第二次世界大戦下のカサブランカ。かつての恋人イルザと再会したリックは彼女との愛を取り戻す機会を得るが、最後にはイルザを反ナチ運動の指導者である夫ラズロと共に脱出させることを選ぶ。
愛する女性と結ばれる未来を自ら手放す代わりに、彼女の安全とより大きな大義を守ったのである。
そしてリック自身も孤独な酒場の主人だった過去から一歩踏み出し、新しい友情と戦いへ向かう。
恋愛上は明確な別離でありながら、人間としては一つ上の地点へ到達するという、映画史でも屈指のビターエンド。
ローマで身分を隠して自由な一日を過ごしたアン王女と新聞記者ジョー。
互いに惹かれ合った二人だったが、王女には王族としての責務があり、ジョーも彼女との思い出をスクープとして売ることを拒む。
記者会見で再会した二人は公の場では他人として別れ、アンは宮殿へ、ジョーは一人で会場を去っていく。
二人の恋は叶わなかった。しかし、その一日は二人にとって決して失われない思い出となった。
それぞれ家庭を持つローラとアレックは偶然の出会いから互いに惹かれていくが、不倫関係へ踏み込むことなく別れる道を選択する。
愛情そのものが偽物だったからではない。むしろ本気で愛してしまったからこそ、互いの家庭を壊さないため永久に別れるのである。
誰も死なず、家庭も守られた。しかし二人が望んだ幸福だけは決して得られない。
「正しい選択」と「幸福な選択」が一致しないタイプの、静かなビターエンド。
親友ハリー・ライムの死の謎を追ってウィーンへ来たホリーだったが、実際にはハリーが生存しており、粗悪なペニシリンを横流しして多数の被害者を出していたことを知る。
ホリーは最後には旧友を警察へ売り、自らの手で彼を撃つことになる。
犯罪者を止めるという点では正しいことをしたものの、ハリーを愛していたアンナからは完全に拒絶される。
葬儀の後、ホリーの前をアンナが一瞥もせず歩き去る長いラストショットが、その勝利の空虚さを象徴している。
長年に及ぶ捜索の末、イーサンはコマンチ族にさらわれていた姪デビーを救い出す。
家族は再会し、彼が命懸けで続けてきた目的そのものは完全に達成された。
しかし、憎悪と暴力の世界を生き過ぎたイーサン自身は家庭の中へ入っていくことができない。
家族達が家の中へ戻っていく中、彼だけが戸口の外に残り、荒野へ去っていく。
「家族を家へ帰した男には、もはや帰る家がない」という西部劇史上屈指のビターエンド。
悪党リバティ・バランスを倒した英雄として名声を得たランス。
その名声を足掛かりに政治家として成功し、愛するハリーとも結婚する。
しかし実際にバランスを撃ったのは彼ではなく、トムだった。
トムは愛する女性までランスへ譲り、歴史から忘れ去られたまま死んでいく。
社会には立派な英雄伝説が残る一方、その伝説を成立させた本当の英雄だけは報われない。
日本軍の捕虜となった英国兵達が建設した鉄道橋。
ニコルソン大佐は捕虜としての誇りを示すため橋の完成へ執着するが、皮肉にもそれは敵軍への協力そのものになっていく。
最終的には連合軍工作隊の作戦によって橋は爆破されるものの、ニコルソンをはじめ多数が死亡。
軍事目標としては成功だが、そこへ至るまでの犠牲と狂気を前に、残された軍医はただ戦争そのものの「狂気」を嘆くしかなかった。
奴隷反乱を率いたスパルタカスはローマ軍に敗れ、磔刑に処される。
反乱そのものは潰され、本人も自由を手にすることはできなかった。
しかしヴァリニアと息子は自由を得てローマから脱出。
死にゆくスパルタカスは、自分の息子が自由な人間として生きていけることを知る。
自分自身は敗北しても、次の世代へ自由を残すことだけには成功した結末。
成功を夢見てニューヨークへ来たジョーと、病弱なホームレスのラッツォ。
互いに利用し合うところから始まった二人は、やがて本物の友人となる。
ジョーはラッツォの念願だったフロリダへ連れていくため全てを捨てるが、バスが目的地へ到着する前にラッツォは死亡。
ジョー自身には犯罪と売春から離れ、新しい人生を始める可能性が残る。
しかし、その未来を一緒に生きたかった相棒だけはもういない。
追跡隊から逃れボリビアまで渡ったブッチとサンダンス。
最後には軍隊に完全包囲され、二人とも既に負傷。
それでも冗談を交わしながら最後の突撃へ飛び出す。
彼らの姿は銃撃される直前で静止画となり、そのまま物語は終わる。
死そのものを直接見せず、滅びゆくアウトロー達の友情と最後の自由を永遠の一瞬として残した有名な幕切れ。
精神病院の管理体制へ反抗し、他の患者達に生きる気力を与えたマクマーフィー。
しかし彼自身はロボトミー手術によって人格を奪われてしまう。
その姿を見たチーフは彼を窒息死させ、かつてマクマーフィーが動かせなかった洗面台を持ち上げて窓を破り、病院から脱走する。
マクマーフィー本人は自由になれなかった。
だが彼が与えた自由への意志は他者を本当に自由にした。
ベトナム戦争によって人生を破壊された友人達。
マイケルは最後までニックを故郷へ連れ戻そうとするが、ロシアン・ルーレットに取り憑かれた彼を救えず、目の前で失う。
戦争から帰還した者達はニックの葬儀の後、食卓を囲む。
誰もかつての自分には戻れない。
それでも残された者達は互いの存在を確かめながら生きていくしかないという、戦争の傷をそのまま抱えた幕切れ。
奇形のため見世物として虐げられてきたジョン・メリックは、トリーヴス医師達との出会いを通じて人間としての尊厳と友情を得る。
最後には劇場へ招待され、大勢の観客から拍手まで受ける。
その夜、普段は窒息を避けるため座ったまま眠っていた彼は、普通の人間のように横になって眠ることを選択。
そして静かに死を迎える。
人生そのものは短く終わったが、最後には「怪物」ではなく一人の人間として扱われるという願いだけは叶った。
映画監督として成功したトトは、恩師アルフレードの訃報を受けて故郷へ戻る。
彼は夢を叶えた一方で、故郷や初恋の相手、そしてアルフレードと過ごした時間を取り戻すことはできない。
最後にアルフレードが遺した、かつて検閲で切り取られた映画のキスシーンだけを繋いだフィルムを観るトト。
失われた過去そのものは戻らない。
しかし、それを愛した記憶こそが現在の彼を作ったことを改めて知る。
型にはめられた学校教育の中で、生徒達に自分自身の人生を生きるよう教えたキーティング。
しかしニールの自殺をきっかけに学校側から責任を押しつけられ、彼は解雇される。
最後まで学校の体制そのものを変えることはできなかった。
それでも彼が去る時、生徒達は処罰を覚悟で机の上へ立ち、教えへの敬意を示す。
