登録日:2011/10/26(水) 03:21:10
更新日:2024/09/29 Sun 13:29:55
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「私と黒きMHが求めるはただひとり!……黒騎士!!」
◇ファティマ・エスト
「エスト(EST)」は永野護の
漫画作品『ファイブスター物語』に登場して来る
ファティマ・ファティス。
そして、物語の象徴たる「
運命の3女神」と並ぶ、同作を代表するヒロインの一人である。
初登場は神話の始まりを告げる「プロローグ」であり、この3960年の戦いにより彼女とMHバッシュ・ザ・ブラックナイトは倒され、星団史上最高のファティマと謳われた彼女の物語は終わりを迎える事となった。
【基本データ】
◇エスト
※モラード・カーバイト制作
B1-A-A-A-B1:F・S型
2A-3A-3A-3A-2A:F・S型
■体型:S型
●品格:F(フローレス)
●戦闘能力:B1(2A)
●MH制御能力:A(3A)
●演算性能:A(3A)
●肉体耐久値:A(3A)
●精神安定性:B1(2A)
※最高品格フローレスを持つ以外は、超級ファティマとしては特に目立たないスペックなのだが、MHバッシュ搭乗時には下記のトンデモスペックにまで跳ね上がる。
バルチック・アカデミー創立以来の
天才ファティママイトと謳われた若き日のDr.モラード・カーバイトが2876年に、当時の星団最高のMHマイトであり、アカデミーの学長でもあったルミラン・クロスビンと共に生み出した、星団史上でも類を見ない能力を持つファティマ。
二人の天才が互いの研究の長所を補完し合うべく試みられた「シンクロナイズド・フラッター」により、MHブラックナイトの専任FFとなるべく誕生させられた。
……既に当時の星団では、ファティマに自分と最も相性の良い騎士を選ばせると最大の力を発揮する……と云うのは常識となっていたのだが、このエストとブラックナイトの登場は、星団に更なるショックを与える事になる。
……ブラックナイト搭乗時のエストの異常なシンクロによるパワーの上昇率……そして、その相乗効果が生み出したMHブラックナイトの驚異的な破壊力は、モラード・カーバイトの名を星団に知らしめ、MHブラックナイトをクロスビンの最高傑作と賞賛させるに充分過ぎるものであったのである。
……しかし、この事が星団に悲劇を呼ぶ事となる。
開発当時より星団中の名だたる騎士の話題を集めていたエストとブラックナイトは、完成直後より彼女と黒きMHを娶らんとする騎士達の醜い争いに巻き込まれる事になり、その争いの場となったバキン・ラカン帝国には無数の騎士の血が流される事になったのである。
……更に、その渦中に開発者の一人であったクロスビンが死去。
かなりの高齢であり、表向きには心労ともされるが、エストを得ようとした者達による謀殺の噂も耐えない。
……この事態を憂慮した聖帝ランダは、
剣聖ハイアラキと剣聖
慧茄にエストの保護と仮のマスターとなる事を依頼。
二人はこれを受け入れ、漸くエストを巡る争いは一旦の落ち着きをみせたのである。
……しかし、自らに与えられた使命に忠実であろうとすエストは、その境遇の中でとんでもない事を聖帝ランダに進言する。
「自力で自分とブラックナイトのマスター」を見つけたい……と。
……この申し出に、心労からアカデミーに帰っていたモラードはエストの精神崩壊を防ぐべく、更なる特殊プログラムを追加する(後述)。
……更に、慧茄の姪であるアトール皇帝ボルサの庇護下に置いた後、遂にエストは星団に解き放たれる事になったのだ。
尚、MHブラックナイトに古のカステポーの女王の名である「バッシュ」が、エストの認めた騎士に「
黒騎士」の称号が与えられる事を決めたのはボルサである。
アトールの巫女たるボルサには、エストが超帝国皇帝イ・ヤーン・バッシュ王女(※炎の女皇帝の直系、剣聖
カイエンの母)の生き写しである事が見えていたのだろうか……?
