アレクサンド・アンデルセン

登録日:2011/01/22 Sat 04:04:09
更新日:2024/04/25 Thu 23:23:39NEW!
所要時間:約 5 分で読めます




アレクサンド・アンデルセンとはHELLSINGの登場人物である。

CV:若本規夫(OVA版)、野沢那智(TV版)



見た目は大柄でいかつく、左頬には大きな傷跡がある。HELLSINGなので逆光眼鏡と手袋は当然装備。
ローマ近郊の孤児院フェルディナントルークス院に勤めており、カトリックの子供たちに対しては非常に愛情深い優しい神父様である。
ロンドン出張時に立ち寄った美術館に今度来る時は子供たちも連れて来たがるところなどにそういう部分が見られる。しかし、叱る時はしっかり叱る。
正に大人の鑑のような人物である

「いいですか?暴力を振るってよいのは異教徒共と化物共だけです



アレ?








以下ネタバレ








【概要】



我らは神の代理人 神罰の地上代行者

我らの使命は我が神に逆らう愚者を

その肉の最後の一片までも絶滅すること───


AMEN(エイメン)


その正体はカトリックの総本山ヴァチカンの秘密機関「第13課イスカリオテ」に所属する対化物専用の戦闘屋としての切り札で、
  • 銃剣(バヨネット)
  • 「殺し屋」
  • 聖堂騎士(パラディン)
  • 再生者(リジェネレーター)
  • 「首斬判事」
  • 天使の塵(エンジェルダスト)
などの様々な異名を持つアーカードの宿敵。
ウォルターによれば出身・人種・年齢は一切不明とされているが、年齢は30代にしか見えない外見に反して60歳くらいであるらしい。
その再生技術によって若返っているようだ。

【性格】

インテグラ「絶滅主義者」と呼ばれるほどの狂信者であり、プロテスタントなどの異教徒、異端者、そしてアーカードなど化物を容赦なく殺しにかかるその様は、狂人を超えてもはや野獣である。
一応最低限の社交性は弁えており、流石に仕事で連絡に来た時にはアーカードの目の前でも頑張って殺意を抑えてギリギリ殴り合い程度で済ませた。美術館においても、セラスが招待した一般人が通りかかると、無関係な人物を巻き込むことには興が削がれてアーカード共々交戦を避けている。
他にも現代でそんなことしたら身を亡ぼすという理由だとしても異教徒の民間人にはほとんど手を出しておらず、時と場合によっては敵対組織の異教徒でもわざわざ保護してやることもある。
ここらが後のマクスウェルへの対応に表れていると思われる。
アーカードとは互いに宿敵と見定めて敵対しつつも、彼と同じように化物に立ち向かう人間の存在には狂喜し歓喜する。

しかし前述の通り、普段勤めている孤児院では子供たちに深い愛情を注ぐ一介の神父に過ぎない。叱るべき時はしっかりと叱る優しくもあり厳しくもあるよき養父である。
まあそこで自分やマクスウェルのような狂信者としての洗の…洗礼を行っているわけだが。
本項冒頭のセリフも、喧嘩をしていた子供たちを諌めた際も友達に暴力を振るってはいけない」としつつも、暴力自体は一切否定していない。
ちなみにマクスウェル、ハインケル、由美江(由美子)らは彼が勤める孤児院の出身であると思われる(扉絵からの推測。マクスウェルは過去の回想で「僕が妾の子だから両親は迎えに来ないのか?」とアンデルセンに問うシーンが存在するため確実)。

また、意外にもライバルの王道である「ライバルを倒して良いのは自分だけ」理論も持ち合わせており、インテグラが窮地に陥った際は独断で護衛に向かっている。


【戦闘能力】

作者が「十三課はアンデルセンがいたから国教騎士団と張り合える組織になった」と言うほどの戦闘能力を持つ。
その肉体は生物工学と回復法術(ヒーリング)による異名通りの再生者(リジェネーター)と化しており、
吸血鬼を易々撃ち抜くカスール改の弾丸を頭にくらっても問題なく再生して戦闘続行可能である。
彼自身の単純な戦闘力は修行で練り上げたものであるが、銃弾を軽々避ける吸血鬼が全く反応できない速度で銃剣をふるい、投擲することが可能である。
OVA版では投擲した銃剣が通過しただけで窓ガラスが割れていた。つまり音速以上の速さで飛んでいる。