教師は学校を追われたが、彼が生徒達へ残したものまでは消せなかった。
人造人間エドワードとキムは互いに愛し合うものの、人間社会は彼を受け入れることができなかった。
キムはエドワードを守るため彼が死んだことにし、彼は屋敷へ戻って一人で生き続ける。
二人が再会することはない。
しかし老いたキムは、冬に雪が降るようになったのは今もエドワードが氷の彫刻を作っているからだと語る。
共に暮らすことはできなくとも、愛した事実だけは生涯残り続ける。
オスカー・シンドラーは財産のほぼ全てを費やし、1000人を超えるユダヤ人を強制収容所から救う。
戦争が終われば彼自身はナチ党員であるため逃亡しなければならない。
さらに、自分が車や指輪を売っていればもっと人を救えたのではないかと泣き崩れる。
救った命は確かに存在する。
しかしホロコースト全体の途方もない犠牲を前に、「救えた」という達成感だけでは到底終われない映画である。
AIDSを理由に法律事務所を解雇されたアンドリューは、差別を訴えて裁判を起こす。
裁判では遂に勝訴し、会社の差別行為が認められる。
しかし病状そのものは既に末期。
勝利から間もなく彼は家族や恋人に見守られて死亡する。
社会的正義を勝ち取ることには成功したが、その成果を本人が享受する時間は残されていなかった。
イングランド支配に反抗したウィリアム・ウォレスは捕らえられ、公開処刑される。
彼自身は自由なスコットランドを見ることなく死亡。
しかし彼の死は人々の抵抗心を消すどころか逆に燃え上がらせ、ロバート・ザ・ブルース達は再び戦いへ立ち上がる。
ウォレスは勝利を見ることはできなかったが、その死によって後世の勝利を生み出した。
沈没するタイタニックからローズを救うため、ジャックは最後まで彼女を励まし続けるが、自身は低体温症で死亡。
ローズはその約束通り生き延び、結婚し、子供を持ち、長い人生を送る。
ジャックとの恋そのものは数日間で終わった。
しかし彼との出会いによってローズは他人に決められていた人生から脱出し、本当に自分自身の人生を生きることができた。
多数の兵士を犠牲にしながらも、ミラー大尉達はライアンを生きて帰すという任務を成し遂げる。
しかし最終戦で部隊の多くが死亡し、ミラー自身も息を引き取る。
数十年後、老人となったライアンは彼の墓を訪れ、自分は彼らの犠牲に値する人生を送れただろうかと家族へ問いかける。
一人の命が救われたという明確な成功と、そのために支払われたあまりに多くの命が共存する結末。
強制収容所へ送られたグイドは、幼い息子ジョズエを恐怖から守るため「これは点数を競うゲームだ」と嘘をつき続ける。
最後には息子を隠したまま自身はドイツ兵に連行され、射殺される。
しかしジョズエは生き残り、解放後に母とも再会。
父親は帰ってこなかったが、命を懸けた「ゲーム」には本当に勝ったのである。
遺伝子によって人生を決定される社会で、劣等遺伝子とされたヴィンセントは他人の身分を借りて宇宙飛行士になる夢を追う。
そして遂にタイタン行き宇宙船へ搭乗。
一方、彼へ遺伝情報を提供していたジェロームは自ら命を絶つ。
ヴィンセントは夢を叶えたが、その成功を可能にしたもう一人の男は同じ未来へ進むことができなかった。
超自然的な力を持つ死刑囚ジョン・コーフィが無実であることを知った看守ポール。
逃亡させることも考えるが、コーフィ本人は人間の悪意に疲れ、生き続けることを望まなかった。
ポールは彼の希望を受け入れ、自ら死刑執行に加わる。
その後ポールは異常な長寿を与えられ、友人や家族が次々死んでいくのを見送ることになる。
コーフィを救えなかった罰なのか、それとも彼から与えられた奇跡なのかは最後まで分からない。
家族を殺した皇帝コモドゥスへの復讐とローマの改革を目指したマキシマス。
最後の決闘でコモドゥスを倒し、政治犯の釈放と元老院への権力返還を命じることには成功する。
しかし自身も致命傷を負って死亡。
死の直前、彼には亡き妻と息子が待つ世界が見える。
現世で失った家族のもとへようやく帰れるという救いを伴った自己犠牲型の結末。
指輪は滅び、サウロンは倒され、中つ国は救われた。
仲間達も故郷へ帰還し、一見すると完全な大団円。
しかし指輪に長く苦しめられたフロドだけは心身の傷から完全には回復できなかった。
最後にはホビット庄と仲間達に別れを告げ、西方の地へ旅立つ。
世界を救った英雄が、救った故郷ではもう以前のようには暮らせないという静かな代償が残る。
独裁政権下の残酷な現実から幻想世界へ逃げ込む少女オフェリア。
最後には幼い弟を守るためヴィダル大尉へ引き渡すことを拒否し、射殺される。
しかし反政府ゲリラはヴィダルを倒し、弟も救出。
さらに幻想世界ではオフェリアが王女として両親のもとへ帰還したようにも描かれる。
現実では少女の死という悲劇。
幻想が真実ならば救済という、二つの解釈の間に成立するビターエンド。
人類から子供が生まれなくなった世界。
奇跡的に妊娠したキーを「ヒューマン・プロジェクト」へ送り届けるためテオは戦い続ける。
最後には彼女と赤ん坊をボートまで連れていくことに成功するが、自身は撃たれた傷で死亡。
その直後、霧の中からヒューマン・プロジェクトの船が現れる。
人類の未来は救われるかもしれない。
しかし、それを未来へ繋いだ本人はその世界を見ることができない。
隣家の少年タオをギャングから守ろうとするウォルト。
銃撃戦では彼らを完全に倒せないと悟った彼は、あえて丸腰でギャングの前へ出て撃ち殺される。
多数の目撃者の前で殺人を犯させることでギャング達を逮捕へ追い込み、タオと家族を救ったのである。
自らは死亡したが、かつて人種差別意識を抱いていた男が最後には他民族の少年の未来のため命を差し出す。
東ドイツ国家保安省のヴィースラーは作家ドライマンを監視するうち、彼を密かに庇うようになる。
結果としてドライマンは逮捕を免れる一方、恋人クリスタは死亡。
ヴィースラー自身も裏切りを察知され、キャリアを失う。
ベルリンの壁崩壊後、真実を知ったドライマンは自作の小説を「HGW XX/7」に捧げる。
二人が直接抱き合って感謝を交わすことはない。
それでも書店で献辞を読んだヴィースラーは、その本が「自分のためのもの」だと知る。
ジョーカーの計画そのものは阻止され、ゴッサム市民も囚人達も大量殺人を拒む。
しかしレイチェルは死亡し、正義の象徴だったハービー・デントも復讐鬼トゥーフェイスへ転落。
その死後、バットマンはデントの罪を全て自分が被ることを選ぶ。
街は希望を維持した。
その代償として街を救った本人が犯罪者として追われることになる。