……そして2885年、遂に放浪のエストはウモス国の剣指南であった老騎士ツーリー・パイドルと出会い彼を「黒騎士」とする。
……2930年、ウモスとクバルカンとの戦争の最中、バッシュはファティマ・静の搭乗する破烈の人形に敗れパイドルが戦死。
……そして、エストと「黒騎士」の物語は、3960年まで続いてゆく。
歴代剣聖を始めとする無数の騎士達と、MHとの出会いを経ながら。
因みに、彼女は3159年にはA.K.D.に所属し
L.E.D.ミラージュと
ヤクト・ミラージュをも駆っている。
……戦闘で得られた記憶の蓄積は、時に与えられたスペック以上の能力を「人」に与える。
それが「神」である
天照帝がエストを畏れた理由であり、彼女を倒す為だけにL.E.D.ミラージュとエストに対抗するべく
Dr.バランシェが生み出したファティマ・ティータを送り込んだ理由であった。
【特殊プログラム】
※エストの持つ特殊プログラムをざっくりと解説する。
●シンクロナイズド・フラッター
※上記参照。
MHバッシュと完全にシンクロする事により、驚異的な戦闘能力の向上を実現させた。
尚、このシステムの成功例は唯一エストとバッシュのみ。
●ファンタム・プログラム
エストの放浪の前にモラードが施した精神制御プログラムで、エストが「黒騎士」に出会うまでは“エスト”としての記憶を封印させ、疑似人格“バーシャ”として行動させると云うもの。
実はバランシェにエストを「突然変異」と言わしめたのはこのプログラムがあったから。
……しかし、後にバランシェは同じプログラムをハルペルに施している。
【歴代黒騎士】
◆初代ツーリー・パイドル
引退していたが、エストとの出会いに復帰を決意した老騎士。
静と破烈の人形に敗れ戦死。
◆二代目ロードス・ドラグーン
本編でもお馴染みの、コーラス王朝の剣指南役も務めた老騎士。
凸助に敗れ死亡。
◆三代目
デコース・ワイズメル
天才的な才能を持ちながらも、能力が高過ぎるが故に疎まれ、その才能を歪んだ方向にしか活かせないと云う皮肉な境遇にいた騎士。
バッハトマ魔法帝国に身を寄せていた際にエストに出会い、面白そうと云う理由から「黒騎士」となる。
◆四代目バントライン・ゴール
詳細は不明。
3200年代の騎士である。
◆五代目グラード・シドミアン
「プロローグ」に登場した最後の黒騎士。
3900年代の騎士であり、コーラス5世に仕える。
クローソーと
ジュノーンを隠した後、ミラージュ騎士カーレル・クリサリスに敗れ戦死。
※老騎士が多いのは、バッシュが安定した技量を持つ騎士を好む為である。
【その他】
前述の様に、エストは剣聖ハイアラキを始め、剣聖慧茄や剣聖カイエン、剣聖マキシ、F.U.ログナー、コーラス2世、大帝クラーケンベール・メヨーヨにDr.ダイアモンド・ニュートラル、レーダー9世……と云った面々の庇護を受けたり、仮のマスターとしている。
彼らは特殊な能力の持ち主の為に「黒騎士」にはなれないが、逆にエストは彼らを通じて様々な知識や剣技を得、
L.E.D.ミラージュやK.O.G.、アシュラ・テンプルにも搭乗している。
……つまりは、これこそが他のファティマとエストが決定的に違う部分……膨大な戦闘蓄積の理由なのであろう。
……何故なら、彼女はファティマの身体能力では使用出来る筈の無い「剣聖剣技」を「見せる」事が出来るのだから。
【使用MH】
■
バッシュ・ザ・ブラックナイト
※詳細は当該項目参照。
星団最高のMHの一つであり、ルミラン・クロスビンの最高傑作と謳われる黒きMH。
『
重戦機エルガイム』に登場した「バッシュ」の意匠を汲む『FSS』の根底にあるデザインの一つ。
※この他、多数の「おっとろしいレベル」のMH。
【余談】
作者のお気に入りのキャラクターであり、オマケ漫画『がんばれエスト』の主人公も務める。
核となるキャラクターの為か、イラストも非常に多く、足首の綺麗さは星団最強(※
F.U.ログナー語る)。
私と黒き項目が望むはただひとり!……知識のあるアニヲタ!!
- デコース・ワイズメルは安定性の理由から三代目黒騎士襲名まではエトラムルを好んでいたらしいけれど、総じてエストか選ぶ騎士は熟練の騎士のような“騎体に負荷をかけないような優れた技量を培った豊富な経験かそれに匹敵する天性の資質”を求めるのを思うとデコース側は面白半分としてもやっぱ互いに求めるものと得られるものが合致した良縁だったのかなあ -- 名無しさん (2021-12-05 13:53:03)
- ↑あとは単に、生きた人形であるファティマを彼自身が嫌悪していることも理由の一つ。もう一つは劣化ファティマのエトラムル+中古のデヴォンシャを使用しても他の有名ヘッドライナーを圧倒する技量を持っているからでもある。”今のままでもボクちんを負かせる奴なんていねーんだから、わざわざキモイ生き人形なんざいらねー”と言う事。そんな自分をマスターと見定めたのが、デコースには面白くてしょうがなかったのかもね -- 名無しさん (2023-06-20 02:30:01)
最終更新:2024年09月29日 13:29