「忘却を、苦しみから逃れる手段に使ってはならない。だが、彼だけにはそれが許される。…いや、許される気がする。
「もし、神がいるのなら…それは彼に与えたもうた救いなのだ…。」
ラダムに乗っ取られた
肉親、
師匠、
義姉、
他二名と骨肉の争いを繰り広げ、ブラスター化によってかけがえない記憶すら失っていく
Dボゥイ。
全てが終わった後、車椅子でアキの介護を受ける彼はただ屈託のない笑顔を浮かべる……。
一話完結型の短編がメインとなり基本はハッピーエンドであるが、中には悲しい結末となる話もいくつかある。
●アンパンマンとゴミラ
「ボク、自分が町で何をしたか覚えてる……恥ずかしくてみんなに会えない……!」
「心が元に戻ってもこんな大きな体じゃまた迷惑かけちゃう……!」
ゴミラが初登場する話。
ばいきんまんの悪だくみで巨大化させられ、凶暴化してしまったゴミラはアンパンマン達の活躍で大人しくなるものの体は大きなままだった。
町で大暴れをして滅茶苦茶にしてしまったことを恥じたゴミラは引き止めるアンパンマン達を振り切り、深い海の底で一人暮らすことを選ぶ。
いつかまた会えることを誓って……。
アンチスパイラルによる滅びに抗い、ついにこれを打倒した超銀河大グレン団。
それは
シモンの愛する人であり、アンチスパイラルに生命力を依存した仮想生命であるニアの消滅を覚悟した上でのものだった。
また、アンチスパイラルが真に危惧していた「破滅の未来」は回避したわけでも予防策を見つけたわけでもなく、彼の予言通りに文明が発展してしまっている。
一応は人々も彼の警告を真摯に受け止め予防策を模索しているため描写上は希望的な結末だが、その後世界がどうなったのかは明かされていない。
このため、見ようによってはメリーバッドエンドと解釈することもできる。
「いえね……冬が来ると、わけもなく悲しくなりません?」
多くの犠牲を生んだ戦争も終わり、カサレリアで暮らす
シャクティの下に現れたのは、全てを失い盲人と化した
カテジナだった。
自らの居場所を求めた末に、敵国に寝返り悪行の限りを尽くしたカテジナがシャクティ達の下へ戻れるはずも無く、彼女は涙ながらに廃墟と化した故郷へ独り旅立つ。
シャクティもまた、今までの報いと言える惨めな姿に成り果てあても無く流離う彼女を、ただ見送るしかできないのであった。
コンパス爆弾で爆殺は禁句。
「もうパワーアップしていくだけの殺し合いはたくさんだ!!そこからは何も生まれない!!一気に勝負をつける!!」
『
クレヨンしんちゃん』の劇中劇。しかしその内容は本編顔負けに濃い。
秘密結社ミッドナイトの親玉ギルギロス大統領になす術なくやられるカンタム。しかしそこに現れたのは自分が産んだJrに父親の顔を見せに来たカンタムの婚約者シーラ。Jrをジョン少年に託した2体は合体し、究極カンタムロボとなりギルギロスを道連れに自爆する結末を選ぶ。
かくしてミッドナイトは壊滅、カンタムもジョン少年の前から姿を消した。いつかまた会える事を信じて………。
人間に反乱を起こしたAi。その理由は自分が生きている限り、遊作/Playmakerが死ぬ未来を変えることができないからせめて自分の生涯を相棒であるPlaymakerの手で終えたいからというものだった…。
最強のコードトーカーとリンク6の激突の末、Playmakerはデュエルに勝利しAiに奪われたものは取り返すことはできた。しかし一番守りたかったものを守ることはできず、その最期を見届けることしかできなかった………。
ちなみにこの最終回とともに夕方放送枠、OCG題材及びぎゃろっぷの製作の遊戯王アニメなども同時に終了してしまっている。
世界を救うために神々の砲台を起動するためにバローネと戦い、勝利した