女優を夢見るミアとジャズクラブを持つことを夢見るセバスチャン。
互いに支え合った結果、数年後には二人とも夢を実現する。
しかし二人は既に別れており、ミアは別の男性と結婚していた。
再会した二人の脳裏に「もしあの時ずっと一緒にいたら」という理想の人生が描かれるが、それは実現しなかった可能性に過ぎない。
夢も恋も両方手に入るとは限らない。
互いを愛したからこそ相手を夢へ送り出し、その結果として別々の人生を歩むことになった結末。
異星人との意思疎通に成功し、人類規模の危機を回避した言語学者ルイーズ。
その過程で彼女は時間を直線ではなく全体として知覚する能力を獲得する。
そして、これからイアンと結ばれ娘を授かる一方、その娘を若くして失い、夫とも別れる未来を知る。
それでもルイーズは、その幸福も悲しみも含めた人生を自ら選択する。
悲劇を避けるのではなく、いつか失うと分かっていても愛する価値を肯定するという異色のビターエンド。
自分こそ特別な出生を持つ存在ではないかと信じていたKだったが、それが誤りだと判明。
それでも彼はデッカードを救出し、長く引き離されていた娘アナとの再会を実現させる。
そして自分は雪の降る階段で静かに倒れる。
「選ばれた者」ではなかった主人公が、自らの意思によって他者にとってかけがえのない行為を成し遂げる幕切れ。
老いと能力低下に苦しむローガンは、ミュータントの子供達を安全な場所へ逃がすため最後の戦いへ向かう。
子供達は脱出に成功するが、ローガン自身は致命傷を負う。
娘同然のローラに見守られながら死ぬ直前、彼は初めて家族の愛情を実感する。
ウルヴァリンとしての長い人生は終わった。
しかし彼が守った次世代のミュータント達は未来へ進んでいく。
ドイツ軍の罠を知らせるため前線を走り続けたスコフィールドとブレイク。
途中でブレイクは死亡するが、スコフィールドは一人で任務を続行し、攻撃中止命令を届けることに成功。
1600人の兵士は救われる。
しかし親友を失い、自らも満身創痍。
任務終了後、彼は一本の木の下に座り、家族の写真を眺める。
勝利の凱旋ではなく、ただ生き残った一人の兵士の疲労と喪失で物語は閉じる。
大量殺戮兵器を阻止し、マドレーヌと娘マチルドを救ったジェームズ・ボンド。
しかし自身はナノマシンに感染し、二人へ二度と触れられない身体となってしまう。
さらに基地から脱出する時間も失われ、最後にはミサイル攻撃を受け入れる。
世界と家族は救われた。
だが彼自身がその家族と暮らす未来だけは失われた。
後にマドレーヌが娘へ父親ジェームズ・ボンドの物語を語り始めることで、その人生だけは次世代へ残される。
ギイとジュヌヴィエーヴは愛し合っていたが、アルジェリア戦争への徴兵によって引き離される。
ジュヌヴィエーヴは彼の子を身ごもるものの、帰還を待ち続けられず別の男性と結婚。
ギイも別の女性と家庭を築く。
数年後、二人は偶然再会するが、既にそれぞれ別の人生がある。
互いに不幸になったわけではない。
むしろ双方とも家庭を得ているからこそ、「あの恋だけは戻らない」という現実が際立つ。
異国東京で孤独を抱えていたボブとシャーロット。
年齢も境遇も違う二人は短い時間だけ深く心を通わせる。
しかし最後にはそれぞれ元の人生へ戻らなければならない。
別れ際、ボブはシャーロットへ何かを囁き、二人は抱き合って別れる。
二人がその後どうなったかは描かれない。
恋愛として成就するよりも、「あの時だけ自分を理解してくれた人」との出会いそのものに価値を置いた別離の物語。
破局の苦しみから互いの記憶を消してしまったジョエルとクレメンタイン。
しかし記憶を失った後でも二人は再び出会い、惹かれ合う。
やがて過去の録音から、自分達が以前付き合っており、互いへ酷い不満を抱いていたことまで知ってしまう。
それでも二人は、また同じ失敗をする可能性を承知した上で関係を始めることを選ぶ。
幸福が保証されたハッピーエンドではない。
傷付く未来まで含めて愛することを選び直す、希望寄りのビターエンド。
長年互いを愛しながら社会的事情と恐怖によって共に暮らせなかったイニスとジャック。
やがてジャックは死亡。
イニスの手元には、かつて二人が着ていたシャツとブロークバック・マウンテンの絵葉書だけが残る。
最後にイニスはそれらを大切にしまい、ジャックへの思いを胸に生き続ける。
二人の願った生活は一度も実現しなかったが、その愛そのものまで否定されることはない。
画家マリアンヌと結婚を控えたエロイーズは短い時間の中で恋に落ちる。
しかし時代と身分の壁によって二人が共に生きることはできず、別れる。
その後マリアンヌは、美術作品や音楽の中にエロイーズとの記憶を何度も見出す。
最後にコンサート会場で遠く離れたエロイーズを見つけるが、声を掛けることはない。
再会ではなく、「互いを忘れなかった」という事実だけによって恋が永続する結末。
幼馴染だったノラとヘソンは長い年月を隔ててニューヨークで再会する。
互いに特別な感情を持っていることは明らかだが、ノラには既に愛する夫アーサーとの現在の生活がある。
二人は「別の人生なら結ばれていたかもしれない」という可能性を認めながら、現実では別れる。
ヘソンを乗せた車が去った後、ノラは初めて泣き、夫のもとへ戻る。
過去の可能性を悼むことと、現在の人生を愛することは両立するという、非常に静かなビターエンド。
少年エリオットと宇宙人E.T.は深い友情で結ばれるが、E.T.が生き続けるためには故郷へ帰らなければならない。
政府機関から逃れ、宇宙船との合流には成功。
しかしそれは同時に永遠の別れでもあった。
E.T.はエリオットの記憶の中には残り続けることを示し、故郷へ旅立つ。
「助けること」と「一緒にいること」が両立しないタイプの、子供向け映画としては意外にほろ苦い結末。
スカイネット誕生へ繋がる技術を破壊し、未来の核戦争を防いだサラ達。
しかし未来から来たT-800のCPUもまた、その技術の一部。
最後に彼は自分自身も溶鉱炉へ沈めなければならないと告げる。
ジョンは父親同然となった彼を止めようとするが、T-800は人間の涙の意味を理解したことを告げて消滅。
人類の未来を救うため、人間性を獲得した機械自身がその未来から退場する。
無人島で何年も生き抜き、奇跡的に文明社会へ帰還したチャック。
しかしその間に死亡したと思われていたため、恋人ケリーは別の男性と結婚し家庭を築いていた。
二人の愛情はまだ残っている。
それでもチャックは彼女の現在の家庭を壊さず、一人で去る。
生還という最大の奇跡を達成した男が、帰りたかった「元の人生」にだけは帰れない。