間違いなく作中最強の「人間」であり、アーカードにとっては自身を打ち倒す資格がある人間の理想像の1つ。
彼の全力の突撃を受け止めた際も、「人の身でよくぞここまで練り上げた」と一太刀を浴びせたアンデルセンの練度に歓喜し、愛しき怨敵と彼を呼んだ。

聖書のページを護符のように利用し、結界を張ったり突然の出現・撤収を行なったりもする事もできる。TV版ではアーカードを捕縛して動きを止めた。何この忍者。

しかし彼にも弱点はあり、再生効果はアンデルセン自身の状態に依存しているため、例えば極度にアンデルセンが疲れている場合は再生能力が低下する。
それでもなお、アンデルセンが極度に疲れるという状況そのものが本人の戦闘能力故に非常にレアであり、本人は片腕が千切れ落ちそうになっても退く精神を持ち合わせていないのが現実である。

装備

  • 銃剣(バヨネット)
アンデルセンの主武装にして代名詞。銃に付けずそのまま剣のように扱い投擲と格闘に使用する。
祝福儀礼が施されており化物に対して致命傷を与えられる。柄には爆薬を仕込み、投擲後起爆させ標的を吹き飛ばす使い方も可能。
その本数は実質無限であり、四次元ポケットとなっている神父服からいくらでも取り出せる。(公式設定)

  • 爆導鎖
銃剣のバリエーションの1つ。
爆薬を搭載した銃剣を大量に吊り下げた異様な鎖で、鎖の先端を弾丸のように飛ばして銃剣を起爆させ直線上の敵を吹き飛ばす。
大量の敵を排除するのに適している。所謂チェーンマイン。


【活躍】

【Dust to Dust】

第二次ゼーレヴェ作戦の発動時、マクスウェルの行動を「神ではなく神の力に仕えている」とし、自らの意志をもって独自行動を取る。
最終的にアーカードの「死の河」によって十字軍が壊滅する中、マクスウェルに実質的なとどめを刺して殺し、第九次十字軍遠征失敗を宣言。
その後、単騎でアーカードに闘いを挑む。

どうする どうするんだ? 化け物は(・・・・)ここにいるぞ!!キリスト教徒(カトリック)
倒すんだろ?勝機はいくらだ
千に一つか万に一つか 億か兆かそれとも京か

それがたとえ那由他の彼方でも 俺には十分過ぎる!!

主人公どっちだっけ?

自分以外の十三課には帰還と法王を守る事を命じ、単騎で死の河の只中へ突入。
先の戦闘でジャッカルにより左腕がかろうじて繋がっている状態の重傷を負い、更に死の河から顕現したリップヴァーンの魔弾の追撃、トバルカインのトランプが持つ再生阻害効果で追い詰められていく。
尚も食い下がり、左腕が千切れて落ちる寸前になっても突撃を続けるも亡者にアンデルセンが悲鳴をあげるほどの怪力で拘束され。
そこに更にトルコ及びトラキアの突撃騎兵が襲来するというピンチに陥るが、命令を無視して十三課が救援に駆けつける。
「大馬鹿野郎」と口にするも、彼らにはいつものように地獄へまっしぐらに突撃するよう命令。自爆等で援護を受けながら漸く死の河を正面突破してアーカードに肉薄。


これ程戦ったのだ 本当はお前もわかっているはずだ

俺はただの銃剣(バヨネット)でいい 神罰という名の銃剣(バヨネット)でいい

俺は 生まれながらに嵐なら良かった 脅威ならば良かった 一つの炸薬ならば良かった
心無く 涙も無いただの恐ろしい暴風なら良かった

これを突き刺す事でそう(・・)なれるのなら そう(・・)しよう

そう(・・)あれかし(アーメン)


