登録日:2010/12/20(月) 00:27:32
更新日:2025/04/13 Sun 11:39:37
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“教団(CULT)”はゲーム
『サイレントヒル』シリーズ、及びその関連作品に登場して来る架空の組織、団体である。
最初にその存在が仄めかされたのは初代『
サイレントヒル』で、当初は土着の信仰に端を発する魔女信仰や、悪魔崇拝の様な小規模で行われる、
ゲームを彩るオカルト的な装飾の一つでしか無かった。
続く『
サイレントヒル2』でも土着の信仰や、サイレントヒルと云う土地その物の神秘がテーマとはなっていたが「信仰」その物や組織としての宗教団体は登場しておらず、初期シリーズに於ては決して重要な要素とは言え無かった。
しかし、続く『
サイレントヒル3』を『1』の続編として製作するにあたり詳細な設定が作られると共に、ほぼ設定が完成され、『
サイレントヒル4 ザ・ルーム』に於て『3』での設定を踏まえて実際にそれを補完する描写をする事によって、完全に定着する事となった。
【概要】
入植が始まる以前より神聖な地として崇められ、奇跡を起こす地であったサイレントヒルに根付く存在≠崇めるアニミズム的な思想やドルイド的な魔術の知識が、入植者達の持ち込んだ
キリスト教の影響を受けて体系化された存在である。
尤も、以前には『1』に登場したダリア・ギレスピーの様な魔女が教団の実力者として存在していた事実からも判る様に、以前は魔術を信奉する人間による正にカルト的な秘密結社としての意味合いが強い存在だった様である。
しかし、狭い世界であっても次の世代、次の世代へと引き継がれて行く中で教義の体系や組織としての体裁が整えられて行き、『3』の時点では若き司祭ヴィンセントの手腕により組織は拡大…。
その強引な手段や教団を金儲けの道具にしているとして一部の信者より批判を受けたりしているも、相当の規模にまで成長している様である。
尚、「教団」は表向きにはキリスト教系の組織であるとの主張をしている様である。
世間へのカモフラージュである事は勿論、その魔術的な性格からキリスト教徒により迫害された歴史がある事に由来すると思われる(後述)。
【組織体系】
大きく分けて三派に分類される。
一般的な宗教の様な教義、思想による分類…と云う以上に直接的な「奇跡」を得る為の方法=魔術論に基づく分類となっている様だ。
※以下の名称が決定したのは『4』より。
【聖女派】
選ばれた聖女に「神」を宿し「神」をこの世に復活させる事を目的とする。
■主な関連人物
■ダリア・ギレスピー
『1』にて登場した魔女。
“聖アレッサ”の母。
自身の娘を母体に「神」を宿す奇跡を起こした。
この世の救済を謳ってはいたが、その真意は利己的なものであったとも言われる。
■レナード・ウルフ
“聖女派”に属する狂信者。
『3』にて登場するが……。
■クローディア・ウルフ
レナードの娘。
『3』の時代には教団の実権を握るまでとなっていた魔女。
幼少期より教団の教えに染まっていた為に本気で「神」と「神を宿した聖女」の力による救済が齎されると信じていた。
アレッサとは幼馴染であり、そのことが余計に“聖女派”の信仰にのめり込むきっかけとなっていたようだ。
【聖母派】
「21の秘跡」によって「聖母」を降臨させる事を目的とする。
■主な関連人物
■ウォルター・サリバン
「21の秘跡」の実践を行った魔術師。
『2』にてロケイン兄妹を惨殺した殺人犯として新聞記事にて言及された後に『4』にて黒幕として登場。
元々は教団に拾われただけの身寄りのない赤子であったが、孤児院「希望の家」にて「21の秘跡」の存在を知り、急速に魔術師としての素養を開花させた。
しかし、特殊な境遇から彼が「21の秘跡」で目指していたものは教団(聖母派)の教えと完璧に合致するものではなかったとも言われる。
■トビー・アーチボルド
【ヴァルティエル派】
「神」の監視者にして偉大なる従者たる天使ヴァルティエルを崇拝する。
……上記の二派に比べると活動内容には謎が多い。
■主な関連人物
■ジミー・ストーン(赤い悪魔)
“ヴァルティエル派”の司祭。
敵対していた“聖母派”の魔術師ウォルター・サリバンに「21の秘跡」の標的とされて殺害される。
ウォルターに対して、何かしらの魔術的な働きかけをしていたとも噂される。
■ジョージ・ロステン
■三角頭
『2』に登場した特殊クリーチャーではなく、そのイメージの大元となった、かつてサイレントヒルで行われていた奇妙な角錐型の兜と天使ヴァルティエルに肖った衣を纏った死刑執行人達のこと。
ここから、ヴァルティエル派がかつての民間信仰に於ける祭祀を取り仕切っていたことが解る。
“聖女派”と“聖母派”の信仰にかなり新しい時代の考え方も混ざっていることを考えると“ヴァルティエル派”こそが本来の信仰に近い派閥だったのだろうか?