最後には新たな道を選べる可能性を示して終わる。
世界王者アポロ・クリードとのタイトル戦に挑んだ無名ボクサー、ロッキー。
判定では敗北し、世界王者になることはできなかった。
しかしロッキー本人が最初から望んでいたのは「最後までリングに立っていること」。
15ラウンドを戦い抜き、自分がただの三流ボクサーではないことを証明する。
試合結果よりもエイドリアンとの愛を確かめ合うことで終わるため、表面的な敗北と内面的勝利が反転したタイプのビター寄りハッピーエンド。
ペストが蔓延する世界で死神とチェスを続ける騎士アントニウス。
自分の人生に意味があったのかを問い続けた末、死そのものから逃れることはできない。
しかし死神の注意を引き付けることで、旅芸人ヨフとミア、その幼い子供を逃がす時間を作る。
騎士自身と仲間達は死神に連れ去られる。
それでも最後に一つ、別の家族の命を救えたことだけが彼の人生へ意味を残した。
騙され、財産を奪われ、最後には恋人だと思っていた男から殺されかけた娼婦カビリア。
文字通り全てを失った彼女は一人で夜道を歩く。
ところが若者達の音楽と笑顔に囲まれるうち、泣いていたカビリアの顔にも僅かな笑みが戻る。
状況そのものはほとんど何も解決していない。
それでも人間がもう一度生きようとする力だけは奪われなかったという、「精神的勝利」型のビターエンドである。
タイムリープに目覚めた主人公はヒロインや周囲の人が幸せになるルートを模索するのだが、やり直せばやり直すほどヒロインが悲惨な目に遭っていく。
最終的に彼が出した結論、それはヒロインと出会わない世界線に生きることであった……。
なお、劇場公開版のビターエンドならまだマシな方で、ディレクターズカット版のEDは自殺RTAである。
市役所の市民課長・渡辺勘治は、自分が胃癌で余命幾許もないことを知る。
それまで役所仕事に埋没して「生きているとは言えない」人生を送っていた彼だったが、最後に住民から提出されていた陳情を取り上げ、下水溜まりを児童公園へと変えるため奔走する。
公園は無事完成するが、その頃には渡辺も死亡。
葬儀の席で同僚達は彼の生き方に感銘を受け、自分達も変わろうと誓うのだが……結局しばらくすると元のお役所仕事へ逆戻りしてしまう。
それでも、渡辺が最後に作った公園だけは残り、そこで子供達が遊び続けている。
本人の命も組織そのものも救えなかったが、たった一つ「自分が生きた証」だけは確かに残すことができた。
野武士に襲われる農村を守るため集められた七人の侍。
激戦の末に野武士を全滅させ、村を救うことには成功した。
しかし七人のうち四人が死亡。
生き残った勘兵衛達が見るのは、自分達とは対照的に田植えへ戻り、いつもの生活を再開する百姓達だった。
勘兵衛は勝ったのは侍ではなく百姓達だったのだと悟る。
守るべきものは守った。
だが戦うことしかできない侍達には、農民達のように「勝利の後の生活」へ戻る場所はないのであった。
尾道から東京へ出てきた老夫婦を待っていたのは、成長してそれぞれの生活を持ち、両親に構っている余裕を失った子供達だった。
そんな中、最も親身になってくれたのは、戦死した次男の妻である紀子。
やがて母・とみが死去し、実の子供達が再び自分達の日常へ戻っていく一方、紀子はしばらく父・周吉のそばへ残る。
周吉はそんな紀子に、亡き息子に縛られず再婚して幸せになるよう勧める。
最後には紀子も東京へ戻り、周吉は一人になった家に残される。
誰が悪人だったわけでもない。
家族が互いを愛していても、時間と生活は少しずつ人を引き離していくという、非常に静かなビターエンド。
父と二人で暮らし、現在の生活に満足していた紀子。
しかし周囲は適齢期を迎えた彼女の将来を案じ、結婚を勧め続ける。
父・周吉も、自分も再婚するつもりだと嘘をついてまで娘の背中を押し、紀子はついに結婚することになる。
娘の未来は開けた。
だが結婚式を終えて帰宅した周吉を待っているのは、娘のいなくなった家。
一人で林檎の皮を剥いていた彼の手が止まり、静かにうなだれるところで物語は終わる。
娘を幸福な未来へ送り出したことと、父自身の幸福な日常が終わってしまったことが完全に表裏一体となっている。
人買いによって母親と引き離され、荘園で奴隷同然に酷使されることになった安寿と厨子王。
成長した二人は脱走を試みるが、安寿は厨子王を逃がすため自ら犠牲となる。
やがて身分を取り戻した厨子王は国守となり、権力を失うことも覚悟の上で荘園の奴隷達を解放。
その後、盲目となっていた母親とも遂に再会する。
しかし父親は既に死亡し、安寿も戻ってはこない。
母と息子は取り戻せた。
だが「家族全員が再び揃う」という幸福だけは永久に失われたままである。
戦乱の中で財産と出世を夢見た源十郎と藤兵衛。
二人は望んでいた富や侍の身分を一時は手にするが、その代償として妻達を苦境へ追いやることになる。
やがて全ての虚しさを知った源十郎は故郷へ帰り、妻の宮木と再会。
ようやく元の日々に戻れたかに思えたが、翌朝、宮木は既に殺されていたことが判明する。
前夜に彼を迎えてくれたのは妻の亡霊だったのだ。
最後には源十郎は息子と共に陶工として生き直し、宮木の声も彼を見守り続ける。
過ちを償い人生をやり直すことはできても、その代償そのものを帳消しにすることはできなかった。
瀬戸内海の小学校へ赴任した大石先生と、十二人の教え子達。
しかし昭和恐慌、軍国主義、そして戦争によって、それぞれの人生は次々と翻弄されていく。
戦争が終わった時、かつての十二人全員が再び揃うことはもうできなかった。
戦死した者もいれば、視力を失った者もいる。
それでも大石先生は再び教師となり、生き残った教え子達とも再会する。
かつて撮影した集合写真を前に、それぞれが失われた「二十四の瞳」を思い出す。
戦争によって失ったものは戻らない。
だが生き残った者達の生活と、次の子供達の人生は再び始まっていく。
終戦を迎えた日本軍部隊は捕虜となりながらも、やがて帰国できることになる。
しかし水島上等兵だけは、ビルマ各地に放置された膨大な日本兵の遺体を目の当たりにしてしまう。
彼は僧侶となり、日本へ帰ることを断念。
故郷を目前にしながら、自分だけはビルマへ残って戦死者達を弔い続ける道を選択する。
仲間達は彼を連れ帰ることができないまま、日本へ帰還。
水島もまた、生きて祖国へ戻るという兵士達最大の願いを自ら捨てることになる。
戦争は終わった。
だが死者を置き去りにしたまま「めでたしめでたし」と帰ることはできない、という戦後映画らしい苦い結末。