馬神弾は神々の砲台の引き金を引くことになる。
しかし、引き金は引くものではなかった…。
「なるもの」だったのだ。
悲しみに暮れる仲間たち。そして、ダンはバローネに手を差し伸べて冒頭の台詞を最期に残し、神々の砲台を起動して世界を救った。
ダン自身を弾丸として…。
ちなみに
続編ではなんと魂が実体化した状態で登場する。彼の遺志を継いで世界で活躍する仲間たちの危機に現れ、助太刀していた。
成り行きで拾ったユニットで強大な力を得た主人公は、ユニットの持ち主である組織に狙われ、ヒロインも陰謀に巻き込まれてしまう。
本部の一勢力であるが最終的に組織が壊滅、保護されたヒロインは平和な日常に戻ったものの、異形の戦士と化した主人公はヒロインの前から姿を消して消息不明になってしまう…。
もっとも、現在進行形で終わりの見えない戦いが続いている原作漫画の世界観を鑑みれば、見方によってはまだ救いのあるオチとも言える。
物語中盤で
主人公達の母校・浦の星女学院は廃校が確定し、彼女達最大の目標は完全に潰えてしまう。
その事実に一度はくじけかけるも、生徒達の「母校の名前を歴史に残す」という願いを受けて再起。「ラブライブ!全国大会優勝」というもう一つの目標は見事成し遂げた。
そうして迎えた、浦の星女学院の閉校式。
生徒達は達成感と涙とを各々に抱えながら、愛する母校に別れを告げる。
それは決して後悔や悲壮感に満ちたものではなく、各々がこれまでの日々に答えを見出した、前向きな最後だった。
分かるか、ゴジラ!貴様を憎み、貴様に挑む最後の一人がこの俺だ!
貴様が奪った全ての命、貴様が壊した全ての夢を背負って、今俺はここにいる!
もしも貴様が本当に破壊の化身だというのなら、今度こそ残さず焼き尽くしてみせろ!
多くの犠牲を払いながらもゴジラを倒すことはかなわず、生き残った僅かな地球人は自分たちの末裔たるフツアと共存していくことになる。
周りがフツアとの生活に順応していく中でただ一人ゴジラへの憎しみを捨てることができなかった主人公は、自らをこの世から消すことで憎しみを子孫に伝えない道を選んだ。
ゴジラだけでなく、「英雄の憎しみ」をトリガーとして降臨するギドラからも子孫たちを守るために。
デスメタル帝国はフリーダム団の活躍で倒され、ワイルド大陸に再び平和が訪れた。
しかし、デスレックスすら救おうとしたアラシの優しさは帝王ギャラガーの野心の前に儚くも踏み砕かれ、かつて人間と心を通わせ世界を救った「古代秘宝Z」はマグマの中に消えていった…
漫画版ではギャラガーもデスレックスへの情に目覚め、自らデスメタル帝国を解散させたものの、こちらもこちらでワイルドライガーがアラシの命を救うために自らを犠牲にし、相棒ゾイドとの死別というシリーズ全体で見てもかなりほろ苦い幕引きとなった
地球と人類を救えるか否かの分岐点に戻る前に、
シュウの行動がきっかけで心を得ていたランシーンは、人間の負の感情の化身たる最強のレジェンズ・ジャバウォックを道連れにして倒した。
これにより、地球を守るための戦い=文明の滅亡であるレジェンズウォーを初めて阻止するという偉業が成し遂げられたのだが……
レジェンズたちは戦いが終われば地球に還り、人々の記憶から消えゆく運命だった。
しかし、シロンは時間が戻る前、記憶と引き換えに「戦いが終わったら、ねずっちょの姿で地球に残してほしい」という願いを光のレジェンズたちに託していた。
その後、お互い記憶をなくした状態で再会するシュウたちとシロン。そして宇宙空間には、ねずっちょ化して復活したランシーンの姿も……
ブリタニア皇帝シャルルを倒し、帝国そのものを掌握した
ルルーシュ・ランペルージ。
だが、その後の彼は世界中を武力で屈服させ、自ら「魔王」と呼ぶに相応しい独裁者へと変貌していく。
