妖怪人間ベム(テレビドラマ)

登録日:2011/10/29 Sat 22:30:36
更新日:2025/08/08 Fri 17:49:16
所要時間:約 8 分で読めます




妖怪人間ベムは、2011年に日本テレビの土曜ドラマ枠で放送されていた1968年・2006年に放送されたアニメの実写ドラマ。主演はKAT-TUNの亀梨和也。


【概要】

失敗例の多い漫画、アニメの実写版…この作品も放送前は実写化を嘆いたり疑問視する声が圧倒的に多かった。また、ベム役にKAT-TUNの亀梨和也が選ばれると「イメージと違いすぎる」「またジャニーズのゴリ押し」との声も多かった。

しかし蓋を開けてみると、
人間に受け入れられない妖怪人間達の悲哀、そして人間の苦悩と善悪をテーマにした完成度の高いシナリオ、
OP映像や妖怪態への変身シーンに代表される凝った演出や原作へのリスペクトを忘れない描写等、非常に丁寧に作りこまれた良質なドラマに仕上がっており、
最悪ともいえた前評判を見事に覆す結果となった。

ベム(妖怪態)のスーツアクターは、『平成仮面ライダーシリーズ』でお馴染みの伊藤慎

脚本は実写版『怪物くん』でお馴染み西田征史。

アバンタイトル表示前に毎回放映されていた映像が実写でほぼ忠実に再現されている(ベムが窓際で咆哮をあげたり、ベロがフラスコを握りつぶすシーンもほぼ同じ)。ただし画面を引き裂くシーンがアニメではベロの役目だったのに対し、本作ではベムの役目となっている。

ストーリーはドラマオリジナルのものとなっており、ホラー要素よりも人間ドラマ的なシナリオが大半を占めている。また、ドラマオリジナルのキャラクターとして、3人に協力する夏目一家や緒方一家などが登場している。

また、アニメ第1作の実質的な主人公がベロだったのに対し、本作ではベムが名実ともに主人公となっており、アニメでは控えめだったベムの露出が本作では大幅に増やされている。

また、ナレーションをアニメ第1作でベムを演じた小林清志氏が務めている。

【あらすじ】

人工的に人間を作り出す研究の過程で失敗し、妖怪人間になってしまったベム・ベラ・ベロの3人…

人間より人間らしい正義の心を持っているベムたちは…何度裏切られようと、困っている人を助けるために、自らの危険を冒して戦い続ける。
いつか人間になれる日のために…

【登場人物】

  • ベム
演:亀梨和也
3人のリーダー的存在。
人間形態は、銀髪でソフト帽を被った青年。
助けを求める者を放って置けない、優しい性格。
故に正体が露呈し、引っ越す事が多い。
緒方晋作が所有していた人間の骨で出来たステッキを持ち歩いており、これを使用して音を鳴らし遠くまで把握出来る。

  • ベラ
演:杏
人間形態は、青いドレスを着た美女。
人間は自分勝手な生き物と考えており、人間と関わる事に否定的。
しかし、内心では人間が好きなツンデレ
何だかんだで、人助けをするベムに協力する。
千里眼を発動できる。
人間になった暁には、恋をしてみたいと考えている。
実際に恋をしたが、結果は…

  • ベロ
演:鈴木福
人間形態は、ゴーグルとポーチを愛用している少年。
一人称はオイラ。
生まれた時から子供の姿。
子供らしく、純粋に人間と友達になりたいと考えている。
恐らく6歳。
度々正体がバレそうな発言をする為、その度にベラから注意を受けている。
また、所々言い回しが古くさい。
動物好きで嗅覚が鋭い。
ベムとベラ以上に、感情が高ぶると妖怪形態になりやすい。

  • 夏目章規
演:北村一輝
刑事。
職業病で何でも人を疑い詮索してしまうが本当は正義感が人一倍強い。
人の為に自分を犠牲にしても構わないと思っている。
優衣を通してベム達と出会い、友情を深める。
4話でベム達の正体を知ってしまうが、以降はベムに協力するようになった。