上記の内、ジミー・ストーン、ジョージ・ロステン、トビー・アーチボルドは『4』に於てウォルター・サリバンが行った「21の秘跡」の犠牲者である。
ウォルターが「21の秘跡」の術者=「聖母派」と思われる事から敵対派閥の人間を狙ったとも考えられるが詳細は不明である。
ゲーム中での行動から、ダリア・ギレスピーとクローディア・ウルフ(恐らくはヴィンセントも)は「聖母派」の人間と思われるが、前述の様にゲームに登場した時点では、この設定は登場していない為、あくまで参考程度とされたし。
事実、『3』では「教団」が現在の様な体制となったのはクローディアやヴィンセントの世代となってからと云う設定が存在する事と、ダリアやヴィンセントの目的は「神」や「教団」の私物化であった為に教義からは矛盾している。
前述のように「三角頭」はヴァルティエル派の教義の中に含まれる存在ではあるが、シンボルとしてヴァルティエルの姿を借りたと云う意味であって、ゲーム中に登場して来る「三角頭」が「ヴァルティエル派」の支配下にあると云う意味では無い。
ゲーム中に登場した「三角頭」は「教団」とは関係の無い、個人の無意識が生み出した存在であるし、『2』以降のシリーズに登場する「三角頭」をモチーフとする存在は映画版『サイレントヒル』での「三角頭」のイメージを元にする為、オリジナル設定からは変化している為である。
【聖人】
※「教団」に於ける信仰対象として三人の聖人が『3』の劇中で紹介されている。
《聖アレッサ》
「神」の母にして「神」の娘。
現実に「神」を宿し、「神」を生み出すと云う「奇跡」を起こした存在。
シリーズを通してのシンボルキャラクターである事はプレイした人間ならば言うまでも無い事である。
彼女が「聖人」に認定されている事からも「教団」が近年になって大幅に体系が整えられたと云う事実が判る。
《聖ニコラス》
「奇跡の手」
神に仕える医師。
……詳細不明。
《聖ジェニファー》
死の刃の下にあっても、信仰は揺るがず
『2』の公園に彼女の像が立っており、そこから「教団」の迫害の歴史が窺い知れる。
【関連施設】
■希望の家
ウォルター・サリバンが過ごした孤児院。
運営は4S=Silent Hill Smile Support Society≠ニ云う慈善団体だが、実体は「教団」による洗脳施設である。
■回転水牢
「教団」の所有していた悍ましき矯正施設。
「希望の家」の子供達も多く囚われていた様だ。
尚、ウォルターが幼少の頃には施設は既に老朽化していたようで、結果的に施設の監視員達にも何も出来ない状態で部屋(牢獄)に捕らわれたまま外に出ることが出来ずに死亡してしまった子供達も多く出たという。
【余談】
『3』に於てダグラスのメモとして明かされる情報の中に『1』の主人公、ハリーによる殺人事件の記録が登場して来るが、相手は「教団」関係者であるらしい事が示唆されている。
「希望の家」がゲーム中に登場したのは『4』だが、情報自体は記者ジョセフ・シュライバーのリポートとして『3』の時点で登場している。
尚、ジョセフ・シュライバーは『4』の主人公、ヘンリーの部屋の以前の住人であり、同作中に於て重要な役回りを演じている。
三角頭の影響からか、ヴァルティエルを「処刑人」と記述する書籍もあるが、詳細は不明。
ゲーム中でのヴァルティエルは逆に「輪廻」を司る存在である。
追記、修正は「神」の到来を願った後でお願いします。
- =とか≠を使いすぎ -- (2015-12-29 06:48:24)
- アレッサが不憫すぎる -- 田中 (2016-02-01 20:51:03)
- エェェェェイメェェェェン!!!な某若本神父なら疑いの余地も無く異教徒認定、鏖殺してもいいぐらいのクズ教団 -- 名無しさん (2020-11-13 09:49:53)
- ↑安心してください。主人公(主にヘザー)と内部のゴタゴタのせいで、ほぼ壊滅状態です。 -- 名無しさん (2020-12-02 23:28:54)
- なんか所々文字化けしてるように≠があるな -- 名無しさん (2020-12-02 23:37:39)
- ↑旧wikiからサルベージした時にそうなって直されてないだけ。 -- 名無しさん (2020-12-03 00:15:57)
最終更新:2025年04月13日 11:39