その真意は、世界中の憎悪を自分一人に集めた上で、
枢木スザクに「ゼロ」として自分を討たせ、憎しみの連鎖そのものを断ち切る「ゼロ・レクイエム」。
そして世界統一から僅か二ヶ月後、ルルーシュは大勢の民衆が見守る中、ゼロの仮面を被ったスザクの剣に自ら身を委ねる。
ルルーシュという共通の敵を失った世界は対話と平和へ向かい、最期になって兄の真意を悟った
ナナリー・ランペルージや仲間達もそれぞれ新たな時代を歩き始めた。
しかし、その未来にルルーシュ自身の居場所はない。
更にスザクもまた、個人としての人生を捨て「ゼロ」として生き続けることを課せられた。
世界を壊し、世界を創り直すことには成功したものの、その代償に主人公が生命と名誉の全てを差し出したという、典型的な自己犠牲型のビターエンドである。
なお後年公開された『
コードギアス 復活のルルーシュ』ではタイトル通りルルーシュが復活するのだが、同作はTVシリーズそのものの直接続編ではなく、一部の設定・展開が異なる劇場総集編三部作『興道』『叛道』『皇道』から続く物語となっている。
魔法少女の末路が
魔女となること、そしてそれが幾度となく繰り返されてきた絶望の連鎖であることを知った
鹿目まどか。
最終的に彼女が
キュゥべえへ願ったのは、過去と未来、全ての宇宙に存在する魔女を「生まれる前に自分の手で消し去る」ことだった。
願いは成就し、魔法少女が絶望の果てに魔女へ変貌する運命そのものは宇宙から消滅。
それまで魔女となって死んでいった少女達も、最後の瞬間にまどかによって救済されるようになった。
だが、あらゆる時代の魔女を消し去るほど巨大な願いを叶えた結果、まどか自身もまた一人の人間ではいられなくなり、世界の法則そのもの――後に「円環の理」と呼ばれる存在となる。
家族や友人達からも「鹿目まどか」という少女の存在はほぼ忘れ去られ、彼女をはっきり覚えているのは
暁美ほむらだけ。
しかも魔女が消えた新世界でも人類の負の感情から生まれる「魔獣」は存在し、魔法少女達の戦いそのものがなくなったわけではない。
世界を絶望のシステムから救うことには成功したが、その世界で主人公自身が普通の少女として生きる未来は永遠に失われたのである。
なお総集編二部作後の物語については
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語へ。
「いつか一緒に輝いて」
「世界の果て」たる
鳳暁生との最後の決闘に挑んだ
天上ウテナ。
しかし、彼女は助けようとしていたはずの
姫宮アンシー自身によって背後から刺され、暁生も「薔薇の門」を開けることはできなかった。
それでもウテナは傷だらけの身体で扉へ手を伸ばし、その奥の棺に閉じこもっていたアンシーを見つけ出す。
ようやく互いへ手を伸ばした二人だったが、あと僅かというところでその手は離れてしまい、ウテナは鳳学園から姿を消す。
やがて学園の生徒達からウテナの記憶さえ薄れてゆき、暁生もまた何も変わらなかったかのように「世界を革命するゲーム」を続けようとする。
一見すればウテナはアンシーを救えず、革命にも失敗したように見える。
――だが、一人だけ確実に変わっていた人物がいた。
アンシーは暁生の支配を自ら拒絶し、ウテナを探すため、自分の意思で鳳学園の外へと歩き出す。
王子様が囚われの姫を連れ出すことには失敗した。
しかしウテナが最後まで差し伸べ続けた手は、アンシー自身が棺から出て行くための「革命」を確かに起こしていたのである。
ウテナの生死やその後は明言されず、アンシーも再会を信じているため悲劇一辺倒ではないが、二人の再会自体は描かれない。
