マーシャル・クイーン

登録日:2012/02/16 Thu 22:13:30
更新日:2025/04/21 Mon 19:22:06
所要時間:約 5 分で読めます




むかしむかし、とても美しいむすめがおりました。
しかしむすめは、性質の悪いメタゲームボルバルたちによって、しいたげられておりました。


そして数年の月日は流れ…



今日は武闘会の日。
いつもの様に環境はむすめをおいてけぼりにしていきました。
「シクシク。あぁ、わたしも武闘会に行きたいわ」
「むすめさん、何を泣いているんだい?」
「武闘会に出られなくて泣いているのです。」
「そうなのかい。では私が、美しいおまえに魔法をかけてあげよう。」
「まあ、すごい!魔法使いさん、どうもありがとう!」
そしてむすめは、喜んで武闘会へと向かいました。







超弩級の兵器を携えて…


【概要】

《マーシャル・クイーン》とは、デュエル・マスターズの転生編 第3弾 魔導黙示録(オリジン・オブ・パーフェクト・ギア)で登場した進化クリーチャーである。

マーシャル・クイーン R 水文明 (3)
進化クリーチャー:スプラッシュ・クイーン 5000
進化−自分のスプラッシュ・クイーン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札を3枚まで裏向きにしてシールドに加え、その後、同じ枚数のシールドを自分の手札に戻す。

バトルゾーンに出た時に手札を3枚までシールドと交換できる進化クリーチャー。
S・トリガーを最大3枚仕込めると言えば聞こえはいいが、手札との入れ替えなので普通は1、2枚が限度。
というか、スプラッシュ・クイーンの進化なので進化元を多めに入れる必要があり、マナコストの軽さに反して使い勝手が悪い。

ただそれだけのクリーチャーなのだが、ちょっとここであるクリーチャーと比較してみよう。


エメラル C 水文明 (2)
クリーチャー:サイバーロード 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札を1枚、裏向きにしてシールドに加えてもよい。そうした場合、自分のシールドを1枚、手札に加える。ただし、その「S・トリガー」は使えない。

この《エメラル》、クイーンの小型版のようなクリーチャーなのだが、殿堂入りの一枚である。
評価されたのは、その速攻性能と、おまけとしては優秀なその効果。
そう、あくまでお ま け と し て は

ビートダウンで殴り手として使うには2マナ1000なら及第点。
手札でダブついている《ホーリー・スパーク》や《デーモン・ハンド》を仕込めばほぼ確実に敵を足止めし、ついでに手札補充にもなる。

《マーシャル・クイーン》はそれを3回使えるのだが、さすがに進化してまで使う効果ではない。
進化元も狭くて使いどころの少ないクリーチャーであった。







「《エメラル》に有ってわたしに無いもの、なーんだ♪」



実際には、両者の効果には、天と地ほどの差があった。

『ただし、その「S・トリガー」は使えない。』
この一文が、マーシャル・クイーンには無かった。

当初、多くのデュエリストは「《エメラル》と同じ能力だろう」と思い込んでいた。
また「手札に加える時」に発動するS・トリガーは、《マーシャル・クイーン》の「手札に戻す」では発動しないと考える人もいた。



数年経ち、戦国編も終わりの頃、この一文の欠如に気付いた者がいた。

事務局に問い合わせ、「S・トリガーは使用可能」という返事が返ってきてからは、まさに魔法をかけられたシンデレラのごとく評価が一変した。

その最大の要因がこれ。

星龍の記憶 R 光文明 (3)
呪文
S・トリガー
次の自分のターンの終わりまで、自分の手札に加えるシールドはすべて「S・トリガー」を得る。

シールドから手札に戻すカードにこれを混ぜておくだけで、最速3ターン目からどんなカードでもタダでプレイできる。
方法を説明すると、まず《星龍の記憶》と他のカード2枚を仕込み、最初に《星龍》を手札に加えてS・トリガーで唱える。
すると、あとから手札に加えるカードは《星龍》の能力でS・トリガー化しているのでタダで使えるということ。

《インビンシブル・フォートレス》でも《ロスト・ソウル》でも最速3ターン目から撃つことができるぶっ壊れっぷりから、阿鼻叫喚のデュエル・マーシャルズが開幕した。

たった1枚のカードのルール変更によって上手く回れば3ターンキルも可能な凶悪デッキが生まれるとは誰も予想できなかっただろう。


さすがに酷すぎたので、タカラトミーもすぐに対策へと踏み切った。



デュエリストたちは思った。

「ああ、彼女も《アクア・パトロール》と同じような運命をたどるのか」と…

せっかく武闘会に出られたのに、わたし、まだ温泉旅行になんて行きたくない!