ついには切り札として用意した本物の聖遺物「『奇跡の残り香』エレナの聖釘」を、人間らしい人間のままでいてほしいアーカードの懇願…もとい、制止を振り切って自らの心臓に刺し、人間をやめて棘の化物に変貌。
化物の能力の高さとアーカードの気力が減衰したことによりアーカードを一時追い込んだが、人間であることを放棄したアンデルセンはアーカードにとって大事な事でもあり最大の弱点であった「殺されてもいい」という権利をも放棄してしまっていた。
最終的には吸血鬼の身体能力によるごり押しで茨と体を切り裂かれながら侵攻され、心臓を握り潰され、地獄での再会をアーカードと約束した後死亡。
そしてミレニアムの手で若返った高田社長こと若ウォルターに踏み潰され塵になった。ウォルターェ…

なお信仰心は本物だと思われるが、一方で釘の化物になる際のセリフから深層心理では純粋に暴れまわりたかった願望もあった模様。
ここらが神の敵以外の何者でもないアーカードとの最後の遣り取りに繋がったのだとも思われる。


短編『CROSS FIRE』にも登場するが、名前は英語風に「アンダーソン」になっている(ただし頬の傷が無く、所属も第3課「ヨハネ」になっている)。
OVA初回特典のCDドラマ版では本編通りのキャラクターとして出演し、相変わらずの狂信ぶりを見せた。
原型はヒラコーのエロ漫画家時代の短編『ANGEL DUST』(出版社により原稿紛失、未単行本化)の主人公で元殺し屋の神父アンデルセン。


【TV版】

演じているのは後書きでの作者の発言通り、今は亡き野沢那智氏。
たまに気の抜けた演技になるが逆にそれが笑い声や戦闘中のブチキレ具合を引き出し、何とも言えない凄みを感じさせる鬼気迫る怪演であった。

……しかし脚本の都合上神父の活躍は少なく、むしろ弱体化した。
初登場時はそれなりのインパクトがあったが、獲物を旦那に奪われたり法皇からの命令書を持ったインテグラに叱られるとあっさり退いてしまったりした。
2度目の登場は、よく分からないイスカリオテの意図の下、ロンドンの地下鉄でヘルシング職員をぶち殺してまわり、電車を真っ二つにし、旦那をくびり落とし、セラスを追い詰める。
しかし復活した旦那にビビってつい化物呼ばわりしてしまうなど小物臭が漂い始めると旦那に
「ならそれと対峙したお前はなんだ
人か?狗か?化物か?」
と原作でモブが言われたセリフを吐かれたあげく、両腕をぶち抜かれ、退却する。
最終話にも出るが意味ありげに笑うだけであった…


【OVA版】

野沢氏の体調不良に伴い、キャストが若本規夫氏に変更。サイトでは強力若本というアピールがなされた。
それにしてもこの若本ノリノリである……という感じだが、非常に迫力がある名演。
TV版以上に原作準拠な作画も相俟って戦闘中の台詞もシリアスパートも雰囲気がよく出ている。

野沢・若本両氏共に素晴らしい演技で、演技についてはTV版とOVA版のどちらも好きというファンも多い。



「こら〜やめなさい。」
「勝手に追記、修正をしてはいけません」
「いいですか? 追記・修正をしていいのは、アニヲタ共とWiki篭り共だけです」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • HELLSING
  • ヘルシング
  • アレクサンド・アンデルセン
  • 神父
  • カトリック
  • バチカン
  • 第十三課
  • イスカリオテ
  • 聖堂騎士
  • パラディン
  • 殺し屋
  • 銃剣
  • 首切り判事
  • 天使の塵
  • リジェネレーター
  • 眼鏡
  • 若本規夫
  • 野沢那智
  • 狂信者
  • AMEN
  • 神父無双
  • 舩坂弘
  • 処刑人
  • ワンマンアーミー
  • 人間やめてます
  • それにしてもこの神父、ノリノリである

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月25日 23:23