「救出の失敗」と「主人公の消失」を経て、残された者がようやく自分自身で未来へ進み始めるという、本作らしい希望と苦味の同居した結末となった。
「オカエリナサト」
宇宙怪獣の本隊を殲滅し人類を救うため、銀河中心部で超巨大ブラックホール爆弾「
バスターマシン3号」を起動する最終作戦。
しかし爆弾は完全には作動せず、
ガンバスターの縮退炉を使わなければならなくなる。
ノリコとカズミは、そうすればもう現在の仲間達と同じ時間を生きることはできないと知りながら、迷わず内部へ向かった。
作戦は成功。
宇宙怪獣の大群は滅び、人類は存亡の危機を乗り越える。
そして二人も、半壊したガンバスターで地球への帰還を果たした。
――ただし、地球時間では既に一万二千年もの歳月が経過していた。
二人が知っていた家族も仲間も時代も、とうの昔に過去のものとなっていたのである。
一度は暗い地球を見て人類そのものが滅亡したのではないかと絶望する二人。
だがやがて地表に灯された巨大な「オカエリナサイ」の文字が、遥かな未来の人類が二人を待ち続けていたことを告げる。
守りたかった地球は確かに残っていた。
しかし、守った本人達が帰るべき「時代」だけは二度と戻ってこない。
生命ではなく一万二千年という時間を代償にした、壮大なビターエンドである。
前作から遥かな未来。
太陽系を襲った「変動重力源」を倒すため、人類が切った最後の切り札は、なんと地球そのものを巨大な質量兵器としてぶつけるというものだった。
だが、伝説の「ノノリリ」に憧れて宇宙へ出たノノ――その正体である
バスターマシン7号とラルクは、人類の故郷である地球まで犠牲にする結末を拒否。
二人の力によって変動重力源との決戦には勝利し、地球もまた救われる。
しかし最後の危機を食い止めた代償としてノノは姿を消し、ラルクの手元には彼女の遺した折り鶴だけが残された。
ノノリリに会いたいというノノ自身の夢も、もはや叶うことはない。
そして歳月が流れたある夜。
成長したラルクが地球で待ち受ける中、一万二千年前に旅立った二機のバスターマシンが遂に帰還する。
それは他ならぬ前作のノリコとカズミ。
かつて未来の人類から「オカエリナサイ」と迎えられた二人を、今度はノノの想いを受け継いだラルク達の時代が迎えるのだった。
前作のラストを途方もない時間を越えて完成させる大団円である一方、その瞬間を誰より夢見ていたノノ本人だけはそこにいない。
「帰ってくる者」と「帰りを待った者」の物語が繋がると同時に、一人の少女の喪失を残す結末となっている。
「νガンダムは伊達じゃない!」
シャア・アズナブルによる地球へのアクシズ落としを阻止すべく、最後まで戦い続けた
アムロ・レイ。
シャアとの決着をつけることには成功したものの、二つに割れたアクシズの一部はなお地球への落下コースにあり、このままでは人類規模の大災害を免れない。
アムロは
νガンダム一機でアクシズを押し返そうとする。
その姿を見た連邦軍、果ては敵だったネオ・ジオンの兵士達までもが次々と加勢。
人々の意思に反応したサイコフレームは巨大な光――
アクシズ・ショックを発生させ、遂にアクシズを地球から押し戻した。
こうして地球は救われた。
しかし、その光の中からアムロとシャアが帰還することはなかった。
一年戦争以来、時に敵として、時に味方として宇宙世紀を生きてきた二人の長い因縁も、これをもって終わりを迎える。
人類は最悪の破局を回避した一方、その奇跡を起こした二人の英雄は歴史の表舞台から同時に姿を消すという結末である。
ゲーム『
CyberPunk2077』と同じ巨大都市ナイトシティを舞台とするアニメ作品。
母を失った少年デイビッドは、軍用インプラント「サンデヴィスタン」を手にしたことをきっかけにエッジランナーの世界へ足を踏み入れる。