核実験によって蘇ったゴジラは東京を焼き尽くし、多数の犠牲者を出す。
最後の希望となったのは、芹沢博士が生み出した恐るべき兵器「オキシジェン・デストロイヤー」。
芹沢はその使用を決断し、海底でゴジラを消滅させる。
だが兵器が第二、第三の核兵器となることを恐れた彼は、自らも海底へ残り、その秘密ごと死亡する道を選ぶ。
ゴジラは倒された。
しかし東京は荒廃し、芹沢も失われ、山根博士は核実験が続けばまた別のゴジラが現れるかもしれないと危惧する。
怪獣を倒した「勝利」でありながら、核の脅威そのものは何一つ解決していない。
婚約者・藤井樹を山の事故で失い、その死を受け入れきれずにいた渡辺博子。
彼が昔住んでいた住所へ届くはずのない手紙を送ったところ、なぜか「藤井樹」を名乗る人物から返事が届く。
実は相手は、亡くなった樹と中学時代の同級生だった同姓同名の女性だった。
二人の文通によって、博子は知らなかった婚約者の少年時代を知り、女性の樹もまた、少年だった樹が自分に秘かな想いを抱いていたことを後になって知る。
博子はようやく死者への想いに区切りをつけることができた。
女性の樹も、図書カードの裏に残されていた自分の肖像によって、何年も前に失われた恋心を初めて知る。
どちらも過去を取り戻すことはできない。
それでも「知らないまま失われていた想い」が最後に届く物語。
幕末の下級武士・井口清兵衛は、妻を亡くし、二人の娘と老母を養うだけで精一杯の日々を送っていた。
そんな彼に幼馴染の朋江との再婚の可能性が生まれるが、藩命によって望まぬ決闘へ送り出される。
死闘の末に生還した清兵衛は朋江と結ばれ、ようやく穏やかな家庭を手に入れる。
……しかし幸福な生活が続いたのは僅か三年。
戊辰戦争へ出征した清兵衛は戦死してしまう。
それでも成長した娘は、父は決して不幸な人間ではなく、朋江と過ごした最後の三年間を幸福に生きたのだと回想する。
幸福が短かったことと、その幸福が本物だったことは別なのである。
残虐非道な明石藩主・松平斉韶を暗殺するため集められた十三人。
斉韶が幕府の中枢へ入れば、多くの人々が犠牲になる。
彼らは宿場町を丸ごと罠へ変え、圧倒的多数の敵を迎え撃つ。
壮絶な死闘の末、ついに斉韶を討ち取ることには成功。
これによって彼がさらなる権力を握る未来は阻止された。
しかしその代償として刺客達もほぼ全滅し、指揮した新左衛門も命を落とす。
任務としては完全な成功。
だからこそ、その成功に必要だった犠牲の大きさが際立つタイプのビターエンド。
妻・澪を亡くした巧と息子・佑司。
生前の澪は「一年後の雨の季節に戻ってくる」と言い残していたが、その言葉通り、梅雨の森に記憶を失った澪が現れる。
三人は束の間の家族生活を取り戻すものの、雨の季節の終わりと共に澪は再び消えてしまう。
しかし後に残された日記によって意外な事実が明らかとなる。
澪は、巧と結ばれれば若くして死ぬ運命まで知った上で、それでも彼と結婚し、佑司を産む未来を選んでいたのだ。
死という結末は変えられなかった。
それでも澪にとって、その短い人生そのものが選び直してでも欲しい幸福だった。
大学卒業後も将来を決めきれず、鬱屈した日々を送っていた芽衣子と種田。
種田は一度は音楽を諦めかけながらも再びバンドへ戻る決心をする。
ところが、その矢先に事故で突然死亡。
芽衣子は恋人も、二人で思い描いていた未来も失ってしまう。
それでも彼女は種田が遺したギターを手に取り、彼が作った曲「ソラニン」を自ら歌う。
種田の代わりになることはできない。
けれど彼が遺した歌と、自分自身の人生を抱えて前へ進むことはできる。
どら焼き屋で働くことになった老女・徳江。
彼女の作る粒あんによって店は繁盛し、人生に希望を失っていた店長・千太郎にも少しずつ変化が訪れる。
しかし徳江がかつてハンセン病を患っていたことが知られると、偏見から客足は遠のき、彼女も店を去ることになる。
その後、徳江は死亡。
千太郎がもう一度彼女に会うことはできなかった。
だが徳江が遺した言葉と道具、そして「あん」を作る時の心は彼の中に残る。
最後には千太郎自身が声を上げてどら焼きを売り始める。
徳江の人生を救うことはできなかったが、徳江は確かに一人の人間を救ったのである。
横山家では、十五年前に海で少年を助けて死亡した長男・純平の命日に家族が集まる。
しかし一家団欒の裏側には、父と次男・良多の確執、母の執着、互いに言えない不満や後悔がいくつも残っている。
劇的な和解が起こるわけではない。
良多は「今度してやろう」と思った親孝行を結局できないまま、やがて両親を亡くす。
そして数年後。
自分も家庭を持った良多は、かつて両親と行ったのと同じ墓参りを、今度は妻子と行っている。
失ってから初めて分かることは多い。
だからといって失った時間が戻るわけではない。
それでも人は、親から受け取ったものを次の世代へ渡しながら歩いていく。
高校を中退し、それぞれボクシングとヤクザの世界へ進んだシンジとマサル。
一時は成功への道を歩んでいるように見えた二人だったが、やがてどちらも挫折。
シンジはボクシングから脱落し、マサルもヤクザの世界から追い出される。
数年を費やした結果、二人の手元には何も残らなかったように見える。
しかし再会した二人は、かつてのように学校のグラウンドを自転車で走り回る。
「自分達はもう終わったのか」という問いに返ってくるのは、まだ何も始まってすらいない、という答え。
社会的には敗者。
だが人生そのものを敗北と決めるにはまだ早い、という希望が最後に残される。
夏休みに一人で暮らす少年・正男は、離れて暮らす母親に会うため旅に出る。
付き添うことになったのは、いい加減な中年男・菊次郎。
紆余曲折の末に母親の家へ辿り着くが、正男が目にしたのは、別の男性と新しい家庭を築き、子供と幸せそうに暮らす母親の姿だった。
正男は母に会うことなく引き返す。
目的だけ見れば完全な失敗である。
しかし菊次郎や旅先で出会った人々は、傷付いた正男のために楽しい夏休みを作ろうと奮闘する。
母親との再会は叶わなかった。
代わりに正男は、自分を気に掛けてくれる大人達がいることを知って家へ帰る。
北海道の小さな終着駅に勤め続けてきた佐藤乙松。
鉄道員として職務に忠実である一方、幼い娘と妻を相次いで亡くし、家庭人として過ごせた時間はあまりにも短かった。
廃線を目前にしたある日、彼の前へ不思議な少女達が次々と現れる。
やがて乙松は、彼女達が成長することのできなかった亡き娘・雪子の姿だったことを悟る。
娘は父に成長した姿を見せるため、一日だけ戻ってきたのだ。
翌朝、乙松は駅で職務を全うしたまま息を引き取る。
