懐古厨

登録日:2011/10/22 Sat 01:03:33
更新日:2025/01/21 Tue 19:44:46
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懐古厨(かいこちゅう)とは「昔は良かった…」と昔(大半は本人が小学生から高校生といった多感な時期)の作品や状況等を無駄に美化し、現在の物をやたらと非難したり排他したがる人物を意味するネットスラング。

このwiki的な具体例としては
  • アニメ「最近のアニメは萌え系ばかりで熱さが足りない。CG作画なんて絶対に認めない」
  • ゲーム「最近のゲームは映像が綺麗なだけでヌルいし中身が無い。○○以前こそ至宝。最新作は便利になりすぎ、初心者救済多すぎ」
  • 音楽「最近の音楽はどれも同じに聞こえる。昔はもっとシンプルで印象的な物が多かった」
  • 声優「最近の声優はどれも同じ声に聞こえる。それに比べて昔の声優はそれぞれ個性が強い声だった」
  • アイドル「最近のアイドルはどれも同じ顔に見えて見分けが付かない」
  • 人気シリーズ作品「キャラクターデザインや方向性変わりすぎ、○○(新作関係者)は無能だから××(過去作関係者)を戻せ」
  • リメイク「リメイク前の方が良かった、改悪しすぎ」
  • 初代・無印至上主義者「初代・無印以外は○○じゃない」
  • 機動戦士ガンダム「○○以降はガンダムはじゃねぇ」
  • ポケモン「○○(主に初代金銀)以前のポケモンはその辺の草むらにいそうなリアルさがあった。今は別作品のキャラクターみたい」
  • 仮面ライダー「平成ライダーはイケメンばかり揃えてチャラチャラし過ぎ。昭和ライダーの様に男らしく孤独を背負って戦うべき」
  • ペーパーマリオ「2作目までのRPG路線こそ至高。以降はアクションになったりオリキャラがほとんどなくなったりして駄作に」
  • 遊戯王「王様と社長こそが頂点、GX以降はガキ過ぎて受け付けない。シンクロ召喚以降は別ゲーでクソゲー」


「懐古」とはただ単に「昔を懐かしむ」という意味を持つ言葉だが、これが必要以上に過去を美化してしまう現象、通称『思い出補正』または『思い出フィルター』により悪質化・極端化し、
「今の○○は糞」「○○は○○までしか認めん」といった極端な思想に陥った者が懐古厨と呼ばれる。

ぶっちゃけると、「思い出補正」「懐古厨」という概念に関しては、「『近頃の若いもんは…』という文がピラミッドの象形文字から発見された」というジョークもあり、人類史において大昔から存在する概念である。

念のため書いておくと、人の好みはそれぞれであり、このような思想も頭の中で考えているだけなら問題は無いのだが、
この手の「厨」と呼ばれる人物の常か、大抵『俺の意見は絶対に正しい、同意しない奴らは分かってない』と凝り固まった思想を持っており、
自分の認めない物をとことん叩き、見下し、排除しようと躍起になる。時には粘着行為に及ぶ事もある。

当然ながらこのような懐古厨は他人に多大な迷惑をかける事も多く、新しい物の話題が出ただけで過剰に反応したり、SNSや動画コメントなどを荒らしたり、新しい物を楽しんでいるコミュニティにわざわざ突撃したりしてその場の雰囲気をぶち壊しにする可能性が高い。
特に新しいものも古いものもそれぞれ好きな人間からすると迷惑極まりないものといえるだろう。そのため懐古厨は総じて嫌われている。

他の「厨」と比べて、自己顕示欲や逆張りからくるというよりは、思い出補正による部分が大きく、本気で言っていることが少なくないのも厄介といえる。「老害は迷惑だ」と言いながら自分は懐古厨という人もいるかもしれない。
とはいえ、「古い物好きな俺マジカッコいいw」といった具合に、昔の物好きな事が一種のステータスと勘違いした輩が懐古厨となるケースもないわけではない。

懐古厨はオッサンばかりではなく、高校生くらいの若者にも散見される。
中にはオッサン懐古厨が「最近のもの」として叩いていたコンテンツを、若者懐古厨が「古き良きもの」として持ち上げて「新しいもの」を貶すという光景が見られることも。もう妖怪ウォッチとか、10年以上経つんだよ。


また、昔の作品にしても「面白いものは記憶に残りやすい」という事情もある。
つまらない作品は記憶から消えてしまい、昔の方が面白い作品が多かったと誤認してしまうのである。
つまらないラノベを5作品挙げろと言われても、範囲が「去年発行されたもの」と「1990年頃のもの(ロードス島戦記スレイヤーズと同期)」では、後者の方が難しいだろう。
そして、「去年発行された」つまらない5作品も、30年後のラノベオタク界隈において話題に上ることは稀であり、そこではきっと、「去年発行された名作」が称えられ、その時代に発行されるつまらないラノベが叩かれているであろう。
「ああ、昔はよかった。(30年後まで語り継がれる名作)みたいな作品とかばっかで。」


昔だろうが現在だろうがいつの時代にだって良い物はあるし、いつの時代が好きかは人それぞれなのは当然の事である。
しかしそれを理解出来ず、過去の思い出に縛られ、自らの意見をゴリ押しする事しか出来ない懐古厨は非常に悲しい存在と言わざるをえない。時代は常に進み続けるのだから。

とはいえ一方で、最近は懐古厨とは反対に(というか懐古厨憎しで)今のものを過剰に持ち上げ、昔のものを貶したり、
ただ昔のものを褒める、或いは改悪点に対し真っ当な指摘をするだけで、何でも懐古厨認定する輩が増えており、彼等もまた場の空気を悪くする為嫌われ蔑まれている。
懐古厨は迷惑だが、だからといって昔の物を蔑んでよいという訳ではないという点を勘違いしないように。時代の進歩は確かだが、その一方で「今」があるのは「昔」のおかげというのもまた、忘れてはならない。


あのころの追記・修正はよかったなぁ……。それに比べて今はダメだ。

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最終更新:2025年01月21日 19:44