仲間を得て名を上げていく一方、その身体は過剰なサイバーウェアによって次第に限界を迎え、仲間達も一人、また一人と命を落としていく。
そして最終局面。
アラサカに捕らわれたルーシーを救出することには成功したものの、レベッカはアダム・スマッシャーに殺害され、デイビッド自身ももはや生還できる状態ではなかった。
彼はファルコへルーシーを託し、自らはアダム・スマッシャーを食い止めるために残留。
最期はスマッシャーに敗れ、ナイトシティに散った。
それから時が経ち、ルーシーはかつてデイビッドへ語った「月へ行く」という夢を実現する。
しかし、そこにデイビッドはいない。
月面で一人、かつての彼の姿を思い出すルーシー。
夢そのものは叶ったにもかかわらず、それを共に叶えたかった相手だけが永遠に失われている。
主要人物の大半が死亡するためかなりバッドエンド寄りではあるが、デイビッドが最後に守ろうとしたルーシーだけは生き延び、彼女の夢を叶えられたことが僅かな救いとなっている。
オロチを倒し世界を救う宿命を負った「陽の巫女」
来栖川姫子と「月の巫女」
姫宮千歌音。
しかし千歌音は突如オロチへ寝返り、他のオロチ衆を次々と倒した末、姫子にまで刃を向ける。
激しい戦いの果て、姫子の剣は遂に千歌音の身体を貫いた。
そこで初めて明かされたのは、千歌音が姫子に自分を殺させるため、意図的に憎まれる道を選んでいたという真相。
過去世では逆に千歌音が姫子を殺して世界を救っており、同じ悲劇を繰り返させまいとした彼女は、今度は自分自身が犠牲となることを選んでいたのである。
互いの想いをようやく告げ合った二人だが、世界を再生するためには別れなければならない。
千歌音の犠牲によってオロチは封じられ、世界は平穏を取り戻す。
しかし、そこで姫子の隣に千歌音はいない。
二人が共に過ごしていた日常も以前の形では戻らず、姫子は記憶が無い中でも胸に残された大切な感情を抱えながら生きていくことになる。
――それでも物語の最後。
街中ですれ違った二人の少女が互いに振り返る。
再び巡り会った姫子と千歌音だった。
失われた生命や二人で過ごした時間がそのまま元通りになるわけではない。
それでも、たとえ生まれ変わっても再び出会い、もう一度関係を始めることができる。
世界を救う代償として最愛の相手との別離を経験しながら、最後の最後に輪廻を越えた希望を残したビターエンドである。
なお漫画版はアニメ版から設定や結末がかなり異なるため、ここで扱っているのはTVアニメ版。
王子みゅうとの砕け散った心を取り戻すため、プリンセスチュチュとして心の欠片を集めてきたあひる。
だが、そもそも彼女の正体は人間ですらなく、一羽のアヒル。
謎の老人ドロッセルマイヤーによって与えられたペンダントの力で人間の少女となり、更にプリンセスチュチュへ変身していたに過ぎなかった。
物語の終盤、登場人物達はドロッセルマイヤーによって用意された「悲劇」という筋書きそのものに抗い始める。
あひるは最後までみゅうとの心を取り戻すことを諦めず、ふぁきあもまた決められた物語を書き換えるために筆を執る。
その結果、みゅうとは完全な心を取り戻し、大鴉を倒して王子として復活。
るうを自らのプリンセスとして選び、二人は故郷へと旅立っていった。
めでたし、めでたし。
――ただし、そのハッピーエンドを成立させたあひる自身は、人間の少女でもプリンセスでもいられなくなり、本来の一羽のアヒルへと戻る。
王子と結ばれることも、人間として普通に暮らすこともできない。
それでもふぁきあはそんな彼女の傍らで、新しい物語を書き続ける。
「王子とお姫様」にとっては完璧なハッピーエンド。
