る。文字数制限には気をつけてくれ」
「!?」
「ああ、『
項目ロック』というのは押さないでくれよ。編集が出来なくなってしまうからな」
「って。どれだよ!?そもそもどこの話なんだ?」
「っと、これは前のWikiの話か…失礼」
「何、前って?」
- なんかパワポケのリセット座談会の台詞が散見されるが、元々それは最初からおまけ要素としてプレイヤーに対して語っているものなのでそれをここで挙げるのはなんか違う気がする -- (名無しさん) 2023-06-14 20:57:02
- この世界は創作上のものだ、と認識して自分は他とは違うんだとマウント取ってくる敵キャラとかいるけど、お前もそういうこと言う設定の一キャラだからな?としか思わない -- (名無しさん) 2023-08-30 09:02:30
- あらすじとか次回予告とか座談会形式後書きとか、そういうのはその空間自体がメタ空間ではあってもそこでの発言がメタ発言ってのは違うよなぁ -- (名無しさん) 2024-03-08 01:38:04
- のび太戦記エースがブーがのび太の先生にいつも土曜日に見ていますと言う -- (名無しさん) 2024-04-18 22:25:51
- 上のコメントにあるスラムダンクの「マンガとは違うぞ」みたいな、メタ発言とは似て非なる「第四の壁を守っているがゆえに読者(視聴者)目線ではツッコミ所になる発言」には名前はあるのだろうか? -- (名無しさん) 2024-05-13 15:39:18
- 1970年代の少年ジャンプの『ど根性ガエル』と『トイレット博士』はどちらもメタ発言・表現が1巻から最終巻まで頻繁に出たし、『こち亀』も連載初期から末期まで頻繁に出たんだよね。 -- (名無しさん) 2024-05-13 18:45:17
- ゲーム内での操作説明をメタ発言と勘違いするやつが最近多い -- (名無しさん) 2024-06-07 16:25:17
- 「部屋を明るくして〜」は単なるテロップ、志村後ろは分かって聞き流してたんだから明らかに違うでしょ -- (名無しさん) 2024-07-14 20:00:51
- これ流石にリストはないのかな? -- (名無しさん) 2024-07-21 17:03:23
- 「思ったんですけど、団長の本ってデスノートみたいですね。」 -- (名無しさん) 2024-07-22 20:59:09
- GS美神の「一気に伏線回収されてもしや最終回が近いのかー!?」ってメタ発言からの「バカ言ってないで本気で戦って!さもないと今日が最終回になるわよ!」ってメタ込みシリアス台詞が好き -- (名無しさん) 2024-07-24 18:40:57
- これを一番最初に考えたのは赤塚不二夫先生だったりして(笑)。 -- (名無しさん) 2024-11-27 16:47:07
- これだから素人の作品はと妙なメタ発言の毛嫌いの仕方するアホにはドラえもん原作でもよくやってると言えば大概黙る -- (名無しさん) 2024-12-30 19:13:36
- やたら嫌われるようになったのいつ頃からだろう。それに合わせてか近年は減少してる感あるが、それ以前なら名作級含めて普通にギャグとして用いられ、受け入れられてたんだがね -- (名無しさん) 2025-01-22 13:56:45
- アニメや漫画の存在感が強まるにつれ、役者や舞台裏の存在をより強く感じやすい芸能の存在感が以前より薄れることによってこの手のネタに対して馴染みがなくなってきている…のかも -- (名無しさん) 2025-02-19 11:21:48
- ネットの普及で「これ嫌い。冷める」という感想が可視化されてから急速に同調者が増えて、これを受けてギャグ・コメディ以外では避けられる表現になったと思う。自分個人としては特に気にしないが。 -- (名無しさん) 2025-02-19 11:24:01
- シリアスシーンで使った例だと、どろろで火袋が手紙を受け取った時の「俺は字が読めない」→「読者に読んでもらいなよ」は感心した。現代なら別の登場人物に読んでもらう展開を挟むだろうけど、本筋に関係ない細かい描写にコマを割くよりこっちの方が早く先の展開が読めるから好き。 -- (名無しさん) 2025-02-19 12:16:04
- ↑2そもそもギャグとして使われるもんじゃない? -- (名無しさん) 2025-02-19 13:44:39
- 某所で「攻略対象が二人の恋愛ゲームで、キャラAのルートをクリアしてからキャラBのルートをプレイすると、嫉妬したAがシナリオやセーブデータに干渉するレベルでBとプレイヤーを妨害してくる」と言うゲームがあると聞いて検索するもタイトル分からん -- (名無しさん) 2025-02-19 17:03:58
- あとは単純に近年のやつで使ってるやつ見てると、使い方がよくないなと思うこともある。シーハルクとかはだいぶ極端な方だけどなおのこと感じた -- (名無しさん) 2025-02-23 18:34:41
- ↑2 ニトロプラスの「君と彼女と彼女の恋。」じゃないのか? -- (名無しさん) 2025-02-28 13:09:28
- 観てるいたり遊んでるのに急に現実に戻す感じがして嫌だとか言う人おったな -- (名無しさん) 2025-03-01 16:26:32
- メタでシリアスといえばIceyのラスト。序盤からギャグ要素強めにメタネタ連発して「Iceyはプレイヤーが捜査しているゲームキャラ」ということを意識させておいて、ピンチな状況でコントローラーの接続が切られて操作不能にされるという -- (名無しさん) 2025-03-04 04:41:47
- 本文よりメタ発言羅列の方が多いじゃねーか -- (名無しさん) 2025-03-14 13:25:01
- モン娘TDの「これはギャグ作品なんだから爆弾で人が死ぬわけないじゃないですか」のセンスは俺には合わんかった -- (名無しさん) 2025-03-14 20:30:35
- 冒頭増やしすぎだろ、ぼくの好きなメタ発言展覧会じゃねえんだぞ -- (名無しさん) 2025-04-16 03:44:50
- ↑が呼びかけ?単なる愚痴では? -- (名無しさん) 2025-04-19 21:58:37
- 2400:8500:2002:3189:163:44:102:160のコメントを荒らし報告ページに報告しました。 -- (7667) 2025-04-19 23:06:01
- とはいえ、指摘(愚痴?)の内容自体は頷ける。全部、下にまとめてしまって、何なら折り畳んじゃってもいいんじゃないだろうか。 -- (名無しさん) 2025-04-20 16:52:47
- 解説が無く垂れ流されてるだけのメタ発言は畳んでしまいましょうか。しばらく様子を見て賛成意見が多いようなら実行します。 -- (名無しさん) 2025-04-21 20:51:13
最終更新:2025年04月21日 20:41