そうだ!魔法がとけるくらいなら、ル ー ル ヲ 変 エ テ シ マ エ バ イ イ ン ダ。



【その後】

なんと、《マーシャル・クイーン》は殿堂入りにもプレミアム殿堂にもならなかった。

シールドに関するルール変更が行われたのである。

《マーシャル・クイーン》の能力でシールドとして加えたカードは同じタイミングでまとめて手札に戻すようになった。
そのため《マーシャル・クイーン》の能力で「星龍」を唱えても、S・トリガー化させたい他のカードは既に手札に加わっており、S・トリガーにはならないのである。
(ちなみにW・ブレイカーなどで複数ブレイクする時は、一枚ずつ加えるという裁定のまま。よって「星龍」→他のカードという順番でブレイクされれば問題なくS・トリガー化させられる。)

つまり、《マーシャル・クイーン》でS・トリガー化させたカードを連射したい場合、あらかじめ「星龍」を唱えておく必要が生まれた。
些細な変更に見えるかもしれないが、これによって3ターンキルは事実上不可能となったため、「デュエル・マーシャルズ」は早々に終焉を迎えた。

だが、弱体化こそしたがマーシャル自体のポテンシャルが失われたわけではない。
序盤からS・トリガー獣を大量展開できるということで、【マーシャルビートダウン】の要として確固たる地位を築いたのだった。
事実、2011年全国大会では同じ水文明の姫様などを抑え、《マーシャル・クイーン》は日本一の座に輝いた。S・トリガー獣である《ルナ・ヘドウィック》を《超電磁マクスウェル Z》にサイバー進化させる速攻が、呪文戦術に対する強烈なメタとなったのである。


【更にそれから】

上記の活躍が公式に認められ、その後は色んな派生カードに恵まれる事となった。
自身も再録され、 「(その「S・トリガー」を使ってもよい)」 のテキストが追記された事により、晴れてS・トリガーを炸裂させられる様になった。

マーシャル・クロウラー SR 水文明 (8)
クリーチャー:アースイーター 8000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の手札を好きな枚数、裏向きにして、それぞれ新しいシールドとしてシールドゾーンに加えてもよい。その後、同じ数のシールドを自分の手札に加える。
通常クリーチャー版。イラストは一見綺麗だが、高波の下にはおぞましいアースイーターの姿が。
コストは重くなったが、好きな枚数の手札をシールドに追加できるので《光霊姫アレフティナ》と組んで一瞬でもシールド10枚以上に出来れば勝利となる。

海姫龍 ライベルモット・ビターズ SR 水文明 (5)
進化クリーチャー:スプラッシュ・クイーン・ドラゴン 7000
S・トリガー
進化:自分のスプラッシュ・クイーン1体の上に置く。
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、自分の手札を3枚まで裏向きにして、それぞれ新しいシールドとしてシールドゾーンに加え、その後、同じ数のシールドを手札に戻す。(その「S・トリガー」を使ってもよい)
まさかのドラゴン化。コスト5になった代わりにパワーも上がった。
自身もS・トリガーを持つので《マーシャル・クイーン》からループを発生させる事が可能。


〜相性の良いカード〜
  • 《コスモ・ポリタン》《カシス・オレンジ/♥応援してくれるみんなが元気をくれ〜る》
《マーシャル・クイーン》よりも軽い進化元。最速で出すには必須。
後者はS・トリガー呪文も備える。

  • 《海底鬼面城》
『キーパーツを揃える』
『手札も増やす』
「両方」やらなくっちゃあならないってのが《マーシャル・クイーン》のつらいところだな
1マナの城。毎ターン2枚ドローできる。相手にも引かれるが、短期決戦なら関係なし!
殿堂入りしたが、それでも強力。

  • S・トリガー全般
言わずもがな。最近は《凶殺皇 デス・ハンズ》や《閃光の守護者ホーリー》など、猛烈なスペックのS・トリガーが多数揃っているので手札次第では大変な事になる。
呪文でも《テック団の波壊Go!》や《S・S・S》など勝負を決めかねないカードが多数。
そして・・・。

  • 《深海の伝道師 アトランティス》
深海の伝道師 アトランティス R 水文明 (10)
クリーチャー:オラクル/リヴァイアサン 4000
S・トリガー
このクリーチャーが出た時、自分のクリーチャーを1体選び、残りの自分のクリーチャーを手札に戻す。その後、相手は自身のクリーチャーを1体選び、残りの自身のクリーチャーを手札に戻す。
cipでほぼ全クリーチャーを手札に戻すS・トリガー。
《マーシャル・クイーン》を手札に戻せば、もう一度cipが狙えるぞ。

  • 《爆暗黒 ブラックアイラ》、《逆転の影ガレック》
爆暗黒 ブラックアイラ C 闇文明 (3)
クリーチャー:ヒューマノイド爆/サムライ 1000
S・トリガー (このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
このクリーチャーが出た時、自分のクリーチャーを1体破壊する。その後、相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。

逆転の影ガレック R 闇文明 (10)
クリーチャー:ゴースト 5000
S・トリガー
このクリーチャーが出た時、次の中から3回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
▶相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-3000する。(パワーが0以下のクリーチャーは破壊される)
▶自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
▶コスト3以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。
遂に究極のS・トリガーを獲得してしまった。
まずはS・トリガーで出した《ブラックアイラ》で《マーシャル・クイーン》を破壊し、《ガレック》の効果で進化元と《マーシャル・クイーン》をリアニメイトすると《爆暗黒 ブラックアイラ》と《逆転の影ガレック》の数だけcipを発動できるようになった。

しかも上記の《アトランティス》など水文明のバウンスカードと組ませると、《逆転の影ガレック》の数だけどころか 無限に《マーシャル・クイーン》のcipを発動させられる 様になってしまい、遂に環境は《マーシャル・クイーン》一色になったのである!


《マーシャル・クイーン》の超次元シンデレラ・ストーリーはまだまだ続く…


追記・修正はコストを踏み倒してお願いします。

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最終更新:2025年04月21日 19:22