登録日:2011/08/27(土) 22:21:37
更新日:2025/06/25 Wed 08:21:02
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『連射王』とは
川上稔初のハードカバー本。上下巻二冊、各1800円(税抜き)
後に文庫化された。
内容は現代。もっと言うなら少し昔の19xx年、アーケードゲームをワンコイン50円でプレイ出来て、「次世代ゲーム機」がそろそろ出てくる頃の高校生を主役にした青春物。
しかしそこは
川上稔、ただ恋やスポーツ、勉強に励む姿を描写していくだけでは終わらない。
話の主軸はなんと
である。
著者自身が重度のシューター(シューティングゲーム愛好家)であるため、
アーケードゲーム筐体からシューティングのシステム、敵射撃種類解説、さらに『8の字避け』『3ウェイ回避方法』『当たり判定解説』など『これ一冊でシューティングで押さえておくべき基本攻略知識はバッチリ』というぐらい“濃い”。
しかしそれでいて目標を見据えれば一直線に駆け抜けていくような『疾走感』溢れるストーリーは健在。
これもまた〈
都市シリーズ〉へと繋がっていく物語の一つである。
「俺、何かに対して本気になれるのかな?」
何事にも本気になりきれない高校生・高村コウ。
そんな彼は一人の
ゲーマーに出会い、“己の本質”と真剣に向き合うことになる。
将来の進路を考え決めていく友人や
幼なじみ。
変わっていく周囲の人間関係の中で、彼の答えはどこにあるのか――。
――敢えて問いますが、君は、ゲームが好きですか
(連射王上巻オビより抜粋)
○登場人物
主人公。野球部ではショートでレギュラー入りを果たす実力を持つが、しかし“本気になりきれない”ことに悩む高校生。
学校で禁止されているがこっそりゲーセンに出入りしている。
コウの同級生。新聞部所属。
実家はラーメン屋で、出前や接客などをよく手伝う。
が、実は幼い時コウに言われた一言から、ある夢への道もコウ等に黙って練習していた(それをコウに見られて不審がられたり)。
ゲームはあまり理解できない口で、それを知るコウが
ゲームにはまった事を隠し騙したことで亀裂が生じてしまう。
野球部でピッチャーを張る野球バカ。
後半である事故からゲーセン通いも学校にバレてしまったコウの停学中に、「告白したらフられた」と相手の状況無視して愚痴電話を入れるほどマイペース。
プロ入りを目標としている。
コウからは“フリーター”とあだ名されていた
ゲーマー。どのジャンルの
ゲームもワンコイン・クリア可能な実力を持ち、特にシューティングゲームを愛している。
時には鉄拳制裁も辞さないほどの
ゲーム愛好家。『同時2Pが出来る
ゲームは2P側の機体が有利』などの深い知識を持つ。
彼のノーコンティニュー・ワンコインクリアを高村コウが目撃したことで、この物語は動き出す。
またコウに対し「初めてトライするゲームをワンコインでクリアする」、「ファーストプレイ・ワンコインクリア」という可能性を提示した。
昔ゲームプレイ中むきになって邪道技である“擦り連射”を使った挙げ句
台パンしたところを竹さんに思い切りぶん殴られてからの竹さんの知り合い。
ヤのつく自由業……?
「組とかっていわねぇんだよ。会社っつーの」
コウがよくいくゲーセンの店長で竹さんの長年の知人。上記2人と同じく
ゲーム好き。
竹さんの恋人で塾講師。
竹さんとは高校時代からの付き合いであり、彼の
ゲーム好きを誰よりも理解している。
川上作品に必ずでる“相手の全てを理解し受け入れる”いい女。
ちなみにパズルゲーが得意。
高村が初めて竹さんに会った時、竹さんがワンコインクリアした縦スクロールシューティングゲーム。
赤色の自機を操り、ショットとボンバー、パワーアップアイテムを駆使し、空を、そして宇宙を駆ける硬派なスタイル。
実はクリアしてもエンディングがかなりビターだったり(但し時代設定が古めなせいか、ストーリー説明は字幕なしデモのみ)。
また後半では次世代ゲーム機に移植されオープニングデモ等が追加された完全版『大連射sp』も登場している。
なおタイトルの『連射王』とは学生時代竹さんがプレイした本
ゲームの前身のこと。
後に作者が同名
同人誌と『ファン学!! 東京大空洞スクールライフRTA』3巻収録短編で詳細な設定を発表しており(主人公機の愛称『熱風』等)、『ファン学!!』の方では時の果て、新しい世界でダンジョンから発掘された過去のゲームの一つとして登場した。
大連射の後継作品。前作の
ビターエンドからそのまま続き、新たな主人公が先代の愛機を受け継ぎ空を駆ける。
…が、「硬派なSTG」がウケなくなっていく時代ゆえか、発売直前に開発会社が倒産し、本作と大連射家庭版が最期のソフトとなってしまった。
竹さん、そしてコウは大連射経験を活かし、この
ゲームでファーストプレイ・ワンコインクリアに挑むことになる。
巻末のリアルSTG年表及び最終章の題から推測すると、開発会社の経緯は
東亜プラン(1994年倒産、ケイブの前身)か?
ゲームの本質はシューティングゲームにあると思う方々から追記・修正お願いします。
- 2022/1/25よりカクヨムで連載開始 -- 名無しさん (2022-02-13 16:57:21)
- やはり大連射の開発元は英語が怪しいのであろうか。 -- ALL YOUR BASE ARE BELONG TO US (2022-02-13 18:28:43)
最終更新:2025年06月25日 08:21