家族との人生を取り戻すことはできなかったが、最後の最後に父親として失われていた時間を僅かに取り戻した。
血の繋がらない者達が寄り集まり、万引きをしながら暮らしていた柴田家。
決して健全な家庭とは言えなかったが、虐待されていた少女・ゆりを迎え入れたことも含め、そこには確かに「家族」と呼べる感情が存在していた。
しかし犯罪が発覚したことで、その生活は崩壊。
信代は刑務所へ入り、祥太は施設へ、ゆりは実の家庭へ戻される。
再び全員で暮らす未来はない。
それでも祥太は、別れ際になって初めて治を父親として認めるような言葉を残す。
制度上は偽物だった家族が、離ればなれになった瞬間になって初めて、本物の家族だったことを証明してしまうという皮肉な結末。
妻・音を突然亡くした演出家・家福。
妻には自分の知らない秘密があり、しかも彼はその真意を確かめる機会を永遠に失ってしまった。
広島で『ワーニャ伯父さん』を演出することになった家福は、専属運転手の渡利みさきと出会う。
みさきもまた、災害で母を亡くしたことへの罪悪感を抱えていた。
二人は北海道まで旅し、それぞれ「救えなかった死者」と向き合う。
妻も母も戻らない。
真相が全て明らかになるわけでもない。
それでも二人は、自分達が生き残ったことを受け入れて生き続ける道を選ぶ。
後日、みさきが韓国で日常生活を送り、赤いサーブを運転する姿が描かれる。
悲しみから解放されるのではなく、悲しみと一緒に生きられるようになるタイプのビターエンド。
終電を逃したことをきっかけに知り合った麦と絹。
趣味も価値観も驚くほど一致していた二人は恋人となり、同棲を始める。
しかし社会人生活の中で少しずつ考え方は変化。
互いを嫌いになったわけでも、大きな裏切りがあったわけでもないのに、かつて成立していた関係を維持できなくなっていく。
最後には結婚して関係を続ける可能性まで考えながら、それでも二人は別れる道を選ぶ。
後年、それぞれ別の恋人を連れていた二人は偶然同じ店で再会する。
復縁はしない。
声を掛けることもない。
ただ互いに背を向けたまま手を振り、そのまま別々の方向へ歩いていく。
恋が終わったことと、その五年間が幸福だったことは何一つ矛盾しないのである。
バルゴンを琵琶湖へ沈めたガメラは再び飛び去って行き、人間の欲が引き金となった大事件は幕を下ろした。
自衛隊が勝利の余韻に浸る一方、小野寺の強欲によって唯一の肉親であった兄を失った圭介の顔に喜びはなかった。
しかし、カレンはそんな彼に寄り添い続けることを決めたのだった…。
宇宙人の攻撃が開始され、怪獣と侵略兵器が破壊の限りを尽くす。
怪獣はなんとか倒したが、エネルギーが回復していない状態では侵略兵器を破壊できない。
そんな状況の中、ファイヤーマンは自らの命と引き換えに地球を救う決意をした。
兵器とともに宇宙に飛んでいくファイヤーマン。
そして炎の勇者は、爆発の中に消えたのだった…
ジュン、俺は君の愛にまで背を向けて去って行かなければならない。
ムー帝国を滅ぼした
滝川剛/タイガーセブンであったが、自身の人工心臓の寿命はもう2日もなかった。
そして仲間に正体を明かすと、一礼してそのまま何処かへと姿を消すのだった……
帝王ゴッドネロスを倒した
メタルダーだったが、戦いの最中で超重力制御システムが破損したために、地球崩壊の危機に陥る。
超重力エネルギー装置を破壊することで防ぐことができるが、
それはメタルダーの人間態たる剣流星の死を意味する事であり…
当時の児童誌コミカライズでは
シナリオ自体はまったく同じながらも、「最後にもう一度舞と会話を交わし、ここからは超重力装置を修理できる人を探して、流星として帰ってくるのが僕のやるべきことなんだよ、と超人機として新しく見つけた目標を明言する」「古賀博士のことを再度思い起こし、空に見えた博士の幻へ原典同様に『僕は生まれてきてよかった』、そして『ぼくの思い出の全てが輝いているんです』と超人機として自分を作り完成させてくれたことへの最大限の礼を述べてフィナーレ」とビター性を薄めた内容になっている。
特に後者では古賀博士の幻が「メタルダーよ 君の青春は輝いているか?」と問いかける、つまりOP曲を最後の最後に実質的なメタルダーの独白として拾う粋な演出もあり、TV版も好きだがこちらの終わり方の方がもっと好き、というファンも多々見られる。
もともとMHは世界観を共有している作品同士の例が極めて少ないし、PROJECT R.E.D.は厳密にはMHシリーズではないとはいえ、高円寺博士とか大佐なら直せちゃうしメタルダーとしての学びにもなる気がする
地球上から酸素を消し去る酸素破壊爆弾で人類もろとも心中しようとしたネオショッカー大首領を倒すため、大首領を宇宙へと運ぶ8人ライダー。
大首領は倒したが、筑波をはじめとするライダーたちが戻ってくることはなかった…。
翌年の
仮面ライダースーパー1の劇場版で生存が判明するまで、昭和ライダーで唯一後味悪い終わり方となっていた。
また結局奴隷にされていた母を助け出すも、ネオショッカーの追っ手により殺害されてしまい続編での出来事を加味してもハッピーエンドとは言い切れない苦いラストである。
アンデッド全封印もバトルファイト阻止にも失敗し、人類をはじめ全ての生物が絶滅する最悪のエンドは回避できたが、戦いの末主人公・
剣崎一真は二度と
相川始に
会えない体となる…。
それより前に公開された
劇場版では別の道を辿った世界が描写されたが、新たな危機に対し始の方が
自己犠牲を果たすことに。
本編の後日談では、
自身の運命とどこかで戦い続ける話、
300年後を描いた小説版や
仮面ライダージオウ・
ブレイド編のように2人が救済される話がある。
もっとも、剣崎役の椿隆之氏は本編の結末について「彼なりのハッピーエンドだった」と語っており、ファンの間でも「大団円とは言い難いが、後日談で彼の選択が否定されるのはちょっと…」として、上記した後日談における救済については賛否両論である。
そうした声を踏まえてか、20周年記念ステージイベント『
仮面ライダー剣 20th Anniversary STAGE&TALK』で上演されたヒーローショーでは「一時的に仲間達と合流し共に戦った剣崎が、彼らに『必ず帰ってくる』と約束して再び旅立っていく」という、大団円とまでは言えないが確かな希望も感じさせる幕引きとなった。
(厳密にはこれより前にも、ひらかたパークのステージショーで「事態が大きくなりすぎたので、一時的に剣崎がブレイドとして戻ってきて他メンバーと共闘」が『剣』コラボ公演の定番だった例がある)