  • 夏目菜穂子
演:堀ちえみ
章規の妻。
家族を第一に考えている母性溢れる心優しい女性。
天然。


  • 夏目優以
演:杉咲花
章規の娘。
虐められていたベロを助けたことで、ベロと友達になった。
人質にされる等、やや危険な目に遭う事が多い(本人は何も知らないが)。

  • 夏目まこと
演:林遼威
他界した、章規の息子。
ピアノが上手だった。
爆発事故で死亡したらしいが、その事故は仕組まれた物だった。

  • 緒方浩靖
演:あがた森魚
大学教授で、生物学の権威。
ベムが持っているステッキと似たものを所持しているがあまり大切に扱っていない。
ペットのリスザルの散歩を度々している。

  • 緒方小春
演:石橋杏奈
緒方の孫で、高校生。
緒方が飼っているリスザルが苦手。
両親は海外出張中で、自身は両親の渡航直前に高校に合格した事で日本に残っている。
人と接する事が苦手で、いつもヘッドホンを着けており、学校で浮いていた。
そんな自分を変えたいと思い、夜な夜なパンクファッションで街を徘徊していた。
ベラと接する事で、今の状況から変わりたいと思い、常に着けていたヘッドホンを外した。
以降は、ベラの女友達になった。

  • 緒方晋作
演:柄本明
緒方家の祖先に当たる生物学者で、ベム達の生みの親。
世間との関わりを断ち、山奥の研究所で人間を創り出す研究を進めていた。
慈愛深く心優しい人物で、ベム達を我が子の様に扱っていた。
しかし研究中に、心臓病で死亡してしまう…。

  • 名前の無い男
演:柄本明
他人に憎しみなどの悪意を抱く人間に接触しては、謎のスライムを寄生させてその者の悪意を増長させる謎の男。
ベムが持つ物と同じステッキを持つ。
正体は、ベム達から別れた細胞が成長したスライム状の生命体で、「善」のベム達と対の存在である「悪」
身体が無い為、緒方晋作の遺体に取り付いていた。
数十年前にベム達と対面したが、悪の自分を受け入れて貰えずに戦闘…深手を負う(この際、ベム達はそれまでの記憶を失う)。
ベム達に悪の自分を受け入れて貰う為に、人間の悪意を増長させていた。
ぶっちゃけ見た目が原作に似ている。

【結末】

人間は善だけで成り立っておらず、善と悪二つがそろって人間足りえるのだ。
故にベム達は人間足りえず、妖怪人間なのだ。
ベム達は、名前の無い男の細胞を取り込まない事を決意した。
これは自分たちが人間になれなくなることを意味していた。

人間は、悪の感情を表に出さない様に踏ん張っている。
ベム達は不死身の妖怪人間として、永遠に人間を助け続ける事を決意したのだ…。

研究所で、名前の無い男と戦うベム…
戦いの果てに、ベムの持つステッキが名前の無い男を突き刺す。
こうして…ベム達から別れた悪の心は完全に消滅した。

倒れた蝋燭の炎で、研究所が炎上…。

炎の中、ベム達は涙を流し続けた…。
そして三人は、炎の中へ消えて行った……。

後に、夏目が研究所の焼け跡を調べる。
そこには…、ベムのソフト帽、ベラの髪飾り、ベロのゴーグルが残されていた。
夏目は、それらをベム達が暮らしていた廃船に届けた…。

数日後…。
犯人を追跡する夏目。
犯人に狙撃されそうになる夏目だったが、何者かに救われた。
「ベムさん…。」

妖怪人間ベム・ベラ・ベロ…、三人の姿は消えた…。
いや、彼等正義の魂が死ぬ筈が無い。
きっと、何処かで生きている筈である。
もし貴方の周りで、怪しい出来事が起こり、それが人知れず解決している様な事があったら、彼等三人が活躍してくれたのかも知れない。
そして、妖怪人間ベム・ベラ・ベロに感謝をしようではないか。

【主題歌】

オープニング

  • 「妖怪人間ベム」(歌:ベム〈亀梨和也〉・ベラ〈杏〉・ベロ〈鈴木福〉)

エンディング






追記・修正を止めたら、俺達は本当の妖怪になってしまう…
だから追記・修正する。

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最終更新:2025年08月08日 17:49