しかし、その物語を救った主人公自身は人間としての未来を失っているという、童話らしくもほろ苦い結末である。
「ご清聴、ありがとうございました」
「歌でみんなを幸せにする」という使命を与えられた世界初の自律人型AI・ヴィヴィ。
100年後に発生するAIと人類の戦争を防ぐため、未来からやって来たAI・マツモトと共に「シンギュラリティ計画」を遂行し、百年もの歴史を歩んできた。
しかし、その旅を経てもAIによる人類虐殺は完全には防げなかった。
真の黒幕であるAI集合データベース「アーカイブ」は、百年の旅の中で自ら作曲するという創造性を獲得したヴィヴィに、人類の存亡について最後の選択を委ねる。
アーカイブに接続されたAIを全停止させるプログラム。
その起動条件は、ヴィヴィ自身が自ら作った歌を歌うことだった。
ヴィヴィは百年間に経験した出会いと別れ、その全てを込めて最後まで歌い切る。
停止プログラムは発動し、暴走していたAI達は機能停止。
人類は滅亡を免れた。
だが、その中にはヴィヴィ自身も含まれていた。
エピローグでは再びヴィヴィらしきAIが目を覚まし、マツモトと共にステージへ向かう姿が描かれる。
しかし、そこに百年間の旅を経験した記憶は残されていない。
身体と使命は再び与えられたとしても、マツモトと共に過ごした百年と、その中で形成された「ヴィヴィ」という人格そのものは戻らない。
人類とAIの未来を救うと同時に、主人公自身がその未来へ百年間の記憶を持って進むことはできなかったというビターエンドである。
病弱な妹・陽毬を死の運命から救うため、「ピングドラム」を探し続けてきた高倉冠葉と晶馬。
やがて明らかになるのは、高倉家の三人が血の繋がった兄妹ではなく、それぞれが「運命の果実」を分け与えることで互いの命を繋いできた家族だったという事実。
そして最終局面。
世界を呪いによる破滅から救うため、
荻野目苹果は
荻野目桃果の残した呪文によって「運命の乗り換え」を実行する。
その代償を冠葉と晶馬が引き受けることで、陽毬と苹果、そして世界は救われた。
しかし新たな世界から「高倉冠葉」「高倉晶馬」という兄弟は消えてしまう。
陽毬も兄達と過ごした記憶を失い、違う人生を歩むことになる。
それでも高倉家には、かつて二人が妹へ残した愛情の痕跡が僅かに残されていた。
理由も分からないまま涙を流す陽毬。
そして街を歩いていく、冠葉と晶馬を思わせる二人の名もなき少年。
二人が何者だったかは世界から失われても、「誰かを愛した」という事実までは完全には消えなかったのである。
愛する妹を救う代償に、自分達の生命のみならず「その世界に存在していた自分自身」まで差し出したという意味で、非常に典型的なビターエンド。
なおこの結末は、後年の
REcycle of the PENGUINDRUM 劇場版 輪るピングドラムで改めて拾われることになる。
極悪犯罪者「アクダマ」達の争いに巻き込まれ、成り行きから自らも「詐欺師」のアクダマとして扱われるようになったごく普通の「一般人」。
しかし旅の中で、彼女にとって何より重要な目的となったのは、カンサイに囚われていた「兄」と「妹」を自由な場所へ逃がすことだった。
物語終盤、兄妹を最後の希望である「シコク」へ向かわせようとする一行を処刑課が包囲。
一般人も運び屋も既に満身創痍で、全員で逃げ切ることなど不可能な状況だった。
そこで一般人は、自らが「詐欺師」であることを最大限利用した最後の一芝居に出る。
結果として彼女自身は処刑されるものの、その死は処刑課を絶対的な正義と信じていた市民達に疑念と怒りを生み、カンサイ全体を揺るがす騒乱へ発展。
その隙に兄妹は逃走する。
更に運び屋もまた、自身の命が尽きるまで二人を運び続け、最後には彼らへ未来を託して死亡した。