このまま静かに眠りたいって言うのが、コヨミの希望だから…
主人公・操真晴人が守りたかったヒロインは人間に戻りたかった怪物・グレムリンによって消され、力として取り込まれてしまう。
晴人はグレムリンを倒し、ヒロインの形見とも呼べる指輪をどこか遠い場所に眠らせるために旅に出るのだった。
本編終了後の後日談的なエピソードもいくつか存在し、それらは希望のあるエンディングとなっている。
何だかんだでハッピーエンド寄りに終わった『
仮面ライダー龍騎』の後日談的作品。
ミラーワールドのデスゲームの末に生き返った真司は現実世界に帰還し、死亡してしまった蓮との友情を胸に寂しく街の中へと歩いてどこかに去っていった。
そして、真司から力を託された次代の戦士が
仮面ライダーオーディンに挑む。
TV本編最終回にて、常磐ソウゴは未来が示す通りオーマジオウに覚醒。
その圧倒的な力でスウォルツを撃破し、大勢の犠牲を出した戦いを終わらせると、2068年のオーマジオウと相対する。
問答の中で魔王の力の本質を理解したソウゴは「歴史を一からやり直す」という選択を決意する。
そうして作り直された「新たな2018年」。
そこには未来から来たゲイツとツクヨミ、そしてかつて敵として立ちはだかったタイムジャッカー達が等しくソウゴの通う学校の仲間として平和に過ごす日常があった。
光景だけで見るなら紛れもなくハッピーではあるが、何分そこには「失われてしまったかけがえのない1年」があり、手放しに幸せなものとは言い切れないほろ苦さも感じさせる結末となっている(またそんな彼らもこの後に何度か闘いの歴史に関わっていくことになる点も複雑な感情を抱かせる)。
武装頭脳軍ボルトは壊滅し、最後の頭脳獣デンシヅノーもスーパーライブロボの手で撃破され、「ビアスによる全人類の支配」という最悪の結末は回避できた。
しかし、ライブマンが命懸けで救おうとした者達は1人を残して皆死んで行った。
そして、ヅノーベースの残骸の中に転がっていたガッシュの生首は、ボルトが生きた証を勝ち残ったライブマンに見せつけるように過去の戦いの記録映像を流しながら、地割れの中に消えていった…
ライブマンの5人のうち、
勇介は「百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊」、
丈は
海賊戦隊ゴーカイジャーにてゲスト出演しているが、どちらもこの時の出来事が未だに深い心の傷として残っている様が描かれている。
次元戦団バイラムは壊滅し、世界には平和が訪れた。
3年後、戦友の
竜と
香の結婚式に向かう
凱だったが、道中で偶然見かけて捕まえた引ったくり犯に刺され、重傷を負う。
それでも怪我を懸命に隠して教会に向かい、親友とかつて愛した女性の晴れ姿を見届けた凱は、後悔も死への恐怖も一言も口にせず、穏やかに目を閉じた……
本編中では凱の生死は明示されていなかったが、演者や脚本家は「死んだ」と明言しており、命を懸けて地球を守り抜いてきたヒーローが一般市民に殺されるという衝撃的な最終回はファンの間で語り草となった。
タイムレンジャーの活躍によって大消滅の被害は最低限に食い止められたが、それは
ユウリ、
アヤセ、
ドモンの3人が歴史改変によって一度は手にした「最良の未来」を自ら捨てることを意味していた。
特にアヤセはオシリス症候群治療の道を失い、明日の命も知れない身に逆戻りしてしまう。
しかし、それでも3人と
シオンは未来への不安など一言も口にせず、竜也に笑顔で別れを告げ31世紀に帰還した。
そして、1人現代に残された竜也もまた、平和になった世界で新たな人生をスタートさせるのだった。
自分達が命懸けで守り抜き、掴み取った明日が、きっと素晴らしいものであると信じて…
ドモンはその後『ゴーカイジャー』で再登場したが、31世紀の歴史と他のメンバーがどのような顛末を辿ったのかは(恐らく意図的に)ぼかされている。
メサイアは完全にシャットダウンされ、世界は救われたが、亜空間に囚われた人々はメサイアと共に消滅し、陣もまたメサイアを倒すためにその身を犠牲にした。
結局、ゴーバスターズがいちばん救おうとした人々は誰1人として救うことができなかった。
しかし、彼らに最後の力で背中を押されたゴーバスターズは、死んでいった人々の想いを胸に現実世界へと帰還し、それぞれの未来に向けて歩き始めるのだった。
ある意味では仮面ライダー剣の結末とは対極の位置にあり、高岡隆一の最期ですらソルブレインにとってすればバッドエンドである。
全次元のギャバンたちの活躍によりアザ・ゾルス傘下の
エモルギー犯罪者たちを倒し、コスモレイヤー全地球の崩壊の危機は食い止めた。
しかし、諸悪の根源のアザ・ゾルスは健在で、またアザ・ゾルスを信仰する者たちの暗躍もまだまだ続く。
さらに怜慈は仲間たちに無言で別れを告げ、傷ついたギャバリオントリガーを残し、宇宙の闇に消えてしまう。
そして物語は、『角醒ハンター オメガホーン』へと続いていく…
ラスボス・ゾディアックを倒したのも束の間、なおも作動を続ける地殻変動装置・ガイアネットを止めるために主人公・風間剛がその中へ飛び込み消息不明になる。
宇宙人「スカヴ」との戦争によって大きく傷ついた地球で、上空の宇宙ステーション「テット」に燃料を補給するプラントを守るため、パトロールとスカヴの残党狩りを担っていた主人公「ジャック・ハーパー/技術者49号」。
しかし、あることをきっかけに、「スカヴ」が実際は人類の生き残りで、「テット」こそが人類を滅亡寸前に追い込んだ侵略者であること、自分自身も「テット」が監視と点検のために造り出した数多のクローンの1人に過ぎないことを知る。
生き残りたちから託された爆弾と共に「テット」に向かう主人公と冬眠状態のヒロイン。だが、それはヒロインを連れてくるよう要求する「テット」を騙すための罠で、実際にはヒロインは地球に残っていた。主人公は「テット」とともに爆散する。
数年後、主人公との間にもうけた子供と共に暮らすヒロインのもとに、ある人物が訪れる。それは、かつて主人公やヒロインと遭遇し、真実にたどり着いたもう一人の「ジャック・ハーパー」——技術者52号だった。
「」
ハッピーエンドとビターエンドとの間で評価が分かれる作品。
「52号もジャック・ハーパーであることには変わりないからハッピーエンド」という意見もあれば、「主人公はあくまでも49号で、52号は見た目は同じでも全く別人格だからビターエンド」という意見もある。
なお、ラストで52号のモノローグとして、彼が49号の記憶を引き継いでいるような描写がある。
What’s happened, happened.
