イジェマッシ SV-98

登録日:2011/06/05 Sun 14:05:51
更新日:2025/09/02 Tue 20:47:47
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性能

全長:1270mm
銃身長:650mm
重量:6200g
口径:7.62x54mmR
装弾数:10発
作動方式:ボルトアクション



概要

ロシアのイズマッシュ社ドラグノフ式狙撃銃とは異なる運用を想定して1998年より開発製造している狙撃銃



歴史

1995年に国際ライフル連合の大会に出場するために開発されたレコードCISMライフルが源流となっている。
レコードCISMはレコード1をもとに10連弾倉を装備したもので、レコード1は1975年設計の堅実な競技用ライフルである(現在もカタログにあり、木製ストックのSV-98といった印象を受ける)。

詳細な配備理由は不明。
実際SVDの後継の座はSVDSら改良型を経てAMB-17に近い構造のSVChが座っており、少なくともロシア軍のドクトリン上ではDMR的運用を想定した狙撃銃がボルトアクション狙撃銃よりも適当であると思われる。
冷戦終結後ということもあり、他国の狙撃部隊と同様の動きができる装備を求めた可能性はある(例えばオリンピックの警護狙撃チーム等。他国と連携がとりづらいのは困るので…)。



構造

構成部品の節々に競技用ライフルの特徴が感じられる。

銃身はフリーフロート構造*1のヘビーバレルで、サブMOAの領域にて精度の向上に貢献する。
マズルブレーキがデフォルトで装着されており、サプレッサーも装着可能。銃身の熱による陽炎の予防のためヒートリボンも装着できる。

ストックは積層木製合板を緑に塗ったもので、色以外はベースモデルに近い。ベースモデル同様サムホール式で、左右対称の形状だがチークピースとバットストックの調整も可能。
角ばったフォアエンドには2脚が、バットストック直前には1脚が装着可能で、依託射撃時に3点により強固に固定可能。
後々強化ガラス繊維製やT-5000に近い構造の近代的なシャーシが開発されている。

弾倉はダブルカラムダブルフィードで10連としてはコンパクト。。給弾をガイドするように弾頭付近にガイド状の構造が追加されておりリムド弾でもスムーズに送る工夫がなされている。

レシーバー上部にピカティニーレールを備えている為、国産(PKS-07や1P69、1PN113ナイトビジョン)は勿論、海外各社のスコープも使用可能。バックアップリアサイトもレールに固定され着脱できる。

トリガーは2.2~3.3ポンドの間で調整が可能。

これらの機構により軍用狙撃銃にあるまじき重さとなったせいか独特な左持ちのキャリングハンドルを装備。

SVD時代からの狙撃用弾薬である7N1や7N14も用いることで精度が底上げされる。公式には有効射程は1000mとされている*2


運用

ロシア連邦軍の特殊部隊や対テロ部隊などに配備・運用されている。前述の通り他国の様式に近い狙撃チームに充てるためであり、大量と呼べるほどには配備されていない模様ではあるが現役。



バリエーション

7.62mmNATO弾用も製造されている。
  • SV-99
.22LR弾仕様。

  • レコード KO-13
民間仕様。元銃のレコードの名を冠する。

  • SV-98M
前述の近代的なシャーシ(アルミ合金製)に換装したモデル。

  • SV-338
.338ラプアマグナム弾に対応したモデル。



フィクション

出演機会は少ないが、ロシアが関わるゲームでは登場する場合がある。

ゲーム

  • レインボーシックス ベガス
  • バトルフィールドバッドカンパニー2
  • Escape From Tarkov

遊戯銃

S&Tが販売している。



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最終更新:2025年09月02日 20:47

*1 銃身を僅かに浮かせることにより発射の際の振動を一定にさせることで弾着がぶれない。

*2 頭部への命中であれば直径8.5インチ以内にまとまる必要がある。1000mで意図してできるとすれば0.77MOA未満の精度が必要。狙撃銃としては現実的な値である。