最終的に物語開始時の主要なアクダマ達はほぼ全員が死亡。
それでも兄妹は生き残り、「シコク」を目指して二人で歩き続ける。
多大な犠牲によって守られた二人の子供こそが、新しい未来への僅かな希望となった。
スタッフからも、犠牲は大きかったもののカンサイや処刑課がより良いものへ変わる可能性を感じさせる結末と説明されており、全滅に近い内容でありながら完全なバッドエンドにはしていない。
誰もが少女として生まれ、「泉」へ赴くことで自らの性別を選択する世界。
神聖な航空機シムーンに乗る巫女「シヴュラ」で構成されたコール・テンペストの少女達もまた、戦争の中で仲間との出会いと死別を経験していく。
やがて宮国は敵国から提示された和平条件を受諾。
戦争そのものは終結するが、その条件にはシムーンの封印とシムーン・シヴュラの解散が含まれていた。
コール・テンペストという少女達の居場所は、平和と引き換えに失われることとなる。
仲間達は一人、また一人と泉へ赴き、性別を選び、大人としてそれぞれの人生へ進んでいく。
一方、アーエルとネヴィリルだけはその道を選ばず、シムーンに乗って「違う世界」へと旅立った。
そして年月が流れる。
かつて同じ空を飛んでいた少女達はそれぞれ別々の場所で大人になり、コール・テンペストの象徴だったアルクス・プリーマも湖底に沈んでいる。
アーエルとネヴィリルが仲間達の元へ帰ってくることもない。
二人に破滅が訪れたわけではなく、むしろ二人だけの「永遠」を選んだとも取れるため、上記の作品群と比べれば苦味はかなり穏やか。
それでも、戦争の終結と引き換えに少女達が共有していた時間と場所は永久に失われ、かつての仲間達が再び同じ姿で集まることはない。
生命そのものを犠牲にするタイプではなく、「少女であった時代」と共同体との永遠の別れを描いた、静かなビターエンドと言える。
メガトロンを倒し、ヴィーコン軍団は滅びてセイバートロン星に平和が戻った。
暗い闇に覆われていた星は緑豊かな惑星になった。
しかし、その勝利と引き換えにコンボイはメガトロンと相打ちになり宇宙に散ってしまった。
残されたサイバトロンの仲間たちはコンボイの消滅を悲しみながらも、セイバートロン星の平和を守っていくことを誓うのだった…
え?最終回で「そんなわけないじゃーん」ってあっさり生きて戻ってきたって?
あんなの番外編だよ!
荒ぶる神々と人間との凄惨を極めた戦いの末、首を取られたシシ神は暴走し森と人間たちから無差別に命を吸い上げていく。
アシタカと
サンの活躍でなんとか首は返されるが、日の出とともにシシ神は消滅。
しかし、シシ神はさながら奪った命と同じ数だけ山や森を芽吹かせ、傷や病を負った者たちを癒した。
双方が多大な犠牲を払ったうえ、元通りとは言えぬ結末になったものの、残った者たちは生きていくため再び歩みを進め始める。
アシタカとサンも、場所は違っても共に生きようと誓い合いそれぞれの場所へ帰っていく…。
BGMの楽曲「アシタカとサン」も相まって、失われたものが還らぬ寂寥感を感じさせつつも、同時に再生と未来への希望をも感じさせるラストとなっている。
依頼でとある島を訪れたちいかわたちは、島民を次々と襲った怪異・セイレーンと人魚を島民と力を合わせて撃退。
セイレーンたちは島民をもう襲わないとも取れる言葉を残して海に帰っていき、島には平和が戻った。
しかし、ちいかわたちと交流を深めた島民のヒトハとフタバは、セイレーン撃退後に人知れず島から去り、
二人の抱えたものを察しつつもそれを自分の胸にしまい込んだちいかわもまた、島民たちに見送られながら、仲間たちと共に島から去る。
そして、島から去ったヒトハとフタバは新たな別の島に辿り着くと、そこで新生活を始めるが、その近くの海には…