通常、過去に行けるという事は
過去の事実を改変出来ることを意味するが本作はそうではない。
一度確定した事実はどれほど微小な変化も受け付けず、決して覆すことは出来ないのである。
過去に介入した場合も最初からそれは織り込み済みであり、過去から未来において変化する事実は一切存在しない。
任務を終え、世界の終末を回避する事実を確定させた「主人公」。
しかし彼は、今まさに確実な死へ向かわんとする恩人を、ただ涙を流し見送ることしか出来なかった……
謎の侵略生命体スフィアたちから人類を守るために戦ってきたアスカ・シンことウルトラマンダイナと地球圏防衛部隊スーパーGUTS。
ついにスフィアの大ボスである暗黒惑星グランスフィアとの対決の時が来た。
強大な重力とバリアを操るグランスフィアに対し、スーパーGUTSとウルトラマンダイナは協力してバリアを突破。
そしてついにウルトラマンダイナの必殺技ソルジェント光線がグランスフィアのコアを破壊してグランスフィアを倒すことに成功する。
だがグランスフィアは消滅の際に強大な重力異常と時空の歪みを引き起こした。
グランスフィアのコアを撃ち抜くために近くまで接近していたウルトラマンダイナはその時空の歪みから逃れることができずにグランスフィアとともに消滅してしまった。
残されたスーパーGUTSの隊員たちはアスカとウルトラマンダイナの消滅を悲しみつつもその生存を信じ、これからは自分たちの手で人類を守り続けること、そしていつの日か必ず彼に追いつくことを誓うのだった。
そして
その後、アスカの生存が判明。更に次世代の戦士達と共闘する姿が描かれた。
ウルトラマンサーガではかつてのスーパーGUTS隊員達が未だ「アスカに追いつく」ことを目指して奮闘する姿が描かれており、タイガ・ノゾムの生存を伝えるために少しだけ元の世界に立ち寄ったアスカもそんな彼らを尊重し、すぐまた別の次元へと旅立っていった。
なお、小中和哉監督は後に、番組制作当初から「アスカが人間を超えた次の段階に進む」というラストシーンありきで「ウルトラマンへの変身=人間の超進化」として話を組み立てていたことを語り、視聴者から「死んだ」と解釈されたのは完全な誤算だったことを明かしている。
その後しばらくアスカの出演がなかったのも、彼が死んだからではなく、「進化の次のステージに進んだ彼は人間である我々には描けないし、描かない方がいい」という意図があったようだ。
アスカはいまも「ウルトラマンダイナ」として誰かを救うさすらいのヒーローを続けている
商業IPという意味では風来坊キャラの後輩までできたことを考えても、本項で紹介した中では珍しい、
監督たち作った人にとっては(完全なハッピーエンドとは言い難いにしても)視聴者が考えているほどビターエンドではなかったレアケース。
2の最終回、燃えるビルから脱出した相沢すず。
だが彼女は父も母も、盟友となった牧村晴海も、そしてリュウさえも失ってしまう。
彼女に残されたのは、リュウの子のトラのみ。
彼女の人生がこれからも苦難に満ちているであろう事は想像に難くない……
俺の言葉がどれだけ届いているか…きっと殆どの人間には痛くも痒くもないんだろう…
あの事件で世の中が大きく変わったなんてことは全然なくて…まるで何事もなかったように…
魁皇高校3年A組の生徒たちの卒業が間近に迫った3月、突如その3-Aの生徒たちを人質に教室に立てこもり、そこでの一連の様子をSNSで実況中継する担任教師の柊一颯。
一見狂気の沙汰としか思えないこの行動の真意は、半年前に自殺した3-Aの生徒の一人である景山澪奈が、自殺するその時まで彼女のフェイクニュースを間に受けた多数のSNSユーザーの悪質な誹謗中傷に苦しめられいたことを生徒たち、そして世間に知らしめることで、彼ら、彼女らに自分らの浅ましさと愚かさを思い知らせ、同時に「考える」重要さを悟らせるためであった。
立てこもり最終日に柊はこの真意を最大の標的であったSNSユーザーたちにLIVE配信で明かし訴えかけるも、一方の当人らはというとそんな彼の想いを逆撫でするかの如く罵詈雑言のコメントを配信が終わるまで投稿し続ける有様であった。
更に劇中では直接的な描写こそなかったものの、上記の3-Aの生徒の一人である茅野さくらの事件後に病で他界した柊に対して向けた言葉から察するに、事件終結から幾年か経過して尚も、ネットの誹謗中傷は大して改善されていないことが示されている。
これだけ見ると主人公たちがあまりに報われない結末のようにも思えるが、一方で肝心の3-Aの生徒たちは皆柊の教えを真に受け止め其々の将来に向けて前向きに歩んでいることや、ラストの締め括りのシーンで一人の名も無き青年が事件のことを思い出して誹謗中傷を辞めたことなどを踏まえると、十分救いがあるようにも捉えられる。
そもそも相手が不特定多数のネットユーザーであることを鑑みると、寧ろその全てが柊の行動を通して改心するなどリアル目線から見て不自然に映るし、実際そのリアルでもインターネットの問題が取り糺されるようになって尚も未だそれが改善したとは言い難い現状を見るに、この結末はある意味妥当だったと言えるだろう。
崩壊していく秩序。殺し合う隣人。これは決して空想ではない。
AIの暴走事件を追うマリコは、容疑者の男とその妹と出会う。
兄の容疑が晴れて一安心、かと思われた矢先、兄が何者かに殺害されてしまった。
残された妹の悲痛な叫びを聞いたマリコは、全てのキャリアと将来と引き換えに日本では禁止されているDNAフェノタイピングを行う決意をした。
事件が解決した後マリコは科捜研に辞表を出し、アメリカへと去っていった。
このドラマがビターエンドたる所以はマリコが科捜研を辞めた点、ではない。
マリコがキャリアと同時に科捜研の仲間の信頼も捨ててしまった所がビターエンドなのである。
実際日野和正は「なぜ相談してくれなかった」と悔しさをにじませ「俺はマリコ君を許さない」と言い切った。
ネット上では「後味が悪い」という感想もちらほら。